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動乱の幕開け
商人との取引
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とりあえずはルビアとスフィアに、神気というものについて説明しようと思ったのだが、どちらも仕事があるとの理由から翌日以降という話になった。いくら自分の嫁と言っても政治のトップ。気軽に予定を変更する事など出来ない。しかし本来であればルークは皇帝である。その立場上出来なくはないのだが、やる訳にはいかない。分刻みのスケジュールを、その場の思いつきで変更しようものならさぁ大変。その皺寄せは多くの部下達にまで及ぶ。
その苦情はトップの手前まで上げられる事だろう。すなわち嫁達である。忙しさで余裕の無い嫁さんにとって、そんなものはストレスでしかない。それが旦那のせいとなれば、はけ口は当然旦那である。愚痴を聞かされるのであればまだいい。ルークにとって問題なのは、仕事を投げ出された時である。正しくは、本来あるべき形に戻った時だろうか。
すなわち、皇帝の仕事は皇帝がするという状況である。何を当たり前の事を言っているのかと思うかもしれないが、考えてみればわかるだろう。会社の社長に食堂のおばちゃんを抜擢するようなものだ。指示を出す側も出される側も、その心中は穏やかでないはず。
そんな事をしてほくそ笑む者と言えば、抜擢した者。この場合は嫁・・・スフィアである。それがわかっているからこそ、ルークは「適当に時間とってね?」で済ませる事にしたのである。それに時間も時間。もうすぐ夕飯という事もあって、その日はそこまでであった。
そして翌朝、ルークは嫁達との朝食を済ませて単身ライムへ。拠点の整備を行わなければならない。何の目処も立っていない状況を、どうにかする必要がある。右も左もわからない土地で、出来る事と言えば頼れる人物に聞く事だろう。早朝から商業ギルドへと足を運ぶ事にした。
「おはようござい・・・あっ!」
商業ギルドへ足を踏み入れた途端、突然上げられた大声にビクッとしたルーク。周囲の商人達の誰かが声を上げたのだと考えたが、その商人達の視線は一点に集められていた。その視線を追うと、そこには先程の声の主が佇んでいる。
「アストルさん、昨日は外泊されたようですね?」
「へ?え、えぇ・・・家にはまだ何も無いですから。」
「そう言えばそうでしたね。・・・良かったぁ。」
最後の方は小声で聞き取れなかった。というのもあるが、それよりも外泊している事を何故知っているのか?という疑問で頭がいっぱいのルークである。そんなルークの様子に、周囲の商人達は哀れみの視線を向ける。
「「「「「(次の犠牲者か・・・可哀想に)」」」」」
ベテラン商人達で、レイチェルと犠牲者について知らぬ者はいない。ライム魔導大国の王都で長く商売を続けるコツは、若く有望な跡取り候補を商業ギルドに近づけない事と言われている。それを知らない外から来た商人等が被害者となり得るのだが、王都を訪れて向かう先が商業ギルドなのだから、アドバイスのしようがない。
ある意味でレイチェルは、捕食者として最高の住処を確保していたのである。商人達も狙われたら終わりだと心得ていた。故にルークは、商人達からこれまでにない程の施しを受ける事となる。要は、恵まれない子供に愛の手を、というヤツであった。
「それで、内装工事や調理道具を取り扱っている職人さんを紹介して頂きたいのですが・・・。」
「そうですか!でしたら私が案内「「「「「それなら私達が!!」」」」」・・・え?」
職人の下へと案内しようとしたレイチェルの企み、ゲフン・・・気遣いに気がついた商人達が声を上げた。まさかの展開に、レイチェルは思わず聞き返してしまう。その隙をついて、商人達はルークを個室へと連れ込むのだった。
「君!大丈夫か!?」
「え?何がです?」
「彼女に何かされてるだろう?」
詰め寄って来る商人達の圧力に、ルークはタジタジとなる。言われている言葉の意味も理解出来ないのだから当然だろう。とりあえず全員を落ち着かせて事情を聞く。その説明を聞くに従い、ルークの顔色は暗いものへと変化して行くのだった。
「(それってストーカーじゃねぇか・・・危なっ!いや、狙われた時点でアウトか!!) 事情はわかりました。幸いというべきか、私は昨日王都に着いたばかりですので今の所は大丈夫です。」
