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動乱の幕開け
ナディアの帰還
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ある程度の距離まで追い掛けたフリをして、ルークは空中で停止する。アクアの事はナディア達に任せ、一先ず帝都に帰還する事にしたのである。あくまで『追い払った』という形を取る必要がある。追い掛けてトドメを刺しました、ではアクア達が再び姿を現した際に不都合となるからだ。
迷いの森を深く進んだ地点の上空という事もあって、ルークの姿を捉える者はいない。このまま城へと転移しても良かったのだが、先に上げた理由からルークの姿を民衆に晒しておく必要もあって城へと引き返す事となった。そこそこの速度で飛行する事で、その目的を達成する。
城へと戻ったルークの下へ、スフィア達が駆け付ける。
「おかえりなさい!」
「あぁ、ただいま。オレはまたルビアの所へ戻るから、ナディアの事は任せるよ。」
「え?ナディアさん・・・ですか?」
残念な事に、ナディアの姿を捉えられたのはルークだけである。スフィアの反応からその事に気付いたルークは、簡単に説明する事にした。
「2匹目の竜が現れたでしょ?」
「え?えぇ・・・」
「その背にナディアが乗ってたんだ。」
「・・・は?」
帝都へと攻め込んで来たと思われる巨竜。旦那が言うには、新手の背中に嫁仲間が乗っている。全く以て意味不明な事実に、如何なスフィアであっても理解不能であった。
「その反応は理解出来るけど、残念ながらオレにも事情はわからない。とにかくナディアが帰って来ると思うから、話を聞いといてよ?」
「わかりました。いえ、よくわかりませんけど・・・。」
唖然としているスフィアに苦笑しながら、ルークはルビアの下へと転移する。これ以上の問答は不毛だろう。憶測を重ねるよりも、本人に直接聞いた方が早いのだから。
その頃、当のナディア達は・・・
「お主はバカなのか!?」
「お前はアホか!?」
「・・・・・」
「ちょっと貴女達!まずはこの、魔物の群れを、何とかしなさい、よっ!!」
人の姿に戻ったアクアを、同じく人の姿に戻ったエアとアースが叱り付ける。その様子だけならば呆れるのみなのだが、近くにいたナディアはそれどころではない。
現在いる場所は迷いの森の奥深く、その地上である。かなりレベルアップしたナディアではあるが、楽にあしらう事は出来ない。近接戦闘主体である以上、数の暴力には弱い面がある。常に一撃必殺が出来れば余裕も生まれるのだが、まだそこまでの実力はないのだ。
「確かに騒がしいか・・・どれ。」
ナディアの様子を伺ったアースが呟きと共に、大量の石礫を放つ。激しく動き回るナディアを綺麗に避け、自分達を取り囲む魔物を一掃してしまった。その光景にナディアは息を飲む。
1発も外す事なく、貫通する事もないソレは、全て魔物の体内で止まった事を意味していた。周囲の木々への影響を考えた攻撃。適当に放たれたようにしか見えない攻撃だが、その1つ1つが絶妙なコントロールだったのだ。
魔物の種類も距離もバラバラだったというのに、である。当然魔物によって皮膚の硬さは違う。同じ威力であっても、距離によっては皮膚を貫けないし貫通する事もある。
事実ルークの戦闘における魔法であっても、基本的には周囲に影響を及ぼしていた。仕留めなければ危険である以上、無駄に手加減する事は無い。複数の魔法を用いる場合、その全てが同じ威力なのだ。それも確実に相手にダメージを与えられる威力に揃えられる。
それはルークに限った話ではない。そこまで絶妙に威力を調整する必要が無い。いや、無かったのだ。大抵の場合、戦闘が終われば休息を取るか引き返す。そうである以上、細かい魔力量の調整は精神的な疲労を招き兼ねないのだ。
終わりの見えない戦闘を見越した者、経験した者にしか出来ない闘い方と言えよう。それに気付いたからこそ、ナディアにとっては実に衝撃的だった。常にそれを意識しているからこその芸当。一切の油断が無い。アクアやエアに少しだけ見られる甘さが、アースには一切見られないのだ。
