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真・闘技祭 本選編
孤高
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『お前は強すぎる』
『勝てるわけがない』
『手加減してくれ』
『本気を出すな』
『もう教える事はない』
小さい時からゴウライは言われ続けてきた言葉を思い返し、彼女は天井を仰ぐ。ゴウライは生まれた時から強者だったわけではない、この年齢に至るまで何度も敗北を味わった。しかし、最後に誰かに負けた記憶は子供の時の頃だった。
誰よりも強くなりたい、子供の時からそう考えてきたゴウライは常に戦い続け、力を磨き続けた。その事に後悔はないが、いつの間にか彼女は気づいてしまう。自分はもうこれ以上に強くなれないのではないか、そんな不安を抱く。
別に鍛錬を怠ったわけでもなく、毎日のように数多くの武人や魔物と戦い続けてきた。しかし、強敵と戦う事で強くなり続けてきた彼女だが、その強敵と出会う事さえもなくなり、やがて彼女は考えてしまう。もう自分が強敵と認識するような相手がいないのではないかと悟る。
世界最強の剣士と称される頃からゴウライはもうこの世界には自分と戦えるだけの相手はいないのではないかと不安を抱く。最初の頃は自分の考えをただの自惚れと考え込み、きっと自分が知らないだけで世界には自分よりもまだ強い武人がいる。そう信じてゴウライは旅を続けた。
――だが、20年近くも旅を続けたゴウライは自分を追い詰める者とは遭遇しても、結局は誰一人として彼女を「敗北」に追い込む存在には出会えなかった。自分を圧倒する強者がこの世界に存在する事を信じて旅を続けてきた彼女だが、20年も費やして世界中の武人と戦い続けたにも関わらず、結局は彼女の望みは果たされなかった。
自分が強くなるため、自分よりも強い人間を探して旅に出たにも関わらず、結局はゴウライの目的は果たせなかった。その事実にゴウライは苦悩し、もう自分よりも強い人間はいない事、そして自分はもう強くなれないという事実に彼女は絶望した。
『嫌だ、吾輩はもっと強くなりたい!!誰か、誰でもいい、吾輩を越えてみせろ!!そうすれば吾輩をそれを更に超えてみせる!!』
20年以上も彼女が追い求めてきたのは「宿敵」だった。戦う事でしか強くなれないゴウライは自分に匹敵する、あるいはそれ以上の存在を探し求めて里を離れて旅に出た。しかし、結局は彼女は目的を果たす事が出来ず、今日まで生きてきた。いつの日か自分よりも強い存在に会える、そう信じて彼女は生きてきたといっても過言ではない。
シュンやハヤテのように自分を恐れず、戦おうとする相手をゴウライは好んでいた。いつの日か強くなった彼等が自分を打ち倒す程に成長する日が訪れるかもしれない、そう考えたからこそゴウライは氷雨のギルドに留まり続けた。氷雨のギルドマスターのマリアと出会った時、ゴウライは彼女にこう言われた。
『自分よりも強い存在に出会いたいのであれば私の元へ来なさい。きっと、あなたを越えようとする剣士が集まるはずよ』
ゴウライはマリアの言葉を信じてギルドに入ると、彼女の言う通りに剣聖の称号を持つ者達が集まった。シュンも、ハヤテも、ロウガも、ジャンヌでさえも心の底ではゴウライを越える事を目標にして強さを磨く。その事にゴウライは嬉しく思った。いつの日か本当に強くなった剣聖たちが自分を打ち破る日が来るかもしれないと信じていた。
――そんな風に考えていたゴウライの元に二人ほど気になる人物が現れた。一人は自分を父親の仇だと敵視し、驚異的な若さで剣聖の称号を得た剣士のシズネと、もう一人は突如としてゴウライの前に現れた「剣鬼」のレナである。
この二人は氷雨に所属する剣聖たちを上回る速度で強くなり続け、その成長ぶりは若かりし頃のゴウライをも上回る勢いだった。特にレナの方は成長速度は尋常ではなく、世間では不遇職と認識されている職業でありながら、剣士でもないのに「剣鬼」の称号を得るほどにまで強くなった。
ゴウライがレナの事を強く意識し始めたのは闘技場でレナが剣鬼の力を覚醒させたときからであり、彼女はある予感を抱く。必ずやこの少年は自分を脅かす存在になると、そして彼女の期待に応えるように遂にレナは並みいる強豪を打ち倒し、遂に決勝戦の舞台にまで辿り着く。
「長かったな……これで吾輩の目的が果たされるのか」
ゴウライは黙って立ち上がると、自分の背中の大剣に視線を向ける。この聖剣デュランダルは元々はシズネの父親の物だが、ゴウライの手に渡ってからは彼女の愛用する武器として活躍してきた。勇者ではないゴウライでは聖剣の力を解放する事は出来ないが、世界一の頑丈さと耐久力を誇るだけで武器としては十分であり、ゴウライは大剣を握りしめる。
「そろそろ時間か……さあ、行くぞ!!我が強敵の元へ!!」
