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最終章 王国編
エリナ、コトミンの秘策
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――その頃、裏庭では激しい乱戦が繰り広げられていた。剣聖であるシュンと王国四騎士のリンダの戦闘によってあちこちで衝撃波が発生し、ティナが率いる魔獣達によって兵士が蹴散らされる中、城壁の上では大将軍カノンと新参者の王国四騎士のエリナがお互いに撃ちあっていた。
「いい加減に死になさいよ!!」
「それはお断りっす!!」
神器スナイパーを構えるカノンに対してエリナはレナに強化して貰ったボーガンで応戦し、二人は弾丸と矢を放つ。ライフルから放たれた魔石の弾丸とボーガンから射出されたアダマンタイト製の金属の矢が衝突する。一見、銃を所持するカノンが有利に思われたが、彼女の神器のスナイパーは連発に不向きという弱点が存在し、その一方でエリナは次々と矢筒からレナから受け取った矢を放つ。
「ああ、もう……面倒ね!!いちいち弾丸を込めないといけないなんて……!!」
「連射!!」
「ちょ、待ちなさいよ!?」
エリナは「狙撃」の技能スキルと「連射」の戦技を利用してカノンを狙い撃つが、彼女も狙撃を得意とする銃士のため、事前にエリナが狙い撃つ方向を予測して回避する。狙撃の腕だけで大将軍に選ばれたわけでもなく、素の身体能力もカノンは高い。
立て続けに撃ち込んでも回避するカノンに対してエリナは次の矢を装填しようとした時、矢筒の矢がもう底を付きかけている事に気付く。レナが空間魔法で保管していたアダマンタイトの金属から構成された矢は50本作るのが限界であり、残りの矢は1本しか存在しなかった。
(くっ……次の1発で仕留めるしかないっす)
城壁には先に打ち込んだ大量の矢が壁や地面に突き刺さっているため、それらを回収すれば反撃も出来る。だが、そんな隙をカノンが与えるはずがなく、地面に落ちた矢に手を伸ばそうとしたエリナにカノンはスナイパーを構える。
「わざわざ拾わせると思ってるの!?」
「うわっ!?」
火属性の魔弾が発射され、咄嗟にエリナは発砲される前に回避行動に移ったが、魔弾が衝突した瞬間に爆発を引き起こす。慌ててエリナは風の精霊を利用して身を守りながら距離を取ると、自分とカノンの間に煙が舞い上がって視界が封じられた事に気付く。
お互いの姿が見えなくなった以上は狙撃する事も出来ず、エリナとカノンは煙が晴れた瞬間が攻撃の好機だと判断した。エリナは矢筒の中の矢をボーガンに装填すると、精神を集中させるように瞼を閉じる。
(ここであたしが負けたら皆に迷惑を掛けるっす……なら、相打ち覚悟で挑むしかないっすね!!)
