不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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闘技祭 決戦編

集う参加者

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「おい、何の騒ぎだ?」
「ご無事ですか!?」
「皆、大丈夫!?」


通路内に他の仲間達も姿を現し、レミアに抱えられているカノンを見て全員が驚く。しかし、今は事情を説明する暇もなく、レミアは全員に頭を下げて通路を引き返す。


「試合開始までの間はくれぐれもここから離れないで下さい。それと、念のために皆さんの部屋に用意されている食料には手を付けないで下さい」
「おいおい、どう言う事だよ。どうしてこいつが……」
「レミアは味方してくれると約束してくれたんだよ」
「……どうかしらね」


レミアの言葉にシュンが訝し気な表情を浮かべるが、レナが彼女の代わりに説明する。しかし、シズネは完全には信用していない様子であり、そんな彼女の態度にレミアは悲し気な表情を浮かべる。


「シズネさん……あの時に貴女と、貴女の母親を救えなかった事は今でも後悔しています」
「……そう」
「ですが、今は違います。もう私も貴女も王妃の人形ではありません。これから共に戦えます。それだけは……信じて下さい」
「……覚えておくわ」


シズネの言葉を聞いたレミアは一瞬だけ笑顔を浮かべ、彼女はカノンを背負ったまま立ち去る。そんな彼女の後姿に他の人間は不思議そうな表情を浮かべる中、ゴウライが何かに気付いたように奥側の通路に視線を向けた。


『ほう、どうやら吾輩達が一番乗りではないらしいぞ』
「えっ?」
『あれを見ろ』


ゴウライが指差す方向に全員が視線を向けると、食堂が存在する奥の通路から数人の人間が歩いている姿を発見し、どうやらレナ達よりも先に辿り着いた参加者が存在したらしい。


「ひっく……何の騒ぎだぁっ?うるせえな……」
「全く、飲み過ぎだぞ虎王よ」
「…………」


姿を現したのは3人の男性であり、獣人族、小髭族、森人族の3人組だった。その中の一人はレナも見覚えがあり、ヨツバ王国の国王との会談の際に顔を見かけた「王国四騎士」の筆頭を務める「カイ」という名前の騎士で間違いなかった。


「おいおい、嘘だろ……あいつ、獣人族の将軍じゃねえか?」
「馬鹿なっ……どうしてあの方がここにっ!?」
「と、隣に歩いている方はもしかして小髭族の英雄では……!?」
『ふむ、全員かなりの強者だな。手合せを願いたい程だ』


通路に現れた三人組に剣聖達が反応し、特にロウガは虎耳を生やした中年男性に視線を向け、全身から冷や汗を流す。通路を歩く三人もレナ達に気付いたようであり、真っ先に反応したのは酒瓶を片手に先頭を歩く虎型の獣人族の男性だった。


「あん?お前等、何を見てやがるんだ?俺達は見世物じゃねえぞぉいっ……」
「本当に飲み過ぎだぞ。試合前にぶっ倒れても知らんぞ儂は」
「あっはっはっはっ!!大丈夫だって~全然酔ってねえよぉっ」
「……肩に持たれるな、切り伏せるぞ」


虎王と呼ばれた男性は馴れ馴れしく小髭族との老人カイの両肩を引き寄せようとするが、カイは寸伸ばしてきた手を寸前で躱し、老人も腕を振り払う。その様子を見たレナ達は戸惑いの表情を浮かべると、ロウガが慌てて駆け出して3人の前に跪く。


「虎王将軍!!お久しぶりです!!」
「あん?誰だっけお前……?」
「私の事をお忘れですか!?貴方の弟子のロウガです!!」
『弟子!?』


ロウガの発言に通路に存在した全員が驚きの声を上げ、どう考えても外見だけを見ればロウガの方が男性よりも年上にしか見えない。それにも関わらずにロウガは男性の前で膝を着き、頭を下げる。


「ロウガ……?ああ、そういえば居たなっ!!いや、久しぶりだな!!元気してたかぁっ?」
「は、はあっ……相変わらず、酒浸りの生活を改めていないのですね」
「かっかっかっ!!俺から酒を取ったらなんも残んねえよ」


男性は酒瓶を口にしながらロウガの肩を叩き、上機嫌に話しかける。その様子から二人が知り合いである事は間違いないが、弟子という言葉に未だに動揺を隠せないシュンがロウガに尋ねる。


「お、おい!!おっさん!!弟子ってどういうことだよ!?そんな若造がおっさんに剣を教えたってのか!?」
「口を慎め!!この方を誰だと思っている?獣人国の筆頭将軍を務める虎王タイガ様だぞ!!」
「ええっ!?」


ロウガの言葉に何人かが驚愕の声を上げ、レナも「虎王」の名前はヨツバ王国との会談の際に耳をしている。王妃が獣人国から招いた将軍だと聞いているが、まさかロウガとも関りがある事はレナも知らなかった。


「虎王様、どうして貴方程の御方がこのような場所に……」
「ちょいと王様に命令されててな。この闘技祭?とかいう大会に出て、優勝して来いと言われたんだよ……お前は元気だったか?」
「は、はあ……まあ、一応は」
「そうかそうか!!そいつは良かったなっ!!最近は顔を見せないからもう死んじまったかと思ってたよ!!」


割と失礼なことを口にしながらもタイガはロウガの肩を叩き、今度は他の人間に視線を向ける。
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