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ダイン 監獄都市編
何だ、この鼠……?
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「チュチュイッ!!」
「うわっ!?ね、鼠!?」
ダインは足元に視線を向けると、いつの間にかネズミが立っている事に気付く。咄嗟にダインは追い払おうとしたが、鼠は何故か頭に赤色のリボンを身に付けていた。
「チュチュッ」
「な、何だこいつ……看守のペットか?お前、何処から来たんだよ」
リボンを身に付けている事から野生の鼠ではない事は間違いなく、ダインはこの闘技区の看守が飼っているペットか何かかと不思議に思い、迂闊に手を出すのを躊躇った。リボンを頭に身に付けた鼠はダインを見上げ、手振り身振りで彼に何かを伝えようとしていた。
唐突に現れた鼠に対してダインは警戒心を抱くが、やがて鼠が自分に何かを伝えようとしている事だけは勘付き、ダインは鼠の様子を観察していると、鼠はとことこと二本足で歩き始める。
「チュチュチュッ」
「何だよ……僕に付いて来いと言ってるのか?」
「チュウッ」
「頷いてるし……僕の言葉が分かるのか?」
鼠の行動を見てダインは疑問を抱き、本音を言えばかなり怪しいと思ったが、試合の開始までまだ猶予はある。この際にダインは鼠の後を付ける事にした。
(この鼠……多分、魔物だな。きっと、魔物使いの契約獣か何かだろ)
先ほどから見た限りでは鼠は明らかに普通の鼠ではなく、実際に鼠の尻尾は二つに分かれていた。恐らくは「ラット」と呼ばれる類の魔物であり、バルトロス王国地方には存在しないが獣人国に生息している魔獣である。
先を歩く鼠の後を付けながらもダインは杖を構え、警戒心を抱きながら移動する。この鼠を囮に使って何者かが襲ってくる可能性もあり、油断しないように付いていくと、鼠はやがて亀裂が入った壁の前に立ち止まった。
「チュチュチュッ」
「何だ?ただの壁じゃないか……これがどうかしたのか?」
「チュウチュウッ」
ダインの言葉に鼠は首を横に振り、どうやら彼の言葉を否定しているらしい。ダインが見た限りでは本当に亀裂が走った壁にしか見えないが、ここでダインは亀裂の隙間を覗き込むと、そこには隣の部屋の様子が伺えた。
『あれ、これって……もしかして看守の部屋か?』
どうやら待機室の隣には看守の休憩所が存在するらしく、亀裂越しに隣の部屋で休む看守の様子が伺えた。ダインは驚きながらも聞き耳を澄まし、中の様子を伺う。
『おい、もう交替の時間だぞ。さっさと行けよ』
『うるせえな……もう少しだけ休ませろよ』
『馬鹿!!仕事をさぼったらミノル看守長に殺されるぞ!!俺達までとばっちりを受けるのは御免だ!!』
『へいへい……それにしてもあのガキ、またやばい奴と出くわしたな』
休憩所の中には数名の兵士が休んでいるらしく、彼等の話からダインは次に戦う相手の情報を知る事が出来た。
『でもよ。あのガキもサイク看守長が太鼓判を押すほどの力を持っているらしいぜ?もしかしたら次の試合だって……』
『無理無理!!あんなガキがヤオに勝てるはずないだろ、仮にもあいつはグシャスの右腕だぞ?多少は魔法が使えるぐらいで勝てるはずがないだろ』
『ヤオか……確かにあいつの隠密は厄介だからな。あのガキの命もここまでだな』
休憩所の兵士達の会話を聞いてダインは驚愕の表情を浮かべ、彼等の会話の内容から次の対戦相手がグシャスの派閥に所属する「ヤオ」という名前の人物である事、更には「隠密」の技能を扱える相手だと知る。隠密の技能は暗殺者が身に付ける技能のため、ほぼ確実に次の対戦相手のヤオは暗殺者という事になる。
隣の部屋を盗み聞き出来た事でダインは次の対戦相手の情報と能力を事前に知る事に成功し、彼は思いもよらぬ形で有益な情報を得た。そしてこの壁の隙間の事を教えてくれた鼠にダインは話しかけようとしたが、既に姿は消えていた。
「あれ?あいつ……何処に行ったんだ?」
鼠の姿が見えない事にダインは戸惑い、慌てて待機室の中を探すがいつの間にか姿を消していた。自分に壁の隙間の情報を教えた途端に姿を消した鼠にダインは不思議に思う。
「あの鼠……な、何だったんだ?」
恐らくは鼠を操る存在が別にいるはずだが、何者が自分に隣の部屋の様子を伺える事を知らせたのかとダインは疑問を抱く。だが、何者であろうとダインに対して有益な情報を齎した事に変わりはない。
いったい何者が自分に協力してくれたのかと思いながらも、ダインは次の対戦相手の情報を元に対抗策を練り、どのように戦うべきかを考える。事前に空いてがどんな能力を使ってくるのかを知れただけでも幸運であり、ダインは対抗策を編み出す。
「よし……これしかないな」
「試合の時間だ!!さっさと出ろ、試合場へ向かえ!!」
「うわっ!?び、びっくりさせんなよ!!」