「「「「「そうかぁ!!」」」」」
商人達が安堵の笑みを浮かべるが、まだ安心は出来ない。要はこれからというだけの話である。
「とりあえずレイチェルさんとは距離を置く事にします。でも困ったなぁ・・・。」
「そう言えば内装とか調理器具と言っていたね?」
「はい。この近くに料理屋を出そうと思ったのですが、まだ建物しか用意出来ていないんですよね。」
「そういう事であれば、我々が力になろう。勿論商業ギルドに知られないようにね。」
事情を話すと、ダンディな叔父様達がニヤリと笑みを浮かた。「越後屋、お主も悪よのぅ」とでも言えばいいのだろうか。いや、そもそも悪い事はしていない。商業ギルドを通す決まりも無いのだから、全く以て問題無いのだ。彼らの笑みは、レイチェルに内緒という意味である。それさえも、赤の他人なのだから悪い笑みを浮かべる必要は無い。これは単にその場の雰囲気というものだろう。
そしてこの状況は、オレにとっても嬉しい誤算である。ギルドに知られずに済むのであれば、調理器具に金を掛ける事が出来るのだ。怪しまれる事無く。自分で作る事も考えたのだが、武器とは違って鍛冶に費やす時間が勿体無いのだ。
世界一の鍛冶師が技術の粋を集めて作り上げたアダマンタイトのフライパン。そんな物を欲しがる料理人はまずいない。時間と金の無駄である。腕の良い職人が作った丈夫なフライパンならば需要はあるだろう。
包丁だって同じだ。ランドルフさんが何日も掛けて仕上げた包丁である必要は無い。別に生きたドラゴンを3枚におろす訳でもないのだ。そんなのは武器に必要なのであって、料理人に必要なわけではない。
何を言いたいのかというと、この世界には数種類の鍋と大小様々なナイフしか存在しないという事だ。専用のフライパンや包丁は無い。腕の良い料理人がアイディアを出して注文した器具は存在するのだが、一般には出回っていない。だから今回、商人にアイディアを渡して調理器具を作って貰おうと考えている。
自分で鍛冶師に話を通しても良いのだが、それだと変に勘ぐられる可能性がある。であれば、最初から秘密を守る商人を通した方が安心なのだ。自分達に利益を齎す存在を奪われない為に、必死になるのだから。
ちなみに、オレが一番困ったのが泡立て器。かき混ぜるといったら、棒か手なのだから。それ故、手の混んだ料理やお菓子が少ない。オレが嫁さん達の胃袋を鷲掴みにしたのも当然である。
そしてオレが自作した調理器具は、城の厨房に置いて来た。さすらいの料理人が夫では、奥さんも困ってしまうだろう。そう思って城の料理人を指導したのだが、彼らはオレ作の調理器具が手放せなくなってしまった。そんな事で亭主不在が許可されるのであれば、喜んで差し出すのがオレである。オレ専用の器具一式はしっかり保管してあるのだが、他国に置いておく勇気は無い。よって不自然でないよう、この拠点用に準備する必要があるのだ。
話は逸れたがオレは紙に絵と文章を書いて数時間、商人にみっちり説明した。しかし、料理をしない彼らにはいまいちピンと来なかったようだ。
「随分と種類があるのですね?本当に売れるのですか?」
「まずは数点ずつ作って頂いて、知り合いの料理人に試してもらうのがいいでしょうね。その時は実際に使い方を教えますから。」
「そういう事であれば、我々が手分けして担当しましょう。」
不安そうな商人達だが、オレの言葉で少しは安心したようだ。種類も多いので、分担する事で商売に失敗した時のリスクが緩和されるのも大きいだろう。かなり時間が掛かったが、次は内装である。こちらは小さな料理屋を考えていたが、今の所オレ1人という事もあって断念した。下手にこの国の人を雇う訳にもいかない。何処からオレの正体がバレるかわからない為だ。帝国から人を連れて来る事も考えたのだが、スフィアに相談したら「人手不足です」と一蹴されたのだから諦めるしかない。
そこで考えたのが、ショーウィンドウ越しの対面販売である。商品をガラスケースに陳列する、言わばケーキ屋と言えば想像しやすいだろうか。色々な意味で、この世界では初となるだろう。お菓子と言えばクッキー、食べると言えば大衆食堂しかない世界。そんな世界に、持ち帰り専門店が出来るとなれば驚きである。
「間取りと外観はこのように考えているのですが・・・」
「ほぉほぉ。しかしお上手ですねぇ。これであれば、1週間程で完成するでしょう。」
「では、皆さんにお任せします。これが代金と家の鍵です。足りない場合は教えて下さい。」
ーードン!
