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外伝 ~ヨツバ王国編~
魔鎧術と魔刀術
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『よし、こうなったらスラミンにそこの小川で大量の水を吸収させて、放水であいつの剣の炎を消してやる!!』
『いや、あれは炎のように見えますけど実際は魔力の塊ですから、その方法では消せませんって』
『ならどうすればいいの?』
『魔刀術に対抗するにはこちらも魔刀術を使うしかありません。という事でレナさんも魔刀術を覚えましょう』
『え、そんな簡単に扱える物なの?』
アイリスの言葉にレナは驚くが、彼女曰く既に今のレナならば魔刀術を扱える条件を整えているという。
『お忘れですかレナさん?レナさんは既に魔鎧術を覚えています。魔鎧術も魔刀術も自分の魔力を実体化させるという点では共通しているんです。だから大剣に魔力の鎧を纏わせるイメージを行いながら魔力を流し込めばいいんですよ』
『あ、そっか……ホネミンも前に似たようなことを言ってたな』
レナは魔鎧術の存在を思い出し、普段はあまり使わないので忘れていたが魔力を実体化させる技術は既に身に着けていた。相手が魔刀術を使用するのならばこちらも魔鎧術で対抗するため、アイリスとの交信を遮断したレナは意識を退魔刀に集中させる。
「はああっ!!」
「何っ!?」
大剣に意識を集中させたレナは手元から青色の炎を想像させる自身の魔力を生み出し、そのまま大剣全体に包み込む。かなりの魔力を消耗するが無事に成功し、ホムラの真紅の炎に対してレナは「蒼炎」を想像させ、仲間達も見た事もない魔法剣を扱うレナに驚く。
「あ、青い炎!?レナ、そんな魔法剣も使えたのか!?」
「そんな魔法も覚えていたとは……流石はマリア殿の甥!!」
「……綺麗」
蒼炎を纏った退魔刀を振り翳したレナはホムラと向き合うと、本当にこの剣で対抗できるのか不安を抱くが、それでも退く事は出来ないので勢いよく踏み込む。
「兜砕き!!」
「ぐうっ!?」
全身全霊で振り下ろされた大剣に対してホムラは正面から受け止めるが、あまりの衝撃に足元の地面に亀裂が走り、耐え切れずにホムラも膝を崩す。真紅と蒼の炎を纏った刃同士が高熱を周囲に発生させ、後退したレナは大剣の刃を確認すると、今度は溶かされていない事を知る。
アイリスの言葉通りにこの状態ならば大剣が溶かされる事もなく抵抗出来る事を知り、これで本気で戦えると判断したレナはホムラに向けて戦技を連発した。
「旋風!!回転!!刺突!!」
「くっ……!?」
剣士にとっては最初に覚える基本の戦技だが、レナが繰り出す場合は必殺の威力を誇り、ホムラは剣で受ける度に腕が痺れてしまう。魔刀術さえなければレナも全力で攻撃が行えるため、彼女に向けて最大の一撃を放とうとした。
「一刀……!!」
「このっ……調子に乗るなっ!!」
「だ、駄目ぇっ!!」
一刀両断の戦技を繰り出そうとしたレナに対し、ホムラも反撃を繰り出そうとした瞬間、二人の間に人影が割り込む。慌てて両者共に剣を止めると、割り込んだ人物の顔を見てレナ達は驚きの声を上げた。
「ティナ!?どうしてここに……」
「だ、駄目だよ二人とも!!こんな所で喧嘩しちゃ怒られちゃうよ!?」
「ちっ……退け、邪魔だ王女!!」
「ちょちょ、ホムラさん落ち着いて!!」
「ヒヒンッ!!」
ティナの後にエリナも姿を現し、彼女の後ろにはユニコも現れてホムラを止める。だが、戦闘の際中に邪魔をされたホムラは怒り心頭で二人を怒鳴りつける。
「何の真似だお前達!!こいつらは侵入者だ、ならば西聖将の俺が対処する義務がある!!分かったらそこを退けっ!!」
「はうっ!?」
「ち、違いますってホムラさん!!この人達はあたし達の仲間なんです!!敵じゃありませんから、落ち着いてください!!」
「……何だと?」
エリナの言葉にホムラはレナ達を振り返り、訝し気な表情を浮かべながらも剣を鞘に納める。その様子を見てレナも安心して退魔刀を背中に戻すと、まずは仲間達を呼び寄せる。再会の喜びを分かち合う暇もなく、いったい彼女が何者なのかをレナの仲間達はティナとエリナに尋ね、改めてお互いの自己紹介を行う。
「皆さん、この方は西聖将のホムラさんです。先代の西聖将のゴウカ様がお亡くなりになられたので後を継ぎ、現在はこの西聖将の領地を管理している人です」
「せ、西聖将?この女が……?」
「驚いたでござる。しかし、あの強さはまさしく六聖将級、納得したでござる」
「凄い」
「ホムラさん、この人達はティナ様を救うためにわざわざバルトロス王国から来てくれた……あ、ちょっと!?」
「ふん……」
西聖将と紹介されたホムラは不機嫌そうに鼻を鳴らし、続けてエリナがレナ達の紹介を行おうとしたが、彼女はそれを無視して自分の連れて来た「クロ」という名前の黒馬の元へ向かう。
彼女が乗ってきたクロに視線を向けたレナはエリナが世話しているユニコに視線を向け、皮膚の色や額の角の数に違いはあるが容姿は瓜二つである事に気付き、もしかしたら「ユニコーン」と対を為す「バイコーン」と呼ばれる魔獣ではないかと考える。地球の神話ではユニコーンと相対する存在として語られているが、こちらの世界にもユニコーンと同様に実在したことを初めて知った。
