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第六章 最終決戦 黒い勇者との戦い
第48話 魔王 ルクシオ・ソール
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既にモンスターと化したサゴを引き連れて、魔王ルクシオ・ソールが現れた。手のひらに乗るサイズで、コウモリの羽根を動かしながらフヨフヨ浮いている。
サゴのヨロイは、ますます禍々しくなっていた。胸の中央に、魔法石が埋め込まれている。
「テイムスライム……かつて余を倒した伝説の魔物。まだ生きておったか」
サゴは口を開かない。魔王ルクシオが代わりに話す。
魔王とワラビは、知り合いなのか? 魔王を倒した存在だと言うが。
たしか伝記にも、赤いスライムみたいなヨロイを着た勇者が、魔王を倒したと書いてあったけど。
「ワラビは魔王のことを、知っているの?」
「いえ。顔すら見たことがございません」
ルクシオが、腰に手を当てる。
「その個体は、余を知らぬ。ほんのわずかな力しか残されておらなんだようだし」
当時は魔王も倒されたが、スライムと相打ちになったらしい。そのため、スライムたちは散り散りに。
その生き残りが、ワラビかもしれないという。
「ワタシに、そんな過去が」
「だが、これでイーブンぞよ、テイムスライム。貴様に舐めさせられた屈辱、今こそ晴らしてくれよう」
ルクシオが、サゴの体内に入り込む。
生体ヨロイの一部が、生き物のようにサゴの顔まで這い上がる。
サゴの顔が、昆虫を思わせるカブトで完全に隠れた。
ヨロイの魔法石に、ルクシオは座り込んでいる。
「マスターツヨシ、あれが魔王の完全体のようです」
「うん」
魔王の魔力が、一気に膨れ上がった。このフィールド全体を、覆い尽くす。
手招きをして、魔王が挑発してくる。
「来ぬのなら、こちらから参ろうぞ!」
徒手空拳で、魔王が攻め込んできた。
思わずミスリルの剣で、受け止めてしまう。
頑丈なヨロイと、ミスリルの剣が火花を散らす。
「どうした? 防御だけでは余は倒せぬ」
「ジャストガード!」
どうにかスタンさせられればと、【ジャストガード】を繰り出した。
だが、相手も同じ技を行使して、相殺してくる。
こちらも、相手の魔法を乗せた物理攻撃を、同じ属性魔法を施した剣戟で受け流す。ワラビに頼り切ってばかりは、いられない。
「見事なり。荒削りながら、戦闘にスキがない」
魔王はボクの戦闘を、そう評価した。
どこが見事なのか。魔王の方はワラビも相手にしているのに、平然と戦っているではないか。 さっきからワラビは、スキを突いて【ウォーターカッター】で魔王の急所を突いている。なのに、一発も当たらない。
「むう。さすがテイムスライム! あの時より戦闘のキレが増しているとは! やはり完全に消滅させるべきだったか!」
魔王が、ワラビに照準を合わせる。
「いけない! ワラビ!」
ボクは相手のパンチを、剣の刀身で防いだ。
不快な音が、ダンジョン内に鳴り響く。
ボクは、サゴの腕を折ってしまった。
「気遣い無用。ふん!」
魔王は、まったく意に介さない。折れた腕の方で、殴りかかってきた。
ワラビがカットしてくれなかったら、ボクの首は吹っ飛んでいただろう。
「大丈夫、ワラビ!?」
ボクは、吹っ飛びそうになったワラビを抱きしめる。一緒になって、地面に激突した。
「もはやサゴの肉体は原型をとどめていない。遠慮はいらぬぞ」
何事もなかったかのように、魔王が折れた腕を再生させる。
「ちくしょう! この、この!」
センディさんが、まだ自分たちを遮るツタの壁を斬り掛かっていた。
