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都市崩壊編
振動の正体
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「この女はここで殺すべきよ……王子は私のギルドの冒険者が探し出すわ」
「止めてっ!!」
「もういい、これ以上の恥を晒すぐらいなら……!!」
杖を構えたマリアにハヅキは彼女を止めるが、キラウは右手を胸元に差し出すと隠していた死霊石を握りしめ、死霊使いの禁断の秘儀を発動しようとした。だが、3人が行動を移す前に唐突に地面に激しい振動が走り、全員がその場に転倒してしまう。
「きゃあっ!?」
「これは……!?」
「なっ……まだ早すぎる!?」
「ハヅキ様!!」
地震のように激しい振動が冒険都市を襲い、マリアは何事かと地面に視線を向けると、地中から感じ取る「魔力」を感じ取る。その魔力の強さは以前に都市を襲撃した腐敗竜と比べ物にならず、強力な威圧感を感じさせる魔力だった。
「これは一体……何が起きているのですか?」
「ハヅキ様!!撤退しましょう!!この場に残るのは危険すぎます!!」
「御二人とその女を安全な場所へ連れ出せ!!」
ハヅキ家に従う緑影が安全な場所に3人を連れ出そうとするが、全員の注意が別に逸れた隙にキラウの元に近づく影が存在し、その人物は弱り果てたキラウの身体を抱き上げる。
「おっと、貴女にはまだ役目があります。こちらに引き渡して貰いますよ」
「お前は……!?」
「何者だっ!?」
キラウを抱えたのは全身が黒装束で覆われた人物であり、マリアに仕える「カゲマル」や「ハンゾウ」が装備する和国の衣装で間違いなかった。気配を全く感じさせずに現れた人物にハヅキは咄嗟に精霊魔法を利用してキラウを奪い返そうとするが、先にマリアが杖を構えて魔法を放つ。
「マジック・アロー!!」
マリアの杖先から魔法陣が誕生し、七つの属性の魔法の砲撃魔法が放たれた。威力自体は単体では弱いが、複数の属性の砲撃魔法が同時に撃ち込まれるため、同時に直撃すれば各属性の魔法同士が反発して強力な光の衝撃波を生み出す。しかし、キラウを掲げた人物は自分の元に向かう七つの魔法の矢に対して黒装束の男性はキラウを抱えた状態で空中を跳躍し、全ての砲撃を躱す。
「遅い」
「あぐぅっ!?」
全ての砲撃を回避した男性はキラウを肩に抱え、振動が襲い続ける地面をまるで平地の如く駆け抜ける。その姿を目撃したマリアは舌打ちし、追撃を加えようとしたがハヅキが彼女の腕を掴む。
「止めて下さいっ!!これ以上攻撃をすればあの子は……!?」
「くっ……なら、このまま見逃せと言うの!?」
「マリア様!!」
母親の懇願にマリアは眉を顰め、その間にもキラウを抱えた男は距離を離す。このままでは逃げられてしまうが、そんなマリアの元に側近であるカゲマルが姿を現す。マリアは彼を闘技場内に送り込み、王妃達の動向を探らせていた。
「カゲマル!!丁度いい時に来たわ、あの男を捕まえなさい!!」
「その前に報告を聞いて下さい!!」
「……何ですって?」
マリアの命令ならばどのような時でも即座に従っていたカゲマルだが、今回は彼女の命令には従わず、自分が得た情報を彼女に話す。
「マリア様、この振動の正体は王妃の仕業です!!あの女はこの都市を完全に滅ぼそうとしています!!」
「そんな事は分かっているわ!!ならその正体とやらを報告しなさい!!」
「竜種です!!土竜の成体である「地竜」が攻撃を仕掛けています!!」
「地竜……!?」
地竜という言葉にその場に存在した全員が戦慄し、振動が徐々に激しさを増す。遂には建物が崩壊を始め、街の各所で土煙が舞い上がる。その様子を見たマリアはキラウに構う暇はなく、この街を収める人間として街の住民を避難させる事を決意する。
「すぐに全冒険者に通達しなさい!!住民を街の外へ避難させ、私が地竜の対処に向かうと!!母上……母様!!呆けている場合じゃないのよ!!」
「……わ、分かっています」
立ち去ったキラウに視線を向け続ける母親にマリアは焦らされたように声を掛け、その際に子供の頃に呼び方に戻ってしまう。しかし、今は一刻も早く住民を避難させ、都市に攻撃を仕掛ける地竜を仕留めなければならない。
「各ギルドに連絡を伝えなさい!!優先順位は第一に住民の避難、第二に地竜の討伐よ!!」
「承知っ!!」
「緑影!!貴方達は先に宿に避難させた国王様とノル様の避難させなさい!!ティナ様とエリナ様の捜索は私が行います!!」
『はっ!!』
マリアとハヅキの指示にカゲマルと緑影が動き出し、残された二人は顔を見合わせると、お互いがするべき行動を口にする。
「私は地竜を仕留めるわ」
「私は王女様と王子様の救助を行います……気を付けなさいマリア」
「それはこっちの台詞よ……姉さんもこの街に居るわ、何としても止めて見せる」