クリスタルドラゴンの一件で戦闘寄りの思考となったナディアがアースの戦闘を考察している内に竜王達の話は纏まったらしく、3人がナディアの下に歩み寄る。
「それでは行くとするかのぉ。」
「・・・勿論歩きよね?」
「面倒だが、それしかないだろうな。」
全員がアクアに冷ややかな視線を浴びせながら呟く。攻められているアクアは無言で小さくなる。のんびりとした足取りで、1人と3匹は帝都へ向けて歩き出した。大量の魔物をあしらいながら。
その頃の帝都地下では・・・
「あ!おかえりなさい!!どうだったの?」
「ただいま。巨大な竜達だった。あとナディア。」
「巨大な・・・竜とナディア?」
その区切り方はナディアも巨大になると思ったルークだが、確かに巨大だなと思って口を噤む。その様子に、半目となったルビアが口を開く。
「・・・何を考えているのかしら?」
「いや、ルビアも大き・・・じゃなくて、何だったのかと思って。」
「何を言ってるのよ!」
「いたっ!!」
スパーンという心地良い音と共に、ルークが悲鳴を上げる。ルビアの華麗な平手がルークの後頭部を直撃したのである。頭を擦りながら、ルークが詳細を説明する。
「・・・ナディアが探しに向かった古代竜、もしくは竜王じゃないかしら?」
「あぁ・・・それなら納得だな。」
ルビアの予想にルークが同意する。それ程の強さだったのだから、寧ろそうであって欲しいという願望を込めて。あれ以上の存在がいるとなれば、本格的にカレンの件をどうにかしてカレンを投入せざるを得ないのだから。
「とにかく城へ戻ろう。ナディアが帰って来るだろうから。」
「そうね。スフィアも大慌てでしょうから、私はそっちの対応に回るわ。」
「それが聞いてくれよ!スフィアってば、メチャメチャ慌ててんだよ。可笑しくてさぁ・・・」
ドライアドとドワーフ達に声を掛ける為、歩きながら城での出来事をルビアに説明するルークであった。後日、一切を知らぬ存ぜぬで貫き通したルビアなのは言うまでも無い。
ルーク達が城へ戻って数時間後、ナディア一行が帰還した事を告げられる。ナディア達が待つ部屋へと案内されたルークと嫁達が入室すると同時、いつの間にか戻っていたカレンが背後から声を上げた。
「おや?竜王・・・ですか。珍しいですね。」
「「「「「カレン(様)!?」」」」」
「「「戦女神!?」」」
カレンに気付いた全員が声を上げる。そんな事はお構い無しのカレンが、状況説明を求める。戸惑った様子の竜王達を尻目に、1人冷静なナディアが説明を行った。
「・・・そうですか。」
「何か知ってるの?」
「いいえ、何も。」
(((((ズルっ!)))))
ナディアの問い掛けに、期待はずれの回答をしたカレン。一瞬期待した全員が盛大にコケる。すぐさまツッコミを入れようとした面々であったが、その後黙り込んだカレンの様子に諦めた。
「う~ん、それより今はそっちの竜王達だな。どうするつもりだ?」
「どうするとは、どういう意味じゃ?」
「ナディアと行動を共にするって事だよな?」
「そうだ。気に入ったからな。」
ルークの質問に、エアとアースが答える。若干アースの答えが気に掛かるルークは、思わず脱線してしまう。
「言っとくがナディアはオレの嫁だぞ?」
「そんな事は知っている。それにそういう意味じゃない。」
「そうか・・・エミリア、3人に部屋を用意して貰える?」
「え?えぇ、畏まりました。」
アースの答えを聞き、そのままエミリアに客として扱うよう告げる。一瞬戸惑いながらも、すぐに部屋を後にするエミリアを見送りスフィアが口を挟む。
「良いのですか?」
「いいんじゃないか?何かあったらナディアに責任を取って貰えば。」
「私の客人だもの。任せて頂戴。」
「(最終的な責任は夫であるルークになるのですが・・・ルークは理解しているようですね) ルークとナディアさんが良いのでしたらそうしましょう。ではまず・・・今回の騒ぎについての責任を取って頂きましょうか。」
「「え?」」
