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剣鬼 闘技祭準備編
固有職
『精霊石はこの世界で最も強力な魔石です。レナさんがこれまでに扱ったカラドボルグもエクスカリバーも元々は精霊石の力を引き出すためだけの道具に過ぎません』
『じゃあ、本当に凄いのは精霊石という事?』
『そうとも言い切れませんよ。聖剣以外に精霊石の力を引き出せる道具は存在しませんからね。ちなみに七大魔剣は聖剣とは製造方法が異なるので精霊石は使用されていませんが、使い手の力量によっては精霊を吸収する事も出来ます』
『吸収?』
『まあ、その辺は別の機会で説明しますね。話を戻しますが、レミアの母親も彼女と同じく聖騎士の職業を習得していました。そして母親がレミアの父親となる人物と結婚した時、既にお腹の中に赤子を身籠っていました。ですが、生まれてくる子供の職業を占術士に占って貰った事が悲劇が始まりました』
『占術士?』
初めて聞く単語の職業にレナは疑問を抱くと、アイリスは簡単に職業の詳細を教える。
『要は占い師の職業です。但し、レナさんの世界の占い師と違ってこちらの占術士は他人のステータスを覗く事が出来ます。場合によっては生まれる前の状態の赤子のステータスも確認する事が出来ます』
『叔母様の鑑定みたいな能力?』
『そうですね。だけど、鑑定の場合だと完全にはステータスを読み取ることが出来ません。せいぜい名前や種族、レベルや残存しているSPが分かる程度です。ですが、占術士の場合はステータスを完全に解読できるだけではなく、まだ本人が覚えていない能力さえもどの時期に覚えるのかも見抜けます』
『それは凄いな』
占術士の職業の人間は他者のステータスを完全に読み取れるだけではなく、将来的にどのような能力を覚えられるのかも把握できるらしく、レミアの母親は生まれてくる子供のステータスを調べて貰ったらしい。
『占術士の調査の結果、残念ながら生まれてくる赤子は「騎士」の職業の人間だと判明しました。しかも2つの職業を持つ人間ではなく、固有職という1つだけしか職業が覚えられない子供が生まれてくる結果を先読みしてしまったんです』
『固有職……?』
『前にも話したことがあるかもしれませんけど、基本的にはこの世界の人間は生まれた時から二つの職業を所有しています。レナさんの場合だと支援魔術師と錬金術師ですね。しかし、世界の中には生まれた時から1つの職業しか覚えられない者は「固有職」と呼ばれています』
『固有職の場合だと何か不味いの?覚えられる能力が限られているとか?』
『いえ、普通ならば喜ぶべきことです。固有職の人間は通常の二重職の人間と違い、レベルの上昇率が非常に高く、能力も覚えやすいんです。一つの職業に特化しているからこそ成長速度が高いわけですね」
『二重職?』
『あ、すいません。二重職は二つの職業を覚える人間の事です。世界中の9割以上の人間が二重職となりますね』
固有職の人間は覚えられる能力の数は限られているが、通常の二重職の人間よりもレベルの上昇率が高く、能力の習得も早い。一方で二重職の人間は覚えられる能力の数が多い反面、レベルの上昇率が低い事になる。
『レミアの母親が懐妊した時は世継ぎを期待していた祖父母もこの結果を聞いて落胆しました。特に祖父は強い焦燥感を抱いていただけに落ち込むようは凄かったですよ』
『どうして?』
『十数年前はレミアの祖母が大将軍をだったんですよ。本来は子供が生まれたら跡を継がせるつもりだったんですが、御二人の間に出来た子供は一人だけでしかも普通の騎士の職業でした。だから孫が聖騎士の職業を継ぐことを祈っていたんですが、結果的には生まれてくる子供は普通の子供だと判明しました』
『でもレミアは聖騎士なんでしょ?』
『そう、そこが重要なんです。どうしてレミアが聖騎士に至ったのか……それは精霊石と母親が関係しています』
『……何をした?』
雰囲気が怪しくなってきたことを感じ取り、レナはレミアの身に何が起きたのかを問い質す。
『レミアの家の名前は「ルトリア家」レナさんのハヅキ家のように特別な家系なんです。彼等は白騎士レイナが受け取った聖属性の精霊石、つまりは聖光石を保管しています。本来は王家だけが所持する事を許される秘宝をルトリア家は所持しているんです』
『そうなの?でも、それがどう関係するわけ?』
『精霊石は魔石の中で最も強大な力を持ちます。装備し続けているだけで所有者の肉体に影響を与える事から管理の際は厳重に気を付けなければなりません。これをもしも人体に取り入れた場合、とんでもない現象が起きます』
『現象?』
『膨大な魔力が肉体に供給され、最終的には病のように肉体が衰弱し、死に至ります。しかし、ある特定の条件下で使用者が妊婦だった場合、生まれてくる子供にだけは悪影響を与えずに素晴らしい効果を発揮できます』
『まさか……!?』
『レミアが聖騎士になれた理由、それは彼女の母親がレミアがまだ体内に存在した時期に聖光石の欠片を飲用した事です。この事で母親は自分の肉体と引き換えにレミアの職業を聖騎士へと変化させる事に成功しました』
『自分の身を……犠牲にしたのか』
アイリスの言葉にレナは呆然と呟いてしまい、同時に言いようのない怒りを抱く。どうして母親を犠牲にしてまでレミアに「聖騎士」の職業を継がせたルトリア家の人間達に怒りを抱く。しかし、彼女の話はまだ終わっていなかった。
