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2章 学園生活
172話 王宮でのお見舞い(2)
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次に目を覚ました時は、もう外は真っ暗だった。結構寝てしまったみたい。誰も、いないのかな? のどが渇いたし、おなかもすいてきてしまった。
「ウェルカ、起きたのか?」
この声は、ヴァーク? 誰もいないと思っていたのに。声の方を見ると、近衛騎士団の制服を着たヴァークが隣に座っていた。
「ヴァーク?
どうしてここに……」
「あなたがけがをして、ここで眠っていると聞いたんだ。
もう大丈夫なのか?」
「はい。
手当してもらえましたので」
仕事終わりで疲れているはずのヴァークにまで、心配をかけてしまうなんて……。そんな大したことなかったのに、申し訳ない。
「そんな顔をしないでくれ。
それにしても……。
同じチームになったものが勝手な行動を起こしたと聞いた」
厳しい顔をして、そんなことを言う。というか、どうしてそんな細かいことまで知っているのだろう。
「今までそんなことはなかったらしいのに。
やっぱり、何かおかしい……」
きっとこれは独り言で、私の答えを求めてはいないのだろう。ぼそぼそと何かを言っている。なんだか、いつもの様子と全然違って、ちょっと怖い。
どうしよう、と布団に入ったままおろおろと視線をさまよわせることしかできない。これ、勝手に出て飲み物とか探しに行ったら怒られるやつかな。
「ああ、ごめんね。
でも、本当に無事でよかったよ。
オクトパック副団長に話を聞いたんだけれどね、助けに行ったときには魔獣が結構集まっていたと聞いて血の気が引いたよ。
本当に、ウェルカが結界も得意としていてよかった」
ほっとしたように言うヴァークに、また泣きそうになってくる。お姉様といい、ヴァークといい、どうしてこうも心配してくれるんだろう。どうしたら、私はその思いに報いることができるんだろう。
「ご心配おかけしました。
ありがとう、ございます」
うつむいてそういうと、頭に何かが乗っけられる。何だろう、と思っているうちにわしわしと動かされたことで、それが手だと分かった。
「喉渇いているでしょう?
どうぞ。
おなかはすいている?」
少し照れたように手をどけると、早口になりながらそう聞いてくる。それがなんだかおかしくて、少し笑いながら私は飲み物を受け取った。
「何か軽く食べられると嬉しいです」
「なら何か用意させよう」
てきぱきと動いていくヴァークをぼんやりと見つめる。食事もすぐに用意された。それを黙々と食べ終わると、ヴァークは言いづらそうに口を開いた。
「君に関して、良くない噂が流れていることは聞いた。
高等専門部の弟の耳にも入っているんだ。
学園中に広がっていてもおかしくはない」
「噂……。
それはフルージア公爵令息様にお聞きしたものでしょうか?」
公爵令息って、と苦笑しつつそう、とうなずく。でもそうか、クレバート様の耳にも届いているのか。考えてみればフルージア様が知っていらっしゃるんだ。クレバート様が聞いていてもおかしくはない。
「さすがに信じていないけれどね。
でも、そうではないものも多いのは確かみたいだ」
そっか……。でも、なんだか悔しい。私はそんなことやっていないのに、どうしてだろう。
「そして、その噂のもとはきっとアンティーナ嬢だ。
隠すつもりがないようで、それはすぐにわかる。
もしかしたら、それも信頼度が高い理由なのかもしれないが」
思わずぐっと唇をかみしめる。どういう言った意図でそんな噂を流しているのかわからないから、余計に怖い。どう動いたらいいのかわからないのだ。
ヴァークの言葉を聞きながらも、どう返事をしたらいいのかわからなくて結局無言のまま考え込んでしまう。
「僕はね。
僕は自分の中に入れた人を傷つけられるのは嫌いなんだ。
バーセリク侯爵はもともとよくない噂も聞く。
これは一掃するのにいい機会かもね」
「ヴぁ、ヴァーク?
