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都市崩壊編
マリアの弱点
「くっ……かなりに振動が強くなってきたわね。それにこの反応……力が大き過ぎて正確な位置が捉えられない」
「地中に潜り込んでいる相手では風の精霊でも探知出来ません。マリア、貴方はどうやって地竜を倒すつもりですか?」
「何時までも私を子ども扱いしないで頂戴。竜種程度、もう何度も討伐しているわよ」
母親の言葉にマリアは笑みを浮かべ、過去に彼女は単独で竜種を何度か撃破した事がある。しかし、そんなマリアの顔を見てハヅキは彼女に問い質す。
「それは万全の状態での話でしょう?今の貴女に竜種を打ち倒す魔力は残っているのですか?」
「……問題ないわ」
「マリア……貴女に魔法を教えたのは私です。貴女が既に魔力も体力も消費している事に気付かないと本気で思っているのですかっ!?」
ハヅキは既にマリアが限界に近い事に気付いており、キラウとの戦闘で彼女は幾度も最上級魔法を使用している。その影響で魔力を相当に消耗しているため、完全に回復していない状態で竜種と戦闘を繰り広げるのはあまりにも危険だった。
「平気よ……このぐらいの事なら何でもないわ。それに私以外に誰が竜種を相手に出来るというの?」
しかし、冒険都市内で竜種に対抗する戦力はマリアとゴウライぐらいしか存在せず、しかもゴウライの居場所は掴めていない。街中に存在する事は確かだが彼女が地竜の接近に気付いている可能性は低く、早急に対応できるのはマリアしか存在しない。
「この程度の疲れは平気よ。魔力回復薬を飲めば何とかなるわ……」
「無理です!!薬品で回復できる魔力量など限られています!!それに貴方の魔力容量を完全に回復するには時間が掛かり過ぎます!!」
怪我を治療する回復薬は即効性の効果を持つが、魔力回復薬の場合は使用しても効果が現れるのは時間が掛かり、しかも一度に回復する量は限られてしまう。マリアのような高レベルの魔術師が魔力を一気に回復させる魔力回復薬などは存在しない。
「今の状態で戦うのは危険過ぎます!!ここは住民の避難に集中し、地竜の対応は後回しにするべきです!!」
「なら……この都市を見捨てろというの?」
「それは……!?」
マリアの言葉にハヅキは気まずそうに顔を反らし、会話している間にも地震のように街全体に振動が走り、次々と建物が崩壊を始める。このまま地竜を放置すれば街の被害が増し、マリアは自分以外に竜種と対抗できる戦力がいなければ自分が戦うしかない事を告げる。
「私はこの街の管理者……いえ、住民の代表なのよ。幾ら住民を避難誘導させて安全な場所に移動させても、この都市が滅びれば彼等は家を失う。それだけは看過できないわ」
「しかし、このまま挑むのは無謀過ぎます!!もしも貴女がいなくなればこの都市を誰が導くというのですか!?」
「私の代わりならいくらでもいるわ。こんな時のために私はあらゆる手段を使って有能な人材を集めてきた……私が死んでもきっと誰かが私の代わりを……」
「マリア!!」
ハヅキはマリアが言葉を言い終える前に彼女の頬に平手打ちを行い、予想外の衝撃にマリアは目を見開き、膝を崩す。自分の行動にハヅキ自身も驚いたのか、彼女は自分の右手を見つめてしまう。
「……こ、こうして母様に殴られるのは二度目ね。前の時は父様が無くなった時だったかしら?」
「マリア、私の話を聞きなさい……貴女の代わりなど存在しないんです」
「今更何を……」
「いいから聞きなさい!!」
自分を犠牲にして地竜に挑もうとする娘を前にしてハヅキは家族をこれ以上失う恐怖を抱き、膝を崩したマリアを抱き締めて彼女は涙を流しながら呟く。
「私にとって……貴方達は何よりも大切な存在なんです。あの子も、アイラも、貴方も……そして孫も」
「……でも、他に方法がないのよ」
「それでも私は貴女を止めます。もう二度とと、私は家族を見捨てたくはないのです……マリア、お願いだから母の言う事を聞いて下さい。一度だけでいいですから」
「母様……」
マリアは初めて母親が素直に示した愛情の行動に対し、どのように反応すればいいのか困惑した。正直に言えば母親であるハヅキには色々と言いたいことは会ったが、涙を流してまで自分の命を惜しむ彼女に何を言えばいいのか分からなかった。
だが、事態は一刻も争い、遂にマリア達の傍に存在する建物にも振動の影響で罅割れが生じ始める。このまま放置すれば街が崩壊するのは時間の問題であり、来れ以上の問答は出来ないと判断したマリアはハヅキにある提案を行う。
「……母様、貴女にお願いしたい事があるわ。確かに今の私の状態だと地竜には敵わないかもしれない。だけど、あの子の力を借りればもしかしたら勝てるかも知れない」
「えっ……?」
「レナを探してきて、母様の力なら出来るはずよ」
真剣な表情を浮かべてマリアは初めて面と向かってハヅキに願い事を頼み、この状況下でレナの力を必要とするマリアの言葉にハヅキは戸惑うが、今は考えている猶予もないので彼女の案に従う事にした――
