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第4 嫌いではなくて、好きでした 2
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「だが、お前は私に側に寄るなと言ったではないか」
「幼い時のことですか?」
「あぁ……」
「だって、アレクス様はお花の匂いがお嫌いだったはずですから」
「……花の、匂い?」
「えぇ、『こんな甘い匂いは嫌いだ。花などいらない』と胸にさされたお花を外されていたじゃないですか」
「あれは、男なのに恥ずかしかっただけだ……」
出会いの日に私を躊躇わせた出来事の真相は、私を傷付けないずいぶん都合の良い答えでした。やっぱり夢は私にだいぶ都合良く、出来ているようです。
「だがそれが何の関係があったんだ?」
ですがその後に続いた、分からない、と困惑した声に私も戸惑ってしまいます。私自身のことなのにそういうこともあるのでしょうか。
「…あの頃は、力を抑えることが上手くなくて、私はいつもお花や青葉の匂いが、してしまっていたんです……だからアレクス様に、嫌な思いを、させてしまうと思った、だけなんです…」
「だがあの後もお前は一向に近付かないどころか、私が近付けば距離をとっていただろう」
「大好きな方に、突然近付かれれば、緊張します…それに、アレクス様が…もう私のことを、嫌っていることは知っていましたから……」
だんだん、胸の痛みがまた強まってきているようでした。
何だかものすごく息が上がってしまっていて、これだけを伝えるだけでも苦しいのです。
「夢の、中なのに…むずかし、い…ですね……」
調子の悪い中で話しすぎたのかもしれません。でも夢の中まで、そんなリアルさは要らないのにと残念です。
「もう良い、分かった…もう、休んでいろ……」
ですがアレクス様の声がいつものように冷たい声ではなかったのですから。私がもう少しだけ、日頃はできないお話しをしてみたい、と思ってしまったのは仕方がないはずでした。
「ふふっ……アレク、ス様がお優し、いです……ふふっ…うれしい……」
その言葉と一緒に抱き締めてくる腕に力が籠もっていきます。夢なのにこういった細かい工夫が現実っぽくて、思わず私は感心してしまいました。
「…良い、夢……覚めた、く……ない……」
「だ、ダメだ! 何を言っている!! そんなことが許されるはずがないだろう!」
そんなアレクス様の優しさに、少しだけ甘えが出てしまいます。私を嫌いではないアレクス様とずっと一緒にいたかったのです。でもそうやって望んでしまえば叱られてしまいました。
そんな責務を放棄するような無責任さは許されないと、ちゃんと分かっては居たんです。だけど今だけは、責務だけで私のそばに縛られたアレクス様ではなくて、私を愛おしく思って下さっているようなアレクス様を感じていたいと思ってしまっただけなのです。
でもやっぱり夢の中でも望む事は難しかったようでした。
「…そう、ですね……責務を…果たさなく、ては……」
だから、私はそう言ったのです。でもそんな私の耳に聞こえたのは「違う、違うんだ!」という、アレクス様の辛そうなそんな、引き攣った声でした。
「幼い時のことですか?」
「あぁ……」
「だって、アレクス様はお花の匂いがお嫌いだったはずですから」
「……花の、匂い?」
「えぇ、『こんな甘い匂いは嫌いだ。花などいらない』と胸にさされたお花を外されていたじゃないですか」
「あれは、男なのに恥ずかしかっただけだ……」
出会いの日に私を躊躇わせた出来事の真相は、私を傷付けないずいぶん都合の良い答えでした。やっぱり夢は私にだいぶ都合良く、出来ているようです。
「だがそれが何の関係があったんだ?」
ですがその後に続いた、分からない、と困惑した声に私も戸惑ってしまいます。私自身のことなのにそういうこともあるのでしょうか。
「…あの頃は、力を抑えることが上手くなくて、私はいつもお花や青葉の匂いが、してしまっていたんです……だからアレクス様に、嫌な思いを、させてしまうと思った、だけなんです…」
「だがあの後もお前は一向に近付かないどころか、私が近付けば距離をとっていただろう」
「大好きな方に、突然近付かれれば、緊張します…それに、アレクス様が…もう私のことを、嫌っていることは知っていましたから……」
だんだん、胸の痛みがまた強まってきているようでした。
何だかものすごく息が上がってしまっていて、これだけを伝えるだけでも苦しいのです。
「夢の、中なのに…むずかし、い…ですね……」
調子の悪い中で話しすぎたのかもしれません。でも夢の中まで、そんなリアルさは要らないのにと残念です。
「もう良い、分かった…もう、休んでいろ……」
ですがアレクス様の声がいつものように冷たい声ではなかったのですから。私がもう少しだけ、日頃はできないお話しをしてみたい、と思ってしまったのは仕方がないはずでした。
「ふふっ……アレク、ス様がお優し、いです……ふふっ…うれしい……」
その言葉と一緒に抱き締めてくる腕に力が籠もっていきます。夢なのにこういった細かい工夫が現実っぽくて、思わず私は感心してしまいました。
「…良い、夢……覚めた、く……ない……」
「だ、ダメだ! 何を言っている!! そんなことが許されるはずがないだろう!」
そんなアレクス様の優しさに、少しだけ甘えが出てしまいます。私を嫌いではないアレクス様とずっと一緒にいたかったのです。でもそうやって望んでしまえば叱られてしまいました。
そんな責務を放棄するような無責任さは許されないと、ちゃんと分かっては居たんです。だけど今だけは、責務だけで私のそばに縛られたアレクス様ではなくて、私を愛おしく思って下さっているようなアレクス様を感じていたいと思ってしまっただけなのです。
でもやっぱり夢の中でも望む事は難しかったようでした。
「…そう、ですね……責務を…果たさなく、ては……」
だから、私はそう言ったのです。でもそんな私の耳に聞こえたのは「違う、違うんだ!」という、アレクス様の辛そうなそんな、引き攣った声でした。
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