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放浪編
これからの方針
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「おお、無事だったかレナ!!」
「お帰りなさい。それで目的も物は?」
「取り返したよ。けど……ちょっと不味い事になったかもしれない」
教室に戻って来たレナはゴンゾウとネズミに何が起きたのかを説明し、魔法腕輪の奪還は成功したが看守長に存在が知られた事を伝える。ネズミもまさか看守長が女囚館に立ち寄っていたとは思いも寄らず、難しい表情を浮かべた。
「まさか看守長が女囚館に居たとは……それで顔を見られたんですか?」
「ばっちり見られたよ。まあ、女装するために化粧をしてた状態だったけど……」
「少し不味いですね。看守の私物を盗んだ囚人は問答無用で処刑されます。恐らくすぐにでも兵士を使ってレナさんを探し出そうとするはずです」
「なら脱走でもするか」
「この監獄都市の外は荒野が延々と続いているんですよ?しかも荒野を抜けても断崖絶壁の岩山に取り囲まれてますし、唯一の山道も獣人国の軍隊が管理しています。それでも逃げ切れる自信がありますか?」
「頑張れば何とか……ならないか流石に」
魔法を使えば都市から抜け出す事は容易いが、問題は都市を抜けたとしても移動手段が存在しない。仮に荒野を抜けても獣人国の軍隊が管理している山道を抜けるのは困難を極め、少なくとも何の準備もせずに抜け出すのはあまりにも危険すぎる。
「ネズミ、情報屋のお前なら安全で外に抜け出す方法も知らないの?」
「そんな方法があったらとっくの昔に僕はここを抜け出してますよ。ああ、でも……試験場にまで移動する手段ならありますよ」
「え、本当に?」
監獄都市の所長であるラルフが滞在する試験場への移動方法ならば心当たりがあるらしく、ネズミは説明を行う。
「試験場で生き残った囚人は馬車で監獄都市に送り込まれる事を知ってますよね?他にも食料品や囚人が作り出した物品の搬送のために馬車は定期的に試験場と監獄都市を出入りしてます」
「なるほど、その馬車に忍び込めば外に抜け出せるわけか」
「但し、この方法はかなりの賭けになりますよ。囚人の脱走を警戒して荷物の検査は入念に行われますし、もしも脱走がばれたら看守長が直々に拷問を与えます。あんまり僕としてもお勧めできない脱出手段ですね」
「それでは意味がないだろう?」
「ですけどこの方法なら試験場まで確実に移動できます。まあ、レナさんが模範囚だったなら試験場まで出入りできたんですけど……」
「模範囚?」
「この監獄都市では囚人は階級が分かれているんだ。俺とレナは一般囚、ネズミは模範囚らしい」
「へえ……」
囚人にも階級が存在する事を初めて知ったレナはネズミの「模範囚ならば試験場に出入りできる」という言葉が引っ掛かり、理由を尋ねる。
「どうして模範囚なら試験場に出入りできるの?」
「正確に言えば模範囚の中でも「班長」の座に就いている人間だけが試験場に入れます。試験の時に観客席に囚人が居たでしょう?あの人達も模範囚なんですよ。試験で優れた能力を見せた人間がいれば模範囚同士で話し合いが行われて新人を引き取る事も出来ます」
「ああ、だから何か騒いでいたのか……」
レナは試験の時に騒いでいた観客席の囚人達の事を思い出し、結局は監獄所長のラルフに連れていかれたのでレナは誰にも引き取られる事はなかったが、もしもラルフから目を付けられていなければ今頃は模範囚の誰かが管理する仕事に就かされていたかもしれない。
「待て、ならネズミがレナを試験場に連れて行くことは出来ないのか?お前は試験場に出入り出来るんだろう?」
「無理ですね。試験場に赴く際も検査が行われます。暗殺者の職業の人間でも紛れ込めないように感知系のスキルに優れた兵士を数人見張りとして同行させるので忍び込むのは不可能ですよ」
「流石に警戒も厳重だな……空でも飛べれば逃げられるのに」
監獄からの脱出は困難である事は予想できたが、もしもハンゾウやカゲマルのような忍者ならばこのような状況でも簡単に抜け出せるのだろうかと考えながらレナは何気なく教室の窓から夜空を見上げると、不意に自分の右腕の「風の聖痕」の存在を思い出す。
「……空?」
「どうかしました?」
「いや、何でもない……空か」
何となく見上げただけだったがレナは美しい夜空から目を離さず、何かを思いつきそうになる。普通の人間ならば考えられず、更に全ての問題を解決する方法をレナは思いつこうとしていた。
(……もしかしてこの方法なら、でも上手くいくのか?)
