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真・闘技祭 本選編
認めるしかない
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「――いや、人質ってお前の事かよ!!」
「ぷるぷるっ?」
『こら、じゃれつくな……そんなに甘えてもご飯はもう与えないぞ』
試合の後、レナは約束通りにツバサが妹のハヤテに命じて人質にしたという人物を返してもらおうとすると、待ち構えていたのはスラミンを抱えたハヤテだった。スラミンは彼女に抱きかかえられた状態で大人しく待っていたらしく、それどころか彼女に甘えるように擦り寄る。
その姿を見てレナは拍子抜けしてしまうが、そんな彼にツバサは口元に笑みを浮かべ、捕まえた相手が人であるとは一言も言っていなかった。その事にレナはツバサを睨みつけ、ため息を吐きながらもスラミンを解放してもらう。
「はあ、おいでスラミン」
「ぷるんっ(は~いっ)」
「ふふふ……言ったでしょう、貴方にとって大切な友人を人質にしていると」
『……どうやら姉にいっぱい食わされたようだな』
事情を知らないハヤテは急に姉であるツバサからスラミンの事を任されて困っていたのだが、ツバサが行ったのは試合の前にティナに相談し、彼女からスラミンを連れ出してくるように頼んだだけだった。ティナはツバサの言葉に疑わずにスラミンを連れ出し、そのスラミンをハヤテに預けてレナに人質と称して本気を出させた。
人質を取られたと思ったレナは試合の開始前から本気で戦う事を決意し、剣鬼の力を完全に解放させていた。結果的にツバサは敗れはしたがレナの全力を引き出す事には成功し、十分な役目を果たしたと確信する。
「貴方の全力を引き出す事が出来れば私の役目も十分です。この試合で貴方の力は他の選手にも見られた、それはどういう意味か分かりますね?」
「対策が立てられる、か」
『お前の力量は把握した。奥の手も見せて貰ったからな……私と当たった時はお前の最後だ』
初戦からレナは奥の手として用意していた「一刀両断」の発展形の「弐刀両断」を他の選手達に見られてしまい、次の試合からは対抗策を講じられるだろう。ツバサは敗れはしたがレナの奥の手を引き出す事には成功し、彼女は満足だった。
「それと……これは国王様からのお言葉です。仮に私が試合で負けるような事があれば貴方に伝えるように言付かっています」
「国王様……デブリ国王?」
「お前とティナの結婚を認める……但し、その条件として姫との子供は我が王家の跡取りとして迎え入れる、との事です」
「えっ……」
『……あのおてんば姫様を泣かせるなよ』
ツバサとハヤテはそれだけを言い残すと二人は先に通路の奥へと歩き去り、残されたレナは呆然とした表情で見送る事しか出来なかった――
――同時刻、難しい表情を浮かべたデブリ国王の隣にはアルン王子とノルン王女が座っていた。二人は先ほどから様子がおかしいデブリに疑問を抱き、ノルンは首を傾げる。
「陛下、どうかされましたの?顔色が優れないようですが……」
「何か気になる事があるのですか?」
「むっ……いや、何でもない。少しばかり考え事をな……はあっ」
流石に公衆の面前なのでアルンもノルンもデブリの事は陛下と呼び、何か気になる事でもあるのかと心配そうに尋ねる。しかし、デブリは首を振って二人の肩を叩く。
「……お主等だけはもうしばらくは結婚せず、儂の傍にいてくれ」
「は、はあっ……」
「言っている意味が良く分かりませんが……分かりましたわ」
「さあ、そんな事よりも次の試合が始まるぞ」
二人はデブリの言葉に戸惑うが、そんな彼等にデブリは若干寂しそうな表情を浮かべながらも試合場へと視線を向ける。レナとツバサの試合で試合場の損傷は激しいが、現在は修復作業も終わって次の選手の紹介が行われる。
『皆さん、お待たせしました!!只今破損した試合場の修復が終了しましたので試合を再開させていただきます!!』
『続いての試合の選手はなんとレナ選手と同様に魔術師でありながら予選を突破した選手です!!自称大闇魔導士、ダイン選手の入場だぁっ!!』
「誰が自称だ!!」
城門が開かれると身体を震わせて不安そうな表情を浮かべたダインが姿を現し、その光景を見た観客たちは戸惑う。彼等はダインを見てどう考えても強そうにはみえず、本当にこの選手が予選を勝ち抜いた猛者なのかと疑う。
「おいおい、何だか弱そうな奴が出てきたな」
「あんな様子で試合できるのか?」
「おい、坊主!!怖いのならとっとと棄権しな!!ぎゃはははっ!!」
「うるさいね、黙ってみてろ!!ぶっ飛ばすよ!!」
「あだぁっ!?」
ダインを馬鹿にした観客に対して特等席に座っていたバルが果物を投げつけて男性の顔に衝突させる。結構硬い果物だったのか男性は鼻血を噴き出して意識を失い、その様子を見ていた他の客も黙り込む。
一方で特等席に座っているマリアはダインに視線を向け、内心では本当に予選を勝ち抜いて本選に出場したダインに感心を抱く。彼は以前と比べても明らかに成長をしており、マリアの魔力感知では態度とは裏腹にダインの魔力は非常に安定していた。魔力が安定しているという事は精神に動揺がないという事であり、表面上はともかく、ダイン自身は非常に落ち着いている様子だった。
