Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

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転生〜統治(仮題)

転生?

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…忙しい。

早朝の仕込みから閉店まで、そして新メニューの開発。
毎日毎日寝る暇の無い生活。

商売繁盛なのは結構な事。有難いとは思う。
若い頃は金が欲しかったのだから、今の自分は本当に恵まれている。

それ故に思う。

『休みが欲しい』

某三つ星ホテルの総料理長。パティシエとしても有名になった。
このホテルをここまでにしたのは、俺の功績だと言われている。
色々な人から引き抜きの話が来る。もちろん独立も考えた。

だが、考えた瞬間に諦めた。当然だろう。他人に仕込みを任せられなくて
寝る間を惜しんでいるのだから、独立しても変わらない。変わるわけがない。

従業員も沢山いる。弟子みたいに可愛がっているヤツもいる。
だがしかし、弟子ではない。可愛がっているが、弟子であってはならない。
こんな事を言っていたお客様がいた。

『ダメな子ほど可愛い』と。

若い頃は理解出来なかったが、歳をとって納得した。
放っておけないのだ。

結婚して息子でもいれば、こんな気持ちなんだろうなと常々考える。
『コイツがいなかったらもっと楽なんじゃないか?』なんて思う日もある。

でもまぁ、人生なんて、不満がある方がいいと思う。満足してしまったら、
そこで終わるのが俺という人間なのだから。

帰宅途中にそんな事を考えながら歩いていたからなのか、日頃の運動不足からなのか。目の前にトラックが迫っていたのに気付かなかった。
気付いてから逃げようと思ったが、地面が光り輝いていて動けない。

『俺が欲しいのは、こういう休みじゃないんだけどな…』

最初に感じたのは、誰かに抱きかかえられているような感触だった。

「■■■■■■■」

誰かが何かを言っているが、聞いた事の無い言葉だった。
『ガイジンさんに助けられちゃったのか?』なんて思ったが、目が開けられない。
体も上手く動かせない。とりあえず返事だけでもしないと…。

「あー、あー」

『へ?喋れないんですけど…』

まるで自分の体じゃないみたいな感覚だった。当然だよな、トラックに轢かれたんだから。

「■■■■■■■」

『何言ってるか判らねぇよ…。どうしよう?……とりあえず寝るか!』
こうして思考を放棄し、深い眠りについたのだった。

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