普通に戦ってもカノンに勝ち目が無い事はエリナも自覚しており、彼女は煙が晴れる前に攻撃を仕掛けるため、敢えてボーガンに何も装填しない状態で弦を引く。そして風の精霊を呼び集め、矢の代わりに精霊の力を利用して風の魔力の塊を矢の代わりに装填した。
「ティナ様、兄貴、リンダさん……その他諸々の皆さん、エリナはここで死にます!!」
決死の覚悟を抱いたエリナはボーガンの弦を離した瞬間、煙を吹き払う突風を発生させる。その直後、通路の対面に存在したカノンは驚愕の表情を浮かべるが、即座に速効性の高い雷属性の魔弾を発射させた。
「くたばりなさい!!」
「うおおおおっ!!」
スナイパーから電撃を想像させる魔弾が発射され、それを目撃したエリナは咄嗟にボーガンを手放す。その瞬間、エリナの前に突きだされた金属製のボーガンに電撃が衝突し、弾き飛ぶ。それを目撃したカノンは目を見開き、敢えて武器であるボーガンを犠牲にしてエリナは通路を駆け出す。
『風の精霊よ!!』
「くっ……!?」
エリナは自分の周囲に風の精霊を呼び集め、それを見たカノンは新しい魔弾を装填しようとしたが、彼女が弾丸を込める前にエリナは跳躍し、右手に掴んだ最後の矢を振りかざす。ボーガンは失われたが風の精霊の力を利用してエリナは矢を放つ。
「喰らえっ!!」
「きゃあああっ!?」
まさか矢を打つのではなく、投擲してきたエリナに対してカノンは回避行動が遅れ、彼女が装填しようとした魔弾にエリナの投げた矢が衝突すると、雷属性の魔石を削り取って作り出された魔弾が砕け散った事で内部に蓄積されていた雷属性の魔力がカノンを襲う。
全身に高圧電流を流し込まれたカノンは黒焦げと化し、口から煙を吐きながら倒れ込む。どうにか絶命は免れたが、彼女の所持していた神器スナイパーはエリナの足元に転がり、それを拾い上げたエリナは大きなため息を吐きながらへたり込む。
「し、死ぬかと思ったっす……いや、死ぬつもりだったんですけど」
スナイパーを抱き上げながらエリナは自分が生きている事を実感して倒れ込み、どうにか勝利した事に安堵した――
――だが、エリナとカノンの反対側に存在する城壁の上ではフヨとコトミンが未だに戦闘を繰り広げていた。フヨは弓矢を失った事で両手に火属性と風属性の付与魔法を発動させ、コトミンに殴りかかる。
「このっ!!」
「おっとと……ていっ」
「うわっ!?」
格闘の訓練も受けているフヨはコトミンに対して拳を放つが、それを見たコトミンは片手で抱えた壺から水を掬い取ると、フヨの足元に振り払う。それだけの動作でフヨはまるで足元に水流に襲われたように床に滑り、顔面を強打した。
「あぐぅっ……こ、この女!!」
「もう諦める……貴方じゃ私に勝てない」
「調子に乗るなよ……付与魔法を舐めるな!!」
コトミンが降伏を勧めるが、床に倒れた状態でフヨは笑みを浮かべ、両手を地面に押し当てた状態で雷属性の付与魔法を発動させた。
「死ね!!雷属性!!」
「っ……!?」
付与の両手から電流が放出された瞬間、城壁の床を伝ってコトミンの足元に電流が迫り、床から雷を想像させる電流が放出された。直撃したコトミンの身体が吹き飛び、彼女は床に転がり込む。
「ははっ!!どうだ、これが僕の付与魔法だ!!思い知ったか魚女が!!」
「……今のはちょっと痛かった」
「えっ?」
だが、フヨが確実に仕留めたと思われたコトミンがあっさりと起き上がり、それを見たフヨは何が起きたのか理解出来なかった。まともに自分の魔法を受けたにも関わらずにコトミンは身に着けている衣服が乱れた程度で大怪我は負っていなかった。
「ば、馬鹿な!?何故だ!?」
「ぷるるんっ」
「なっ!?」
フヨの目の前でコトミンの衣服が変化を果たし、彼女の衣服に「擬態」していたスラミンが彼女の身代わりに電流を受け止めたらしく、コトミンから離れると口を開いて電流を吐き出ように掻き消す。それを目撃したフヨは何が起きるのか理解できず、代わりにコトミンが答えた。
「スライムは魔法に対して強い耐性を持ってる。つまり、この子が私を守ってくれた」