考え付いた方法が成功すればレナは監獄都市から抜け出し、荒野を抜けた先に存在する山岳地帯さえも突破出来るかもしれない。しかし、この方法を実行するにはいくつかの材料が必要とするため、レナはネズミに振り返って質問を行う。
「ネズミ、この都市で大量の鉄と布を手に入れる事が出来る場所を知ってる?」
「はい?」
「レナ?」
「もしかしたらだけど……材料さえ揃えば外に抜け出す方法があるかもしれない」
レナは自分が思いついたこの世界の人間ならば考え付かない方法を実行するため、二人に協力を求めた。
※作者の別作品「最弱職の初級魔術師」の書籍化が決定しました!!\(●ω●)/ヤッター
「お帰りなさい。それで目的も物は?」
「取り返したよ。けど……ちょっと不味い事になったかもしれない」
教室に戻って来たレナはゴンゾウとネズミに何が起きたのかを説明し、魔法腕輪の奪還は成功したが看守長に存在が知られた事を伝える。ネズミもまさか看守長が女囚館に立ち寄っていたとは思いも寄らず、難しい表情を浮かべた。
「まさか看守長が女囚館に居たとは……それで顔を見られたんですか?」
「ばっちり見られたよ。まあ、女装するために化粧をしてた状態だったけど……」
「少し不味いですね。看守の私物を盗んだ囚人は問答無用で処刑されます。恐らくすぐにでも兵士を使ってレナさんを探し出そうとするはずです」
「なら脱走でもするか」
「この監獄都市の外は荒野が延々と続いているんですよ?しかも荒野を抜けても断崖絶壁の岩山に取り囲まれてますし、唯一の山道も獣人国の軍隊が管理しています。それでも逃げ切れる自信がありますか?」
「頑張れば何とか……ならないか流石に」
魔法を使えば都市から抜け出す事は容易いが、問題は都市を抜けたとしても移動手段が存在しない。仮に荒野を抜けても獣人国の軍隊が管理している山道を抜けるのは困難を極め、少なくとも何の準備もせずに抜け出すのはあまりにも危険すぎる。
「ネズミ、情報屋のお前なら安全で外に抜け出す方法も知らないの?」
「そんな方法があったらとっくの昔に僕はここを抜け出してますよ。ああ、でも……試験場にまで移動する手段ならありますよ」
「え、本当に?」
監獄都市の所長であるラルフが滞在する試験場への移動方法ならば心当たりがあるらしく、ネズミは説明を行う。
「試験場で生き残った囚人は馬車で監獄都市に送り込まれる事を知ってますよね?他にも食料品や囚人が作り出した物品の搬送のために馬車は定期的に試験場と監獄都市を出入りしてます」
「なるほど、その馬車に忍び込めば外に抜け出せるわけか」
「但し、この方法はかなりの賭けになりますよ。囚人の脱走を警戒して荷物の検査は入念に行われますし、もしも脱走がばれたら看守長が直々に拷問を与えます。あんまり僕としてもお勧めできない脱出手段ですね」
「それでは意味がないだろう?」
「ですけどこの方法なら試験場まで確実に移動できます。まあ、レナさんが模範囚だったなら試験場まで出入りできたんですけど……」
「模範囚?」
「この監獄都市では囚人は階級が分かれているんだ。俺とレナは一般囚、ネズミは模範囚らしい」
「へえ……」
囚人にも階級が存在する事を初めて知ったレナはネズミの「模範囚ならば試験場に出入りできる」という言葉が引っ掛かり、理由を尋ねる。
「どうして模範囚なら試験場に出入りできるの?」
「正確に言えば模範囚の中でも「班長」の座に就いている人間だけが試験場に入れます。試験の時に観客席に囚人が居たでしょう?あの人達も模範囚なんですよ。試験で優れた能力を見せた人間がいれば模範囚同士で話し合いが行われて新人を引き取る事も出来ます」
「ああ、だから何か騒いでいたのか……」
レナは試験の時に騒いでいた観客席の囚人達の事を思い出し、結局は監獄所長のラルフに連れていかれたのでレナは誰にも引き取られる事はなかったが、もしもラルフから目を付けられていなければ今頃は模範囚の誰かが管理する仕事に就かされていたかもしれない。
「待て、ならネズミがレナを試験場に連れて行くことは出来ないのか?お前は試験場に出入り出来るんだろう?」
「無理ですね。試験場に赴く際も検査が行われます。暗殺者の職業の人間でも紛れ込めないように感知系のスキルに優れた兵士を数人見張りとして同行させるので忍び込むのは不可能ですよ」
「流石に警戒も厳重だな……空でも飛べれば逃げられるのに」
監獄からの脱出は困難である事は予想できたが、もしもハンゾウやカゲマルのような忍者ならばこのような状況でも簡単に抜け出せるのだろうかと考えながらレナは何気なく教室の窓から夜空を見上げると、不意に自分の右腕の「風の聖痕」の存在を思い出す。
「……空?」
「どうかしました?」
「いや、何でもない……空か」
何となく見上げただけだったがレナは美しい夜空から目を離さず、何かを思いつきそうになる。普通の人間ならば考えられず、更に全ての問題を解決する方法をレナは思いつこうとしていた。
(……もしかしてこの方法なら、でも上手くいくのか?)
考え付いた方法が成功すればレナは監獄都市から抜け出し、荒野を抜けた先に存在する山岳地帯さえも突破出来るかもしれない。しかし、この方法を実行するにはいくつかの材料が必要とするため、レナはネズミに振り返って質問を行う。
「ネズミ、この都市で大量の鉄と布を手に入れる事が出来る場所を知ってる?」
「はい?」
「レナ?」
「もしかしたらだけど……材料さえ揃えば外に抜け出す方法があるかもしれない」
レナは自分が思いついたこの世界の人間ならば考え付かない方法を実行するため、二人に協力を求めた。
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