『いや、あれは炎のように見えますけど実際は魔力の塊ですから、その方法では消せませんって』
『ならどうすればいいの?』
『魔刀術に対抗するにはこちらも魔刀術を使うしかありません。という事でレナさんも魔刀術を覚えましょう』
『え、そんな簡単に扱える物なの?』
アイリスの言葉にレナは驚くが、彼女曰く既に今のレナならば魔刀術を扱える条件を整えているという。
『お忘れですかレナさん?レナさんは既に魔鎧術を覚えています。魔鎧術も魔刀術も自分の魔力を実体化させるという点では共通しているんです。だから大剣に魔力の鎧を纏わせるイメージを行いながら魔力を流し込めばいいんですよ』
『あ、そっか……ホネミンも前に似たようなことを言ってたな』
レナは魔鎧術の存在を思い出し、普段はあまり使わないので忘れていたが魔力を実体化させる技術は既に身に着けていた。相手が魔刀術を使用するのならばこちらも魔鎧術で対抗するため、アイリスとの交信を遮断したレナは意識を退魔刀に集中させる。
「はああっ!!」
「何っ!?」
大剣に意識を集中させたレナは手元から青色の炎を想像させる自身の魔力を生み出し、そのまま大剣全体に包み込む。かなりの魔力を消耗するが無事に成功し、ホムラの真紅の炎に対してレナは「蒼炎」を想像させ、仲間達も見た事もない魔法剣を扱うレナに驚く。
「あ、青い炎!?レナ、そんな魔法剣も使えたのか!?」
「そんな魔法も覚えていたとは……流石はマリア殿の甥!!」
「……綺麗」
蒼炎を纏った退魔刀を振り翳したレナはホムラと向き合うと、本当にこの剣で対抗できるのか不安を抱くが、それでも退く事は出来ないので勢いよく踏み込む。
「兜砕き!!」
「ぐうっ!?」
全身全霊で振り下ろされた大剣に対してホムラは正面から受け止めるが、あまりの衝撃に足元の地面に亀裂が走り、耐え切れずにホムラも膝を崩す。真紅と蒼の炎を纏った刃同士が高熱を周囲に発生させ、後退したレナは大剣の刃を確認すると、今度は溶かされていない事を知る。
アイリスの言葉通りにこの状態ならば大剣が溶かされる事もなく抵抗出来る事を知り、これで本気で戦えると判断したレナはホムラに向けて戦技を連発した。
「旋風!!回転!!刺突!!」
「くっ……!?」
剣士にとっては最初に覚える基本の戦技だが、レナが繰り出す場合は必殺の威力を誇り、ホムラは剣で受ける度に腕が痺れてしまう。魔刀術さえなければレナも全力で攻撃が行えるため、彼女に向けて最大の一撃を放とうとした。
「一刀……!!」
「このっ……調子に乗るなっ!!」
「だ、駄目ぇっ!!」
一刀両断の戦技を繰り出そうとしたレナに対し、ホムラも反撃を繰り出そうとした瞬間、二人の間に人影が割り込む。慌てて両者共に剣を止めると、割り込んだ人物の顔を見てレナ達は驚きの声を上げた。
「ティナ!?どうしてここに……」
「だ、駄目だよ二人とも!!こんな所で喧嘩しちゃ怒られちゃうよ!?」
「ちっ……退け、邪魔だ王女!!」
「ちょちょ、ホムラさん落ち着いて!!」
「ヒヒンッ!!」
ティナの後にエリナも姿を現し、彼女の後ろにはユニコも現れてホムラを止める。だが、戦闘の際中に邪魔をされたホムラは怒り心頭で二人を怒鳴りつける。
「何の真似だお前達!!こいつらは侵入者だ、ならば西聖将の俺が対処する義務がある!!分かったらそこを退けっ!!」
「はうっ!?」
「ち、違いますってホムラさん!!この人達はあたし達の仲間なんです!!敵じゃありませんから、落ち着いてください!!」
「……何だと?」
エリナの言葉にホムラはレナ達を振り返り、訝し気な表情を浮かべながらも剣を鞘に納める。その様子を見てレナも安心して退魔刀を背中に戻すと、まずは仲間達を呼び寄せる。再会の喜びを分かち合う暇もなく、いったい彼女が何者なのかをレナの仲間達はティナとエリナに尋ね、改めてお互いの自己紹介を行う。
「皆さん、この方は西聖将のホムラさんです。先代の西聖将のゴウカ様がお亡くなりになられたので後を継ぎ、現在はこの西聖将の領地を管理している人です」
「せ、西聖将?この女が……?」
「驚いたでござる。しかし、あの強さはまさしく六聖将級、納得したでござる」
「凄い」
「ホムラさん、この人達はティナ様を救うためにわざわざバルトロス王国から来てくれた……あ、ちょっと!?」
「ふん……」
西聖将と紹介されたホムラは不機嫌そうに鼻を鳴らし、続けてエリナがレナ達の紹介を行おうとしたが、彼女はそれを無視して自分の連れて来た「クロ」という名前の黒馬の元へ向かう。
彼女が乗ってきたクロに視線を向けたレナはエリナが世話しているユニコに視線を向け、皮膚の色や額の角の数に違いはあるが容姿は瓜二つである事に気付き、もしかしたら「ユニコーン」と対を為す「バイコーン」と呼ばれる魔獣ではないかと考える。地球の神話ではユニコーンと相対する存在として語られているが、こちらの世界にもユニコーンと同様に実在したことを初めて知った。
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といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
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