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2章 学園生活
ベルクの視点
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「アゼリアが倒れた?」
どうしても自分で出向かなければいけなかった視察の帰り、息を切らしてやってきたものが告げたのは到底理解できないことだった。
倒れたとはどういうことだ?
静止の声を無視して、馬車を飛び出す。そのまま馬を連れてきてとにかく必死に王宮への道を急いだ。
予定よりもだいぶ早い帰りに驚いたものもいたが、すぐにアゼリアの元へと案内してもらう。彼女の部屋の前には落ち着かない様子で立っているヴァークがいた。
「殿下、お戻りでしたか」
「ああ」
とにかく時間がおしい。正式な取次などなにもなくとも部屋へと入っていった。そしてベッドのほうに向かうと、赤子の泣き声が聞こえてきた。子は生まれたのか?
「アゼリア様!
お気を確かに!」
そうだ、今はなによりもアゼリアだ。
「アゼリア!」
ベッドの横に座り手を握る。どうしてこんなにも冷たいんだ……。それ以上何もいえないでいると、ウェルカ嬢もこちらに来た。
「お姉様!」
「ありが、とう、うぇるか」
ウェルカ嬢の呼びかけにうっすらと目をあけそう紡ぐ。なにがありがとうなんだ?
「アゼリア様!
とてもお可愛らしい子ですよ」
産婆の言葉に反応してか、目線が赤子の方に向く。そしてよかった、かすれた声でそうつぶやくとそのまま目を閉じた。
「お姉様!」
「アゼリア!」
このままでは助からない! とっさにウェルカ嬢の方を見ると、アゼリアの腕をとる。そのまま淡い光が見えたかと思うと、すぐに消えてしまった。
「ウェルカ嬢!?」
気を失っている? 私には光魔法は使えない。このままでは!
「ヴァーク!」
とにかくウェルカ嬢を誰かに預けなければ、そう考えるとすぐにヴァークの名を呼んだ。
「ウェルカ嬢を頼む」
すぐにやってきたヴァークは何かを聞くこともなく、すぐにウェルカ嬢抱えて部屋を出て行った。いつの間にか赤子の声も聞こえない。
「アゼリア……」
そして、アゼリアの手を握りしめる。どうかめを開けてくれ。また笑顔を見せてくれ。そう願いながら。
「殿下」
いつまでそうしていただろう。不意に声をかけられた。声の方をむくとヴァークがいた。
「なにが、あったんだ」
静かにとうと、ヴァークは留守にしていた間のことを語り出した。
「すべて私の落ち度です。
処分はいかようにも」
そうヴァークは締めくくると、深く頭を下げた。
なんということだ。ジェラミアも亡くなっただと? アゼリアに毒を盛った後で?
あの子は絶対にそういったことをする子ではない。アゼリアの一件で疑いの目を向けていたことは認めるが、本来そういったことをできる子ではないはずなのだ。
「ジェラミアのところへ行く」
本当はアゼリアを失った悲しみにくれていたい。でも、立場がそれを許してはくれないのだ。彼女自身のためにもそれは正しい選択ではない。
ジェラミアの部屋に入り、まずはジェラミア会うことにした。白い布のした、強気な様子の彼女の顔は苦痛に歪んでいる。こんなにも、苦しんで死んだのか? もっと楽に死ねる薬はあったはずだ。なのに……。
「殿下、こちらを」
先に部屋にいた侍従に差し出されたのは一通の手紙。手紙と呼べるほどの体面が整っていないそれは一国の王女が書いたものとは思えなかった。
中をあけるとそこにかかれていたのはとても短い文だった。
『ごめんなさい。
それでも、ここにいられて幸せでした』
どう、して……。妹のように思っていた。女性として愛してあげることはできなかったけれど、大切な家族だった。だが、アゼリアに恋をしてそれがひどく申し訳なくて、いつの頃からかまっすぐに向き合うことができなくなっていた。
その結果が、これか。きっとジェラミアは贖罪のつもりであえて苦しく死んでいく毒を選んだのだ。自分が、2人を死に追いやったんだ。
どうしても自分で出向かなければいけなかった視察の帰り、息を切らしてやってきたものが告げたのは到底理解できないことだった。
倒れたとはどういうことだ?
