不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
771 / 2,091
外伝 ~ヨツバ王国編~

魔刀術とは?

しおりを挟む
「さあ、本気で戦えっ!!お前の力を見せろ!!」
「くそっ……いい加減にしろっ!!」


レナは休む暇もなく攻撃を仕掛けてくる相手に斬れると、瞳の色を紅色に変色させて退魔刀を振り払う。予想以上の剣速と威力に女性は剣で防ぐ事に成功するが吹き飛ばされ、驚いた表情を浮かべながら着地する。


「この威力……お前、本当に人間か?」
「人間だよ……って、うわっ!?」


退魔刀に視線を向けたレナは驚いた声を上げ、アダマンタイトで構成されている刃の一部が溶解しており、どうやら相手の剣の刃が触れた際に少しずつ溶かされていたらしい。高い魔法耐性と硬度を誇るアダマンタイト製の退魔刀ですらも溶かす敵の「真紅の炎」を纏わせる魔法剣にレイナは焦りを抱き、アイリスと交信を行う。


『アイリス、こいつ誰?いったい何者?』
『おおっと、大切な愛刀が溶かされてご機嫌斜めですね。なら今回はボケは無しで真面目に答えましょう。彼女はこの地を守る二代目西聖将です』
『二代目?西聖将?』


アイリスの説明にレナは驚き、まさか自分が戦っている相手が探し求めていた「西聖将」なのかと動揺するが、二代目という言葉が気にかかり質問する。


『彼女の名前はホムラ、先代の西聖将が亡くなり、現在は二代目の西聖将として選ばれた剣士です。ダークエルフと呼ばれる種族で普通の森人族とは少々異なります』
『ダークエルフ?』
『まあ、分かりやすく言えば人間が白人や黒人と別れているように森人族の間にも様々な種類がいます。ダークエルフは普通の森人族とは異なり、火属性を得意とする森人族で全員が褐色肌です』


レナ達に襲いかかってきた女性はダークエルフという種族で名前はホムラというらしく、アイリスによれば彼女が二代目の西聖将であり、そして彼女が扱う魔法剣はクレナイと同様に「魔刀術」という技術を使用しているという。


『このホムラが使用している技は通常の魔法剣ではなく、魔刀術と呼ばれる特殊な剣術です。名前は知ってますよね?』
『ダインたちから六聖将のクレナイという人が扱っていたという話しは聞いてるし、アカイや白虎が使用していた剣に竜巻を纏わせる剣技も魔刀術でしょ?けど、この女の場合は風じゃなくて炎だけど……』
『魔刀術は個人の魔法の適性によって変化します。森人族であるアカイやクレナイは風属性を得意とするのに対し、ダークエルフであるホムラは火属性を得手とします。しかも彼女の火属性の適性が高すぎて他の属性は一切扱えませんが、その分に魔法の力が非常に強いんです』
『なるほど……あの真紅の炎は魔法の強さを示しているのか』


ホムラが扱う魔法剣と思われる剣技は火属性の魔刀術らしく、クレナイやアカイが使用する魔刀術とは大きく性質が異なり、彼女の魔刀術は超高温を発する火属性の魔力を刀身に纏わせているらしい。炎のように見えるのは実際の所は彼女の魔力その物らしく、本物の炎ではない。

しかし、本物でなかろうと刀身に纏う真紅の魔力がマグマを想像させる超高温を発しているという事実は変わりはなく、大抵の魔法ならば傷一つ付くことがないレイナの退魔刀さえも表面だけとはいえ溶かした。その火力、というよりは「熱」に対してレナはどう対処するべきか悩む。


『あの炎みたいな魔力、かなり厄介だ。近づきすぎると熱すぎてこっちが火傷しそうだし、その癖かなり強い……こいつのレベルはいくつだよ』
『軽く70は超えていますね。それに年齢は100才は超えていますし、実戦経験も豊富です。とんでもない奴に見つかりましたね』
『どうすればいい?反鏡剣をメインにして戦えばあの魔刀術を解除できるかな?』
『いえ、止めておいた方がいいですよ。彼女の魔刀術から発せられる熱は感情に伴って温度を上げます。現在の状態だと反鏡剣で受けようとしたら剣の刃が解かされる可能性があります』
『うえっ……マジか』


魔力を跳ね返す素材で構成されている反鏡剣ならば対抗出来るかと考えたレナだが、反鏡剣では魔力を切り裂くことが出来ても魔力によって発生した「高温」はどうしようもできず、刃が溶かされる可能性があるという。それならば退魔刀で対抗するしかないが、その退魔刀も魔刀術の熱の影響を受けて既に溶けかかっている。

他に方法があるとすれば魔法で遠距離攻撃を行う事ぐらいだが、戦ってみて分かったが相手は「縮地」も習得しており、距離を取ろうとしても一瞬で追いつかれてしまう。さらに問題なのはレナ一人だけならばともかく、他の仲間達を狙われたら大変な事になってしまう。


『くそっ……魔刀術がこんなに凄いなんて聞いてないよ』
『魔法剣を究極的に極めた技術といっても過言ではないですからね。ちなみにシュンやハヤテの風の斬撃も魔刀術の力で生み出してるんですよ。アカイやクレナイと比べると出力は大きな差がありますけど、精密さは二人の方が上です』
『さらっと重要な事を言うなよ』


ハヤテとシュンが扱う剣技も魔刀術の一種らしく、どうしてこの天使はそんな大事なことを今更いうのかとレナは呆れてしまう。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。