「ぷるぷるっ♪」
「そ、そんな馬鹿な!?お前、スライムを身に着けていたのか!?」
普段からスライムを身に纏って行動しているコトミンにフヨは信じられない表情を浮かべるが、そんな彼に対してコトミンは珍しく眉をしかめ、スラミンを両手で覆いこむ。
「でも、スラミンも私も少し痛かった……だから許さない」
「えっ?」
「本気を出す……スラミン」
「ぷるるるんっ!!」
スラミンの内部に蓄積された水分を利用し、コトミンは水の精霊魔法を使用してスラミンの体内の水を渦巻状に回転させ、解き放つ。
「必殺……水圧砲!!」
「ぷるぁああああっ!!」
「うわぁああああっ!?」
スラミンの口内から螺旋状の水流が解き放たれ、それをまともに受けたフヨの肉体は城壁の外まで放り出された――
※スライムの魔法耐性は魔物の中でも3本指に入ります。
「いい加減に死になさいよ!!」
「それはお断りっす!!」
神器スナイパーを構えるカノンに対してエリナはレナに強化して貰ったボーガンで応戦し、二人は弾丸と矢を放つ。ライフルから放たれた魔石の弾丸とボーガンから射出されたアダマンタイト製の金属の矢が衝突する。一見、銃を所持するカノンが有利に思われたが、彼女の神器のスナイパーは連発に不向きという弱点が存在し、その一方でエリナは次々と矢筒からレナから受け取った矢を放つ。
「ああ、もう……面倒ね!!いちいち弾丸を込めないといけないなんて……!!」
「連射!!」
「ちょ、待ちなさいよ!?」
エリナは「狙撃」の技能スキルと「連射」の戦技を利用してカノンを狙い撃つが、彼女も狙撃を得意とする銃士のため、事前にエリナが狙い撃つ方向を予測して回避する。狙撃の腕だけで大将軍に選ばれたわけでもなく、素の身体能力もカノンは高い。
立て続けに撃ち込んでも回避するカノンに対してエリナは次の矢を装填しようとした時、矢筒の矢がもう底を付きかけている事に気付く。レナが空間魔法で保管していたアダマンタイトの金属から構成された矢は50本作るのが限界であり、残りの矢は1本しか存在しなかった。
(くっ……次の1発で仕留めるしかないっす)
城壁には先に打ち込んだ大量の矢が壁や地面に突き刺さっているため、それらを回収すれば反撃も出来る。だが、そんな隙をカノンが与えるはずがなく、地面に落ちた矢に手を伸ばそうとしたエリナにカノンはスナイパーを構える。
「わざわざ拾わせると思ってるの!?」
「うわっ!?」
火属性の魔弾が発射され、咄嗟にエリナは発砲される前に回避行動に移ったが、魔弾が衝突した瞬間に爆発を引き起こす。慌ててエリナは風の精霊を利用して身を守りながら距離を取ると、自分とカノンの間に煙が舞い上がって視界が封じられた事に気付く。
お互いの姿が見えなくなった以上は狙撃する事も出来ず、エリナとカノンは煙が晴れた瞬間が攻撃の好機だと判断した。エリナは矢筒の中の矢をボーガンに装填すると、精神を集中させるように瞼を閉じる。
(ここであたしが負けたら皆に迷惑を掛けるっす……なら、相打ち覚悟で挑むしかないっすね!!)
普通に戦ってもカノンに勝ち目が無い事はエリナも自覚しており、彼女は煙が晴れる前に攻撃を仕掛けるため、敢えてボーガンに何も装填しない状態で弦を引く。そして風の精霊を呼び集め、矢の代わりに精霊の力を利用して風の魔力の塊を矢の代わりに装填した。
「ティナ様、兄貴、リンダさん……その他諸々の皆さん、エリナはここで死にます!!」
決死の覚悟を抱いたエリナはボーガンの弦を離した瞬間、煙を吹き払う突風を発生させる。その直後、通路の対面に存在したカノンは驚愕の表情を浮かべるが、即座に速効性の高い雷属性の魔弾を発射させた。
「くたばりなさい!!」
「うおおおおっ!!」
スナイパーから電撃を想像させる魔弾が発射され、それを目撃したエリナは咄嗟にボーガンを手放す。その瞬間、エリナの前に突きだされた金属製のボーガンに電撃が衝突し、弾き飛ぶ。それを目撃したカノンは目を見開き、敢えて武器であるボーガンを犠牲にしてエリナは通路を駆け出す。