「地中に潜り込んでいる相手では風の精霊でも探知出来ません。マリア、貴方はどうやって地竜を倒すつもりですか?」
「何時までも私を子ども扱いしないで頂戴。竜種程度、もう何度も討伐しているわよ」
母親の言葉にマリアは笑みを浮かべ、過去に彼女は単独で竜種を何度か撃破した事がある。しかし、そんなマリアの顔を見てハヅキは彼女に問い質す。
「それは万全の状態での話でしょう?今の貴女に竜種を打ち倒す魔力は残っているのですか?」
「……問題ないわ」
「マリア……貴女に魔法を教えたのは私です。貴女が既に魔力も体力も消費している事に気付かないと本気で思っているのですかっ!?」
ハヅキは既にマリアが限界に近い事に気付いており、キラウとの戦闘で彼女は幾度も最上級魔法を使用している。その影響で魔力を相当に消耗しているため、完全に回復していない状態で竜種と戦闘を繰り広げるのはあまりにも危険だった。
「平気よ……このぐらいの事なら何でもないわ。それに私以外に誰が竜種を相手に出来るというの?」
しかし、冒険都市内で竜種に対抗する戦力はマリアとゴウライぐらいしか存在せず、しかもゴウライの居場所は掴めていない。街中に存在する事は確かだが彼女が地竜の接近に気付いている可能性は低く、早急に対応できるのはマリアしか存在しない。
「この程度の疲れは平気よ。魔力回復薬を飲めば何とかなるわ……」
「無理です!!薬品で回復できる魔力量など限られています!!それに貴方の魔力容量を完全に回復するには時間が掛かり過ぎます!!」
怪我を治療する回復薬は即効性の効果を持つが、魔力回復薬の場合は使用しても効果が現れるのは時間が掛かり、しかも一度に回復する量は限られてしまう。マリアのような高レベルの魔術師が魔力を一気に回復させる魔力回復薬などは存在しない。
「今の状態で戦うのは危険過ぎます!!ここは住民の避難に集中し、地竜の対応は後回しにするべきです!!」
「なら……この都市を見捨てろというの?」
「それは……!?」
マリアの言葉にハヅキは気まずそうに顔を反らし、会話している間にも地震のように街全体に振動が走り、次々と建物が崩壊を始める。このまま地竜を放置すれば街の被害が増し、マリアは自分以外に竜種と対抗できる戦力がいなければ自分が戦うしかない事を告げる。
「私はこの街の管理者……いえ、住民の代表なのよ。幾ら住民を避難誘導させて安全な場所に移動させても、この都市が滅びれば彼等は家を失う。それだけは看過できないわ」
「しかし、このまま挑むのは無謀過ぎます!!もしも貴女がいなくなればこの都市を誰が導くというのですか!?」
「私の代わりならいくらでもいるわ。こんな時のために私はあらゆる手段を使って有能な人材を集めてきた……私が死んでもきっと誰かが私の代わりを……」
「マリア!!」
ハヅキはマリアが言葉を言い終える前に彼女の頬に平手打ちを行い、予想外の衝撃にマリアは目を見開き、膝を崩す。自分の行動にハヅキ自身も驚いたのか、彼女は自分の右手を見つめてしまう。
「……こ、こうして母様に殴られるのは二度目ね。前の時は父様が無くなった時だったかしら?」
「マリア、私の話を聞きなさい……貴女の代わりなど存在しないんです」
「今更何を……」
「いいから聞きなさい!!」
自分を犠牲にして地竜に挑もうとする娘を前にしてハヅキは家族をこれ以上失う恐怖を抱き、膝を崩したマリアを抱き締めて彼女は涙を流しながら呟く。
「私にとって……貴方達は何よりも大切な存在なんです。あの子も、アイラも、貴方も……そして孫も」
「……でも、他に方法がないのよ」
「それでも私は貴女を止めます。もう二度とと、私は家族を見捨てたくはないのです……マリア、お願いだから母の言う事を聞いて下さい。一度だけでいいですから」
「母様……」
マリアは初めて母親が素直に示した愛情の行動に対し、どのように反応すればいいのか困惑した。正直に言えば母親であるハヅキには色々と言いたいことは会ったが、涙を流してまで自分の命を惜しむ彼女に何を言えばいいのか分からなかった。
だが、事態は一刻も争い、遂にマリア達の傍に存在する建物にも振動の影響で罅割れが生じ始める。このまま放置すれば街が崩壊するのは時間の問題であり、来れ以上の問答は出来ないと判断したマリアはハヅキにある提案を行う。
「……母様、貴女にお願いしたい事があるわ。確かに今の私の状態だと地竜には敵わないかもしれない。だけど、あの子の力を借りればもしかしたら勝てるかも知れない」
「えっ……?」
「レナを探してきて、母様の力なら出来るはずよ」
真剣な表情を浮かべてマリアは初めて面と向かってハヅキに願い事を頼み、この状況下でレナの力を必要とするマリアの言葉にハヅキは戸惑うが、今は考えている猶予もないので彼女の案に従う事にした――
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