295 / 2,091
闘技祭 決戦編
ミノタウロスの蹂躙
しおりを挟む
「ブモォオオッ……!!」
「何だとっ……!?」
ミノタウロスに体当たりを仕掛けたダンガイだが、全力で突進を仕掛けたにも関わらずに数歩後退させる程度で止められてしまう。老いたとはいえ力に特化した巨人族の膂力でさえもミノタウロスはびくともせず、逆に組み付いてきたダンガイの背中に肘を叩きつける。
「フンッ!!」
「ぐああっ!?」
強烈な衝撃がダンガイの背中に伝わり、鎖骨が砕けたダンガイは白目を向いて倒れこむ。その光景を目撃した他の二人の盾騎士は表情を青くさせ、圧倒的な力で巨人族の老騎士を捻じ伏せたミノタウロスに恐怖を抱く。
「は、はははっ!!こりゃ凄い!!こんなに強かったのかお前……高い金を払ったかいはあるぜ」
「ブモォッ……」
レギンは笑い声をあげてミノタウロスの背中を叩きつけ、そんな彼に煩わしそうにミノタウロスは視線を向けるが、逆らう真似はしない。他の二人は顔を見合わせ、同時に頷く。ミノタウロスを撃破するのは難しいが、そのミノタウロスを操作しているレギンの場合は別であり、先に魔物使いの方を倒すことを決めた。
「よし、行くぞ!!」
「化物の注意は俺が引く!!」
二人の選手は左右に回り込んで接近し、速度に特化した獣人族の「ダンプ」という選手が真っ先にミノタウロスに向かう。ミノタウロスは自分の左側から回るダンプに視線を向けて迎え撃とうとするが、レギンが新たな指示を与える。
「お、おい!!俺を守れ、離れるんじゃない!!」
「ブフゥッ……」
主人の命令に仕方がないとばかりにミノタウロスは斧を構えると、右側から後ろに回り込んでレギンを仕留めようとしている人間に視線を向ける。こちらの選手の名前は「アラン」という遠方から冒険者であり、位置的にダンプよりもレギンとの距離が近かったため、彼は円盤型の盾にして体当たりを仕掛けた。
「喰らえっ!!」
「ひいっ!?」
「ブモォオッ!!」
レギンに接近するアランに対してミノタウロスは巨大な斧を振り翳し、頭上から叩きつける。しかし、それを予測していたようにアランは盾を上段に構え、攻撃を受け流して回避を試みる。
「受け流し!!」
「ブフゥッ!?」
盾が刃に触れた瞬間に右方向に攻撃の軌道を変化させられ、ミノタウロスの斧が地面に衝突する。それを確認したアランは攻撃を受け流す事に成功して安堵の表情を浮かべるが、その一瞬の隙を逃さずにミノタウロスは前足を繰り出す。
「フゥンッ!!」
「ぐはぁっ!?」
「何だと!?」
斧を防ぐ事に成功して油断していたのか、アランは繰り出されたミノタウロスの前足を真面に受けてしまい、遥か後方に吹き飛ばされる。素の身体能力だけでもトロールやオーガさえも上回るミノタウロスの一撃を受けたアランは血反吐を吐き散らしながら地面に倒れこみ、痙攣を引き起こしながら気絶する。その光景を目撃した最後の選手であるダンプは立ち止まってしまい、恐怖の表情を浮かべる。
「そ、そんな馬鹿な……」
「は、ははっ……どうだ!!こいつの強さは分かっただろう?大人しく降参するなら命だけは見逃してやっても……」
「ブモオオオオッ!!」
怯えた表情を浮かべたダンプに対してレギンは降伏を勧めようとしたが、興奮したミノタウロスは斧を拾い上げるとレギンを放置してダンプに向けて駆け出し、勢いよく跳躍を行う。
「オォオオオオッ!!」
「ひいっ!?」
「お、おいっ!?」
主人の命令も受けずに突っ込んできたミノタウロスに対してダンプは咄嗟に大盾を構えるが、誰が見ても彼の行動は悪手である事は明らかであり、空中から斧を振り翳したミノタウロスはダンプに目掛けて全体重を乗せた一撃を放つ。
「ブフゥウウウッ!!」
「あがぁっ――!?」
次の瞬間、大盾ごとダンプの肉体が斧によって引き裂かれ、頭部から胴体まで切り裂かれたダンプの肉体が左右に分かれて地面に倒れる。その光景に観衆は悲鳴を上げ、遂に試合中に死亡者が現れた事に各国の代表や解説役のラビットも動揺する。
「いやぁああああっ!!」
「や、やりやがった……!!」
「おい、あれいいのか!?殺しちまったぞ!!」
「ば、化物だ……」
『み、皆さん落ち着いて下さい!!し、試合はここまでです!!レギン選手もすぐにミノタウロスを抑えて下さい!!』
「ば、馬鹿野郎!!早く戻れ!!」
「ブモォッ……」
ラビットの声を聞いて慌ててレギンはミノタウロスの元へ駆け寄り、杖を掲げて興奮したミノタウロスを鎮静化させる。慌てて彼はミノタウロスを引き連れて試合場を離れ、即座に兵士達が駆けつけて負傷した二人の選手とダンプの亡骸を運び込む。
あまりの光景に盛り上がっていた観客達の顔色も悪く、圧倒的な暴力を見せつけたミノタウロスに歓声や非難の声すらも上がらず、観客席が恐怖に覆われてしまう。しかし、その中で冷静に試合場の様子を伺う人間も少数ではあるが存在した。
