Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

文字の大きさ
71 / 258
転生〜統治(仮題)

父親

しおりを挟む
「結局、あの森の魔物は何なの?」
「許可を得られたからといって、軽々に扉を開かせる訳にはいきません。その為、比較的弱い魔物を結界に閉じ込め、ふるいに掛ける事にしたのです。真に扉を開くに値するかどうか確認する為に。言うなれば腕試し。それが魔の森の真相です。」

結界ですか・・・何も感じなかったけど、そのうち色々と確かめてみようかな。そうこうしているとティナの様子も落ち着いたようで、その様子を確認したカレンが話題を変えた。

「全てお話する約束でしたので、残りはルークの事ですね?」
「そうそう。神皇子って何なの?」
「ふふふっ。ナディア?今から説明しますから、少し落ち着いて下さいね?」


ルークの称号ですが、正直私もどうかと思っています。神に王や皇帝といった概念はありませんから。

ルークのお父様は我々の頂点に立つお方です。私は幼い頃から可愛がって頂きましたが、お父様に関しては、基本どの世界にも干渉はしません。ルークが危険な目にあっても、手出しする事は無いでしょう。ですが、ルークが死ぬような事になれば、きっとこの世界など一瞬で消されてしまうはずです。

この世界を見捨てた神々にお咎め等はありませんでしたが、唯一残った私は、『ルークの婚約者』という特別な褒美を賜りました。ですが、これは喜んでばかりもいられません。ルークを狙っている女神達は、考えているよりも多いそうです。

他の世界への干渉は堅く禁止されているのですが、ルークを手に入れる為ならば、規則を破る女神が出て来てもおかしくはないのです。警戒する必要は無いでしょうが、気に留めておく必要はあるでしょうね。

ルークのお母様に関しては・・・申し訳ありませんが、私も知らないのです。私はずっとこの世界にいましたから。一応他の世界の神々にも訪ねた事はありますが、情報を持つ者は皆無でした。下手に詮索する事も出来ませんので、ルークが直接尋ねる以外に方法は無いでしょう。

「さて、これで終わりますが、質問はありますか?」
「何を質問すれば良いのか、思いつきません。」
「スフィアが無いのなら、私が聞くわ。他の世界って?そして、女神達って?」
「そうですね・・・ここは、木々の豊かな世界です。故にフォレスタニアと呼ばれています。他にも、水の『マリンピア』、風の『ウィンディア』、変わり所では・・・住人以外の全てが巨大な『グランディア』という世界もあります。本当に多種多様なんですよ?」

グランディアは楽しそうだな。ジャックと豆の木を体感出来る世界か。いつか行ってみたいと思う。

「女神達については、私も全員は知りません。私が戦闘特化であるように、恋愛であったり、舞踏や宝石等、こちらも多岐に渡る分野に特化した神がいます。神である以上、ある程度の戦力にはなりますが、私ほどではないのです。逆に私が他の世界に行った場合、役に立たない可能性もあります。万能な神は、ルークのお父様くらいです。・・・ナディアは、女神達がルークを狙う理由を知りたいのですよね?」
「そうね。理由が思い当たらないもの。」
「神とは言えど、万能ではありません。滅びた世界も数えきれない程です。そして世界が滅びる前に、神達は他の世界に移るのですが・・・移動先で生き残る事が出来ない場合も当然あります。そうならない為に、万能な神と行動を共にしたいと考えるのは、どんな生命でも当然の事だと思いませんか?」

それは、旦那に家事や育児を任せて、お菓子を食いながらテレビを観る嫁の構図じゃないか?神って一体・・・あ、男の神は面倒臭がりが多いって言ってたけど、女神も同じなのか!

「あの、ルークが万能という根拠は何ですか?まだ覚醒もしてないんですよね?」
「シェリーの指摘は鋭いですね。きちんと根拠はありますよ?神の力は、子に受け継がれるのです。お母様の事はわかりませんが、お父様は万能です。ですから、その半分でも受け継がれていれば充分万能なのです。ですから、覚醒していなくとも特に問題は無い、という事です。」

なるほど、それは納得だ。しかし、今まで聞かなかったけど、覚醒って何だ?

「さっきから覚醒って言ってるけど、結局覚醒するとどうなるの?髪の色が変わったりとかする?」
「見た目に変化はありません。具体的には、魔力ではなく神力を扱えるようになりますね。それと、神が個々に保有する特殊技能が使えるようになります。」
「特殊技能?何それ???」
「大抵の神がある分野に特化していると言いましたが、これはその特殊技能によるものです。全ての神が2つ以上持っているのですが、ルークの場合は覚醒してみないとわかりませんね。」
「カレンは何なの?」
「私は、身体能力を飛躍的に向上する事が出来ます。それ故の『戦闘特化』なのです。他の技能は秘密です。あまり手の内を明かす訳にはいきませんからね。」

やむを得ない状況で味方同士が戦う状況になったら、手の内を知られてるのは不利だもんな。秘密の1つや2つ、誰だって持ってるだろう。

「完全覚醒は、いつするのかわかりません。明日かもしれませんし、数千年後あるいは数万年後・・・。今考えても仕方のない事ですよ。」
「そうか・・・まぁ、わかった。長々とありがとう、カレン。何だかお腹も空いてきたし、何か作ろうか?カレンは何か食べたい物とかある?」
「でしたらクレープでしたか?あれをまた食べてみたいです!!」
「「「「「「「「「何それ!?」」」」」」」」」」

クレープかよ。ティナがいるから出来れば他の・・・と思っていたら、皆がジト目でオレを見ている。カレンと2人きりの時に作ってあげてから、1度も作っていなかった。これ、非常にマズイ状況では?ティナが生地を焼くよりも早く食べ終えるのは目に見えている。数十個、あるいは100個単位でおかわりされると困るのだ。延々と焼き続ける未来しか見えない。

「カレン!?一体いつ食べたの?」
「ルークと初めて会った時に・・・あら?言わない方が良かったでしょうか?」
「ルーク?どうしてカレンだけなのかしら?」
「ナディア、いや、ティナがいるからそれ「どういう意味でしょうか?」あ、しまった!」

思わず口が滑ってしまい、ティナに襟を掴まれた!最早逃げられない状況である。結局オレは『嫁さんは全員平等』と言われ、皆が満足するまでクレープを作り続ける事になったのである。

言い訳すると、チョコレートが手に入ったら皆に作ってあげようと思ってたんだからね?決して「生地が簡単に作れるから、沢山おかわりしても大丈夫ですね?」ってティナに言われると思った訳じゃないからね?

予想通り言われましたけど・・・。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

ハーレムキング

チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。  効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。  日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。    青年は今日も女の子を口説き回る。 「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」 「変な人!」 ※2025/6/6 完結。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方

tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。 しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。 追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが? どうなる俺の田舎でのスローライフ???

処理中です...