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外伝 ~ヨツバ王国編~
カレハの推察
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「状況はよく分かった……それで、王城の方はどうなっておる?」
「残念だが、そこまでは調べられませんでしたよ……王城の方にはコボルト共が見張っている。普通ならどうという事もない相手だが、視線を合わせるだけで石化されるとなると迂闊に近づく事も出来ない」
「王城へ繋がる隠し路も全て封鎖されていました。残念ながら、侵入は難しい状況です」
「そうか……カレハは城にいるのか?」
「それは間違いありません。偵察の際、城の城壁にカレハ様と……マリア様の姿も確認しています」
「叔母様も一緒か……」
カレハとマリアが王城で待機しているのは間違いなく、侵入は難しいのであれば正面突破しか方はない。だが、敵は石化の魔眼を持つ赤獣を数十体も支配下に納めており、何らかの対策を用意しなければ無策で突っ込んでも街の住民や兵士のように石像にされてしまう。
しかし、住民だけではなく兵士を石像に変化させた辺り、カレハも国王が戻ってくる事を予期していたのか自分の邪魔者となる存在を先に排除したらしい。国王が戻ればカレハに従っていた臣下達も彼女に仕える必要はなくなり、自分の旅が危うくなると判断しての行動だと思われた。
(それにしても俺達が戻ってくるタイミングで王都の人間を全員石化させるなんて……タイミングがいくら何でも良すぎる気がするな)
国王が復活を果たし、王都へ戻ってくる前日に住民と兵士達を石像に変化させた事にレナは疑問を抱く。まるでこちらの行動を先読みしたかのようなカレハの対応に不思議に思うが、先日の自分達が引き起こした王都の騒動の一件でカレハの警戒心を強めたのではないかと考える。
――このレナの想像は間違ってはおらず、カレハは先日に王都の城下町で起きた騒動を知り、東壁街に存在するはずのレナ達が現れた事に警戒心を抱く。しかも信頼していたライコフやマリアでさえもレナ達を捕らえる事が出来ずに逃げおおせられた事でカレハは改めて王都の警備を見直す。
東聖将軍と東聖将のギンタロウが石像化されて危機に陥っているはずのレナ達が王都に現れた事にカレハは不審に思い、どうして彼等が王都へ現れたのか気になった彼女は考察する。自分を暗殺するために王都へ侵入してきたのかと考えたが、それならばわざわざ市中で騒動を引き起こす必要はない。ならばレナ達の目的は別にあり、ここで彼女はとある事を思い出す。
『これは、陽動……?』
レナ達が派手に暴れたせいで王都近辺に待機させていた兵隊を呼び出す事態に陥り、そのせいで一時的にではあるが王都周辺の警備体制が低下した事に気付いたカレハはレナ達の行動が「囮」であると見抜く。そして警戒態勢に入っていたはずの王都の侵入を難なく果たしたレナ達に対して彼女は自分が知らない王都への侵入経路がある事も見抜く。
王都で派手に騒動を起こす事でまんまと陽動に引っ掛かり、王都近辺の警備が甘くなってしまった。その間にレナ達と別行動を行う部隊が存在するのならば何処に向かうか、最初はカレハは北聖将の後任として防衛を任せたツバサの元へ向かったのかと思ったが、彼女は直感的に「西聖将」の存在を思い出す。
『西聖将は結界内に封じられた古代龍の監視、カンナギ神殿の管理を担う。そして神殿には精霊薬を無限に湧き出す泉があると言っていたわね……父上が』
カレハはティナが生まれる前、まだ自分が正統な王位継承者だった時に父親のデブリから伝えられた言葉を思い出す。西聖将の役目は結界内に封じ込められた領地の管理、古代龍の監視、そして勇者が残した遺跡の守護を任せられているからこそ彼等は特別な立場だと教わっていた。
この話は王位継承者しか知らされない重要な内容だが、カレハ以外に知っている人間がいるとすればデブリ国王と「現王位継承者」のティナ、あるいは二人に関わる数名の臣下だけである。彼女は精霊薬の存在を思い出した事でレナ達の目的に気付く。もしも石像にされた人間を元に戻す方法があるとすればそれはどんな病も怪我も呪いの類さえも完治させる伝説の「精霊薬」しかない。
『キラウ、実験したい事があるの。力を貸してもらえるかしら?』
カレハはキラウを呼び出すと実験と称して適当な人間を利用して彼女に「石化」させ、石像と化した物に自分が所有していた「精霊薬」を使用する。追放されようとヨツバ王族であるカレハは自分の分の精霊薬を所持しており、そして石像にされた人間が精霊薬によって復活を果たす事を知る。
『……奴等の目的が分かったわ』
まさか石像を解除する方法を知ったカレハはレナ達の行動が西聖将の領地へ向かい、協力を求める事だと知る。すぐに彼女は軍隊を送り込もうとしたが、西聖将の領地は結界によって阻まれており、容易には侵入できない。それに領地内にはアトラス大森林の中で最も危険な魔物の巣窟と化しており、更に西聖将の領地の戦士達はヨツバ王国最強といっても過言ではない。力尽くで止める事が出来ないと判断したカレハは別の手を打たざるを得なかった。