「ムダぞ。そのツタはお主たちに手出しをせん。が、斬っても即座に再生して行く手を阻む」
「てめえに倒されたおやっさんの仇だ! せめて一太刀!」
サゴと一体化した魔王が、センディさんに向けて手をかざす。
「うお!」
センディさんが、後ろに吹っ飛んだ。押されただけで、ダメージはない。
「今の余は、このスライムと戦闘しておる。おとなしく観戦しておれ。どちらかが死ねば、そのツタはなくなる」
「くそ!」
刀を杖代わりにして、センディさんが起き上がる。
「彼らを解放してください」
ボクが頼むと、魔王は首を振った。
「ならぬ。あの者たちは、証人となってもらう。余がスライムを倒したと、証明してもらわねば」
冒険者の目には、特殊なカメラがナノマシンとなって搭載されている。
そのカメラで、ボクたちの戦闘を見ておけってわけか。
「今度こそ、負けぬ。地球は余が、魔族がいただくぞ」
「怖いんですね?」
「なに?」
ボクが挑発すると、魔王の顔が歪んだ。
「だって、五層を攻略していた人たちは、全員を相手にしていたでしょ?」
しかし今の魔王は、ボクとしか戦おうとしない。
「いくら魔王といえど、六層ボスを撃退できる集団に襲いかかられたらアウトだというわけです」
ボクが指摘をすると、魔王の周りを覆う魔力が濃くなっていった。
「その虚勢、いつまでもつのやら。参れ。返り討ちにしてくれよう」
魔王が腕をダラリとさせて、ボクを迎え撃つ。
「ワラビ、地面に!」
ボクは上空から襲いかかり、ワラビは地面に広がった。
たとえ相手が跳躍したとしても、叩き落とす。
「全体攻撃か。ならば、こちらも応えよう。【破壊する太陽】の由来、その身に刻むがいい!」
真っ黒い太陽が、魔王を包み込む。
黒い光が波動となって、ボクたちに襲いかかってきた。
「マスターツヨシ!」
ワラビがボクを包んで、衝撃波を防いでくれる。
それでも攻撃はワラビを突き抜け、ボクにダメージを与えた。
「強いね」
「ですが、勝てない相手ではありません。弱点はあります」
サゴのヨロイは、ますます禍々しくなっていた。胸の中央に、魔法石が埋め込まれている。
「テイムスライム……かつて余を倒した伝説の魔物。まだ生きておったか」
サゴは口を開かない。魔王ルクシオが代わりに話す。
魔王とワラビは、知り合いなのか? 魔王を倒した存在だと言うが。
たしか伝記にも、赤いスライムみたいなヨロイを着た勇者が、魔王を倒したと書いてあったけど。
「ワラビは魔王のことを、知っているの?」
「いえ。顔すら見たことがございません」
ルクシオが、腰に手を当てる。
「その個体は、余を知らぬ。ほんのわずかな力しか残されておらなんだようだし」
当時は魔王も倒されたが、スライムと相打ちになったらしい。そのため、スライムたちは散り散りに。
その生き残りが、ワラビかもしれないという。
「ワタシに、そんな過去が」
「だが、これでイーブンぞよ、テイムスライム。貴様に舐めさせられた屈辱、今こそ晴らしてくれよう」
ルクシオが、サゴの体内に入り込む。
生体ヨロイの一部が、生き物のようにサゴの顔まで這い上がる。
サゴの顔が、昆虫を思わせるカブトで完全に隠れた。
ヨロイの魔法石に、ルクシオは座り込んでいる。
「マスターツヨシ、あれが魔王の完全体のようです」
「うん」
魔王の魔力が、一気に膨れ上がった。このフィールド全体を、覆い尽くす。
手招きをして、魔王が挑発してくる。
「来ぬのなら、こちらから参ろうぞ!」
徒手空拳で、魔王が攻め込んできた。
思わずミスリルの剣で、受け止めてしまう。
頑丈なヨロイと、ミスリルの剣が火花を散らす。