※スラミン「ぷるぷるっ(捕まった腹いせに公開ボタンを連打する)」('ω')ノ公開ボタン
「ぷるぷるっ?」
『こら、じゃれつくな……そんなに甘えてもご飯はもう与えないぞ』
試合の後、レナは約束通りにツバサが妹のハヤテに命じて人質にしたという人物を返してもらおうとすると、待ち構えていたのはスラミンを抱えたハヤテだった。スラミンは彼女に抱きかかえられた状態で大人しく待っていたらしく、それどころか彼女に甘えるように擦り寄る。
その姿を見てレナは拍子抜けしてしまうが、そんな彼にツバサは口元に笑みを浮かべ、捕まえた相手が人であるとは一言も言っていなかった。その事にレナはツバサを睨みつけ、ため息を吐きながらもスラミンを解放してもらう。
「はあ、おいでスラミン」
「ぷるんっ(は~いっ)」
「ふふふ……言ったでしょう、貴方にとって大切な友人を人質にしていると」
『……どうやら姉にいっぱい食わされたようだな』
事情を知らないハヤテは急に姉であるツバサからスラミンの事を任されて困っていたのだが、ツバサが行ったのは試合の前にティナに相談し、彼女からスラミンを連れ出してくるように頼んだだけだった。ティナはツバサの言葉に疑わずにスラミンを連れ出し、そのスラミンをハヤテに預けてレナに人質と称して本気を出させた。
人質を取られたと思ったレナは試合の開始前から本気で戦う事を決意し、剣鬼の力を完全に解放させていた。結果的にツバサは敗れはしたがレナの全力を引き出す事には成功し、十分な役目を果たしたと確信する。
「貴方の全力を引き出す事が出来れば私の役目も十分です。この試合で貴方の力は他の選手にも見られた、それはどういう意味か分かりますね?」
「対策が立てられる、か」
『お前の力量は把握した。奥の手も見せて貰ったからな……私と当たった時はお前の最後だ』
初戦からレナは奥の手として用意していた「一刀両断」の発展形の「弐刀両断」を他の選手達に見られてしまい、次の試合からは対抗策を講じられるだろう。ツバサは敗れはしたがレナの奥の手を引き出す事には成功し、彼女は満足だった。
「それと……これは国王様からのお言葉です。仮に私が試合で負けるような事があれば貴方に伝えるように言付かっています」
「国王様……デブリ国王?」
「お前とティナの結婚を認める……但し、その条件として姫との子供は我が王家の跡取りとして迎え入れる、との事です」
「えっ……」
『……あのおてんば姫様を泣かせるなよ』
ツバサとハヤテはそれだけを言い残すと二人は先に通路の奥へと歩き去り、残されたレナは呆然とした表情で見送る事しか出来なかった――
――同時刻、難しい表情を浮かべたデブリ国王の隣にはアルン王子とノルン王女が座っていた。二人は先ほどから様子がおかしいデブリに疑問を抱き、ノルンは首を傾げる。
「陛下、どうかされましたの?顔色が優れないようですが……」
「何か気になる事があるのですか?」
「むっ……いや、何でもない。少しばかり考え事をな……はあっ」
流石に公衆の面前なのでアルンもノルンもデブリの事は陛下と呼び、何か気になる事でもあるのかと心配そうに尋ねる。しかし、デブリは首を振って二人の肩を叩く。
「……お主等だけはもうしばらくは結婚せず、儂の傍にいてくれ」
「は、はあっ……」
「言っている意味が良く分かりませんが……分かりましたわ」
「さあ、そんな事よりも次の試合が始まるぞ」
二人はデブリの言葉に戸惑うが、そんな彼等にデブリは若干寂しそうな表情を浮かべながらも試合場へと視線を向ける。レナとツバサの試合で試合場の損傷は激しいが、現在は修復作業も終わって次の選手の紹介が行われる。
『皆さん、お待たせしました!!只今破損した試合場の修復が終了しましたので試合を再開させていただきます!!』
『続いての試合の選手はなんとレナ選手と同様に魔術師でありながら予選を突破した選手です!!自称大闇魔導士、ダイン選手の入場だぁっ!!』
「誰が自称だ!!」
城門が開かれると身体を震わせて不安そうな表情を浮かべたダインが姿を現し、その光景を見た観客たちは戸惑う。彼等はダインを見てどう考えても強そうにはみえず、本当にこの選手が予選を勝ち抜いた猛者なのかと疑う。
「おいおい、何だか弱そうな奴が出てきたな」
「あんな様子で試合できるのか?」
「おい、坊主!!怖いのならとっとと棄権しな!!ぎゃはははっ!!」
「うるさいね、黙ってみてろ!!ぶっ飛ばすよ!!」
「あだぁっ!?」
ダインを馬鹿にした観客に対して特等席に座っていたバルが果物を投げつけて男性の顔に衝突させる。結構硬い果物だったのか男性は鼻血を噴き出して意識を失い、その様子を見ていた他の客も黙り込む。
一方で特等席に座っているマリアはダインに視線を向け、内心では本当に予選を勝ち抜いて本選に出場したダインに感心を抱く。彼は以前と比べても明らかに成長をしており、マリアの魔力感知では態度とは裏腹にダインの魔力は非常に安定していた。魔力が安定しているという事は精神に動揺がないという事であり、表面上はともかく、ダイン自身は非常に落ち着いている様子だった。
※スラミン「ぷるぷるっ(捕まった腹いせに公開ボタンを連打する)」('ω')ノ公開ボタン
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