1,335 / 2,091
弱肉強食の島編
飛竜の亜種
しおりを挟む
――黒龍を討伐に成功し、遂にこの島の最大の脅威を取り除く事が出来た。しかし、黒龍を倒してもまだ問題は残っており、竜人族は住処にしていた砦は壊され、彼等が新しい住居を探す必要があった。
「この砦はもう駄目だ……我々は住処を移さねばならんな」
「だが、竜騎将!!今度は何処に住めばいいんだ?」
「こいつのせいで荒野の魔物も大分数を減らした。もうそろそろここでの生活も厳しいぞ……」
「うむ、こうなったら……ここを離れる時が来たのかもしれないな」
竜騎将は覚悟を決め、竜人族を引き連れて荒野を離れて別の場所に移り住む事を決めた。そもそも竜人族が環境が厳しい荒野に住み続けたのは他の部族との抗争を避けるためだが、もう黒龍という脅威が取り除かれた以上は島に暮らす者同士で争う理由はない。
竜騎将は砦を放棄し、荒野を離れて新しい住処を探す事を決めた。他の者達は異論はなく、彼等も荒野で生活する事に限界を感じていた。牛人族からの食料の補給があるとはいえ、やはり彼等も荒野での生活は苦を感じていたらしい。
「レナ殿、それにレミア……いや、レミア殿。此度の件、誠に感謝いたす」
「いや、気にしないでください」
「私の命があるのも貴方達が救ってくれたお陰です。これで少しでも恩返しが出来たのなら良かったです」
「何だよ、あたし達には礼を言わないのか?」
「そうだそうだ!!」
「私達も頑張ったのに……」
「も、勿論……お主等にも感謝しておる」
竜騎将は黒龍の討伐のために協力してくれたレナ達に感謝の言葉を継げると、改めて彼は牛人族とダークエルフが待つ島へ戻るように提案する。
「では我々は報告も兼ねて他の部族の所に戻るとするか。飛竜は無事か?」
「竜騎将、一応は1匹だけ元気な奴がいますが、こいつ黒龍に怯えてずっと隠れていたんですよ」
「シャアアッ……」
竜人族が飼育していた飛竜は黒龍との戦闘に巻き込まれて大半が怪我を負っていたが、1匹だけ難を逃れた飛竜が存在した。基本的に飛竜は勇猛果敢な性格をしているのだが、こちらの飛竜だけは臆病でずっと砦の中に隠れていた所を発見された。
飛竜は竜人族達に無理やりに引っ張られて姿を現し、この飛竜だけは他の個体と違って鱗が煌めいており、恐らくは只の飛竜ではなく、亜種だと思われる。
「この子、亜種ですか?」
「うむ、生まれた時から綺麗な鱗に覆われていてな。だが、そのせいで他の飛竜とは上手く馴染めず、虐められるようになってこんな臆病な性格になったのだ」
「でも、こいつは一番早いぞ。こいつなら二人乗せたとしてもすぐに島の何処にでも移動する事が出来るんだ」
「へえっ……」
「シャウッ……」
レナが試しに飛竜に触れても特に怒った様子はなく、不思議そうに顔を近づけてくる。他の飛竜は知らない人間が近づこうとしただけでも警戒するのだが、こちらの飛竜は初めて見る人間のレナを見て興味深そうに覗き込む。臆病な癖の癖には好奇心は旺盛らしく、レナが頭をなでてやるとあっさりと懐いてしまう。
「よしよし」
「シャアアッ♪」
「人懐っこい飛竜ですね……」
「だが、怖がりだからな。もしも魔物が近くに居たらすぐに逃げ出してしまうんだ」
「なんだ、臆病者か」
「別にいいんじゃないの?こいつが飛べるならすぐに戻れるんだろ?」
ハルナの言葉にナイは頷き、飛竜さえ飛べるのであればレナとしても文句はない。まずは牛人族とダークエルフが待っている島に戻る必要があり、竜騎将に頼み込む。
「この子を飛ばしてください。すぐに戻らないと……」
「ああ、だが行けるのは2人だけだぞ?」
「大丈夫です、その辺も考えてありますから」
「ん?どういう意味だ?」
飛竜で一度に移動できる人数は限られており、全員が島に戻る事は出来ないと竜騎将は告げるが、レナには秘策があった――
――竜騎将と共にレナは飛竜の亜種に乗り込み、牛人族が住処にしている湖の島へと辿り着く。事前に言っていた通りに他の飛竜よりも移動速度が速く、ほんの1時間程度で到着する。
「シャアアッ!!」
「おっとと……大丈夫か?」
「うぷっ……ちょっと酔いそう」
島に降り立つとレナはあまりの速度にちょっと吐きそうになったが、どうにか堪える。すぐに島の者が駆けつけ、ダークエルフの族長を肩に抱えた牛人族の長が駆けつけてきた。
「おおっ、無事に戻って来たか!!」
「心配しておったぞ。ん?アンジュ達はどうした?」
「大丈夫、すぐに呼び出すから……」
「呼び出す?」
レナは族長の言葉を聞いて右手で口元を抑えながらも反対の腕を伸ばし、意識を集中させる。次の瞬間、空間に黒色の渦が誕生すると全員が驚愕の表情を浮かべた。
「こ、これはいったい!?」
「ちょっと下がってて……皆を呼び出してくるから」
「お、おい!?大丈夫なのか!?」
黒渦を作り出したレナはその中に入り込むと、その様子を見ていた他の者達が慌てふためくが、しばらくするとレナは黒渦を抜け出してくる。その後、レナの後には聖剣を大きな葉で包んだレミア、アンジュ、サーシャ、ハルナ、他にも多数の竜人族が続いて出てきた。
