1,463 / 2,091
真・最終章 七魔将編
感情
しおりを挟む
「ば、馬鹿な……不死身、なのか?」
「落ち着きなさい、ナオちゃん!!不死身の生物なんているはずがないわ!!」
「ふっ……それはどうかな?」
怪我を負っても影で覆い込む事で元の状態へと戻った兵士を見てナオは顔色を青ざめるが、アイラはすぐに彼女の言葉を否定する。しかし、如何に否定しようとブラクに傷を負わせても怪我は瞬時に塞がれてしまう。
本来であれば影魔法は強い光に弱いため、白炎を纏うアイラの攻撃は有効的なはずだった。だが、兵士に憑依したブラクの「影」は攻撃を受ける際に攻撃箇所の影を引かせる事でアイラの攻撃を受ける。当然だが死骸は傷つく事になるが、いくら傷つけられようと影で怪我をした箇所を覆い込めば元通りになる。
(あの影を何とかしないと……それなら!!)
アイラは兵士に向けて接近すると、彼女は右足を高速に繰り出して目にも止まらぬ速さで連撃を繰り出す。先ほどは威力を重視ししていたが、今回は連続攻撃に意識を集中させて攻撃を繰り返す。
「連脚!!」
「ぐううっ!?」
「や、やったか!?」
高速に繰り出される足技に対して兵士の身体に衝撃が走り、止めとばかりにアイラは渾身の蹴りを食らわせると兵士の肉体は後ろに吹き飛ぶ。だが、この時に兵士は両腕でアイラの蹴りを受け止め、威力を最小限に抑えた事でどうにか踏み止まる。
「ふふふっ……今のは中々の攻撃だったぞ」
「そ、そんな馬鹿な!?あれだけの攻撃を受けて何故……」
「いいえ……全部、受け流されてしまったわ」
現役を引退したとはいえ、巨人族をも打ち倒せる程の打撃力を誇るアイラの攻撃を兵士が受けて平気な事にナオは戸惑う。しかし、攻撃を繰り出した側のアイラは先ほどの自分の攻撃が全て防がれていた事に気付いていた。
信じがたい事にブラクはアイラの攻撃を全て受け流し、最後の攻撃も防御する事で最小限の損傷に抑えていた。それでも肉体の方は怪我を負っただろうが、影で覆い込めばどれほどの怪我を負おうと関係ない。
「人間にしては随分と強いな……だが、その程度の攻撃速度ではこの俺には通じんぞ」
「ば、馬鹿な……どうして!?」
「……さっき、攻撃を仕掛けた時に確かに骨が折れる感触はあったわ。だけど、すぐにあの影が腕を包み込んで元に元してしまう。いいえ、無理やりに元の形に維持すると言った方がいいかしら」
「も、元の形?」
攻撃を仕掛けたアイラはブラクに攻撃が通じない理由を察し、彼は先ほどのアイラの「連脚」に対して全ての攻撃を受ける時は影を解除して生身の肉体で受けていた。それでいながら攻撃を受けた直後に損傷した箇所は影で包み込み、次の攻撃を生身で受けてはまた影で損傷箇所を塞ぐ。これを繰り返してアイラの攻撃を受け切った。
魔鎧術の応用でアイラは拳や足に白炎を纏わせて攻撃する事ができるが、本来ならばブラクにとっては相性が悪いはずの彼女の攻撃もブラクは兵士の肉体を利用して防ぎきる。どれだけ兵士の肉体を傷つけようと、本体である影その物に攻撃を加えなければ彼を倒す事はできない。
(私の攻撃を全て受け流すなんて……いくら何でも反応が速過ぎる)
ここでアイラが疑問に抱いたのは兵士の反応速度であり、アイラの連続攻撃ですらも兵士は全て対応して受け切った。それでもアイラの攻撃で兵士の肉体はかなりの損傷を負っているはずだが、元々死体である兵士はいくら肉体を傷つけられようと死ぬ事はない。
しかし、ここでアイラが気になったのは死体を操っているブラクの異常なまでの反応速度だった。ブラクはアイラの攻撃を全て見極めてから攻撃を受ける箇所の影を操作して防いでいるとしか考えられず、その反応力は一流の戦士や格闘家にも匹敵する。仮に現役の格闘家であってもアイラの攻撃速度に反応できる人間は限られているはずだが、ブラクの場合は反応力が不自然なまでに素早い。
(この男、まさか……人間じゃない?)
アイラは兵士の姿を見て改めて不気味さを覚え、自分が兵士を操るブラクに対して恐怖を抱いた事を自覚する。そんな彼女の感情を読み取ったかのようにブラクは兵士の肉体を通して語り掛ける。
「貴様、恐怖を感じたな?この俺が怖いか?」
「なっ……戯言を!!」
「誤魔化しても無駄だ。この俺は感情を読み取ることができる」
「感情……だと!?」
感情を読めるというブラクの言葉は何故か嘘とは思えず、アイラもナオも表情を青ざめさせる。ブラクは人の感情を読み取る事で相手がどのように行動するのか先読みできる事を明かした。
「どれほど優れた戦士であろうと、俺は感情を読み取って対処ができる。影魔法を使用すればどれほど軟弱な人間の身体であろうと強制的に操作して対応できるからな」
「まさか……今までの攻撃を防ぐ事ができたのはそういう事だったのね」
兵士の肉体に宿ったブラクは影魔法で無理やりに肉体を操作する事で、アイラ程の実力者の攻撃すらもいなす程の力を引き出す事ができた。彼が望めば影魔法は兵士の肉体を強制的に動かし、その行動で兵士の肉体には大きな負荷が掛かるが、元々死体という事もあっていくら負荷を与えようと既に死んでいる人間ならば関係はない。
「落ち着きなさい、ナオちゃん!!不死身の生物なんているはずがないわ!!」
「ふっ……それはどうかな?」
怪我を負っても影で覆い込む事で元の状態へと戻った兵士を見てナオは顔色を青ざめるが、アイラはすぐに彼女の言葉を否定する。しかし、如何に否定しようとブラクに傷を負わせても怪我は瞬時に塞がれてしまう。
本来であれば影魔法は強い光に弱いため、白炎を纏うアイラの攻撃は有効的なはずだった。だが、兵士に憑依したブラクの「影」は攻撃を受ける際に攻撃箇所の影を引かせる事でアイラの攻撃を受ける。当然だが死骸は傷つく事になるが、いくら傷つけられようと影で怪我をした箇所を覆い込めば元通りになる。
(あの影を何とかしないと……それなら!!)