『じゃあ、本当に凄いのは精霊石という事?』
『そうとも言い切れませんよ。聖剣以外に精霊石の力を引き出せる道具は存在しませんからね。ちなみに七大魔剣は聖剣とは製造方法が異なるので精霊石は使用されていませんが、使い手の力量によっては精霊を吸収する事も出来ます』
『吸収?』
『まあ、その辺は別の機会で説明しますね。話を戻しますが、レミアの母親も彼女と同じく聖騎士の職業を習得していました。そして母親がレミアの父親となる人物と結婚した時、既にお腹の中に赤子を身籠っていました。ですが、生まれてくる子供の職業を占術士に占って貰った事が悲劇が始まりました』
『占術士?』
初めて聞く単語の職業にレナは疑問を抱くと、アイリスは簡単に職業の詳細を教える。
『要は占い師の職業です。但し、レナさんの世界の占い師と違ってこちらの占術士は他人のステータスを覗く事が出来ます。場合によっては生まれる前の状態の赤子のステータスも確認する事が出来ます』
『叔母様の鑑定みたいな能力?』
『そうですね。だけど、鑑定の場合だと完全にはステータスを読み取ることが出来ません。せいぜい名前や種族、レベルや残存しているSPが分かる程度です。ですが、占術士の場合はステータスを完全に解読できるだけではなく、まだ本人が覚えていない能力さえもどの時期に覚えるのかも見抜けます』
『それは凄いな』
占術士の職業の人間は他者のステータスを完全に読み取れるだけではなく、将来的にどのような能力を覚えられるのかも把握できるらしく、レミアの母親は生まれてくる子供のステータスを調べて貰ったらしい。
『占術士の調査の結果、残念ながら生まれてくる赤子は「騎士」の職業の人間だと判明しました。しかも2つの職業を持つ人間ではなく、固有職という1つだけしか職業が覚えられない子供が生まれてくる結果を先読みしてしまったんです』
『固有職……?』
『前にも話したことがあるかもしれませんけど、基本的にはこの世界の人間は生まれた時から二つの職業を所有しています。レナさんの場合だと支援魔術師と錬金術師ですね。しかし、世界の中には生まれた時から1つの職業しか覚えられない者は「固有職」と呼ばれています』
『固有職の場合だと何か不味いの?覚えられる能力が限られているとか?』
『いえ、普通ならば喜ぶべきことです。固有職の人間は通常の二重職の人間と違い、レベルの上昇率が非常に高く、能力も覚えやすいんです。一つの職業に特化しているからこそ成長速度が高いわけですね」
『二重職?』
『あ、すいません。二重職は二つの職業を覚える人間の事です。世界中の9割以上の人間が二重職となりますね』
固有職の人間は覚えられる能力の数は限られているが、通常の二重職の人間よりもレベルの上昇率が高く、能力の習得も早い。一方で二重職の人間は覚えられる能力の数が多い反面、レベルの上昇率が低い事になる。
『レミアの母親が懐妊した時は世継ぎを期待していた祖父母もこの結果を聞いて落胆しました。特に祖父は強い焦燥感を抱いていただけに落ち込むようは凄かったですよ』
『どうして?』
『十数年前はレミアの祖母が大将軍をだったんですよ。本来は子供が生まれたら跡を継がせるつもりだったんですが、御二人の間に出来た子供は一人だけでしかも普通の騎士の職業でした。だから孫が聖騎士の職業を継ぐことを祈っていたんですが、結果的には生まれてくる子供は普通の子供だと判明しました』
『でもレミアは聖騎士なんでしょ?』
『そう、そこが重要なんです。どうしてレミアが聖騎士に至ったのか……それは精霊石と母親が関係しています』
『……何をした?』
雰囲気が怪しくなってきたことを感じ取り、レナはレミアの身に何が起きたのかを問い質す。
『レミアの家の名前は「ルトリア家」レナさんのハヅキ家のように特別な家系なんです。彼等は白騎士レイナが受け取った聖属性の精霊石、つまりは聖光石を保管しています。本来は王家だけが所持する事を許される秘宝をルトリア家は所持しているんです』
『そうなの?でも、それがどう関係するわけ?』
『精霊石は魔石の中で最も強大な力を持ちます。装備し続けているだけで所有者の肉体に影響を与える事から管理の際は厳重に気を付けなければなりません。これをもしも人体に取り入れた場合、とんでもない現象が起きます』
『現象?』
『膨大な魔力が肉体に供給され、最終的には病のように肉体が衰弱し、死に至ります。しかし、ある特定の条件下で使用者が妊婦だった場合、生まれてくる子供にだけは悪影響を与えずに素晴らしい効果を発揮できます』
『まさか……!?』
『レミアが聖騎士になれた理由、それは彼女の母親がレミアがまだ体内に存在した時期に聖光石の欠片を飲用した事です。この事で母親は自分の肉体と引き換えにレミアの職業を聖騎士へと変化させる事に成功しました』
『自分の身を……犠牲にしたのか』
アイリスの言葉にレナは呆然と呟いてしまい、同時に言いようのない怒りを抱く。どうして母親を犠牲にしてまでレミアに「聖騎士」の職業を継がせたルトリア家の人間達に怒りを抱く。しかし、彼女の話はまだ終わっていなかった。
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