「何だとっ……!?」
ミノタウロスに体当たりを仕掛けたダンガイだが、全力で突進を仕掛けたにも関わらずに数歩後退させる程度で止められてしまう。老いたとはいえ力に特化した巨人族の膂力でさえもミノタウロスはびくともせず、逆に組み付いてきたダンガイの背中に肘を叩きつける。
「フンッ!!」
「ぐああっ!?」
強烈な衝撃がダンガイの背中に伝わり、鎖骨が砕けたダンガイは白目を向いて倒れこむ。その光景を目撃した他の二人の盾騎士は表情を青くさせ、圧倒的な力で巨人族の老騎士を捻じ伏せたミノタウロスに恐怖を抱く。
「は、はははっ!!こりゃ凄い!!こんなに強かったのかお前……高い金を払ったかいはあるぜ」
「ブモォッ……」
レギンは笑い声をあげてミノタウロスの背中を叩きつけ、そんな彼に煩わしそうにミノタウロスは視線を向けるが、逆らう真似はしない。他の二人は顔を見合わせ、同時に頷く。ミノタウロスを撃破するのは難しいが、そのミノタウロスを操作しているレギンの場合は別であり、先に魔物使いの方を倒すことを決めた。
「よし、行くぞ!!」
「化物の注意は俺が引く!!」
二人の選手は左右に回り込んで接近し、速度に特化した獣人族の「ダンプ」という選手が真っ先にミノタウロスに向かう。ミノタウロスは自分の左側から回るダンプに視線を向けて迎え撃とうとするが、レギンが新たな指示を与える。
「お、おい!!俺を守れ、離れるんじゃない!!」
「ブフゥッ……」
主人の命令に仕方がないとばかりにミノタウロスは斧を構えると、右側から後ろに回り込んでレギンを仕留めようとしている人間に視線を向ける。こちらの選手の名前は「アラン」という遠方から冒険者であり、位置的にダンプよりもレギンとの距離が近かったため、彼は円盤型の盾にして体当たりを仕掛けた。
「喰らえっ!!」
「ひいっ!?」
「ブモォオッ!!」
レギンに接近するアランに対してミノタウロスは巨大な斧を振り翳し、頭上から叩きつける。しかし、それを予測していたようにアランは盾を上段に構え、攻撃を受け流して回避を試みる。
「受け流し!!」
「ブフゥッ!?」
盾が刃に触れた瞬間に右方向に攻撃の軌道を変化させられ、ミノタウロスの斧が地面に衝突する。それを確認したアランは攻撃を受け流す事に成功して安堵の表情を浮かべるが、その一瞬の隙を逃さずにミノタウロスは前足を繰り出す。
「フゥンッ!!」
「ぐはぁっ!?」
「何だと!?」
斧を防ぐ事に成功して油断していたのか、アランは繰り出されたミノタウロスの前足を真面に受けてしまい、遥か後方に吹き飛ばされる。素の身体能力だけでもトロールやオーガさえも上回るミノタウロスの一撃を受けたアランは血反吐を吐き散らしながら地面に倒れこみ、痙攣を引き起こしながら気絶する。その光景を目撃した最後の選手であるダンプは立ち止まってしまい、恐怖の表情を浮かべる。
「そ、そんな馬鹿な……」
「は、ははっ……どうだ!!こいつの強さは分かっただろう?大人しく降参するなら命だけは見逃してやっても……」
「ブモオオオオッ!!」
怯えた表情を浮かべたダンプに対してレギンは降伏を勧めようとしたが、興奮したミノタウロスは斧を拾い上げるとレギンを放置してダンプに向けて駆け出し、勢いよく跳躍を行う。
「オォオオオオッ!!」
「ひいっ!?」
「お、おいっ!?」
主人の命令も受けずに突っ込んできたミノタウロスに対してダンプは咄嗟に大盾を構えるが、誰が見ても彼の行動は悪手である事は明らかであり、空中から斧を振り翳したミノタウロスはダンプに目掛けて全体重を乗せた一撃を放つ。
「ブフゥウウウッ!!」
「あがぁっ――!?」
次の瞬間、大盾ごとダンプの肉体が斧によって引き裂かれ、頭部から胴体まで切り裂かれたダンプの肉体が左右に分かれて地面に倒れる。その光景に観衆は悲鳴を上げ、遂に試合中に死亡者が現れた事に各国の代表や解説役のラビットも動揺する。
「いやぁああああっ!!」
「や、やりやがった……!!」
「おい、あれいいのか!?殺しちまったぞ!!」
「ば、化物だ……」
『み、皆さん落ち着いて下さい!!し、試合はここまでです!!レギン選手もすぐにミノタウロスを抑えて下さい!!』
「ば、馬鹿野郎!!早く戻れ!!」
「ブモォッ……」
ラビットの声を聞いて慌ててレギンはミノタウロスの元へ駆け寄り、杖を掲げて興奮したミノタウロスを鎮静化させる。慌てて彼はミノタウロスを引き連れて試合場を離れ、即座に兵士達が駆けつけて負傷した二人の選手とダンプの亡骸を運び込む。
あまりの光景に盛り上がっていた観客達の顔色も悪く、圧倒的な暴力を見せつけたミノタウロスに歓声や非難の声すらも上がらず、観客席が恐怖に覆われてしまう。しかし、その中で冷静に試合場の様子を伺う人間も少数ではあるが存在した。
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。