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4篇目タイトル【蘇生の回廊】
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「はい?」
淳平はすっとぼけてしまう。千春が分別のつかない状態だとわかったから。
「気持ち悪いのぉ。お腹、さすって」
「……!」
酔っ払ってのことだとはわかりつつも、オフショルのシャツを捲くろうとしながら介抱を望む姿はヒドくエロティックだ。すぐにでもその艷やかでやや汗ばんだ腹部に手を当てて、柔肌を堪能しながらさすってやりたかった。
人助けと言い訳すれば、向こうから誘ったのだから許される行為だろう。
「す、すみません! まだやることがあるので!」
しかし、淳平はチェリーボーイを20過ぎまで極めたおかげか、怖気づいて断ることができたのだ。目を閉じて見ないようにしたら、慌ててその場を逃げ出して行った。
「すー……。すー……」
彼の気持ちも知らずに寝息を立てているなどとは知らず。
そして彼はドキドキ早鐘を打つ心臓に落ち着くよう言い聞かせる。
「冷静に。冷静に。ふぅ、はぁ、ふぅぅ」
玄関への扉を開けたところで呼吸を整える。とてつもなく後悔してしまうが、そのようなやり方は良くないとも思う。
「……はぁ。まぁ、早く手伝いに行かないと」
どれぐらいの時間が経過したかは焦っていてわからなかった。いずれにせよ指示された通りに動いたというアリバイを作らなければならない。そう考えて淳平は台所へと向かう。
「あれ? ジュンペー、まだそんなところにいたのか?」
なんとタイミング悪く、真吾が作業を終えて入ってきてしまったのだ。
「ははぁ~ん、さてはチキンってなわけか」
「あ、いや、その……。ほら、さっき酔っ払いながら部屋に戻る河内さんを見送ったところ!」
邪推してくるものの本当のところは気づいておらず、淳平は一部をごまかしながら弁解した。
「ふ~ん。それだけ?」
「え? あ、あぁ、うん、それだけだよ」
真吾にさらに問われてシラを切り通す。おかしなことなどしていないのだが、千春の淫ら……になりかけた姿を思い返すと頭が上手く回らなくなる。
それに、淳平の思っていたよりも大きな声で話していたらしく、奈々がこちらに気づいたのである。
「桑名さん、いたんですね。戻ってきてたなら、もうこちらも良さそうなのでお願いします」
どうやら、十分にコゲがフヤケたようである。
「う、うん」
「そっか。ま、先に戻っておくわ」
淳平は真吾の追求をそれでかわし、そそくさと手伝いへと向かった。友もソレ以上は深く突っ込まずにいてくれた。
これまた奈々の用意したスチールウールたわしでゴシゴシと汚れを洗い落とす。
「……」
その才女は、自分の作業が終わったのだから戻れば良いのに、なぜか側で淳平を見守っている。
「岸さん?」
ついつい聞いてしまった。
淳平はすっとぼけてしまう。千春が分別のつかない状態だとわかったから。
「気持ち悪いのぉ。お腹、さすって」
「……!」
酔っ払ってのことだとはわかりつつも、オフショルのシャツを捲くろうとしながら介抱を望む姿はヒドくエロティックだ。すぐにでもその艷やかでやや汗ばんだ腹部に手を当てて、柔肌を堪能しながらさすってやりたかった。
人助けと言い訳すれば、向こうから誘ったのだから許される行為だろう。
「す、すみません! まだやることがあるので!」
しかし、淳平はチェリーボーイを20過ぎまで極めたおかげか、怖気づいて断ることができたのだ。目を閉じて見ないようにしたら、慌ててその場を逃げ出して行った。
「すー……。すー……」
彼の気持ちも知らずに寝息を立てているなどとは知らず。
そして彼はドキドキ早鐘を打つ心臓に落ち着くよう言い聞かせる。
「冷静に。冷静に。ふぅ、はぁ、ふぅぅ」
玄関への扉を開けたところで呼吸を整える。とてつもなく後悔してしまうが、そのようなやり方は良くないとも思う。
「……はぁ。まぁ、早く手伝いに行かないと」
どれぐらいの時間が経過したかは焦っていてわからなかった。いずれにせよ指示された通りに動いたというアリバイを作らなければならない。そう考えて淳平は台所へと向かう。
「あれ? ジュンペー、まだそんなところにいたのか?」
なんとタイミング悪く、真吾が作業を終えて入ってきてしまったのだ。
「ははぁ~ん、さてはチキンってなわけか」
「あ、いや、その……。ほら、さっき酔っ払いながら部屋に戻る河内さんを見送ったところ!」
邪推してくるものの本当のところは気づいておらず、淳平は一部をごまかしながら弁解した。
「ふ~ん。それだけ?」
「え? あ、あぁ、うん、それだけだよ」
真吾にさらに問われてシラを切り通す。おかしなことなどしていないのだが、千春の淫ら……になりかけた姿を思い返すと頭が上手く回らなくなる。
それに、淳平の思っていたよりも大きな声で話していたらしく、奈々がこちらに気づいたのである。
「桑名さん、いたんですね。戻ってきてたなら、もうこちらも良さそうなのでお願いします」
どうやら、十分にコゲがフヤケたようである。
「う、うん」
「そっか。ま、先に戻っておくわ」
淳平は真吾の追求をそれでかわし、そそくさと手伝いへと向かった。友もソレ以上は深く突っ込まずにいてくれた。
これまた奈々の用意したスチールウールたわしでゴシゴシと汚れを洗い落とす。
「……」
その才女は、自分の作業が終わったのだから戻れば良いのに、なぜか側で淳平を見守っている。
「岸さん?」
ついつい聞いてしまった。
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