「どうした? 防御だけでは余は倒せぬ」
「ジャストガード!」
どうにかスタンさせられればと、【ジャストガード】を繰り出した。
だが、相手も同じ技を行使して、相殺してくる。
こちらも、相手の魔法を乗せた物理攻撃を、同じ属性魔法を施した剣戟で受け流す。ワラビに頼り切ってばかりは、いられない。
「見事なり。荒削りながら、戦闘にスキがない」
魔王はボクの戦闘を、そう評価した。
どこが見事なのか。魔王の方はワラビも相手にしているのに、平然と戦っているではないか。 さっきからワラビは、スキを突いて【ウォーターカッター】で魔王の急所を突いている。なのに、一発も当たらない。
「むう。さすがテイムスライム! あの時より戦闘のキレが増しているとは! やはり完全に消滅させるべきだったか!」
魔王が、ワラビに照準を合わせる。
「いけない! ワラビ!」
ボクは相手のパンチを、剣の刀身で防いだ。
不快な音が、ダンジョン内に鳴り響く。
ボクは、サゴの腕を折ってしまった。
「気遣い無用。ふん!」
魔王は、まったく意に介さない。折れた腕の方で、殴りかかってきた。
ワラビがカットしてくれなかったら、ボクの首は吹っ飛んでいただろう。
「大丈夫、ワラビ!?」
ボクは、吹っ飛びそうになったワラビを抱きしめる。一緒になって、地面に激突した。
「もはやサゴの肉体は原型をとどめていない。遠慮はいらぬぞ」
何事もなかったかのように、魔王が折れた腕を再生させる。
「ちくしょう! この、この!」
センディさんが、まだ自分たちを遮るツタの壁を斬り掛かっていた。
「ムダぞ。そのツタはお主たちに手出しをせん。が、斬っても即座に再生して行く手を阻む」
「てめえに倒されたおやっさんの仇だ! せめて一太刀!」
サゴと一体化した魔王が、センディさんに向けて手をかざす。
「うお!」
センディさんが、後ろに吹っ飛んだ。押されただけで、ダメージはない。
「今の余は、このスライムと戦闘しておる。おとなしく観戦しておれ。どちらかが死ねば、そのツタはなくなる」
「くそ!」
刀を杖代わりにして、センディさんが起き上がる。
「彼らを解放してください」
ボクが頼むと、魔王は首を振った。
「ならぬ。あの者たちは、証人となってもらう。余がスライムを倒したと、証明してもらわねば」
冒険者の目には、特殊なカメラがナノマシンとなって搭載されている。
そのカメラで、ボクたちの戦闘を見ておけってわけか。
「今度こそ、負けぬ。地球は余が、魔族がいただくぞ」
「怖いんですね?」
「なに?」
ボクが挑発すると、魔王の顔が歪んだ。
「だって、五層を攻略していた人たちは、全員を相手にしていたでしょ?」
しかし今の魔王は、ボクとしか戦おうとしない。
「いくら魔王といえど、六層ボスを撃退できる集団に襲いかかられたらアウトだというわけです」
ボクが指摘をすると、魔王の周りを覆う魔力が濃くなっていった。
「その虚勢、いつまでもつのやら。参れ。返り討ちにしてくれよう」
魔王が腕をダラリとさせて、ボクを迎え撃つ。
「ワラビ、地面に!」
ボクは上空から襲いかかり、ワラビは地面に広がった。
たとえ相手が跳躍したとしても、叩き落とす。
「全体攻撃か。ならば、こちらも応えよう。【破壊する太陽】の由来、その身に刻むがいい!」
真っ黒い太陽が、魔王を包み込む。
黒い光が波動となって、ボクたちに襲いかかってきた。
「マスターツヨシ!」
ワラビがボクを包んで、衝撃波を防いでくれる。
それでも攻撃はワラビを突き抜け、ボクにダメージを与えた。
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