ホラー短編集【キグルミ】

AAKI

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4篇目タイトル【蘇生の回廊】

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「ミミズの秘密? 復活の章? なんだろうね、これ……?」
「気味悪ぃ。呪われたりしないよな?」

 淳平はタイトルらしきものを読み上げるも要領を得ず、ただ不気味なだけの本といった印象だ。真吾も、あまり触れたくはないと言いたげである。

「そんなことないと思うけど」

 嫌な予感を振り払いながら淳平は手に取ろうとしてみる。

「あれ? 動かない?」

 しかし、本は棚板に固定されているかのように動かない。古書なので力を入れすぎると破れるのではないかという恐れもあり、軽く引き出そうとして終わりにする。

「イミテーションみたいなものとかか?」
「まぁ、気にしないでおこうかな」

 下部で固定されている置物だろうと真吾は判断する。仮に本だったとして、意識しなければ悪さをするものではないのだ。二人はそう判断して本棚の確認は終わることにする。
 こうなると室内に他の調べられそうな場所はないため、少し廊下に出てみることにする。

「おい」

 以心伝心で部屋を出ようとしたときだ。ちょうどそのタイミングで行雄の声に呼びかけられる。もうバーベキューを開始しようとしているのだろうか。

「はい?」
「おぉ、出ようとしてたところか」

 開けば頭一つ高いところに顔があり、なんとも言い難い表情をしていた。

「どうかした?」
「あぁ、ちょっと言い忘れたことがあってな」

 単に呼び出しかと思ったが、真吾が聞くと康一は言いづらそうにしつつもおどける風に言う。

「この廊下、正方形につながってるんだけどよ」

 その通りで、それほど大きな建物でもないのに回廊状になっている。少し歩いてみればわかるようなことをわざわざ言いに来たというのだろうか。

「えぇっと?」
「はぁ?」
「別荘を貸してくれた伯父さんが言うには、逆時計回りに進むなってことらしい。とんでもないことが起こるんだってよ」
「はぁ?」
「えぇっと?」

 行雄のセリフを中心に、生返事から怪訝へと二人の声音が変わっていく。

「まぁ、ほら、オレたちをからかおうとして言ったことだろうよ」

 流石にそのようなオカルトは信じていないと、淳平や真吾に弁明する。

「ただ、夜に肝試しをしようと思ってんだ」

 そして、ニヤニヤと笑いながら言うのだ。

「肝試しぃ? 良からぬことを企んでるでしょ」
「えぇっと……あぁ、だから、それまで試すなってことです?」

 二人の反応はあまり芳しいものではなかった。わざわざ試したいとは思わないし、比較して怖い話が得意というわけでもない。
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