アイラは兵士に向けて接近すると、彼女は右足を高速に繰り出して目にも止まらぬ速さで連撃を繰り出す。先ほどは威力を重視ししていたが、今回は連続攻撃に意識を集中させて攻撃を繰り返す。
「連脚!!」
「ぐううっ!?」
「や、やったか!?」
高速に繰り出される足技に対して兵士の身体に衝撃が走り、止めとばかりにアイラは渾身の蹴りを食らわせると兵士の肉体は後ろに吹き飛ぶ。だが、この時に兵士は両腕でアイラの蹴りを受け止め、威力を最小限に抑えた事でどうにか踏み止まる。
「ふふふっ……今のは中々の攻撃だったぞ」
「そ、そんな馬鹿な!?あれだけの攻撃を受けて何故……」
「いいえ……全部、受け流されてしまったわ」
現役を引退したとはいえ、巨人族をも打ち倒せる程の打撃力を誇るアイラの攻撃を兵士が受けて平気な事にナオは戸惑う。しかし、攻撃を繰り出した側のアイラは先ほどの自分の攻撃が全て防がれていた事に気付いていた。
信じがたい事にブラクはアイラの攻撃を全て受け流し、最後の攻撃も防御する事で最小限の損傷に抑えていた。それでも肉体の方は怪我を負っただろうが、影で覆い込めばどれほどの怪我を負おうと関係ない。
「人間にしては随分と強いな……だが、その程度の攻撃速度ではこの俺には通じんぞ」
「ば、馬鹿な……どうして!?」
「……さっき、攻撃を仕掛けた時に確かに骨が折れる感触はあったわ。だけど、すぐにあの影が腕を包み込んで元に元してしまう。いいえ、無理やりに元の形に維持すると言った方がいいかしら」
「も、元の形?」
攻撃を仕掛けたアイラはブラクに攻撃が通じない理由を察し、彼は先ほどのアイラの「連脚」に対して全ての攻撃を受ける時は影を解除して生身の肉体で受けていた。それでいながら攻撃を受けた直後に損傷した箇所は影で包み込み、次の攻撃を生身で受けてはまた影で損傷箇所を塞ぐ。これを繰り返してアイラの攻撃を受け切った。
魔鎧術の応用でアイラは拳や足に白炎を纏わせて攻撃する事ができるが、本来ならばブラクにとっては相性が悪いはずの彼女の攻撃もブラクは兵士の肉体を利用して防ぎきる。どれだけ兵士の肉体を傷つけようと、本体である影その物に攻撃を加えなければ彼を倒す事はできない。
(私の攻撃を全て受け流すなんて……いくら何でも反応が速過ぎる)
ここでアイラが疑問に抱いたのは兵士の反応速度であり、アイラの連続攻撃ですらも兵士は全て対応して受け切った。それでもアイラの攻撃で兵士の肉体はかなりの損傷を負っているはずだが、元々死体である兵士はいくら肉体を傷つけられようと死ぬ事はない。
しかし、ここでアイラが気になったのは死体を操っているブラクの異常なまでの反応速度だった。ブラクはアイラの攻撃を全て見極めてから攻撃を受ける箇所の影を操作して防いでいるとしか考えられず、その反応力は一流の戦士や格闘家にも匹敵する。仮に現役の格闘家であってもアイラの攻撃速度に反応できる人間は限られているはずだが、ブラクの場合は反応力が不自然なまでに素早い。
(この男、まさか……人間じゃない?)
アイラは兵士の姿を見て改めて不気味さを覚え、自分が兵士を操るブラクに対して恐怖を抱いた事を自覚する。そんな彼女の感情を読み取ったかのようにブラクは兵士の肉体を通して語り掛ける。
「貴様、恐怖を感じたな?この俺が怖いか?」
「なっ……戯言を!!」
「誤魔化しても無駄だ。この俺は感情を読み取ることができる」
「感情……だと!?」
感情を読めるというブラクの言葉は何故か嘘とは思えず、アイラもナオも表情を青ざめさせる。ブラクは人の感情を読み取る事で相手がどのように行動するのか先読みできる事を明かした。
「どれほど優れた戦士であろうと、俺は感情を読み取って対処ができる。影魔法を使用すればどれほど軟弱な人間の身体であろうと強制的に操作して対応できるからな」
「まさか……今までの攻撃を防ぐ事ができたのはそういう事だったのね」
兵士の肉体に宿ったブラクは影魔法で無理やりに肉体を操作する事で、アイラ程の実力者の攻撃すらもいなす程の力を引き出す事ができた。彼が望めば影魔法は兵士の肉体を強制的に動かし、その行動で兵士の肉体には大きな負荷が掛かるが、元々死体という事もあっていくら負荷を与えようと既に死んでいる人間ならば関係はない。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。