まさかいきなり責任問題に発展するとは思っていなかったルークとナディアが揃って声を上げる。戸惑う2人を他所に、スフィアが被害を纏めて報告する。
「今回の騒ぎで、落下した氷塊によって数十件の家屋が半壊しました。既に補償金は支払っておりますので、後程お2人に請求させて頂きます。」
「はぁ!?」
「今回は仲良く折半と言う事で。」
「オレは帝都を守ったんだぞ!?」
「あれはアクアの暴走よ!?」
喧嘩、でもないのだが両成敗といった様子のスフィア。食い下がるルークとナディアであるが、交渉事でスフィアに勝てる訳も無い。
「ナディアさんは先程責任を取るとおっしゃいましたね?」
「うっ!!」
「帝都を守ったとおっしゃいましたが、守り切れていませんよね?」
「ぐっ!!」
「理解が早くて助かります。怪我人も出ず、お金で済むのですから良かったと思って下さい。」
言い返せず黙り込む2人を見ながら、ニヤリと笑みを浮かべるスフィア。そしてすぐにある事実に気付く。
「ところで・・・セラとシェリーはどうしたのですか?」
「え?・・・知らないわよ?」
いずれ合流すると聞いていたナディアだったが、全く連絡を取っていなかった事もあって合流していない。2人が今どうしているのか、それはカレンだけが知っている事であった。
「(そう言えば、お2人をナディアが向かった森の入り口に置いて来たままでした。これは・・・マズイ流れですね。転移!)」
「カレンさ・・・おや?何処へ行ったのです?」
「さっきまでそこに・・・」
簡潔に説明すると、自身へと矛先が向くのを悟ったカレンはセラとシェリーの下に向かったのである。2人に口止めする為に。
キョロキョロと周囲を伺っているルークや嫁達に、一部始終を目にしていたエアが口を開く。
「戦女神ならば、何処かへ行ったようじゃぞ?あれは神のみが使えるという転移かの~?どうなっておるのかの~?不思議じゃの~!」
「「「「「逃げられたぁ!!」」」」」
珍しい物が見られたと陽気なエアとは対象的に、カレンの逃亡を悟った者達の叫び声が城内に響き渡るのであった。
迷いの森を深く進んだ地点の上空という事もあって、ルークの姿を捉える者はいない。このまま城へと転移しても良かったのだが、先に上げた理由からルークの姿を民衆に晒しておく必要もあって城へと引き返す事となった。そこそこの速度で飛行する事で、その目的を達成する。
城へと戻ったルークの下へ、スフィア達が駆け付ける。
「おかえりなさい!」
「あぁ、ただいま。オレはまたルビアの所へ戻るから、ナディアの事は任せるよ。」
「え?ナディアさん・・・ですか?」
残念な事に、ナディアの姿を捉えられたのはルークだけである。スフィアの反応からその事に気付いたルークは、簡単に説明する事にした。
「2匹目の竜が現れたでしょ?」
「え?えぇ・・・」
「その背にナディアが乗ってたんだ。」
「・・・は?」
帝都へと攻め込んで来たと思われる巨竜。旦那が言うには、新手の背中に嫁仲間が乗っている。全く以て意味不明な事実に、如何なスフィアであっても理解不能であった。
「その反応は理解出来るけど、残念ながらオレにも事情はわからない。とにかくナディアが帰って来ると思うから、話を聞いといてよ?」
「わかりました。いえ、よくわかりませんけど・・・。」
唖然としているスフィアに苦笑しながら、ルークはルビアの下へと転移する。これ以上の問答は不毛だろう。憶測を重ねるよりも、本人に直接聞いた方が早いのだから。
その頃、当のナディア達は・・・
「お主はバカなのか!?」
「お前はアホか!?」
「・・・・・」
「ちょっと貴女達!まずはこの、魔物の群れを、何とかしなさい、よっ!!」
人の姿に戻ったアクアを、同じく人の姿に戻ったエアとアースが叱り付ける。その様子だけならば呆れるのみなのだが、近くにいたナディアはそれどころではない。
現在いる場所は迷いの森の奥深く、その地上である。かなりレベルアップしたナディアではあるが、楽にあしらう事は出来ない。近接戦闘主体である以上、数の暴力には弱い面がある。常に一撃必殺が出来れば余裕も生まれるのだが、まだそこまでの実力はないのだ。
「確かに騒がしいか・・・どれ。」