机の上に置かれた袋の重さに、商人達の目が釘付けとなる。ふっふっふっ、金貨500枚入ってるからな。驚くのも当然だろう。え?白金貨にしろって?嫌だよ、迫力無いもん。
「これは・・・まさか全部金貨ですか!?」
「はい。中に金貨500枚入ってます。ガラスは高いですけど、これだけあれば足りますよね?」
「「「「「多すぎます!!」」」」」
流石に多すぎたらしい。オレの素人見積もりでも、金貨100枚あれば足りそうだからな。貴重なガラスを大量に使うとは言っても、厚い板ガラスを何枚も使うだけだからそこまでではない。これが大きな1枚ガラスだったり、複雑な形状ならば話は違うかもしれない。しかし臨時店舗なのだから、そこまでこだわる必要は無いだろう。
「折角ですから全額お預かりさせて頂きます。余った代金は、きちんとお返し致しますので。」
「そこは信用してますから大丈夫です。では、1週間・・・8日後の朝に家の前で。」
「「「「「了解しました!」」」」」
帰り際、用意してもらった書類にサインを済ませてこっそりと商業ギルドを後にしたルークであった。その後も商人達の会話は続く。
「こんなにたくさんの料理道具を考えるんだから、何処かの料理見習いかと思ってたんだが・・・」
「即金で金貨500枚を用意するあたり・・・」
「「「「「貴族だよな!!」」」」」
この場にいる商人の中に、客の金を持ち逃げするような者はいない。やましい事は何一つ無い商人達であったが、ルークの素性に想像を膨らませて身震いするのであった。
その苦情はトップの手前まで上げられる事だろう。すなわち嫁達である。忙しさで余裕の無い嫁さんにとって、そんなものはストレスでしかない。それが旦那のせいとなれば、はけ口は当然旦那である。愚痴を聞かされるのであればまだいい。ルークにとって問題なのは、仕事を投げ出された時である。正しくは、本来あるべき形に戻った時だろうか。
すなわち、皇帝の仕事は皇帝がするという状況である。何を当たり前の事を言っているのかと思うかもしれないが、考えてみればわかるだろう。会社の社長に食堂のおばちゃんを抜擢するようなものだ。指示を出す側も出される側も、その心中は穏やかでないはず。
そんな事をしてほくそ笑む者と言えば、抜擢した者。この場合は嫁・・・スフィアである。それがわかっているからこそ、ルークは「適当に時間とってね?」で済ませる事にしたのである。それに時間も時間。もうすぐ夕飯という事もあって、その日はそこまでであった。
そして翌朝、ルークは嫁達との朝食を済ませて単身ライムへ。拠点の整備を行わなければならない。何の目処も立っていない状況を、どうにかする必要がある。右も左もわからない土地で、出来る事と言えば頼れる人物に聞く事だろう。早朝から商業ギルドへと足を運ぶ事にした。
「おはようござい・・・あっ!」
商業ギルドへ足を踏み入れた途端、突然上げられた大声にビクッとしたルーク。周囲の商人達の誰かが声を上げたのだと考えたが、その商人達の視線は一点に集められていた。その視線を追うと、そこには先程の声の主が佇んでいる。
「アストルさん、昨日は外泊されたようですね?」
「へ?え、えぇ・・・家にはまだ何も無いですから。」
「そう言えばそうでしたね。・・・良かったぁ。」
最後の方は小声で聞き取れなかった。というのもあるが、それよりも外泊している事を何故知っているのか?という疑問で頭がいっぱいのルークである。そんなルークの様子に、周囲の商人達は哀れみの視線を向ける。
「「「「「(次の犠牲者か・・・可哀想に)」」」」」
