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放浪編
ゴロウ一家
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「うわ、本当に高校に戻ったみたいだ。あ、掲示板まである……へえ、ここで仕事を引き受けられるのか」
校舎型の宿舎に入って早々にレナは懐かしい感覚を覚え、内部の方も地球の学校と似通った構造だった。但し、玄関口には下駄箱の類は存在せず、洋式のように宿舎内でも土足が許されているらしい。更に壁の掲示板には冒険者ギルドの依頼書のように仕事の詳細が記された資料が張り出されており、仕事を引き受けたい人間は張り紙を剥がして兵士に直接申し出れば仕事が受けられる事も記されていた。
(なるほど、冒険者ギルドと違って受付はないのか……それにしても色々と仕事があるな)
掲示板に張り出されている仕事の張り紙は多数存在し、中には仕事内容が被っている物も多い。また、掲示板は校舎内に複数存在するらしく、引き受けたい仕事があれば自分で探し出して兵士に提出すれば受けられるらしい。しかも署名の必要はなく、剥ぎ取った張り紙を提出するだけで良いらしい。
(随分と適当に管理されているんだな……兵士を見つけて提出しないといけないのが面倒だな)
普通の監獄ならば囚人の宿舎の中に兵士が見張りを行っているはずだが、通路内には兵士らしき人物は見当たらず、まともに食事も得られていないのか痩せ細った囚人の集団が屯していた。
(あの人達は仕事を受けないのか?いや、受けたくても受けられないみたいだな……)
宿舎内に残っている囚人の中には病気なのか異常に痩せ細り、手足がない人間も多く、力仕事を受けられない状態の人間が多かった。また、年齢の問題で体力を使う仕事を引き受けられない老齢の人間も多く、彼等は羨望と嫉妬を入り交えた視線をレナに向ける。
(仕事を見てみようと思ったけど、雰囲気が悪いな……情報収集したいけど、どうもあの様子じゃ話も聞いてくれるかどうか……)
宿舎に残った仕事を受けられずに残っている囚人から情報を集めるのは難しく、仕方なくレナは掲示板から離れてまずは寝泊まり出来る場所を探す。看守のミノタウロスの話では部屋割りはされておらず、好きに休める場所を見つけて休めと言われたが、重罪を犯した人間達が集まる宿舎の中で本当に心も身体も休まる場所があるのかも分からない。
(教室で寝泊まりしている人も多いな……流石に学生が使う机や椅子は残っていないか)
カーテンが閉められている教室の中を覗くと、床には大量の布団が敷き詰められており、無数の囚人が寝転がっていた。中には仕事終わりで疲れているのか鼾を上げながら熟睡する人間や、怪我をした状態で眠っている人間も多い。彼等に交じって休む事も出来なくもなさそうだが、教室内は異様な汗と湿気に包まれていた。
(うっ……これはかなりきついな)
森で暮らしていた頃は野宿も頻繁に行っていたレナだが、囚人が寝転んでいる教室の中は森の中よりも悪臭が酷く、とてもではないが休める気がしない。掃除や洗濯も滅多にされていないのか敷き詰められている布団の中には明らかに黄ばんだ箇所もあり、衛生管理も非常に悪い。
(ここがこの様子なら他の教室も期待できそうにないな……屋上はあるのかな?)
屋上が開放されているのが気になったレナは教室を離れて階段を上り、最上階まで移動する。だが、屋上に続く階段は見当たらず、この宿舎には屋上がしない事が判明した。
(普通の校舎なら屋上があるはずだけど……そこまで細かく設計するのが面倒だったのかな?)