「残念だが、そこまでは調べられませんでしたよ……王城の方にはコボルト共が見張っている。普通ならどうという事もない相手だが、視線を合わせるだけで石化されるとなると迂闊に近づく事も出来ない」
「王城へ繋がる隠し路も全て封鎖されていました。残念ながら、侵入は難しい状況です」
「そうか……カレハは城にいるのか?」
「それは間違いありません。偵察の際、城の城壁にカレハ様と……マリア様の姿も確認しています」
「叔母様も一緒か……」
カレハとマリアが王城で待機しているのは間違いなく、侵入は難しいのであれば正面突破しか方はない。だが、敵は石化の魔眼を持つ赤獣を数十体も支配下に納めており、何らかの対策を用意しなければ無策で突っ込んでも街の住民や兵士のように石像にされてしまう。
しかし、住民だけではなく兵士を石像に変化させた辺り、カレハも国王が戻ってくる事を予期していたのか自分の邪魔者となる存在を先に排除したらしい。国王が戻ればカレハに従っていた臣下達も彼女に仕える必要はなくなり、自分の旅が危うくなると判断しての行動だと思われた。
(それにしても俺達が戻ってくるタイミングで王都の人間を全員石化させるなんて……タイミングがいくら何でも良すぎる気がするな)
国王が復活を果たし、王都へ戻ってくる前日に住民と兵士達を石像に変化させた事にレナは疑問を抱く。まるでこちらの行動を先読みしたかのようなカレハの対応に不思議に思うが、先日の自分達が引き起こした王都の騒動の一件でカレハの警戒心を強めたのではないかと考える。
――このレナの想像は間違ってはおらず、カレハは先日に王都の城下町で起きた騒動を知り、東壁街に存在するはずのレナ達が現れた事に警戒心を抱く。しかも信頼していたライコフやマリアでさえもレナ達を捕らえる事が出来ずに逃げおおせられた事でカレハは改めて王都の警備を見直す。
東聖将軍と東聖将のギンタロウが石像化されて危機に陥っているはずのレナ達が王都に現れた事にカレハは不審に思い、どうして彼等が王都へ現れたのか気になった彼女は考察する。自分を暗殺するために王都へ侵入してきたのかと考えたが、それならばわざわざ市中で騒動を引き起こす必要はない。ならばレナ達の目的は別にあり、ここで彼女はとある事を思い出す。
『これは、陽動……?』
レナ達が派手に暴れたせいで王都近辺に待機させていた兵隊を呼び出す事態に陥り、そのせいで一時的にではあるが王都周辺の警備体制が低下した事に気付いたカレハはレナ達の行動が「囮」であると見抜く。そして警戒態勢に入っていたはずの王都の侵入を難なく果たしたレナ達に対して彼女は自分が知らない王都への侵入経路がある事も見抜く。
王都で派手に騒動を起こす事でまんまと陽動に引っ掛かり、王都近辺の警備が甘くなってしまった。その間にレナ達と別行動を行う部隊が存在するのならば何処に向かうか、最初はカレハは北聖将の後任として防衛を任せたツバサの元へ向かったのかと思ったが、彼女は直感的に「西聖将」の存在を思い出す。
『西聖将は結界内に封じられた古代龍の監視、カンナギ神殿の管理を担う。そして神殿には精霊薬を無限に湧き出す泉があると言っていたわね……父上が』
カレハはティナが生まれる前、まだ自分が正統な王位継承者だった時に父親のデブリから伝えられた言葉を思い出す。西聖将の役目は結界内に封じ込められた領地の管理、古代龍の監視、そして勇者が残した遺跡の守護を任せられているからこそ彼等は特別な立場だと教わっていた。
この話は王位継承者しか知らされない重要な内容だが、カレハ以外に知っている人間がいるとすればデブリ国王と「現王位継承者」のティナ、あるいは二人に関わる数名の臣下だけである。彼女は精霊薬の存在を思い出した事でレナ達の目的に気付く。もしも石像にされた人間を元に戻す方法があるとすればそれはどんな病も怪我も呪いの類さえも完治させる伝説の「精霊薬」しかない。
『キラウ、実験したい事があるの。力を貸してもらえるかしら?』
カレハはキラウを呼び出すと実験と称して適当な人間を利用して彼女に「石化」させ、石像と化した物に自分が所有していた「精霊薬」を使用する。追放されようとヨツバ王族であるカレハは自分の分の精霊薬を所持しており、そして石像にされた人間が精霊薬によって復活を果たす事を知る。
『……奴等の目的が分かったわ』
まさか石像を解除する方法を知ったカレハはレナ達の行動が西聖将の領地へ向かい、協力を求める事だと知る。すぐに彼女は軍隊を送り込もうとしたが、西聖将の領地は結界によって阻まれており、容易には侵入できない。それに領地内にはアトラス大森林の中で最も危険な魔物の巣窟と化しており、更に西聖将の領地の戦士達はヨツバ王国最強といっても過言ではない。力尽くで止める事が出来ないと判断したカレハは別の手を打たざるを得なかった。
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