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第二章 底辺配信者、畑を手に入れる
第7話 新居の提案
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ボクとワラビは、ギルドのえらいさんに呼ばれた。
なにかあったら困ると、センディさんとコルタナさんも同行している。二人は仲間だからね。心強い。
向かいの席に座るのは、ギルド長だ。白髪交じりで、電力会社の作業着みたいな服装に身を包んでいた。冒険者と言うより、役所のおじさんといった雰囲気だ。
「驚いたでしょう? 全然冒険者っぽくなくて」
ボクの思考を見抜いたのか、ギルド長が苦笑いを浮かべた。
「ギルド長ともなると、一般人とも対話が必要になる。封鎖地域の説明とか、交通手段の制限とかさ」
ゴツい装備なんて、付けられないのだそう。
たしかに、配達先や出前先が、鋼鉄のヨロイや剣を装備していたらびっくりするよね。
「ツヨシさんと、ワラビさんね。君らには、我がギルドが提供する土地に住んでいただきたい」
ギルド長から、分厚い紙の束を用意される。
なんと、ギルドは家を提供してくれるそうだ。
「テイマー専門の宿泊施設だ。存分に使ってくれたまえ」
すごいな。魔物用の大きいお風呂まであって、タダで利用できるなんて。
しかも大衆浴場じゃない。部屋に個別に用意してもらえるのか。
もっと仮設住宅みたいな小さい部屋を想像していた。
「キミだけではなく、多くのテイマー冒険者がこの土地を利用している」
ヘビ型やクモ型の魔物が、資料に写っている。ケンカもせず、仲良く暮らしているらしい。
テイマーを介入しているから、自分たちを「冒険者」と認識しているのか。そういう力が、テイマーには備わっているんだね。
「気になることは、あるかね?」
「家庭菜園があるんですね?」
ボクは、一つのエリアに注目した。
畑のエリアがある。テイマーには、畑が用意されて、食物を自分たちで育てるのだ。農耕、畜産もできる。
「冒険者をしながら、畑のお手入れまでするんですか」
「いくら冒険者と言えど、ダンジョンに潜れない日もあるからね」
スタッフが、代わりに農作業をしてくれるという。主に、引退した冒険者が担当するそうだ。
たしかに、自給自足の手段は必要かもしれない。モンスターの食費を考えると、家庭菜園というアイデアは必要かも。
「各所に点在するダンジョンとも近い。また君らなら、更に各階層の底へも探索できるだろう」
「そうですね。かなりレベルも上がりましたし」
ボクはスケルトンキングを倒したことで、大幅にレベルアップした。
テイム系のスキルを取って、ステータスは防御に割り振っている。いざとなったら、ワラビを守れるようになっておきたい。
特に気に入ったが、【伸縮自在】というスキルだ。これがあれば、ワラビのサイズを自分の任意で変えられるのだ。
本来のワラビは、ソファくらい大きい。けど今は、手のひらサイズまで縮んでもらっていた。
これでバイクでも手に入ったら、ワラビをヘルメット代わりに被って走ってみたい。
バイクを手に入れて移動手段が楽になるのは、いい感じだね。
「ただ、住むには条件がある。我々に、ワラビさんのデータを提供してもらいたい」
センディさんとコルタナさんが、反応した。
定期的に、検査を受けに来てもらいたいそうだ。
「それって、モルモットになれってことよね?」
「誰も、そこまでは言わないよぉ」
ギルド長が困り顔になって、コルタナさんの意見に反論する。
「ただ、上層部はツヨシくんの快進撃に対して、うるさくてね。ぜひとも、モンスターの生態について研究をしたいと言ってきているんだ」
本当に、ギルド長は困っているみたいだ。
「私だってねえ。キミらを隔離したいなんて思っていない。のびのび育ってもらったほうが、そりゃあモンスターのためになるよ。データの収集は楽ではなくなるが、正確な資料は手に入ろう」
ギルド長が、メガネを直す。
「だが、モンスターにはわからないことが多い。種類だけではなく、各魔物には個体差まである。生態を見極め、より一層ダンジョンの攻略に役立ってもらいたいのだよ」
「いいですよ」
ボクが言うと、センディさんが「おい」とボクの肩を掴んだ。
「ワラビもいい?」
「マスターツヨシが言うなら、従うまでです」
ワラビはプルプルと、体を揺らす。特に抵抗している気配はない。
「ただ、ワラビを傷つけるようなマネをしたら、ボクはギルドを抜けます」
「ツヨシさん!」
ギルド長が、テーブルをゴンと叩く。
「野良モンスターが夜に放たれたら、あなた方だって困るはずだ。どうしてダンジョンに隔離して置かなかったのか、って」
ギルド長は、ボクが凄むとおとなしくなった。
いくらダンジョン攻略が世間一般に浸透したとはいえ、ある程度一般層の居住区からは切り離してある。ダンジョン各所は金網で、一般人の立ち入りを禁じているのだ。
なのにモンスターが出てしまったら、ギルドの社会的責任は重い。もちろん、テイムしたモンスターを逃したボクにも、責任は及ぶけど。
「言うわね、ツヨシくん」
「ボクだって、驚いていますよ」
昔はノーと言えなくて、ずっとブラックな環境で働いてきた。今は、ワラビのためなら自分の立場が危うくなったって構わない。
「あんたらの条件はわかった。ただし、土地はこちらで用意する。それでいいな?」
