不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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剣鬼 闘技祭準備編

レミア

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(あの人がレミアか……アイリスの話が本当なら単独で腐敗竜を打倒できる実力者だっけ)


レナは柱の陰に隠れながら祈りを行っているレミアに視線を向け、確かに扉の外で騒いでいる民衆の言葉通りに美しい女性だった。外見から見て年齢は10代後半から20代前半であり、現在のレナと同じく銀髪が目立ち、両者の違いがあるとすればレミアの髪の毛は白色寄りである。体型は全身を覆い隠しているので分かりにくいが、胸元の部分はかなり膨らんでいた。


(それにしても……不思議な雰囲気を纏っているな。近寄りがたいというか、硝子か何かで遮られているような気分だ。でも……誰かに似ているような気がする)


祈祷中のレミアを見てレナは首を傾げ、彼女と似たような雰囲気を纏っている人物を思い出す。


(そうだ……レイナと似ているんだ)


闘技場でレナが最後に戦った「白騎士レイナ」と容姿がよく似ており、髪の毛以外は殆ど瓜二つの容姿だった。違和感の正体に気付いたレナはアイリスと交信を行う。


『愛栗鼠!!』
『なんで中国人みたいな名前で呼ぶんですか!!久しぶりに名前ネタを使いましたね……』
『そこはどうでもいいからレミアの事で聞きたいことがある。俺が前に戦ったレイナと似ているんだけど……もしかして』
『レミアは彼女の子孫じゃないか、ですね?御名答です。レミアはレイナの血筋を受け継いでます』
『マジで!?』


レミアがレイナの子孫であるという言葉にレナは驚愕し、まさかレイナに子供がいた事も驚きだが、子孫とはいえあまりにも外見が似ている事に動揺を隠せない。


『レミアはレナさんと同様に勇者の家系です。そして彼女も先祖返りで特別な職業を授かっています』
『職業?』
『レイナと同様に彼女は聖騎士の職業を覚えていますが、もう一つは「白魔導士」と呼ばれる回復にだけ特化した魔術師の職業を得ています。こちらの職業はレナさんの支援魔術師と同様に砲撃魔法が扱えないんですが、その代わりに全ての回復魔法を覚えられます。怪我の治療、解毒、蘇生……全ての回復魔法が扱えるんです』
『何だよそれ……凄くない?』
『同じく回復魔法を扱える医療魔導士や治癒魔術師の上位互換に位置する職業ですからね。そして恐るべきことにレミアは精霊魔法も扱えるという点です』
『え?人間なのに?先祖に森人族か人魚族が居たの?』
『いいえ、いませんよ。彼女の先祖は人間だけです』


精霊魔法を扱えるという言葉にレナは疑問を抱き、森人族や人魚族と違って普通の人間は精霊魔法は扱えない。レナのように森人族の血筋を継いでいる人間ならば扱える可能性はあるが、レミアの場合は彼とは異なり人間以外の先祖は存在しない。それにも関わらずにどうしてレミアは精霊魔法を扱えるのかと言うと、アイリスによると彼女の悲しい過去が関係しているらしい。


『伝説の勇者である白騎士レイナの血を受け継いだ人間は必ず聖騎士の職業を得ます。そのお陰で彼等は帝国や王国の将軍職を任されていました。しかし、世代を重ねるごとに子孫の中には聖騎士の職業を得られない子供達も生まれてきました』
『え?でもレミアは……』
『確かに彼女は聖騎士の職業を持っています。しかし、その職業は人為的に生み出された職業なんです』
『人為的にって……そんな事が出来るの?』


基本的にステータスの「職業」は生まれ持った時点で定められており、変更する事は出来ない。職業を変える方法は一応は存在するが、その方法がとても困難なので実行できる人間は少ない。しかし、生まれる前の段階ならば職業が定められておらず、臨んだ職業を得られる方法があるという。


『聖騎士の職業を得られずともレイナの家系の人間は殆どが「騎士」の職業でした。ですけど普通の騎士の職業では重宝はされません。なので彼等は聖騎士の職業を得るために様々な方法を模索しました。その結果、生まれてくる前の赤子に聖騎士の職業を与える方法を発見したんです』
『それって凄くない?そんな方法があるならいろんな人が試しそうだけど……』
『それは無理な話です。聖騎士の職業を得るためには赤子を身籠った母親が犠牲にならないといけないんです』
『えっ!?』


母親を犠牲にするという言葉にレナは動揺を隠せず、どうしてそのような理論に至ったのかをアイリスは語る。


『赤子が生まれてくる前の段階で母親である女性は特別な魔石を身に着ける事により、母親の体内の赤子が影響を受けて聖騎士の職業を得られるんです。この魔石の名前は「精霊石」普通の魔石や魔水晶の最上位に位置する最高クラスの魔石です』
『精霊石?』
『レナさんも既に知っているはずですよ。バルトロス王国の王族だけが所有する事を許される聖光石は聖属性の魔力を宿した精霊石なんです』
『あっ……』


レナは義理の姉のナオから預かっていた「聖光石」を思い出し、聖剣の力を引き出す事も出来る強大な魔力を宿した魔石だが、アイリスによると聖光石は聖属性の精霊石だと説明する。
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