不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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外伝 ~ヨツバ王国編~

世界最強は伊達じゃない

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「三重魔法(トリプル・マジック)、サンダーアロー!!」
「いかん!!全員の力を合わせて防ぐのだ!!」
「一つは俺が止める!!ダインも手伝って!!」
「えええっ!?」


マリアは自分の周囲に同時に3つの魔法陣を展開すると、雷属性の砲撃魔法を放つ。精霊魔法が扱えるデブリ達は力を合わせて風属性の障壁を生み出して防ぎ、その一方でレナは退魔刀の魔法耐性の高さを利用して雷撃の軌道を逸らす。最後の攻撃はダインが咄嗟に生み出した影人形によって防がれるが、マリアは一切動じずに次の攻撃へ移った。


「広域魔法、サンシャイン」
「あれは……まずいでござる!?灼熱の太陽の如き火球を作り出すつもりでござる!!」
「くそ、間に合えっ!!」


天井へマリアが杖を掲げた瞬間、杖先から太陽を想像させる火球が誕生すると、異常な熱気が部屋の中へ襲い掛かった。咄嗟にレナは風の聖痕を発動させ、完全に魔法が発動する前にマリアが生み出した火球に斬撃を放つ。結果的にはマリアが攻撃を中断した事で最悪の事態は避けられたが、彼女は容赦なく次の魔法を発動させる。


「最上級魔法(オーバーマジック)……」
「ちょ、それはマジで洒落にならない!!」
「何としても止めろぉっ!!」
「ブモォオオッ!!」


室内で最大級の魔法を繰り出そうとするマリアに全員が接近し、ここで止めなければ間違いなく皆の命が危うい。だが、寸前で彼女は魔法を解除すると接近した者達に向けて再び連射型の砲撃魔法を放つ。


「マジック・アロー」
「ぐあっ!?」
「キュロロッ!?」
「ブモォッ!?」


無数の光弾が魔法陣から放たれ、巨体で狙いやすいミノとアインが真っ先に被弾して吹き飛ばされてしまう。他の者達も連続して発射される光弾を回避する事は出来ず、遂にエリナやダインも直撃を受けて倒れた。


「あうっ!?」
「うがぁっ!?」
「エリナ、ダイン!!」
「くっ……マリア殿、御免!!」
「マジックシールド」


ハンゾウは壁を走り抜けながらマリアに接近すると、彼女の背後に移動して短刀を構え、身値打ちで気絶させようとした。しかし、それを予測していたかの様にマリアは振り返りもせずに掌を構え、防御魔法陣で攻撃を防ぐ。

まるで武道の達人のように正確に自分の攻撃を防いだマリアに対してハンゾウは目を見開き、一方でマリアの方は接近した彼女に振り返ると、そのまま掌を伸ばして至近距離から魔法を発動させた。


「電撃」
「あぐぅううっ!?」
「ハンゾウ!!」


レナも扱う初級魔法とはいえ、マリアの場合は威力に大きな差が存在し、本物の雷に直撃したかのような高圧電流がハンゾウの身体に流れ込むと彼女は黒焦げになりながらも倒れ込む。それを見たレナはもうこれ以上は他の仲間を傷つけさせないため、剣鬼の能力を最大限に発揮させてマリアに迫る。


「はああっ!!」
「ブラストバーン」


正面から迫りくるレナに対してマリアは杖を構えると、今度は「爆炎」を想像させる攻撃を行う。並の剣士ならば広範囲に広がる爆炎を避ける事は不可能だろう。しかし、レナは縮地を発動させて高速移動を行いながらマリアへと接近する。

全力で攻撃を仕掛ければマリアを倒す事は出来るが、その場合だと彼女の身が危ない。だが、下手な手加減をすればレナの身が危うくなり、それならば打つ手は一つしかない。レナは退魔刀で攻撃を仕掛けるふりを行いながら右手に魔力を集中させ、魔法を発動させた。


「光球!!」
「っ!?」
「わあっ!?ま、眩しいよぉっ!?」


初級魔法の光球は文字通りに光の球体を生み出し、周囲を照らす程度の効果しか生み出さない。しかし、魔力を集中させれば光量を瞬間的に上昇させる事は出来るため、マリアに対しての目晦ましと同時に彼女の身体に憑いているはずの「怨霊」を払う事が出来るのではないかとレナは考えた。


(どうだ!?)


マリアがカレハに黙って従うのは「怨霊術」と呼ばれる魔法で彼女の肉体に別の人間の魂が憑依し、その魂がマリアの身体を操っているというのがレナ達の推論だった。そして怨霊を払う方法は聖属性の魔法をマリアに施す事であり、結果としてマリアは至近距離からレナの光球を浴びた事で彼女の身体に異変が生じる。


「うぐっ……!?」
『マリア!?しっかりしなさい!!』
「やった……!!」


マリアの体内から黒色の瘴気が放出され、光球の魔法によって彼女の体内に宿っていた怨霊が苦しんでいるのか、マリアは胸元を強く抑えて苦しむ。その光景を目にしたカレハは結界越しにマリアを怒鳴りつけるが、やがて彼女の結界を維持する集中力も乱れたのかマリアは頭を抑えた瞬間にカレハを守護する結界が解除された。

結界が解除されたのを見たレナはマリアの事は気がかりだったが、ここでカレハを捕まえる絶好の好機だと判断すると、彼女の元へ目掛けて駆け出す。そして退魔刀を振り翳し、カレハに振り翳す。


「カレハッ!!」
「ひいっ!?」


カレハに攻撃を仕掛けようとした瞬間、先ほどまでの余裕の態度はどうしたのか、彼女は情けない悲鳴をあげる。
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