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4篇目タイトル【蘇生の回廊】
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「おーい、開いたぞ」
扉を開いた行雄が呼びかける。それを聞くか聞かないかの間に5人は中に入っていった。誰も指摘はしないものの、例の低音が大きく聞こえるようになる。
「え。あ、はい。すみません」
奈々も数秒の間を置いてそれに答え、別荘へと入ってきた。しかし、外よりはマシとは言え涼しいとは到底だが言えない。決して不快でこそないものの、やや埃っぽさを残した換気のされていない空気の香りを感じた。
玄関から続く廊下に康一にならって靴のまま並ぶ6人。内観は、奥に扉があって客室につながっているらしい。そこへ向かって左側にも扉があり、トイレとバスルームになっている。そして、右側がキッチン。
「あっつーい!」
まだ空調を動かしていないため、恵理が暑くなりそうな声で訴えた。
しかし、見たところ廊下にそうした設備はないように思えた。
「えーと」
誰ともなしに周囲を見渡すも、天井付近の壁に排煙用の通気口があるくらいだろうか。下部の方にあるレバーを回せばブラインドが上がる仕組みだと判じられる。
「クーラーはどこよ!」
周りを探していた恵理は、汗で張り付いた髪を振り乱して声を荒くした。以前に淳平たちが来た際は短い間だった上に、今よりも涼しかったため確認してなかった。
「そのレバーでバードギールが動かせると思います」
自然風でしのがねばならないのかと誰もがげんなりした瞬間、奈々だけが言い出す。
「バードギールって?」
耳慣れない単語が気になった淳平は聞いた。奈々もどことなく声を弾ませて答えてくれる。
「古代エジプトなどで使われていた、気化熱を利用したクーラーです。古代ペルシャでは、地下の水路を活用することでさらに性能を上げています」
「あー、そっか。なるほど」
説明されて淳平はいろいろと納得した。奈々が同じ言語学科でエジプト語を研究していることから、文化にも精通していて当然だと。響いてくる唸り声みたいなものも、バードギールに吹き込む風の音だろう。
「気化熱ってアレだろ? えー。昔のヤツは上手いこと考えるもんだな」
行雄は知ったかぶりなのか、感心してみせる。
「そんなことより早く回してよ!」
説明を聞き入っていて誰も動こうとしないものだから、恵理が苛ついて声を上げた。
「おっと、そうだな」
行雄は頭をかいてバードギールの口を開き始める。キコキコとレバーが回転するのに合わせて、空気が冷えてくるような気がした。
扉を開いた行雄が呼びかける。それを聞くか聞かないかの間に5人は中に入っていった。誰も指摘はしないものの、例の低音が大きく聞こえるようになる。
「え。あ、はい。すみません」
奈々も数秒の間を置いてそれに答え、別荘へと入ってきた。しかし、外よりはマシとは言え涼しいとは到底だが言えない。決して不快でこそないものの、やや埃っぽさを残した換気のされていない空気の香りを感じた。
玄関から続く廊下に康一にならって靴のまま並ぶ6人。内観は、奥に扉があって客室につながっているらしい。そこへ向かって左側にも扉があり、トイレとバスルームになっている。そして、右側がキッチン。
「あっつーい!」
まだ空調を動かしていないため、恵理が暑くなりそうな声で訴えた。
しかし、見たところ廊下にそうした設備はないように思えた。
「えーと」
誰ともなしに周囲を見渡すも、天井付近の壁に排煙用の通気口があるくらいだろうか。下部の方にあるレバーを回せばブラインドが上がる仕組みだと判じられる。
「クーラーはどこよ!」
周りを探していた恵理は、汗で張り付いた髪を振り乱して声を荒くした。以前に淳平たちが来た際は短い間だった上に、今よりも涼しかったため確認してなかった。
「そのレバーでバードギールが動かせると思います」
自然風でしのがねばならないのかと誰もがげんなりした瞬間、奈々だけが言い出す。
「バードギールって?」
耳慣れない単語が気になった淳平は聞いた。奈々もどことなく声を弾ませて答えてくれる。
「古代エジプトなどで使われていた、気化熱を利用したクーラーです。古代ペルシャでは、地下の水路を活用することでさらに性能を上げています」
「あー、そっか。なるほど」
説明されて淳平はいろいろと納得した。奈々が同じ言語学科でエジプト語を研究していることから、文化にも精通していて当然だと。響いてくる唸り声みたいなものも、バードギールに吹き込む風の音だろう。
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「そんなことより早く回してよ!」
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「おっと、そうだな」
行雄は頭をかいてバードギールの口を開き始める。キコキコとレバーが回転するのに合わせて、空気が冷えてくるような気がした。
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