「この砦はもう駄目だ……我々は住処を移さねばならんな」
「だが、竜騎将!!今度は何処に住めばいいんだ?」
「こいつのせいで荒野の魔物も大分数を減らした。もうそろそろここでの生活も厳しいぞ……」
「うむ、こうなったら……ここを離れる時が来たのかもしれないな」
竜騎将は覚悟を決め、竜人族を引き連れて荒野を離れて別の場所に移り住む事を決めた。そもそも竜人族が環境が厳しい荒野に住み続けたのは他の部族との抗争を避けるためだが、もう黒龍という脅威が取り除かれた以上は島に暮らす者同士で争う理由はない。
竜騎将は砦を放棄し、荒野を離れて新しい住処を探す事を決めた。他の者達は異論はなく、彼等も荒野で生活する事に限界を感じていた。牛人族からの食料の補給があるとはいえ、やはり彼等も荒野での生活は苦を感じていたらしい。
「レナ殿、それにレミア……いや、レミア殿。此度の件、誠に感謝いたす」
「いや、気にしないでください」
「私の命があるのも貴方達が救ってくれたお陰です。これで少しでも恩返しが出来たのなら良かったです」
「何だよ、あたし達には礼を言わないのか?」
「そうだそうだ!!」
「私達も頑張ったのに……」
「も、勿論……お主等にも感謝しておる」
竜騎将は黒龍の討伐のために協力してくれたレナ達に感謝の言葉を継げると、改めて彼は牛人族とダークエルフが待つ島へ戻るように提案する。
「では我々は報告も兼ねて他の部族の所に戻るとするか。飛竜は無事か?」
「竜騎将、一応は1匹だけ元気な奴がいますが、こいつ黒龍に怯えてずっと隠れていたんですよ」
「シャアアッ……」
竜人族が飼育していた飛竜は黒龍との戦闘に巻き込まれて大半が怪我を負っていたが、1匹だけ難を逃れた飛竜が存在した。基本的に飛竜は勇猛果敢な性格をしているのだが、こちらの飛竜だけは臆病でずっと砦の中に隠れていた所を発見された。
飛竜は竜人族達に無理やりに引っ張られて姿を現し、この飛竜だけは他の個体と違って鱗が煌めいており、恐らくは只の飛竜ではなく、亜種だと思われる。
「この子、亜種ですか?」
「うむ、生まれた時から綺麗な鱗に覆われていてな。だが、そのせいで他の飛竜とは上手く馴染めず、虐められるようになってこんな臆病な性格になったのだ」
「でも、こいつは一番早いぞ。こいつなら二人乗せたとしてもすぐに島の何処にでも移動する事が出来るんだ」
「へえっ……」
「シャウッ……」
レナが試しに飛竜に触れても特に怒った様子はなく、不思議そうに顔を近づけてくる。他の飛竜は知らない人間が近づこうとしただけでも警戒するのだが、こちらの飛竜は初めて見る人間のレナを見て興味深そうに覗き込む。臆病な癖の癖には好奇心は旺盛らしく、レナが頭をなでてやるとあっさりと懐いてしまう。
「よしよし」
「シャアアッ♪」
「人懐っこい飛竜ですね……」
「だが、怖がりだからな。もしも魔物が近くに居たらすぐに逃げ出してしまうんだ」
「なんだ、臆病者か」
「別にいいんじゃないの?こいつが飛べるならすぐに戻れるんだろ?」
ハルナの言葉にナイは頷き、飛竜さえ飛べるのであればレナとしても文句はない。まずは牛人族とダークエルフが待っている島に戻る必要があり、竜騎将に頼み込む。
「この子を飛ばしてください。すぐに戻らないと……」
「ああ、だが行けるのは2人だけだぞ?」
「大丈夫です、その辺も考えてありますから」
「ん?どういう意味だ?」
飛竜で一度に移動できる人数は限られており、全員が島に戻る事は出来ないと竜騎将は告げるが、レナには秘策があった――
――竜騎将と共にレナは飛竜の亜種に乗り込み、牛人族が住処にしている湖の島へと辿り着く。事前に言っていた通りに他の飛竜よりも移動速度が速く、ほんの1時間程度で到着する。
「シャアアッ!!」
「おっとと……大丈夫か?」
「うぷっ……ちょっと酔いそう」
島に降り立つとレナはあまりの速度にちょっと吐きそうになったが、どうにか堪える。すぐに島の者が駆けつけ、ダークエルフの族長を肩に抱えた牛人族の長が駆けつけてきた。
「おおっ、無事に戻って来たか!!」
「心配しておったぞ。ん?アンジュ達はどうした?」
「大丈夫、すぐに呼び出すから……」
「呼び出す?」
レナは族長の言葉を聞いて右手で口元を抑えながらも反対の腕を伸ばし、意識を集中させる。次の瞬間、空間に黒色の渦が誕生すると全員が驚愕の表情を浮かべた。
「こ、これはいったい!?」
「ちょっと下がってて……皆を呼び出してくるから」
「お、おい!?大丈夫なのか!?」
黒渦を作り出したレナはその中に入り込むと、その様子を見ていた他の者達が慌てふためくが、しばらくするとレナは黒渦を抜け出してくる。その後、レナの後には聖剣を大きな葉で包んだレミア、アンジュ、サーシャ、ハルナ、他にも多数の竜人族が続いて出てきた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。