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43:嘘偽りなく
しおりを挟む『止まれ、腕を後ろに回し、膝をつけ。そして何も言うな。』
力を使われた。
その言葉通りに、膝をつき、声が出せない。
なんだ?
奴との問答のようだが、抵抗感はない。
むしろもっと聞きたい。
「さてさてマティスさんや?先ほど力を使ったよね?」
声が出ない。首を上下に振る。
『質問には答えて。嘘偽りなく。
わたしはマティスのものなの?それは命令?』
にやりと笑い立上り、私の頬を優しく撫ぜる。
あ、あ、あ、体が熱い。
「お前は私のもだ。命令ではない。願いだ!!」
『体は自由に、言葉も自由に。
わたしに命令して?キスをしろって?同じように強く願って?』
体のこわばりが解け、彼女が言うままに願う。強く。
『私に口づけを』
でも、彼女は動かない。腕を組みにやりと笑うだけ。
どうして?
『こちらに来て、私を抱きしめろ!!』
彼女はまた笑うだけ。
「ふふ、効かないよ?マティスにドロドロのキスを送りたいけどね。
抵抗はできる。なんでだとおもう?
マティスは弟君にやられたとき抵抗できなかったよね?
最後は力いっぱい抵抗しちゃって息できなくなってたけど。」
「・・・条件がないからか?こちらに来なければ息ができないと言えば来るのか?」
「ん?そういってみ?」
彼女は腕を下し自身の腰を抱く。
『こちらに、来て私に抱きしめさせて。来なければお前は息ができない』
そんなことを言いたくはないが、なぜだ?彼女は何を考えている?
「ふふーん。息もできるし、そっちにはいかない。
効かないのよ。そんなことで、人を縛れないと思っているから。
でも、マティスは石の力、大きな石を使って命令されたことは
絶対だと思ってる。真名の宣言だったけ?それも、絶対だとそう思ってる。
でも、わたしには絶対はない。だから、あの言葉は絶対ではない。
だから、言葉ではわたしを縛れない。」
言葉の力では彼女を縛れない?どうして?
どうすればいい?
「フフっ。マティスマティス。
ここに私の友達がいれば、いっぺんに悩みも解決するのに。」
「どういう、意味だ?」
「このわたしが、これだけ、甘えてるってこと。こんだけ素直になってること。
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このわたしがだ。ふふふ。このナイスバディより、友達に見せたい。
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体の具合がよかったから?あ、これは大事な要素だよね?ふふ?どう?」
「そんなんじゃない!あんたと、生きたいと、
同じ音で同じ言葉を話し、同じ時間を生きたい。
あんたと生きたいと、そう思たんだ。」
「うん、そうね。そういったよね?わたしも?あれ?言ってないか?」
彼女は私を抱きしめ。頭をぐりぎり押し付けた。
「マティス、わたしの愛する人。
わたしも同じ時間を生きたい。
三文小説のセリフじゃないけど、
初めてこの言葉を言うよ。好きはいっぱいあるけど、マティス、愛してる。」
「あ、あ、あ」
「言葉で縛らなくてもすでにそばにいるんだから、心配すんない。ね?」
「うん。」
「さ、帰ろう?トカゲ取った?お肉焼いてね?海峡石も呼んだら来てくれたよ。
指輪の石はゆっくり時間をかけて探そうね?」
「うん。」
「ふふ、おなかすいた。ご飯食べたらまたお風呂に一緒に入ろう。」
「うん。」
「ん?まだ不安?」
「どこにもいかない?元の、その元の世界に戻ったりしない?」
「あー、そっちね。それはわたしもわからんな。
気づいたらこっちにいたからね。なんでだろうね?
夢の世界か死の世界か?最初はそっちを疑ってたんだけどね。
でもね、こういうことはよくあると思うのよ。
ただ、知らなかっただけ。行って戻ってきた人がいるなら話に上がる。
けど、ないもの。もう、戻れないのよ。そういうもんなのよ。」
「うん。」
明るく笑う彼女を抱きしめ、首元に頭をこすりつけた。
「ふふ。困ったちゃんですな。俺の嫁は心配性だね。」
「・・・俺?嫁?」
「そう、俺の嫁は世界一ってのがテーマなのよ!」
「お前が世界一ってこと?」
「ちゃうちゃう、マティスが世界一ってこと。
料理もうまいし、かわいく啼くしね。ふふふふ。」
「なっ!!」
「ね?」
「・・・早く帰ろう。その話は寝床でだ。」
「アイアイサー!!」
夜なのに昼のように見える砂漠を2人で歩く。
欲が膨れ上がることはない。
彼女がいればそれでいいんだから。
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