丁度考えがまとまった途端に呼び出しの兵士が現れ、ダインは焦りながらも兵士の元へ向かい、試合場まで案内される――
「うわっ!?ね、鼠!?」
ダインは足元に視線を向けると、いつの間にかネズミが立っている事に気付く。咄嗟にダインは追い払おうとしたが、鼠は何故か頭に赤色のリボンを身に付けていた。
「チュチュッ」
「な、何だこいつ……看守のペットか?お前、何処から来たんだよ」
リボンを身に付けている事から野生の鼠ではない事は間違いなく、ダインはこの闘技区の看守が飼っているペットか何かかと不思議に思い、迂闊に手を出すのを躊躇った。リボンを頭に身に付けた鼠はダインを見上げ、手振り身振りで彼に何かを伝えようとしていた。
唐突に現れた鼠に対してダインは警戒心を抱くが、やがて鼠が自分に何かを伝えようとしている事だけは勘付き、ダインは鼠の様子を観察していると、鼠はとことこと二本足で歩き始める。
「チュチュチュッ」
「何だよ……僕に付いて来いと言ってるのか?」
「チュウッ」
「頷いてるし……僕の言葉が分かるのか?」
鼠の行動を見てダインは疑問を抱き、本音を言えばかなり怪しいと思ったが、試合の開始までまだ猶予はある。この際にダインは鼠の後を付ける事にした。
(この鼠……多分、魔物だな。きっと、魔物使いの契約獣か何かだろ)
先ほどから見た限りでは鼠は明らかに普通の鼠ではなく、実際に鼠の尻尾は二つに分かれていた。恐らくは「ラット」と呼ばれる類の魔物であり、バルトロス王国地方には存在しないが獣人国に生息している魔獣である。
先を歩く鼠の後を付けながらもダインは杖を構え、警戒心を抱きながら移動する。この鼠を囮に使って何者かが襲ってくる可能性もあり、油断しないように付いていくと、鼠はやがて亀裂が入った壁の前に立ち止まった。
「チュチュチュッ」
「何だ?ただの壁じゃないか……これがどうかしたのか?」
「チュウチュウッ」
ダインの言葉に鼠は首を横に振り、どうやら彼の言葉を否定しているらしい。ダインが見た限りでは本当に亀裂が走った壁にしか見えないが、ここでダインは亀裂の隙間を覗き込むと、そこには隣の部屋の様子が伺えた。
『あれ、これって……もしかして看守の部屋か?』
どうやら待機室の隣には看守の休憩所が存在するらしく、亀裂越しに隣の部屋で休む看守の様子が伺えた。ダインは驚きながらも聞き耳を澄まし、中の様子を伺う。
『おい、もう交替の時間だぞ。さっさと行けよ』
『うるせえな……もう少しだけ休ませろよ』
『馬鹿!!仕事をさぼったらミノル看守長に殺されるぞ!!俺達までとばっちりを受けるのは御免だ!!』
『へいへい……それにしてもあのガキ、またやばい奴と出くわしたな』
休憩所の中には数名の兵士が休んでいるらしく、彼等の話からダインは次に戦う相手の情報を知る事が出来た。
『でもよ。あのガキもサイク看守長が太鼓判を押すほどの力を持っているらしいぜ?もしかしたら次の試合だって……』
『無理無理!!あんなガキがヤオに勝てるはずないだろ、仮にもあいつはグシャスの右腕だぞ?多少は魔法が使えるぐらいで勝てるはずがないだろ』
『ヤオか……確かにあいつの隠密は厄介だからな。あのガキの命もここまでだな』
休憩所の兵士達の会話を聞いてダインは驚愕の表情を浮かべ、彼等の会話の内容から次の対戦相手がグシャスの派閥に所属する「ヤオ」という名前の人物である事、更には「隠密」の技能を扱える相手だと知る。隠密の技能は暗殺者が身に付ける技能のため、ほぼ確実に次の対戦相手のヤオは暗殺者という事になる。
隣の部屋を盗み聞き出来た事でダインは次の対戦相手の情報と能力を事前に知る事に成功し、彼は思いもよらぬ形で有益な情報を得た。そしてこの壁の隙間の事を教えてくれた鼠にダインは話しかけようとしたが、既に姿は消えていた。
「あれ?あいつ……何処に行ったんだ?」
鼠の姿が見えない事にダインは戸惑い、慌てて待機室の中を探すがいつの間にか姿を消していた。自分に壁の隙間の情報を教えた途端に姿を消した鼠にダインは不思議に思う。
「あの鼠……な、何だったんだ?」
恐らくは鼠を操る存在が別にいるはずだが、何者が自分に隣の部屋の様子を伺える事を知らせたのかとダインは疑問を抱く。だが、何者であろうとダインに対して有益な情報を齎した事に変わりはない。
いったい何者が自分に協力してくれたのかと思いながらも、ダインは次の対戦相手の情報を元に対抗策を練り、どのように戦うべきかを考える。事前に空いてがどんな能力を使ってくるのかを知れただけでも幸運であり、ダインは対抗策を編み出す。
「よし……これしかないな」
「試合の時間だ!!さっさと出ろ、試合場へ向かえ!!」
「うわっ!?び、びっくりさせんなよ!!」
丁度考えがまとまった途端に呼び出しの兵士が現れ、ダインは焦りながらも兵士の元へ向かい、試合場まで案内される――
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