気合を入れなおしたゴウライは一足先に試合場の城門へと向かい、その顔はまるで無邪気な子供の笑顔を想像させ、これから戦うレナとの試合を心の底から楽しみにしている様子だった――
『勝てるわけがない』
『手加減してくれ』
『本気を出すな』
『もう教える事はない』
小さい時からゴウライは言われ続けてきた言葉を思い返し、彼女は天井を仰ぐ。ゴウライは生まれた時から強者だったわけではない、この年齢に至るまで何度も敗北を味わった。しかし、最後に誰かに負けた記憶は子供の時の頃だった。
誰よりも強くなりたい、子供の時からそう考えてきたゴウライは常に戦い続け、力を磨き続けた。その事に後悔はないが、いつの間にか彼女は気づいてしまう。自分はもうこれ以上に強くなれないのではないか、そんな不安を抱く。
別に鍛錬を怠ったわけでもなく、毎日のように数多くの武人や魔物と戦い続けてきた。しかし、強敵と戦う事で強くなり続けてきた彼女だが、その強敵と出会う事さえもなくなり、やがて彼女は考えてしまう。もう自分が強敵と認識するような相手がいないのではないかと悟る。
世界最強の剣士と称される頃からゴウライはもうこの世界には自分と戦えるだけの相手はいないのではないかと不安を抱く。最初の頃は自分の考えをただの自惚れと考え込み、きっと自分が知らないだけで世界には自分よりもまだ強い武人がいる。そう信じてゴウライは旅を続けた。
――だが、20年近くも旅を続けたゴウライは自分を追い詰める者とは遭遇しても、結局は誰一人として彼女を「敗北」に追い込む存在には出会えなかった。自分を圧倒する強者がこの世界に存在する事を信じて旅を続けてきた彼女だが、20年も費やして世界中の武人と戦い続けたにも関わらず、結局は彼女の望みは果たされなかった。
自分が強くなるため、自分よりも強い人間を探して旅に出たにも関わらず、結局はゴウライの目的は果たせなかった。その事実にゴウライは苦悩し、もう自分よりも強い人間はいない事、そして自分はもう強くなれないという事実に彼女は絶望した。
『嫌だ、吾輩はもっと強くなりたい!!誰か、誰でもいい、吾輩を越えてみせろ!!そうすれば吾輩をそれを更に超えてみせる!!』
20年以上も彼女が追い求めてきたのは「宿敵」だった。戦う事でしか強くなれないゴウライは自分に匹敵する、あるいはそれ以上の存在を探し求めて里を離れて旅に出た。しかし、結局は彼女は目的を果たす事が出来ず、今日まで生きてきた。いつの日か自分よりも強い存在に会える、そう信じて彼女は生きてきたといっても過言ではない。
シュンやハヤテのように自分を恐れず、戦おうとする相手をゴウライは好んでいた。いつの日か強くなった彼等が自分を打ち倒す程に成長する日が訪れるかもしれない、そう考えたからこそゴウライは氷雨のギルドに留まり続けた。氷雨のギルドマスターのマリアと出会った時、ゴウライは彼女にこう言われた。
『自分よりも強い存在に出会いたいのであれば私の元へ来なさい。きっと、あなたを越えようとする剣士が集まるはずよ』
ゴウライはマリアの言葉を信じてギルドに入ると、彼女の言う通りに剣聖の称号を持つ者達が集まった。シュンも、ハヤテも、ロウガも、ジャンヌでさえも心の底ではゴウライを越える事を目標にして強さを磨く。その事にゴウライは嬉しく思った。いつの日か本当に強くなった剣聖たちが自分を打ち破る日が来るかもしれないと信じていた。
――そんな風に考えていたゴウライの元に二人ほど気になる人物が現れた。一人は自分を父親の仇だと敵視し、驚異的な若さで剣聖の称号を得た剣士のシズネと、もう一人は突如としてゴウライの前に現れた「剣鬼」のレナである。
この二人は氷雨に所属する剣聖たちを上回る速度で強くなり続け、その成長ぶりは若かりし頃のゴウライをも上回る勢いだった。特にレナの方は成長速度は尋常ではなく、世間では不遇職と認識されている職業でありながら、剣士でもないのに「剣鬼」の称号を得るほどにまで強くなった。
ゴウライがレナの事を強く意識し始めたのは闘技場でレナが剣鬼の力を覚醒させたときからであり、彼女はある予感を抱く。必ずやこの少年は自分を脅かす存在になると、そして彼女の期待に応えるように遂にレナは並みいる強豪を打ち倒し、遂に決勝戦の舞台にまで辿り着く。
「長かったな……これで吾輩の目的が果たされるのか」
ゴウライは黙って立ち上がると、自分の背中の大剣に視線を向ける。この聖剣デュランダルは元々はシズネの父親の物だが、ゴウライの手に渡ってからは彼女の愛用する武器として活躍してきた。勇者ではないゴウライでは聖剣の力を解放する事は出来ないが、世界一の頑丈さと耐久力を誇るだけで武器としては十分であり、ゴウライは大剣を握りしめる。
「そろそろ時間か……さあ、行くぞ!!我が強敵の元へ!!」
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