ベテラン商人達で、レイチェルと犠牲者について知らぬ者はいない。ライム魔導大国の王都で長く商売を続けるコツは、若く有望な跡取り候補を商業ギルドに近づけない事と言われている。それを知らない外から来た商人等が被害者となり得るのだが、王都を訪れて向かう先が商業ギルドなのだから、アドバイスのしようがない。
ある意味でレイチェルは、捕食者として最高の住処を確保していたのである。商人達も狙われたら終わりだと心得ていた。故にルークは、商人達からこれまでにない程の施しを受ける事となる。要は、恵まれない子供に愛の手を、というヤツであった。
「それで、内装工事や調理道具を取り扱っている職人さんを紹介して頂きたいのですが・・・。」
「そうですか!でしたら私が案内「「「「「それなら私達が!!」」」」」・・・え?」
職人の下へと案内しようとしたレイチェルの企み、ゲフン・・・気遣いに気がついた商人達が声を上げた。まさかの展開に、レイチェルは思わず聞き返してしまう。その隙をついて、商人達はルークを個室へと連れ込むのだった。
「君!大丈夫か!?」
「え?何がです?」
「彼女に何かされてるだろう?」
詰め寄って来る商人達の圧力に、ルークはタジタジとなる。言われている言葉の意味も理解出来ないのだから当然だろう。とりあえず全員を落ち着かせて事情を聞く。その説明を聞くに従い、ルークの顔色は暗いものへと変化して行くのだった。
「(それってストーカーじゃねぇか・・・危なっ!いや、狙われた時点でアウトか!!) 事情はわかりました。幸いというべきか、私は昨日王都に着いたばかりですので今の所は大丈夫です。」
「「「「「そうかぁ!!」」」」」
商人達が安堵の笑みを浮かべるが、まだ安心は出来ない。要はこれからというだけの話である。
「とりあえずレイチェルさんとは距離を置く事にします。でも困ったなぁ・・・。」
「そう言えば内装とか調理器具と言っていたね?」
「はい。この近くに料理屋を出そうと思ったのですが、まだ建物しか用意出来ていないんですよね。」
「そういう事であれば、我々が力になろう。勿論商業ギルドに知られないようにね。」
事情を話すと、ダンディな叔父様達がニヤリと笑みを浮かた。「越後屋、お主も悪よのぅ」とでも言えばいいのだろうか。いや、そもそも悪い事はしていない。商業ギルドを通す決まりも無いのだから、全く以て問題無いのだ。彼らの笑みは、レイチェルに内緒という意味である。それさえも、赤の他人なのだから悪い笑みを浮かべる必要は無い。これは単にその場の雰囲気というものだろう。
そしてこの状況は、オレにとっても嬉しい誤算である。ギルドに知られずに済むのであれば、調理器具に金を掛ける事が出来るのだ。怪しまれる事無く。自分で作る事も考えたのだが、武器とは違って鍛冶に費やす時間が勿体無いのだ。
世界一の鍛冶師が技術の粋を集めて作り上げたアダマンタイトのフライパン。そんな物を欲しがる料理人はまずいない。時間と金の無駄である。腕の良い職人が作った丈夫なフライパンならば需要はあるだろう。
包丁だって同じだ。ランドルフさんが何日も掛けて仕上げた包丁である必要は無い。別に生きたドラゴンを3枚におろす訳でもないのだ。そんなのは武器に必要なのであって、料理人に必要なわけではない。
何を言いたいのかというと、この世界には数種類の鍋と大小様々なナイフしか存在しないという事だ。専用のフライパンや包丁は無い。腕の良い料理人がアイディアを出して注文した器具は存在するのだが、一般には出回っていない。だから今回、商人にアイディアを渡して調理器具を作って貰おうと考えている。
自分で鍛冶師に話を通しても良いのだが、それだと変に勘ぐられる可能性がある。であれば、最初から秘密を守る商人を通した方が安心なのだ。自分達に利益を齎す存在を奪われない為に、必死になるのだから。