ナディアの様子を伺ったアースが呟きと共に、大量の石礫を放つ。激しく動き回るナディアを綺麗に避け、自分達を取り囲む魔物を一掃してしまった。その光景にナディアは息を飲む。
1発も外す事なく、貫通する事もないソレは、全て魔物の体内で止まった事を意味していた。周囲の木々への影響を考えた攻撃。適当に放たれたようにしか見えない攻撃だが、その1つ1つが絶妙なコントロールだったのだ。
魔物の種類も距離もバラバラだったというのに、である。当然魔物によって皮膚の硬さは違う。同じ威力であっても、距離によっては皮膚を貫けないし貫通する事もある。
事実ルークの戦闘における魔法であっても、基本的には周囲に影響を及ぼしていた。仕留めなければ危険である以上、無駄に手加減する事は無い。複数の魔法を用いる場合、その全てが同じ威力なのだ。それも確実に相手にダメージを与えられる威力に揃えられる。
それはルークに限った話ではない。そこまで絶妙に威力を調整する必要が無い。いや、無かったのだ。大抵の場合、戦闘が終われば休息を取るか引き返す。そうである以上、細かい魔力量の調整は精神的な疲労を招き兼ねないのだ。
終わりの見えない戦闘を見越した者、経験した者にしか出来ない闘い方と言えよう。それに気付いたからこそ、ナディアにとっては実に衝撃的だった。常にそれを意識しているからこその芸当。一切の油断が無い。アクアやエアに少しだけ見られる甘さが、アースには一切見られないのだ。
クリスタルドラゴンの一件で戦闘寄りの思考となったナディアがアースの戦闘を考察している内に竜王達の話は纏まったらしく、3人がナディアの下に歩み寄る。
「それでは行くとするかのぉ。」
「・・・勿論歩きよね?」
「面倒だが、それしかないだろうな。」
全員がアクアに冷ややかな視線を浴びせながら呟く。攻められているアクアは無言で小さくなる。のんびりとした足取りで、1人と3匹は帝都へ向けて歩き出した。大量の魔物をあしらいながら。
その頃の帝都地下では・・・
「あ!おかえりなさい!!どうだったの?」
「ただいま。巨大な竜達だった。あとナディア。」
「巨大な・・・竜とナディア?」
その区切り方はナディアも巨大になると思ったルークだが、確かに巨大だなと思って口を噤む。その様子に、半目となったルビアが口を開く。
「・・・何を考えているのかしら?」
「いや、ルビアも大き・・・じゃなくて、何だったのかと思って。」
「何を言ってるのよ!」
「いたっ!!」
スパーンという心地良い音と共に、ルークが悲鳴を上げる。ルビアの華麗な平手がルークの後頭部を直撃したのである。頭を擦りながら、ルークが詳細を説明する。
「・・・ナディアが探しに向かった古代竜、もしくは竜王じゃないかしら?」
「あぁ・・・それなら納得だな。」
ルビアの予想にルークが同意する。それ程の強さだったのだから、寧ろそうであって欲しいという願望を込めて。あれ以上の存在がいるとなれば、本格的にカレンの件をどうにかしてカレンを投入せざるを得ないのだから。
「とにかく城へ戻ろう。ナディアが帰って来るだろうから。」
「そうね。スフィアも大慌てでしょうから、私はそっちの対応に回るわ。」
「それが聞いてくれよ!スフィアってば、メチャメチャ慌ててんだよ。可笑しくてさぁ・・・」
ドライアドとドワーフ達に声を掛ける為、歩きながら城での出来事をルビアに説明するルークであった。後日、一切を知らぬ存ぜぬで貫き通したルビアなのは言うまでも無い。
ルーク達が城へ戻って数時間後、ナディア一行が帰還した事を告げられる。ナディア達が待つ部屋へと案内されたルークと嫁達が入室すると同時、いつの間にか戻っていたカレンが背後から声を上げた。
「おや?竜王・・・ですか。珍しいですね。」
「「「「「カレン(様)!?」」」」」
「「「戦女神!?」」」
カレンに気付いた全員が声を上げる。そんな事はお構い無しのカレンが、状況説明を求める。戸惑った様子の竜王達を尻目に、1人冷静なナディアが説明を行った。
「・・・そうですか。」
「何か知ってるの?」
「いいえ、何も。」
(((((ズルっ!)))))