宿舎の屋上ならば身体を休ませる事も出来るのではないかと考えたレナだが、屋上に続く階段が存在しない以上は諦めるしかなく、まずは自分が安全に休める場所を先に確保するために宿舎内を探索する。
(そういえばこの校舎、かなり広いな……俺の高校の3倍ぐらいは大きいぞ)
数千人の囚人が宿泊出来る施設として利用される程に広大な校舎の中を移動する際中、廊下を歩く途中でレナは前方に道を塞ぐように囚人の集団が集まっている事に気づく。最初は彼等を避けて通ろうとしたが、集団の一人がレナを見た瞬間に笑みを浮かべて声を掛けてきた。
「おい、待ちなてめえ!!囚人の癖に随分と派手な衣装をしているじゃねえか?お前、新入か?」
「……どいて下さい」
「おいおい、口の利き方に気を付けろよ……俺達を誰だと思っている?あの泣く子も黙るゴロウ一家だぞ!!」
「よしなケンジ……こいつは新入りのようだ。俺達の事を知っているはずがねえだろうが」
まるでヤクザのように禿げ頭にオーガの彫り物をした青年がレナの胸元を掴み、その様子を見ていた大柄の中年男性が笑みを浮かべながら注意する。他にも顔面に刀傷がある者、片腕が鋼鉄の義手である大男がレナを取り囲む。
(くそっ……やっぱり、この服は目立つか。囚人服も金で買わないといけないのかな……)
自分に絡んできた男達を相手にしながらレナはため息を吐き出し、その態度が気に食わなかったのが最初に絡んできたケンジという青年が怒鳴りつけてきた。
校舎型の宿舎に入って早々にレナは懐かしい感覚を覚え、内部の方も地球の学校と似通った構造だった。但し、玄関口には下駄箱の類は存在せず、洋式のように宿舎内でも土足が許されているらしい。更に壁の掲示板には冒険者ギルドの依頼書のように仕事の詳細が記された資料が張り出されており、仕事を引き受けたい人間は張り紙を剥がして兵士に直接申し出れば仕事が受けられる事も記されていた。
(なるほど、冒険者ギルドと違って受付はないのか……それにしても色々と仕事があるな)
掲示板に張り出されている仕事の張り紙は多数存在し、中には仕事内容が被っている物も多い。また、掲示板は校舎内に複数存在するらしく、引き受けたい仕事があれば自分で探し出して兵士に提出すれば受けられるらしい。しかも署名の必要はなく、剥ぎ取った張り紙を提出するだけで良いらしい。
(随分と適当に管理されているんだな……兵士を見つけて提出しないといけないのが面倒だな)
普通の監獄ならば囚人の宿舎の中に兵士が見張りを行っているはずだが、通路内には兵士らしき人物は見当たらず、まともに食事も得られていないのか痩せ細った囚人の集団が屯していた。
(あの人達は仕事を受けないのか?いや、受けたくても受けられないみたいだな……)
宿舎内に残っている囚人の中には病気なのか異常に痩せ細り、手足がない人間も多く、力仕事を受けられない状態の人間が多かった。また、年齢の問題で体力を使う仕事を引き受けられない老齢の人間も多く、彼等は羨望と嫉妬を入り交えた視線をレナに向ける。
(仕事を見てみようと思ったけど、雰囲気が悪いな……情報収集したいけど、どうもあの様子じゃ話も聞いてくれるかどうか……)
宿舎に残った仕事を受けられずに残っている囚人から情報を集めるのは難しく、仕方なくレナは掲示板から離れてまずは寝泊まり出来る場所を探す。看守のミノタウロスの話では部屋割りはされておらず、好きに休める場所を見つけて休めと言われたが、重罪を犯した人間達が集まる宿舎の中で本当に心も身体も休まる場所があるのかも分からない。
(教室で寝泊まりしている人も多いな……流石に学生が使う机や椅子は残っていないか)
カーテンが閉められている教室の中を覗くと、床には大量の布団が敷き詰められており、無数の囚人が寝転がっていた。中には仕事終わりで疲れているのか鼾を上げながら熟睡する人間や、怪我をした状態で眠っている人間も多い。彼等に交じって休む事も出来なくもなさそうだが、教室内は異様な汗と湿気に包まれていた。
(うっ……これはかなりきついな)
森で暮らしていた頃は野宿も頻繁に行っていたレナだが、囚人が寝転んでいる教室の中は森の中よりも悪臭が酷く、とてもではないが休める気がしない。掃除や洗濯も滅多にされていないのか敷き詰められている布団の中には明らかに黄ばんだ箇所もあり、衛生管理も非常に悪い。
(ここがこの様子なら他の教室も期待できそうにないな……屋上はあるのかな?)
屋上が開放されているのが気になったレナは教室を離れて階段を上り、最上階まで移動する。だが、屋上に続く階段は見当たらず、この宿舎には屋上がしない事が判明した。
(普通の校舎なら屋上があるはずだけど……そこまで細かく設計するのが面倒だったのかな?)
宿舎の屋上ならば身体を休ませる事も出来るのではないかと考えたレナだが、屋上に続く階段が存在しない以上は諦めるしかなく、まずは自分が安全に休める場所を先に確保するために宿舎内を探索する。
(そういえばこの校舎、かなり広いな……俺の高校の3倍ぐらいは大きいぞ)
数千人の囚人が宿泊出来る施設として利用される程に広大な校舎の中を移動する際中、廊下を歩く途中でレナは前方に道を塞ぐように囚人の集団が集まっている事に気づく。最初は彼等を避けて通ろうとしたが、集団の一人がレナを見た瞬間に笑みを浮かべて声を掛けてきた。
「おい、待ちなてめえ!!囚人の癖に随分と派手な衣装をしているじゃねえか?お前、新入か?」
「……どいて下さい」
「おいおい、口の利き方に気を付けろよ……俺達を誰だと思っている?あの泣く子も黙るゴロウ一家だぞ!!」
「よしなケンジ……こいつは新入りのようだ。俺達の事を知っているはずがねえだろうが」
まるでヤクザのように禿げ頭にオーガの彫り物をした青年がレナの胸元を掴み、その様子を見ていた大柄の中年男性が笑みを浮かべながら注意する。他にも顔面に刀傷がある者、片腕が鋼鉄の義手である大男がレナを取り囲む。
(くそっ……やっぱり、この服は目立つか。囚人服も金で買わないといけないのかな……)
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