『風の精霊よ!!』
「くっ……!?」
エリナは自分の周囲に風の精霊を呼び集め、それを見たカノンは新しい魔弾を装填しようとしたが、彼女が弾丸を込める前にエリナは跳躍し、右手に掴んだ最後の矢を振りかざす。ボーガンは失われたが風の精霊の力を利用してエリナは矢を放つ。
「喰らえっ!!」
「きゃあああっ!?」
まさか矢を打つのではなく、投擲してきたエリナに対してカノンは回避行動が遅れ、彼女が装填しようとした魔弾にエリナの投げた矢が衝突すると、雷属性の魔石を削り取って作り出された魔弾が砕け散った事で内部に蓄積されていた雷属性の魔力がカノンを襲う。
全身に高圧電流を流し込まれたカノンは黒焦げと化し、口から煙を吐きながら倒れ込む。どうにか絶命は免れたが、彼女の所持していた神器スナイパーはエリナの足元に転がり、それを拾い上げたエリナは大きなため息を吐きながらへたり込む。
「し、死ぬかと思ったっす……いや、死ぬつもりだったんですけど」
スナイパーを抱き上げながらエリナは自分が生きている事を実感して倒れ込み、どうにか勝利した事に安堵した――
――だが、エリナとカノンの反対側に存在する城壁の上ではフヨとコトミンが未だに戦闘を繰り広げていた。フヨは弓矢を失った事で両手に火属性と風属性の付与魔法を発動させ、コトミンに殴りかかる。
「このっ!!」
「おっとと……ていっ」
「うわっ!?」
格闘の訓練も受けているフヨはコトミンに対して拳を放つが、それを見たコトミンは片手で抱えた壺から水を掬い取ると、フヨの足元に振り払う。それだけの動作でフヨはまるで足元に水流に襲われたように床に滑り、顔面を強打した。
「あぐぅっ……こ、この女!!」
「もう諦める……貴方じゃ私に勝てない」
「調子に乗るなよ……付与魔法を舐めるな!!」
コトミンが降伏を勧めるが、床に倒れた状態でフヨは笑みを浮かべ、両手を地面に押し当てた状態で雷属性の付与魔法を発動させた。
「死ね!!雷属性!!」
「っ……!?」
付与の両手から電流が放出された瞬間、城壁の床を伝ってコトミンの足元に電流が迫り、床から雷を想像させる電流が放出された。直撃したコトミンの身体が吹き飛び、彼女は床に転がり込む。
「ははっ!!どうだ、これが僕の付与魔法だ!!思い知ったか魚女が!!」
「……今のはちょっと痛かった」
「えっ?」
だが、フヨが確実に仕留めたと思われたコトミンがあっさりと起き上がり、それを見たフヨは何が起きたのか理解出来なかった。まともに自分の魔法を受けたにも関わらずにコトミンは身に着けている衣服が乱れた程度で大怪我は負っていなかった。
「ば、馬鹿な!?何故だ!?」
「ぷるるんっ」
「なっ!?」
フヨの目の前でコトミンの衣服が変化を果たし、彼女の衣服に「擬態」していたスラミンが彼女の身代わりに電流を受け止めたらしく、コトミンから離れると口を開いて電流を吐き出ように掻き消す。それを目撃したフヨは何が起きるのか理解できず、代わりにコトミンが答えた。
「スライムは魔法に対して強い耐性を持ってる。つまり、この子が私を守ってくれた」
「ぷるぷるっ♪」
「そ、そんな馬鹿な!?お前、スライムを身に着けていたのか!?」
普段からスライムを身に纏って行動しているコトミンにフヨは信じられない表情を浮かべるが、そんな彼に対してコトミンは珍しく眉をしかめ、スラミンを両手で覆いこむ。
「でも、スラミンも私も少し痛かった……だから許さない」
「えっ?」
「本気を出す……スラミン」
「ぷるるるんっ!!」
スラミンの内部に蓄積された水分を利用し、コトミンは水の精霊魔法を使用してスラミンの体内の水を渦巻状に回転させ、解き放つ。
「必殺……水圧砲!!」
「ぷるぁああああっ!!」
「うわぁああああっ!?」
スラミンの口内から螺旋状の水流が解き放たれ、それをまともに受けたフヨの肉体は城壁の外まで放り出された――
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