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闘技祭 決戦編
虎王タイガ
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「へえ……あんたが噂の破壊剣聖か?悪名はうちの国まで届いているぜ」
『ふははははっ!!それは照れるな!!ちなみに貴様の名前は吾輩は聞いた事がないがな!!』
「……噂通りに声がうるせえ奴だな」
ゴウライに対して挑発するようにタイガは話しかけるが、当のゴウライは気にした風もなく笑い声をあげる。そんな彼の態度に毒気が抜かれたようにタイガは溜息を吐き出し、ロウガに声を掛ける。
「ロウガ、お前も参加するのか?」
「は、はい……」
「そうか……なら俺と戦う時は師弟関係は忘れろ。どんな相手であろうと、敵と見なしたら殺せ……それが獣人族の剣士のやり方だ」
「……分かっております」
先ほどまでと雰囲気が一変し、タイガは酒瓶を放り捨てるとレナ達の前を通り過ぎる。その圧倒的な威圧感に剣聖の称号を持つシュン達さえも道を開けてしまい、立ち去り際にタイガは一度だけゴウライに振り返ると、一言だけ囁く。
「決勝で会おうぜ」
『ぬっ?』
その言葉を最後にタイガは立ち去り、その後ろ姿を全員が見送る。やがて彼の姿が見えなくなると最初に反応したのはカイだった。
「相変わらずむかつく男だ……だが、前よりも強くなっている」
「おお、そういえばお主は前にあの男に敗れたらしいのう。噂は聞いておるぞ」
「……黙れ」
カイの隣に立っていた小髭族の老人が笑いかけると、カイは不機嫌そうに睨みつける。ここで老人の正体を気になったレナは本人に問い質す。
「あの、すいません……お爺さんも大会の参加者なんですか?」
「なんじゃと!?この儂を知らんのか坊主!?」
「え、もしかして有名な人?」
「私は知らないわ」
「俺も知らねえ」
「えっと……僕も分からないや」
老人がレナの言葉に心底驚いたような表情を浮かべるが、レナ以外の人間も彼の事を知らないのか首を振る。しかし、ジャンヌだけは慌てて皆に説明する。
「こ、この御方は小髭族の名工ですよ。私の旋斧もこの方に打ってもらいましたから」
「おお、久しぶりだのう嬢ちゃん!!元気だったか?」
ジャンヌに気付いた老人は嬉しげな声を上げ、自分を知る人物が居た事に安堵する。しかし、小髭族の名工と言われてもレナが知っている小髭族の鍛冶師はドルトン商会が抱えている中年の小髭族の男性だけであり、そもそも錬金術師であるレナが鍛冶師に世話になる事自体も滅多にないので知るはずがない。
「えっと、その名工さんがどうしてこんな場所に?」
「なんじゃい、反応が薄いのう……一流の剣士なら鍛冶師の名工を目の前にしたら少しは気を遣わんか。お主は超一流の鍛冶師と知り合える機会と巡り合えたのかも知れんぞ?」
「基本的に鍛冶師の方に世話になる事はないので……」
「つまらん奴じゃのう……儂の名はガジンじゃ。よく覚えておけ」
ガジンと名乗った男性はレナに視線を向け、彼が背負っている退魔刀に気付き、不思議そうな表情を浮かべる。現在は銀砂を利用して表面を銀色に変色させているが、鍛冶師の名工と言われる彼は違和感を抱く。
「む?お主のその刀……何か塗っておるな?けしからん!!武器を何だと思っておる!!装飾品ではないぞ!?」
「え、分かるんですか?」
「当たり前じゃボケが!!この儂を誰だと思っておる!!」
レナが退魔刀に銀砂を塗り付けている事にガジンは憤慨するが、彼の大剣自体には興味を抱いているらしく、刃の表面に触れる。
「しかし……剣自体は相当な業物だのう。余程腕の良い鍛冶師に作って貰ったと見たぞ」
「いや、この剣は……」
「だが、まだまだ改良の余地はあるのう。お主、儂を信じてこの剣を貸してくれんか?儂が打ち直せばもっと良い剣に仕上がるぞ」
「ほ、本当ですかっ!?」
最後の言葉はレナではなく、傍で聞いていたジャンヌが反応し、彼女は興奮した様子でレナの肩を掴む。
「レナ様、ガジン様はあの伝説の鍛冶師ガジンの名を継ぐ名工なんです!!その腕前から小髭族の英雄とまで呼ばれれている人物なんですよ!!そのガジン様が興味を抱くなんて……是非剣を見てもらうべきです!!」
「そ、そうなの?」
「ほっほっほっ!!この娘っ子は儂の事をよく理解しておるのう。しかし、流石に試合前に剣は受け取れな。剣を渡す気になったら試合が終わった後でいいから食堂に来てくれ。儂はそこで試合を観戦しておるからな」
ジャンヌの言葉に上機嫌になったガジンは食堂に続く通路へと引き返し、残されたカイは黙って立ち尽くす。特に彼と親交があるわけではないレナ達は困った風に顔を見合わせると、カイは溜息を吐いて話を切り出す。
「……ヨツバ王国と氷雨は同盟関係にある。しかし、試合で当たった時は容赦はしないぞ」
「あ、はい」
「俺は戻る。何か用事が出来たら階段側の通路の端から5番目にある部屋へ尋ねろ。左側だぞ」
言いたい事だけを告げると必要以上に関わりたくないとばかりにカイは早足に立ち去り、その後ろ姿にシュンは気に入らなそうに呟く。