「あの子も……!?」
アイラがこの街に存在するという話にハヅキは目を見開き、まさか自分の娘3人がこの都市に残っていた事に驚きを隠せない。孫のレナを合わせればハヅキ家全員が揃う事になる。
「止めてっ!!」
「もういい、これ以上の恥を晒すぐらいなら……!!」
杖を構えたマリアにハヅキは彼女を止めるが、キラウは右手を胸元に差し出すと隠していた死霊石を握りしめ、死霊使いの禁断の秘儀を発動しようとした。だが、3人が行動を移す前に唐突に地面に激しい振動が走り、全員がその場に転倒してしまう。
「きゃあっ!?」
「これは……!?」
「なっ……まだ早すぎる!?」
「ハヅキ様!!」
地震のように激しい振動が冒険都市を襲い、マリアは何事かと地面に視線を向けると、地中から感じ取る「魔力」を感じ取る。その魔力の強さは以前に都市を襲撃した腐敗竜と比べ物にならず、強力な威圧感を感じさせる魔力だった。
「これは一体……何が起きているのですか?」
「ハヅキ様!!撤退しましょう!!この場に残るのは危険すぎます!!」
「御二人とその女を安全な場所へ連れ出せ!!」
ハヅキ家に従う緑影が安全な場所に3人を連れ出そうとするが、全員の注意が別に逸れた隙にキラウの元に近づく影が存在し、その人物は弱り果てたキラウの身体を抱き上げる。
「おっと、貴女にはまだ役目があります。こちらに引き渡して貰いますよ」
「お前は……!?」
「何者だっ!?」
キラウを抱えたのは全身が黒装束で覆われた人物であり、マリアに仕える「カゲマル」や「ハンゾウ」が装備する和国の衣装で間違いなかった。気配を全く感じさせずに現れた人物にハヅキは咄嗟に精霊魔法を利用してキラウを奪い返そうとするが、先にマリアが杖を構えて魔法を放つ。
「マジック・アロー!!」
マリアの杖先から魔法陣が誕生し、七つの属性の魔法の砲撃魔法が放たれた。威力自体は単体では弱いが、複数の属性の砲撃魔法が同時に撃ち込まれるため、同時に直撃すれば各属性の魔法同士が反発して強力な光の衝撃波を生み出す。しかし、キラウを掲げた人物は自分の元に向かう七つの魔法の矢に対して黒装束の男性はキラウを抱えた状態で空中を跳躍し、全ての砲撃を躱す。
「遅い」
「あぐぅっ!?」
全ての砲撃を回避した男性はキラウを肩に抱え、振動が襲い続ける地面をまるで平地の如く駆け抜ける。その姿を目撃したマリアは舌打ちし、追撃を加えようとしたがハヅキが彼女の腕を掴む。
「止めて下さいっ!!これ以上攻撃をすればあの子は……!?」
「くっ……なら、このまま見逃せと言うの!?」
「マリア様!!」
母親の懇願にマリアは眉を顰め、その間にもキラウを抱えた男は距離を離す。このままでは逃げられてしまうが、そんなマリアの元に側近であるカゲマルが姿を現す。マリアは彼を闘技場内に送り込み、王妃達の動向を探らせていた。
「カゲマル!!丁度いい時に来たわ、あの男を捕まえなさい!!」
「その前に報告を聞いて下さい!!」
「……何ですって?」
マリアの命令ならばどのような時でも即座に従っていたカゲマルだが、今回は彼女の命令には従わず、自分が得た情報を彼女に話す。
「マリア様、この振動の正体は王妃の仕業です!!あの女はこの都市を完全に滅ぼそうとしています!!」
「そんな事は分かっているわ!!ならその正体とやらを報告しなさい!!」
「竜種です!!土竜の成体である「地竜」が攻撃を仕掛けています!!」
「地竜……!?」
地竜という言葉にその場に存在した全員が戦慄し、振動が徐々に激しさを増す。遂には建物が崩壊を始め、街の各所で土煙が舞い上がる。その様子を見たマリアはキラウに構う暇はなく、この街を収める人間として街の住民を避難させる事を決意する。
「すぐに全冒険者に通達しなさい!!住民を街の外へ避難させ、私が地竜の対処に向かうと!!母上……母様!!呆けている場合じゃないのよ!!」
「……わ、分かっています」
立ち去ったキラウに視線を向け続ける母親にマリアは焦らされたように声を掛け、その際に子供の頃に呼び方に戻ってしまう。しかし、今は一刻も早く住民を避難させ、都市に攻撃を仕掛ける地竜を仕留めなければならない。
「各ギルドに連絡を伝えなさい!!優先順位は第一に住民の避難、第二に地竜の討伐よ!!」
「承知っ!!」
「緑影!!貴方達は先に宿に避難させた国王様とノル様の避難させなさい!!ティナ様とエリナ様の捜索は私が行います!!」
『はっ!!』
マリアとハヅキの指示にカゲマルと緑影が動き出し、残された二人は顔を見合わせると、お互いがするべき行動を口にする。
「私は地竜を仕留めるわ」
「私は王女様と王子様の救助を行います……気を付けなさいマリア」
「それはこっちの台詞よ……姉さんもこの街に居るわ、何としても止めて見せる」
「あの子も……!?」
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