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1章 変わる日常
31話 公爵邸での生活(2)
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「もうウェルカ様にお教えすることはありませんね」
つい先ほど終えたばかりのテスト用紙を見て、マリーベ様はそう言った。そう、もともと伯父様が雇った先生なのでマリーベ様もワルクゥベ様もこちらに移ってきてからも押してくれている。と言ってもワルクゥベ様からはお墨付きをもらったので、もうほぼいらしてはいないけれど。っと、つい現実逃避をしてしまった。
「あの、それはどういう意味ですか?」
「このテストが完璧に解けるのであれば、王宮に務めるためのテストも余裕で合格できますよ。
あなたがあまりにも優秀でしたので、ついつい教えてしまった私も私ですが、ついてくること自体が驚きですよ……。
たった数か月でしたのに」
はぁ、とため息をつかれてしまった。これ私が悪いのかな⁉
「ひとまず、基礎教育部をスキップすることをお勧めします。
退屈で仕方がないでしょうからね」
「ですが、基礎教育部は義務ではないのですか?」
「正確には、学園に三年間通うことが義務なのです。
学園が基礎教育部、初等専門部、高等専門部でできていることは知っていますか?」
「あまり詳しいことは知りませんが、なんとなくは」
「そうですか。
基礎教育部は本当に基礎を学ぶところです。
最低限の学力等は欲しいのですが、まあ義務というだけあって入学テストはとても簡単です。
次に初等専門部はそれぞれの進路に合わせて基礎教育部よりも専門的なものを学ぶのです。
ウェルカ様は魔力を持っていますので基本的には魔法科に進むことになります。
最後に高等専門部はその名の通り、初等専門部の発展したものを学んでいきます。
王宮で務めることを望む場合、ここを卒業する必要があります」
ふむふむ。あれ、ということは?
「ウェルカ様は基礎的な学問については、高等専門部卒業に匹敵する学力を持っています。
あとは専門的なものを学ぶために学園に通われることになるでしょう」
いつの間にそこまでいっていたんだろうか。学園の入学自体を危ぶんでいたのに、いつのまにか学園へ行く必要がなくなっている?
というかそこまでをさらりと教えてしまうマリーベ様もすごくない?
「あの、ですが伯父様に許可してもらえるか」
「すでに公爵様からは許可を取っております。
あとはウェルカ様のご意思で決められますよ」
「あの……。
そうしたら、お姉様を助けることはできますか?」
つい、そんなことを聞いてしまった。私にとってお姉様は唯一の家族。だから、どうしてもお姉様の助けになりたいと思うのだ。
マリーベ様はそんな私の様子に気遣うようにこちらを見る。
「そう、ですね。
アゼリア様はもう少ししますと王宮へ移られますから、お側でお助けするならば王宮にて務めるのが一番かとは思いますが……」
言葉を濁したマリーベ様にそちらを見ると、思いのほか強い瞳があった。
「ウェルカ様の未来は自由なのです。
あなた様がやりたいことを見つけ、のびのびと過ごされることがアゼリア様にとっても一番のことです」
そういうマリーベ様に私は頷きながらも、それ以外を考えられるとは思えなかった。
「さて、では今後は授業の回数を減らしつつ、スキップテストの対策を行っていきましょう」
「よろしくお願いいたします」
では、と言ってマリーベ様は去っていった。その後ろ姿を見ながらも言われたことについて少し心がざわざわしていた。
「ウェルカ様、お茶をお入れいたします」
疲れたな、と思っているとイルナがノックをして入ってきてくれた。そしておいしい紅茶を飲んでいると、ほっと一息つくことができた。
「お嬢様、今夜は本宅にてお夕食を召し上がるようにとのことです。
お嬢様方に紹介したい方がいらっしゃるそうです」
「そう、わかったわ」
紹介したい方?
イルナがもたらした新たな情報に、私の意識はそちらに向けられた。
つい先ほど終えたばかりのテスト用紙を見て、マリーベ様はそう言った。そう、もともと伯父様が雇った先生なのでマリーベ様もワルクゥベ様もこちらに移ってきてからも押してくれている。と言ってもワルクゥベ様からはお墨付きをもらったので、もうほぼいらしてはいないけれど。っと、つい現実逃避をしてしまった。
「あの、それはどういう意味ですか?」
「このテストが完璧に解けるのであれば、王宮に務めるためのテストも余裕で合格できますよ。
あなたがあまりにも優秀でしたので、ついつい教えてしまった私も私ですが、ついてくること自体が驚きですよ……。
たった数か月でしたのに」
はぁ、とため息をつかれてしまった。これ私が悪いのかな⁉
「ひとまず、基礎教育部をスキップすることをお勧めします。
退屈で仕方がないでしょうからね」
「ですが、基礎教育部は義務ではないのですか?」
「正確には、学園に三年間通うことが義務なのです。
学園が基礎教育部、初等専門部、高等専門部でできていることは知っていますか?」
「あまり詳しいことは知りませんが、なんとなくは」
「そうですか。
基礎教育部は本当に基礎を学ぶところです。
最低限の学力等は欲しいのですが、まあ義務というだけあって入学テストはとても簡単です。
次に初等専門部はそれぞれの進路に合わせて基礎教育部よりも専門的なものを学ぶのです。
ウェルカ様は魔力を持っていますので基本的には魔法科に進むことになります。
最後に高等専門部はその名の通り、初等専門部の発展したものを学んでいきます。
王宮で務めることを望む場合、ここを卒業する必要があります」
ふむふむ。あれ、ということは?
「ウェルカ様は基礎的な学問については、高等専門部卒業に匹敵する学力を持っています。
あとは専門的なものを学ぶために学園に通われることになるでしょう」
いつの間にそこまでいっていたんだろうか。学園の入学自体を危ぶんでいたのに、いつのまにか学園へ行く必要がなくなっている?
というかそこまでをさらりと教えてしまうマリーベ様もすごくない?
「あの、ですが伯父様に許可してもらえるか」
「すでに公爵様からは許可を取っております。
あとはウェルカ様のご意思で決められますよ」
「あの……。
そうしたら、お姉様を助けることはできますか?」
つい、そんなことを聞いてしまった。私にとってお姉様は唯一の家族。だから、どうしてもお姉様の助けになりたいと思うのだ。
マリーベ様はそんな私の様子に気遣うようにこちらを見る。
「そう、ですね。
アゼリア様はもう少ししますと王宮へ移られますから、お側でお助けするならば王宮にて務めるのが一番かとは思いますが……」
言葉を濁したマリーベ様にそちらを見ると、思いのほか強い瞳があった。
「ウェルカ様の未来は自由なのです。
あなた様がやりたいことを見つけ、のびのびと過ごされることがアゼリア様にとっても一番のことです」
そういうマリーベ様に私は頷きながらも、それ以外を考えられるとは思えなかった。
「さて、では今後は授業の回数を減らしつつ、スキップテストの対策を行っていきましょう」
「よろしくお願いいたします」
では、と言ってマリーベ様は去っていった。その後ろ姿を見ながらも言われたことについて少し心がざわざわしていた。
「ウェルカ様、お茶をお入れいたします」
疲れたな、と思っているとイルナがノックをして入ってきてくれた。そしておいしい紅茶を飲んでいると、ほっと一息つくことができた。
「お嬢様、今夜は本宅にてお夕食を召し上がるようにとのことです。
お嬢様方に紹介したい方がいらっしゃるそうです」
「そう、わかったわ」
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イルナがもたらした新たな情報に、私の意識はそちらに向けられた。
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