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4篇目タイトル【蘇生の回廊】
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「う~、まだ全然涼しくない~!」
「他の場所にもあるでしょうから、それらを開けているうちに聞いてくるかと」
恵理は、開けたばかりだというのに焦ってボヤく。別荘内の探索も含めて空調を操作するのが先のようだ。
「じゃ、おの先に寝泊まりする部屋が3つある。部屋分けは――」
行雄が勝手に部屋を振り分けてしまう。
自身と恵理、後は男と女で分かれることになる。
「――よーし、部屋に荷物を置いて少し休んだらバーベキュー開始だ」
そう宣言しながら康一は廊下の扉を開いて進んでいく。確かに入ってすぐ目の前に3つの扉が並んでいた。
別に示し合わせたわけではなかったが、行雄・恵理ペアは向かって左、淳平・真吾ペアが真ん中、千春・奈々ペアが右に入ってく。
「窓は……ないね」
「バードギールはあるからなんとかなるかね」
細長い部屋を見渡して、淳平と真吾は割と合った呼吸を見せる。
相談もなく奥か入り口近くかというベッドの配置を決め、部屋の散策を開始するのだ。もともと書斎だったのか、大きな書架があるくらいだが。
バードギールのレバーを回した後は、なんとなく本の背表紙を眺めてみる。
「辞書とか哲学書、後はビジネス系のものばかりだなぁ」
「うん、多少のコミックはあるけど面白いものはなさそうだね」
アメリカンコミックが数冊混じっていることを除けば至ってよくありそうな本棚だ。いや、一つだけ異質なものがあった。
「あれ? これは……?」
それは古い本のようで、ファンタジー作品に見る魔導書とでも言ったような風体である。
サブカルオタクとしては興味深いところだったが、それを手にしようとした瞬間から二人ともおかしな汗をかく。
『Mysteries of the Worm ~Chapter of Resuscitation~』と背表紙に刻まれている、ただソレだけの本に背筋を虫が這って行くような怖気を覚えた。
「ミミズの秘密? 復活の章? なんだろうね、これ……?」
「気味悪ぃ。呪われたりしないよな?」
淳平はタイトルらしきものを読み上げるも要領を得ず、ただ不気味なだけの本といった印象だ。真吾も、あまり触れたくはないと言いたげである。
「そんなことないと思うけど」
嫌な予感を振り払いながら淳平は手に取ろうとしてみる。
「あれ? 動かない?」
しかし、本は棚板に固定されているかのように動かない。古書なので力を入れすぎると破れるのではないかという恐れもあり、軽く引き出そうとして終わりにする。
「他の場所にもあるでしょうから、それらを開けているうちに聞いてくるかと」
恵理は、開けたばかりだというのに焦ってボヤく。別荘内の探索も含めて空調を操作するのが先のようだ。
「じゃ、おの先に寝泊まりする部屋が3つある。部屋分けは――」
行雄が勝手に部屋を振り分けてしまう。
自身と恵理、後は男と女で分かれることになる。
「――よーし、部屋に荷物を置いて少し休んだらバーベキュー開始だ」
そう宣言しながら康一は廊下の扉を開いて進んでいく。確かに入ってすぐ目の前に3つの扉が並んでいた。
別に示し合わせたわけではなかったが、行雄・恵理ペアは向かって左、淳平・真吾ペアが真ん中、千春・奈々ペアが右に入ってく。
「窓は……ないね」
「バードギールはあるからなんとかなるかね」
細長い部屋を見渡して、淳平と真吾は割と合った呼吸を見せる。
相談もなく奥か入り口近くかというベッドの配置を決め、部屋の散策を開始するのだ。もともと書斎だったのか、大きな書架があるくらいだが。
バードギールのレバーを回した後は、なんとなく本の背表紙を眺めてみる。
「辞書とか哲学書、後はビジネス系のものばかりだなぁ」
「うん、多少のコミックはあるけど面白いものはなさそうだね」
アメリカンコミックが数冊混じっていることを除けば至ってよくありそうな本棚だ。いや、一つだけ異質なものがあった。
「あれ? これは……?」
それは古い本のようで、ファンタジー作品に見る魔導書とでも言ったような風体である。
サブカルオタクとしては興味深いところだったが、それを手にしようとした瞬間から二人ともおかしな汗をかく。
『Mysteries of the Worm ~Chapter of Resuscitation~』と背表紙に刻まれている、ただソレだけの本に背筋を虫が這って行くような怖気を覚えた。
「ミミズの秘密? 復活の章? なんだろうね、これ……?」
「気味悪ぃ。呪われたりしないよな?」
淳平はタイトルらしきものを読み上げるも要領を得ず、ただ不気味なだけの本といった印象だ。真吾も、あまり触れたくはないと言いたげである。
「そんなことないと思うけど」
嫌な予感を振り払いながら淳平は手に取ろうとしてみる。
「あれ? 動かない?」
しかし、本は棚板に固定されているかのように動かない。古書なので力を入れすぎると破れるのではないかという恐れもあり、軽く引き出そうとして終わりにする。
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