不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 本選編

七大聖剣クサナギ

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「き、消えた!?」
「何処に行ったんだ!?」
「いったい、何が起きてるんだ!?」


観客席の観衆は試合場でレナ達の姿が消えた事に戸惑うが、試合場のあちこちで金属音と火花が発生し、観衆は瞬間移動の如く高速で動き回るレナとツバサの姿を捉える事が出来なかった。


「はああっ!!」
「はっ!!」


試合場の中央にて一際激しい金属音が鳴り響くと、退魔刀を繰り出したレナに対してツバサは手にしていた「銅剣」のような武器で受け止める。既にレナは限界強化を発動させて身体能力を限界まで上昇させているが、ツバサは外見は細身ながらもレナの一撃を軽々と受け止める。

遂に姿を現したレナとツバサを見て観衆は驚き、同時に彼等はツバサが手にしている武器を見て呆気に取られる。六聖将の一人にしてクレナイと双璧を為すといわれるツバサの武器がみすぼらしい「銅剣」なのだから驚かずにはいられない。しかし、実際にツバサと刃を交わしているレナは彼女の武器が普通ではない事を見抜いていた。


「その剣、大した硬さだな……普通ならぶっ壊れてもおかしくはない攻撃を加えているのに掠り傷一つさえないなんて」
「硬い?何を言っているのですか?貴方の剣は触れてさえもいませんよ」
「どういう意味……!?」


ツバサの言葉を聞いてレナは彼女の手にする銅剣に視線を向けると、確かにツバサの言う通りに退魔刀の刃は銅剣に触れてはおらず、まるで見えない膜のような物が銅剣全体を包み込んでいるように刃が阻まれている事に気付く。


「何だ……!?」
「……この剣の正式名称はクサナギ、七大聖剣の一振りにして代々ヨツバ王国が守り抜いてきた宝剣です」
「七大聖剣クサナギ……!!」


レナはレミア以外に七代聖剣を持ち出した選手がいた事に驚き、一方でツバサの方は退魔刀を弾き返すと、彼女はクサナギを構える。七大聖剣である事を認識したレナはツバサがどのような攻撃を仕掛けるのかと待ち構えると、彼女はクサナギを振り払う。


「嵐舞」
「うおっ!?」


クサナギを振り払っただけで試合場に衝撃が走り、石畳製の試合場の床が抉れ、派手な土煙が舞い上がる。その光景を見てレナは冷や汗を流し、今までにシュン、ハヤテ、クレナイといった風属性の魔刀術の使い手とは何度か戦った事があるが、ツバサの場合は彼等の更に上を行く。

ツバサは剣を振り抜くだけで強烈な風圧を発生させ、非常に頑丈な素材で構成されているはずの試合場の石畳さえも破壊する。しかもクサナギを構えた彼女は今度は上空へと跳躍すると、上からレナに向けてクサナギを振り払う。


「まだ終わりませんよ」
「くそっ……!!」


風の聖痕を発動させてレナはクサナギから繰り出す風圧を無効化しようとしたが、それを見越していたのかツバサはクサナギを振り抜く素振りを行うだけで攻撃は行わず、地上へと着地すると再び姿を消す。縮地を発動させてまたもや姿を消した彼女に対してレナは鏡刀を引き抜く。


(魔刀術でクサナギの周囲に風の魔力を纏っているだけなら鏡刀でも通じるはずだ!!)


退魔刀よりも鏡刀の方が相性が良いと判断したレナはツバサが仕掛けるのを待ち構え、風の聖痕を発動させた状態で周囲の様子を伺う。やがてクサナギを手にしたツバサが現れると、彼女は地面に向けてクサナギを突き刺す。


「風を無効化させても、この攻撃は防げません」
「何をっ……うわっ!?」


クサナギが突き刺した箇所から突風が発生すると、石畳の床が内側から爆発するかのように崩壊し、無数の瓦礫がレナの元へと向かう。強烈な風圧を利用して瓦礫を飛び道具に利用して攻撃を仕掛けたツバサに対し、鏡刀では瓦礫を防ぐ事が出来ないと判断したレナは退魔刀を振り払う。

岩のような大きさの瓦礫を切り裂きながらもレナはツバサの様子を伺い、彼女の元へと向かおうとした。しかし、それを見抜いたツバサは縮地を発動させて距離を取る。本来の縮地は体力を消耗する移動術なのだが、先ほどからツバサは縮地を使用しているのに疲れを一切感じさせない。


(どうなってるんだ!?あれだけ縮地を発動させて疲れた様子も見せないなんて……やせ我慢しているわけでもなさそうだし、何か秘密があるな)


試合場のあちこちを高速移動するツバサに疑問を抱き、ここでレナは魔力感知を発動させた。すると今まではクサナギが放つ風属性の魔力で気づけなかったが、ツバサの肉体全体に風属性の魔力が纏っている事に気付く。


(そういう事か!!この人、魔刀術と魔鎧術を同時に発動してるのか!!風属性の魔力を身に付けて移動速度を上昇させているんだ……!!)


レナの場合は剣鬼の能力を発動した際、土属性の魔力を身に宿す事で肉体に掛かる重力を軽減して加速する。それと同じ要領でツバサも全身に風の魔力を身にまとい、一見は激しく動いている様子だが実際は風の力で彼女は浮揚している事が判明した。先ほどクサナギに退魔刀の刃が届かなかったのも彼女の魔刀術の効果らしい。





※今回の投稿の理由、感想覧にてアイリスが無謀な賭けをして公開ボタンを読者に押されました(´;ω;`)
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