底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路

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第六章 最終決戦 黒い勇者との戦い

第47話 裏ダンジョンへ

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 一層の裏に入ると、別のダンジョンが。

 構造こそ、鏡写しのように表裏一体だ。しかしダンジョンの配色が、一層とまるで違う。壁の色が緑色で、生い茂る葉が茶色い。灰色の草まで生えていた。

「こんなダンジョンが、一層の裏側にあったとはな」

「これがギルドの言っていた、『ダンジョンの抜け道』なのかもしれないわ」

 現在確認されているダンジョンは、最大で七層までらしい。

 ボクたちは、その更に先へ進んでいる。

「来たぜ、ツヨシ!」

 オウルベアが、何体も現れた。コイツらは、一層のボスだ。

「ワラビ、全員食べちゃおう」

「承知しました」

 ワラビがじゅうたんのように、地面にベットリと広がった。

 オウルベアの大群が、ワラビのじゅうたんに落ちていく。そのまま、消化されていった。

「一層のボスが、ゾロゾロと!」

 センディさんが、グチをこぼす。

 たいていボスモンスターは、ダンジョンに一体しかでてこない。しかしここには、一〇〇匹以上は確認できた。

「二層のスケルトンキングと、連携しているわ!」

 コルタナさんが、スケルトンキングの大群に、浄化魔法をかける。

「三層のボスが、ザコとして普通に出現するんだが?」

 十分に強くなったボクたちにとって、三層のボスなんて敵ではない。

「苦戦しないとはいえ、少々キツイわね」

 ワイバーンまで、出現してきた。三層のボスである大蛇を捕まえて、食べている。

「マジックフィールド!」

 ヒヨリさんが、バリアを張った。

 バルアに噛み付いただけで、ワイバーンはチリになっていく。神聖な領域に踏み込んだせいで、邪悪な魔物は消滅するのだ。

「すごいよ! ヒヨリさん!」

「自分でも驚きです。わたしが、ワイバーンを倒せるなんて」

 今のボクたちなら、ワイバーンを簡単に倒せてしまう。

「なるほど。ダンジョンのモンスターって、復活しているのではないんですね。この裏ダンジョンで、新しく補充されてくるんでしょう」

「そのようだ。いわばここは、モンスター共の製造工場なのかも知れん」

 ワイバーンの首をはねて、センディさんが答えた。

「四層ボスのヴァンパイアまで、いやがるぜ」

 ヴァンパイアは、一体だけではない。一〇体ほどが、行く手を遮っていた。

「前回はしてやられたが、今日はそうはいかん!」

 刀を担いで、センディさんんはヴァンパイアの集団を一刀のもとに斬り伏せる。

「どうよ?」

 ヴァンパイアたちが、灰になった。

「ピオン、佐護の位置はわかる?」

 ボクは、ピオンに声をかけてみる。

「わがはいにも、わかんなーい」

 さすがに、ピオンでも佐護の場所は特定できないようだ。

「ご安心を、マスターツヨシ。ここまでくれば、ワタシにも敵の居場所は特定できます」

「ワラビ、わかるの?」

「魔王はワタシだけにわかるように、魔力を放っています。我々を、誘導しているのかも」

 だが、行く手にはワータイガーが立ちはだかる。ジャジャのように、服を着ていない。これが、本来の魔族たちなのだろう。

「簡単に、いかせはしないぜ! ニャフフ!」

「だが、通してもらうよ。ワラビ!」

 ワラビが、また地面に広がった。ボクは、ワラビにワータイガーの群れを一気に食べるように指示を出す。

 しかし、ワータイガーにボクの作戦は通用しない。ワータイガーは背中に羽をはやして、攻撃を避ける。

「ニャフフ! ザコと一緒にされたら困るぜ!」

「それで安心した。ピオン!」

 ボクの合図で、ピオンがヒヨリさんの腕から飛び上がった。

「ワラビと連携。からの、ポイズンポーション! さらにワラビ、【ウォーターカッター】を!」

 地面に広がったままのワラビが、ウォーターカッターを大量に放つ。

 ピオンが、ポイズンポーションを放り投げた。

 毒ポーションをわざと浴びて、ウォーターカッターに毒のポーション効果を上乗せする。毒の成分を含んだワラビが、ワータイガーの肉体に傷をつけた。

「ニャハーッ!」

 翼をもがれたワータイガーの大群が、ワラビの身体に埋もれていく。

「とんでもねえな。ワラビのやつ」

「自分でも、怖いくらいです」

 ただのスライムに、ここまでの戦闘力はない。スライムの戦闘法は、せいぜい相手の身体にへばりつくくらいである。それが、ボクの指示で無限の戦闘力を駆使できるなんて。

「テイムモンスター、優遇されすぎじゃね?」

 そう思われても、仕方ないよね。テイムしてやっと、スライムのポテンシャルがわかったくらいだから。

 奥にあった小さな扉を開く。

 内部のデザインは、一層のボス部屋に近い。

「さて、それじゃあ奥へ……なあ!?」

 なんと、ボクとワラビ以外のパーティが、格子状のツタによって分断されてしまった。

「ああ、くそ! 切れねえ!」

 センディさんが刀で斬ってみたが、また再生してしまう。

「ピオン、毒で溶かしてみて」

「あいよー。でもむりー」

 ピオンが毒ポーションを吐き出してみた。しかしピオンの言う通り、ツタは瞬時に復元していく。

「ツヨシくん、どうやら私たちは、ここまでみたい」

「お気をつけて、ツヨシさん」

 ボクは「はい」と答えて、ワラビとともに身構えた。

「マスターツヨシ、来ます」

 佐護サゴ少年と魔王が、ボクの前に降り立つ。

「ダンジョン最奥部へ、ようこそ。余が魔王。【破壊する太陽ルクシオ・ソール】であるぞ」
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