「偉そうな態度の奴だな……しかし、カイか。あいつが例の王国四騎士の筆頭だろう?確かに生意気な口を叩くだけの実力はありそうだな」
『ふははははっ!!それは照れるな!!ちなみに貴様の名前は吾輩は聞いた事がないがな!!』
「……噂通りに声がうるせえ奴だな」
ゴウライに対して挑発するようにタイガは話しかけるが、当のゴウライは気にした風もなく笑い声をあげる。そんな彼の態度に毒気が抜かれたようにタイガは溜息を吐き出し、ロウガに声を掛ける。
「ロウガ、お前も参加するのか?」
「は、はい……」
「そうか……なら俺と戦う時は師弟関係は忘れろ。どんな相手であろうと、敵と見なしたら殺せ……それが獣人族の剣士のやり方だ」
「……分かっております」
先ほどまでと雰囲気が一変し、タイガは酒瓶を放り捨てるとレナ達の前を通り過ぎる。その圧倒的な威圧感に剣聖の称号を持つシュン達さえも道を開けてしまい、立ち去り際にタイガは一度だけゴウライに振り返ると、一言だけ囁く。
「決勝で会おうぜ」
『ぬっ?』
その言葉を最後にタイガは立ち去り、その後ろ姿を全員が見送る。やがて彼の姿が見えなくなると最初に反応したのはカイだった。
「相変わらずむかつく男だ……だが、前よりも強くなっている」
「おお、そういえばお主は前にあの男に敗れたらしいのう。噂は聞いておるぞ」
「……黙れ」
カイの隣に立っていた小髭族の老人が笑いかけると、カイは不機嫌そうに睨みつける。ここで老人の正体を気になったレナは本人に問い質す。
「あの、すいません……お爺さんも大会の参加者なんですか?」
「なんじゃと!?この儂を知らんのか坊主!?」
「え、もしかして有名な人?」
「私は知らないわ」
「俺も知らねえ」
「えっと……僕も分からないや」
老人がレナの言葉に心底驚いたような表情を浮かべるが、レナ以外の人間も彼の事を知らないのか首を振る。しかし、ジャンヌだけは慌てて皆に説明する。
「こ、この御方は小髭族の名工ですよ。私の旋斧もこの方に打ってもらいましたから」
「おお、久しぶりだのう嬢ちゃん!!元気だったか?」
ジャンヌに気付いた老人は嬉しげな声を上げ、自分を知る人物が居た事に安堵する。しかし、小髭族の名工と言われてもレナが知っている小髭族の鍛冶師はドルトン商会が抱えている中年の小髭族の男性だけであり、そもそも錬金術師であるレナが鍛冶師に世話になる事自体も滅多にないので知るはずがない。
「えっと、その名工さんがどうしてこんな場所に?」
「なんじゃい、反応が薄いのう……一流の剣士なら鍛冶師の名工を目の前にしたら少しは気を遣わんか。お主は超一流の鍛冶師と知り合える機会と巡り合えたのかも知れんぞ?」
「基本的に鍛冶師の方に世話になる事はないので……」
「つまらん奴じゃのう……儂の名はガジンじゃ。よく覚えておけ」
ガジンと名乗った男性はレナに視線を向け、彼が背負っている退魔刀に気付き、不思議そうな表情を浮かべる。現在は銀砂を利用して表面を銀色に変色させているが、鍛冶師の名工と言われる彼は違和感を抱く。
「む?お主のその刀……何か塗っておるな?けしからん!!武器を何だと思っておる!!装飾品ではないぞ!?」
「え、分かるんですか?」
「当たり前じゃボケが!!この儂を誰だと思っておる!!」
レナが退魔刀に銀砂を塗り付けている事にガジンは憤慨するが、彼の大剣自体には興味を抱いているらしく、刃の表面に触れる。
「しかし……剣自体は相当な業物だのう。余程腕の良い鍛冶師に作って貰ったと見たぞ」
「いや、この剣は……」
「だが、まだまだ改良の余地はあるのう。お主、儂を信じてこの剣を貸してくれんか?儂が打ち直せばもっと良い剣に仕上がるぞ」
「ほ、本当ですかっ!?」
最後の言葉はレナではなく、傍で聞いていたジャンヌが反応し、彼女は興奮した様子でレナの肩を掴む。
「レナ様、ガジン様はあの伝説の鍛冶師ガジンの名を継ぐ名工なんです!!その腕前から小髭族の英雄とまで呼ばれれている人物なんですよ!!そのガジン様が興味を抱くなんて……是非剣を見てもらうべきです!!」
「そ、そうなの?」
「ほっほっほっ!!この娘っ子は儂の事をよく理解しておるのう。しかし、流石に試合前に剣は受け取れな。剣を渡す気になったら試合が終わった後でいいから食堂に来てくれ。儂はそこで試合を観戦しておるからな」
ジャンヌの言葉に上機嫌になったガジンは食堂に続く通路へと引き返し、残されたカイは黙って立ち尽くす。特に彼と親交があるわけではないレナ達は困った風に顔を見合わせると、カイは溜息を吐いて話を切り出す。
「……ヨツバ王国と氷雨は同盟関係にある。しかし、試合で当たった時は容赦はしないぞ」
「あ、はい」
「俺は戻る。何か用事が出来たら階段側の通路の端から5番目にある部屋へ尋ねろ。左側だぞ」
言いたい事だけを告げると必要以上に関わりたくないとばかりにカイは早足に立ち去り、その後ろ姿にシュンは気に入らなそうに呟く。
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