センディさんが、ギルド長に打診してきた。
「モンスターを住まわせる場所が、ギルド管理外のエリアにあるのか?」
「あるとも」
なにかあったら困ると、センディさんとコルタナさんも同行している。二人は仲間だからね。心強い。
向かいの席に座るのは、ギルド長だ。白髪交じりで、電力会社の作業着みたいな服装に身を包んでいた。冒険者と言うより、役所のおじさんといった雰囲気だ。
「驚いたでしょう? 全然冒険者っぽくなくて」
ボクの思考を見抜いたのか、ギルド長が苦笑いを浮かべた。
「ギルド長ともなると、一般人とも対話が必要になる。封鎖地域の説明とか、交通手段の制限とかさ」
ゴツい装備なんて、付けられないのだそう。
たしかに、配達先や出前先が、鋼鉄のヨロイや剣を装備していたらびっくりするよね。
「ツヨシさんと、ワラビさんね。君らには、我がギルドが提供する土地に住んでいただきたい」
ギルド長から、分厚い紙の束を用意される。
なんと、ギルドは家を提供してくれるそうだ。
「テイマー専門の宿泊施設だ。存分に使ってくれたまえ」
すごいな。魔物用の大きいお風呂まであって、タダで利用できるなんて。
しかも大衆浴場じゃない。部屋に個別に用意してもらえるのか。
もっと仮設住宅みたいな小さい部屋を想像していた。
「キミだけではなく、多くのテイマー冒険者がこの土地を利用している」
ヘビ型やクモ型の魔物が、資料に写っている。ケンカもせず、仲良く暮らしているらしい。
テイマーを介入しているから、自分たちを「冒険者」と認識しているのか。そういう力が、テイマーには備わっているんだね。
「気になることは、あるかね?」
「家庭菜園があるんですね?」
ボクは、一つのエリアに注目した。
畑のエリアがある。テイマーには、畑が用意されて、食物を自分たちで育てるのだ。農耕、畜産もできる。
「冒険者をしながら、畑のお手入れまでするんですか」
「いくら冒険者と言えど、ダンジョンに潜れない日もあるからね」
スタッフが、代わりに農作業をしてくれるという。主に、引退した冒険者が担当するそうだ。
たしかに、自給自足の手段は必要かもしれない。モンスターの食費を考えると、家庭菜園というアイデアは必要かも。
「各所に点在するダンジョンとも近い。また君らなら、更に各階層の底へも探索できるだろう」
「そうですね。かなりレベルも上がりましたし」
ボクはスケルトンキングを倒したことで、大幅にレベルアップした。
テイム系のスキルを取って、ステータスは防御に割り振っている。いざとなったら、ワラビを守れるようになっておきたい。
特に気に入ったが、【伸縮自在】というスキルだ。これがあれば、ワラビのサイズを自分の任意で変えられるのだ。
本来のワラビは、ソファくらい大きい。けど今は、手のひらサイズまで縮んでもらっていた。
これでバイクでも手に入ったら、ワラビをヘルメット代わりに被って走ってみたい。
バイクを手に入れて移動手段が楽になるのは、いい感じだね。
「ただ、住むには条件がある。我々に、ワラビさんのデータを提供してもらいたい」
センディさんとコルタナさんが、反応した。
定期的に、検査を受けに来てもらいたいそうだ。
「それって、モルモットになれってことよね?」
「誰も、そこまでは言わないよぉ」
ギルド長が困り顔になって、コルタナさんの意見に反論する。
「ただ、上層部はツヨシくんの快進撃に対して、うるさくてね。ぜひとも、モンスターの生態について研究をしたいと言ってきているんだ」
本当に、ギルド長は困っているみたいだ。
「私だってねえ。キミらを隔離したいなんて思っていない。のびのび育ってもらったほうが、そりゃあモンスターのためになるよ。データの収集は楽ではなくなるが、正確な資料は手に入ろう」
ギルド長が、メガネを直す。
「だが、モンスターにはわからないことが多い。種類だけではなく、各魔物には個体差まである。生態を見極め、より一層ダンジョンの攻略に役立ってもらいたいのだよ」
「いいですよ」
ボクが言うと、センディさんが「おい」とボクの肩を掴んだ。
「ワラビもいい?」
「マスターツヨシが言うなら、従うまでです」
ワラビはプルプルと、体を揺らす。特に抵抗している気配はない。
「ただ、ワラビを傷つけるようなマネをしたら、ボクはギルドを抜けます」
「ツヨシさん!」
ギルド長が、テーブルをゴンと叩く。
「野良モンスターが夜に放たれたら、あなた方だって困るはずだ。どうしてダンジョンに隔離して置かなかったのか、って」
ギルド長は、ボクが凄むとおとなしくなった。
いくらダンジョン攻略が世間一般に浸透したとはいえ、ある程度一般層の居住区からは切り離してある。ダンジョン各所は金網で、一般人の立ち入りを禁じているのだ。
なのにモンスターが出てしまったら、ギルドの社会的責任は重い。もちろん、テイムしたモンスターを逃したボクにも、責任は及ぶけど。
「言うわね、ツヨシくん」
「ボクだって、驚いていますよ」
昔はノーと言えなくて、ずっとブラックな環境で働いてきた。今は、ワラビのためなら自分の立場が危うくなったって構わない。
「あんたらの条件はわかった。ただし、土地はこちらで用意する。それでいいな?」
センディさんが、ギルド長に打診してきた。
「モンスターを住まわせる場所が、ギルド管理外のエリアにあるのか?」
「あるとも」
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