なんだか不穏な言葉が聞こえてきたのだけれど」
あれ、ヴァークってそんな性格だったっけ? そんなことを考えながら私はなぜかいい笑顔を浮かべたヴァークの顔を見ていた。
「ウェルカ、起きたのか?」
この声は、ヴァーク? 誰もいないと思っていたのに。声の方を見ると、近衛騎士団の制服を着たヴァークが隣に座っていた。
「ヴァーク?
どうしてここに……」
「あなたがけがをして、ここで眠っていると聞いたんだ。
もう大丈夫なのか?」
「はい。
手当してもらえましたので」
仕事終わりで疲れているはずのヴァークにまで、心配をかけてしまうなんて……。そんな大したことなかったのに、申し訳ない。
「そんな顔をしないでくれ。
それにしても……。
同じチームになったものが勝手な行動を起こしたと聞いた」
厳しい顔をして、そんなことを言う。というか、どうしてそんな細かいことまで知っているのだろう。
「今までそんなことはなかったらしいのに。
やっぱり、何かおかしい……」
きっとこれは独り言で、私の答えを求めてはいないのだろう。ぼそぼそと何かを言っている。なんだか、いつもの様子と全然違って、ちょっと怖い。
どうしよう、と布団に入ったままおろおろと視線をさまよわせることしかできない。これ、勝手に出て飲み物とか探しに行ったら怒られるやつかな。
「ああ、ごめんね。
でも、本当に無事でよかったよ。
オクトパック副団長に話を聞いたんだけれどね、助けに行ったときには魔獣が結構集まっていたと聞いて血の気が引いたよ。
本当に、ウェルカが結界も得意としていてよかった」
ほっとしたように言うヴァークに、また泣きそうになってくる。お姉様といい、ヴァークといい、どうしてこうも心配してくれるんだろう。どうしたら、私はその思いに報いることができるんだろう。
「ご心配おかけしました。
ありがとう、ございます」
うつむいてそういうと、頭に何かが乗っけられる。何だろう、と思っているうちにわしわしと動かされたことで、それが手だと分かった。
「喉渇いているでしょう?
どうぞ。
おなかはすいている?」
少し照れたように手をどけると、早口になりながらそう聞いてくる。それがなんだかおかしくて、少し笑いながら私は飲み物を受け取った。
「何か軽く食べられると嬉しいです」
「なら何か用意させよう」
てきぱきと動いていくヴァークをぼんやりと見つめる。食事もすぐに用意された。それを黙々と食べ終わると、ヴァークは言いづらそうに口を開いた。
「君に関して、良くない噂が流れていることは聞いた。
高等専門部の弟の耳にも入っているんだ。
学園中に広がっていてもおかしくはない」
「噂……。
それはフルージア公爵令息様にお聞きしたものでしょうか?」
公爵令息って、と苦笑しつつそう、とうなずく。でもそうか、クレバート様の耳にも届いているのか。考えてみればフルージア様が知っていらっしゃるんだ。クレバート様が聞いていてもおかしくはない。
「さすがに信じていないけれどね。
でも、そうではないものも多いのは確かみたいだ」
そっか……。でも、なんだか悔しい。私はそんなことやっていないのに、どうしてだろう。
「そして、その噂のもとはきっとアンティーナ嬢だ。
隠すつもりがないようで、それはすぐにわかる。
もしかしたら、それも信頼度が高い理由なのかもしれないが」
思わずぐっと唇をかみしめる。どういう言った意図でそんな噂を流しているのかわからないから、余計に怖い。どう動いたらいいのかわからないのだ。
ヴァークの言葉を聞きながらも、どう返事をしたらいいのかわからなくて結局無言のまま考え込んでしまう。
「僕はね。
僕は自分の中に入れた人を傷つけられるのは嫌いなんだ。
バーセリク侯爵はもともとよくない噂も聞く。
これは一掃するのにいい機会かもね」
「ヴぁ、ヴァーク?
なんだか不穏な言葉が聞こえてきたのだけれど」
あれ、ヴァークってそんな性格だったっけ? そんなことを考えながら私はなぜかいい笑顔を浮かべたヴァークの顔を見ていた。
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