静止の声を無視して、馬車を飛び出す。そのまま馬を連れてきてとにかく必死に王宮への道を急いだ。
予定よりもだいぶ早い帰りに驚いたものもいたが、すぐにアゼリアの元へと案内してもらう。彼女の部屋の前には落ち着かない様子で立っているヴァークがいた。
「殿下、お戻りでしたか」
「ああ」
とにかく時間がおしい。正式な取次などなにもなくとも部屋へと入っていった。そしてベッドのほうに向かうと、赤子の泣き声が聞こえてきた。子は生まれたのか?
「アゼリア様!
お気を確かに!」
そうだ、今はなによりもアゼリアだ。
「アゼリア!」
ベッドの横に座り手を握る。どうしてこんなにも冷たいんだ……。それ以上何もいえないでいると、ウェルカ嬢もこちらに来た。
「お姉様!」
「ありが、とう、うぇるか」
ウェルカ嬢の呼びかけにうっすらと目をあけそう紡ぐ。なにがありがとうなんだ?
「アゼリア様!
とてもお可愛らしい子ですよ」
産婆の言葉に反応してか、目線が赤子の方に向く。そしてよかった、かすれた声でそうつぶやくとそのまま目を閉じた。
「お姉様!」
「アゼリア!」
このままでは助からない! とっさにウェルカ嬢の方を見ると、アゼリアの腕をとる。そのまま淡い光が見えたかと思うと、すぐに消えてしまった。
「ウェルカ嬢!?」
気を失っている? 私には光魔法は使えない。このままでは!
「ヴァーク!」
とにかくウェルカ嬢を誰かに預けなければ、そう考えるとすぐにヴァークの名を呼んだ。
「ウェルカ嬢を頼む」
すぐにやってきたヴァークは何かを聞くこともなく、すぐにウェルカ嬢抱えて部屋を出て行った。いつの間にか赤子の声も聞こえない。
「アゼリア……」
そして、アゼリアの手を握りしめる。どうかめを開けてくれ。また笑顔を見せてくれ。そう願いながら。
「殿下」
いつまでそうしていただろう。不意に声をかけられた。声の方をむくとヴァークがいた。
「なにが、あったんだ」
静かにとうと、ヴァークは留守にしていた間のことを語り出した。
「すべて私の落ち度です。
処分はいかようにも」
そうヴァークは締めくくると、深く頭を下げた。
なんということだ。ジェラミアも亡くなっただと? アゼリアに毒を盛った後で?
あの子は絶対にそういったことをする子ではない。アゼリアの一件で疑いの目を向けていたことは認めるが、本来そういったことをできる子ではないはずなのだ。
「ジェラミアのところへ行く」
本当はアゼリアを失った悲しみにくれていたい。でも、立場がそれを許してはくれないのだ。彼女自身のためにもそれは正しい選択ではない。
ジェラミアの部屋に入り、まずはジェラミア会うことにした。白い布のした、強気な様子の彼女の顔は苦痛に歪んでいる。こんなにも、苦しんで死んだのか? もっと楽に死ねる薬はあったはずだ。なのに……。
「殿下、こちらを」
先に部屋にいた侍従に差し出されたのは一通の手紙。手紙と呼べるほどの体面が整っていないそれは一国の王女が書いたものとは思えなかった。
中をあけるとそこにかかれていたのはとても短い文だった。
『ごめんなさい。
それでも、ここにいられて幸せでした』
どう、して……。妹のように思っていた。女性として愛してあげることはできなかったけれど、大切な家族だった。だが、アゼリアに恋をしてそれがひどく申し訳なくて、いつの頃からかまっすぐに向き合うことができなくなっていた。
その結果が、これか。きっとジェラミアは贖罪のつもりであえて苦しく死んでいく毒を選んだのだ。自分が、2人を死に追いやったんだ。
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