ちなみに、オレが一番困ったのが泡立て器。かき混ぜるといったら、棒か手なのだから。それ故、手の混んだ料理やお菓子が少ない。オレが嫁さん達の胃袋を鷲掴みにしたのも当然である。
そしてオレが自作した調理器具は、城の厨房に置いて来た。さすらいの料理人が夫では、奥さんも困ってしまうだろう。そう思って城の料理人を指導したのだが、彼らはオレ作の調理器具が手放せなくなってしまった。そんな事で亭主不在が許可されるのであれば、喜んで差し出すのがオレである。オレ専用の器具一式はしっかり保管してあるのだが、他国に置いておく勇気は無い。よって不自然でないよう、この拠点用に準備する必要があるのだ。
話は逸れたがオレは紙に絵と文章を書いて数時間、商人にみっちり説明した。しかし、料理をしない彼らにはいまいちピンと来なかったようだ。
「随分と種類があるのですね?本当に売れるのですか?」
「まずは数点ずつ作って頂いて、知り合いの料理人に試してもらうのがいいでしょうね。その時は実際に使い方を教えますから。」
「そういう事であれば、我々が手分けして担当しましょう。」
不安そうな商人達だが、オレの言葉で少しは安心したようだ。種類も多いので、分担する事で商売に失敗した時のリスクが緩和されるのも大きいだろう。かなり時間が掛かったが、次は内装である。こちらは小さな料理屋を考えていたが、今の所オレ1人という事もあって断念した。下手にこの国の人を雇う訳にもいかない。何処からオレの正体がバレるかわからない為だ。帝国から人を連れて来る事も考えたのだが、スフィアに相談したら「人手不足です」と一蹴されたのだから諦めるしかない。
そこで考えたのが、ショーウィンドウ越しの対面販売である。商品をガラスケースに陳列する、言わばケーキ屋と言えば想像しやすいだろうか。色々な意味で、この世界では初となるだろう。お菓子と言えばクッキー、食べると言えば大衆食堂しかない世界。そんな世界に、持ち帰り専門店が出来るとなれば驚きである。
「間取りと外観はこのように考えているのですが・・・」
「ほぉほぉ。しかしお上手ですねぇ。これであれば、1週間程で完成するでしょう。」
「では、皆さんにお任せします。これが代金と家の鍵です。足りない場合は教えて下さい。」
ーードン!
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「これは・・・まさか全部金貨ですか!?」
「はい。中に金貨500枚入ってます。ガラスは高いですけど、これだけあれば足りますよね?」
「「「「「多すぎます!!」」」」」
流石に多すぎたらしい。オレの素人見積もりでも、金貨100枚あれば足りそうだからな。貴重なガラスを大量に使うとは言っても、厚い板ガラスを何枚も使うだけだからそこまでではない。これが大きな1枚ガラスだったり、複雑な形状ならば話は違うかもしれない。しかし臨時店舗なのだから、そこまでこだわる必要は無いだろう。
「折角ですから全額お預かりさせて頂きます。余った代金は、きちんとお返し致しますので。」
「そこは信用してますから大丈夫です。では、1週間・・・8日後の朝に家の前で。」
「「「「「了解しました!」」」」」
帰り際、用意してもらった書類にサインを済ませてこっそりと商業ギルドを後にしたルークであった。その後も商人達の会話は続く。
「こんなにたくさんの料理道具を考えるんだから、何処かの料理見習いかと思ってたんだが・・・」
「即金で金貨500枚を用意するあたり・・・」
「「「「「貴族だよな!!」」」」」
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