不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,136 / 2,091
真・闘技祭 本選編

閑話 《ある日の夢》 ※読者様からのコメントの要望があり、書きました。

しおりを挟む
――ある日、レナは眠っている時に唐突に「狭間の世界」に似た世界へと訪れる。最初はアイリスにまたもや呼び出されたのかと思ったが、今回はいつもと雰囲気が異なる事に気付く。


「ここは……夢の世界?いや、何か感じが違うな……アイリス!!いるのか!?」
「あっ、こっちの方から声が聞こえた!!お~い、誰かいますか!?」
「えっ?」


レナが大声を上げると、後ろの方から少年の声が聞こえて振り返る。すると、そこには自分の親戚の「霧崎ルノ」という名前の少年が駆け寄っていた。その少年を見てレナは驚きを隠せず、地球にいるはずの彼がこの世界にいる事に戸惑う。


「もしかして……ルノ君!?どうしてここに?」
「えっ……どうして俺の名前を知ってるの?」
「あ、いや……」


ルノは自分の事を知っているレナに驚いた表情を浮かべ、ここでレナは自分の姿が地球にいた頃と異なる事に気付く。転生前のレナは現在のレナとは違う姿をしており、この姿でルノと出会うのは初めてである。

気が付いたら不思議な世界に訪れ、自分の事を知っている見た事もない少年にルノは戸惑い、銀色に嵌め込んでいる腕輪を覗き込む。彼は転送装置の機能を持つこの腕輪を利用した時にこの世界に迷い込んでしまい、少し警戒気味にレナに尋ねた。


「……どうして俺の名前を?」
「それは……信じてもらえないかもしれないけど、俺の名前は……」
「お~い、ルノ君!!やっと見つけた!!」
「あっ、ナオ君……」
「えっ!?」


会話の際中にルノの背後から見覚えのある顔が現れ、そちらの少年もレナの従弟である「霧崎ナオ」という名前の少年だった。彼もこの世界にいる事にレナは驚き、一方でナオはルノと同じ腕輪を取りつけていた。


「良かった、急に変な世界に飛ばされたから困ってたんだ。これから地球に戻ろうとしていたのに……」
「あ、ナオ君も装置を使ってここへ来たんdな。困ったな、リーリスがいないから修理できないのに……」
「リーリス?それって、もしかして……」
「えっ!?リーリスの事を知ってるんですか!?」


レナは聞き覚えのある名前に声を上げると、ルノとナオは驚いた表情を浮かべる。彼等の知るリーリスとレナが知っているリーリスは厳密に言えば別人なのだが、全くの無関係ではない。だが、同じ名前の人物を知っていたという事でルノとナオはレナから話を聞く――





――しばらく時間が経過すると、レナはどうにか自分が「白崎レナ」である事を伝え、そして二人の話から察するにレナは二人が召喚された世界の数百年後の世界に存在する事に気付く。ルノとナオは自分達が世話になっていた「バルトロス帝国」が滅び、現在は子孫が「バルトロス王国」という新しい国を築き上げている事を知って驚く。


「まさか、帝国が滅んだなんて……リーリスが何かやらかしたのかな」
「いや、そこでリーリスさんの名前が真っ先に出るのは可哀想だよ……た、多分、違うよ」
「でも、レナ君の話を聞く限りだとアンドロイドとか作り出しちゃってるし……」
「なんかよく知らないけど、二人は元の世界に帰れたんだね」
「うん、色々とあってね」


レナはルノとナオと久しぶりに話せた事に感動するが、レナからすれば二人は十数年ぶりに再会した事になるが、ルノとナオの方は地球にいた頃のレナと姿が異なっている事に戸惑い、最初は本当に本人なのか疑ったぐらいである。


「それにしてもルノ君がまさか帝国の時代に召喚された勇者だったなんて……ナオ君もヨツバ王国で最初に召喚された勇者だったのか。もしかしたら俺は二人の血筋を継いでいるのかもしれないね」
「え~……どうかな、それはないんじゃない?」
「そもそも僕達、結婚はしてないし……」


二人が生きている時代はレナの世界の数百年前の世界であるため、もしもルノが帝国の王族、ナオはヨツバ王国のエルフと結婚して子供が出来ていた場合、レナは二人の血筋を継いでいる可能性も少なからず存在する。最も実際に血が繋がっているのかは不明だが、こうしてで会えた事に3人は喜ぶ。


「それにしてもここは何処だろうね?どうやって帰ればいいんだろう……あ、そうだ。この転移装置、使えないかな?」
「えっと……うん、機能は問題なさそうだね」
「そっか……なら、二人は自分の世界に帰りなよ。あ、でも二人とも歴史を変えちゃうと俺の時代にも影響があるのかな?」
「う~ん、どうだろう……」
「帝国が滅びるのは寂しいけど、俺達が死んだ後の話だからね……」


レナが帝国の末路を話したため、帝国時代に生きるルノとナオの行動によっては現在の王国の時代に影響があるのではないかと考えられるが、帝国が滅びたのは二人がいなくなった後の時代のため、大丈夫なのではないかと考える。


「実は俺達は地球を救うために行動してるんだけど、それも過去の世界に移動して未来を変えてるんだよね」
「それじゃあ、俺の世界も……」
「もしかしたらだけど……でも、何となくだけど大丈夫だと思う。帝国が滅びるのは寂しいけど、また王国として蘇るんだよね?なら、俺達は何もしないよ」
「でも、いいの?二人の子孫が苦労する事になるかもしれないよ?」
「いや、そもそも俺達が結婚して子供が出来るかどうかも分からないし……うん、何とかうまくやるよ」


自分達が生きている時代の国が滅びるとと聞かされて正直に言えばルノとナオのショックは大きかったが、それでも帝国の子孫が新しい国を再建すると聞いて安心した。自分達がいなくても子孫たちは頑張って国を復活させるのならば二人は何もしない事にした。

レアとナオは転移装置を起動させて元の世界に戻る事にすると、一方でレナの方はしばらくはこの世界に留まる事にした。何となくではあるがここにいればアイリスが迎えに来てくれる気がしたのだ。


「それじゃあ、二人とも……元気でね」
「うん、また会えたらいいね……さよなら、レナ君」
「レナ君も頑張ってね……もしかしたらレナの君のお姉さんは俺の子孫かもしれないし、後の事は任せたよ!!」
「あはは……うん、任せて」


二人は転移装置の腕輪を発動させた瞬間、光に包まれて消えてしまう。その光景を見送ったレナは眠気に襲われ、意識を失う――





「――あれ、ここって……そうか、決勝戦を終えて疲れて眠ったんだっけ」


レナはベッドの上で目を覚まし、頭を抑えながら身体を起き上げる。現在の彼は「闘技祭」と呼ばれる世界中の猛者が集まった武芸大会に参加し、決勝戦にまで勝ち残った。決勝戦が始まる前に少し身体を休めようと寝た事を思い出すが、どんな夢を見ていたのか思い出せない。


「なんか、凄く会いたい人に会った気がするけど……もう一度眠ればまた会えるかな?」


天井を見上げながらレナは身体を横にすると、再び同じ夢が見れる事を願って眠ってしまう。これから大事な決勝戦が行われるにも関わらず、呑気に眠ろうとする自分自身に呆れながらもレナは眠りについた――





※今回の話は読者様の要望でレナが地球で暮らしていた頃の親戚と出会う話です。3人とも作者の作品の主人公です。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。