ナディアの問い掛けに、期待はずれの回答をしたカレン。一瞬期待した全員が盛大にコケる。すぐさまツッコミを入れようとした面々であったが、その後黙り込んだカレンの様子に諦めた。
「う~ん、それより今はそっちの竜王達だな。どうするつもりだ?」
「どうするとは、どういう意味じゃ?」
「ナディアと行動を共にするって事だよな?」
「そうだ。気に入ったからな。」
ルークの質問に、エアとアースが答える。若干アースの答えが気に掛かるルークは、思わず脱線してしまう。
「言っとくがナディアはオレの嫁だぞ?」
「そんな事は知っている。それにそういう意味じゃない。」
「そうか・・・エミリア、3人に部屋を用意して貰える?」
「え?えぇ、畏まりました。」
アースの答えを聞き、そのままエミリアに客として扱うよう告げる。一瞬戸惑いながらも、すぐに部屋を後にするエミリアを見送りスフィアが口を挟む。
「良いのですか?」
「いいんじゃないか?何かあったらナディアに責任を取って貰えば。」
「私の客人だもの。任せて頂戴。」
「(最終的な責任は夫であるルークになるのですが・・・ルークは理解しているようですね) ルークとナディアさんが良いのでしたらそうしましょう。ではまず・・・今回の騒ぎについての責任を取って頂きましょうか。」
「「え?」」
まさかいきなり責任問題に発展するとは思っていなかったルークとナディアが揃って声を上げる。戸惑う2人を他所に、スフィアが被害を纏めて報告する。
「今回の騒ぎで、落下した氷塊によって数十件の家屋が半壊しました。既に補償金は支払っておりますので、後程お2人に請求させて頂きます。」
「はぁ!?」
「今回は仲良く折半と言う事で。」
「オレは帝都を守ったんだぞ!?」
「あれはアクアの暴走よ!?」
喧嘩、でもないのだが両成敗といった様子のスフィア。食い下がるルークとナディアであるが、交渉事でスフィアに勝てる訳も無い。
「ナディアさんは先程責任を取るとおっしゃいましたね?」
「うっ!!」
「帝都を守ったとおっしゃいましたが、守り切れていませんよね?」
「ぐっ!!」
「理解が早くて助かります。怪我人も出ず、お金で済むのですから良かったと思って下さい。」
言い返せず黙り込む2人を見ながら、ニヤリと笑みを浮かべるスフィア。そしてすぐにある事実に気付く。
「ところで・・・セラとシェリーはどうしたのですか?」
「え?・・・知らないわよ?」
いずれ合流すると聞いていたナディアだったが、全く連絡を取っていなかった事もあって合流していない。2人が今どうしているのか、それはカレンだけが知っている事であった。
「(そう言えば、お2人をナディアが向かった森の入り口に置いて来たままでした。これは・・・マズイ流れですね。転移!)」
「カレンさ・・・おや?何処へ行ったのです?」
「さっきまでそこに・・・」
簡潔に説明すると、自身へと矛先が向くのを悟ったカレンはセラとシェリーの下に向かったのである。2人に口止めする為に。
キョロキョロと周囲を伺っているルークや嫁達に、一部始終を目にしていたエアが口を開く。
「戦女神ならば、何処かへ行ったようじゃぞ?あれは神のみが使えるという転移かの~?どうなっておるのかの~?不思議じゃの~!」
「「「「「逃げられたぁ!!」」」」」
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