1,569 / 2,091
真・最終章 七魔将編
港町の様子
しおりを挟む
偵察から戻ってきた二人の報告を受けた後、レナ達は港町に入る事にした。二人の言う通りに道を行き交う人々は元気がなく、何処の店も閉まっていた。中には大荷物を荷車に乗せて街から出て行こうとする人間もちらほらと見えた。
「聞いてはいたけど本当に活気がないわね」
「どこの店も閉まってるな……」
「この港町は漁業が盛んで獣人国の中でも人気があったようでござる。しかし、魚人のせいで漁にも出られなくなったからこんな有様に……」
「とりあえず、港の方に行きますか?それとも宿でも借ります?」
「宿もこの様子だと締まってるかもしれないけどね……」
港に行くがてらにレナ達は宿屋らしき建物を探すが、何処の店も閉まって営業していなかった。そして港の方に辿り着くと、報告通りに港には大きな船は一隻も見当たらなかった。
「本当に船が見当たらないわね……」
「人の姿もないでござる」
「本当に漁に出る事もできないのか……」
この港町にレナ達が訪れたのは海底王国へ向かうためだが、それにはどうしても海を移動する船が必要だった。しかし、港には大船は一隻も存在せず、せいぜい数人乗りの小さな小舟しか浮かんでいない。
船がなければ海に出る事はできず、まさか船無しで泳いで海底王国に向かうわけにはいかない。マリアは神器ウィングを所持しているので空を飛んで移動できるが、まさか彼女だけ行かせるわけにもいかない。
「人を探しましょう。街を襲ってきた魚人の事をもう少し詳しく聞きましょう」
「そうでござるな」
「ん?ちょっと待って……」
「レナ、どうしたの?」
レナは海の方に視線を向けて違和感を覚えた。他の者は特に何も気づいていないが、レナは海面に視線を向けて違和感の正体を探る。確かに海の方で何かが見えたレナは目つきを鋭くさせて様子を伺う。
「今、何か見えたような……」
「見えた、ですか?」
「……風の精霊も騒いでいるわね」
海面に何かが見えたような気がしたレナは魔力感知と気配感知を発動させて警戒すると、マリアは右手を伸ばして周辺に漂っている風の精霊を感じ取る。すると彼女も精霊たちが何かに反応している事に気付き、両手を構えて魔法の準備を行う。
「いったい何を感じ取ったのでござる」
「まだ分からない……でも、嫌な予感がする」
「ちょ、ちょっと待てよ?この状況で嫌な予感がするって……まさか!?」
「……構えなさい!!」
『むむっ!?何か来るぞ!!』
全員が港の前で警戒態勢に入ると、唐突に海中に人影が現れて派手な水飛沫を舞い上がる。海面から出現したのは魚人の群れであり、様々な海の生物の顔と人間のような胴体をした生物が港に上がる。
『ギョエエエエッ!!』
奇怪な鳴き声を上げながら数十体の魚人が出現すると、それを見たレナ達は咄嗟に武器を構える。魚人たちは手には銛のような武器を構えており、港に訪れたレナ達を取り囲む。
魚人の群れに取り囲まれた形になったレナ達は武器を抜こうとすると、最初に動いたのはマリアだった。彼女は風の聖痕を利用して風の精霊を呼び寄せると、自分達の周囲に竜巻を形成して魚人の群れを吹き飛ばす。
「邪魔よ」
『ギャアアアアッ!?』
「あっ……戦闘終了ですね」
「早すぎない!?」
いきなり現れた魚人の群れをマリアは軽く手を振り払う動作だけで竜巻を作り出し、それに巻き込まれた魚人の群れは次々と遠く離れた海面に落ちていく。戦闘を開始して数秒も経過しない内にマリアが魚人の群れを吹き飛ばしてしまい、他の者たちは何もする事ができなかった――
――魚人の群れを蹴散らした後、レナ達は港の方に流れ着いて来た魚人の拘束を行う。唐突に港町に現れた竜巻を見て異変に気付いた街の住民達が駆けつけると、そこには魚人を拘束するレナ達の姿を見て彼等は非常に驚く。しかし、すぐに港町の町長らしき人物が現れてレナ達に感謝した。
「ありがとうございます!!冒険者様、我々を助けに来てくれたのですね!!」
「冒険者?」
『うむ、確かに吾輩達は冒険者だが……ここへ来たのは偶々だ。旅の途中で立ち寄っただけだぞ』
「えっ……では、我々が依頼した他の街の冒険者様ではないのですか?」
町長はレナ達が自分達が雇った冒険者だと勘違いしていた様子だが、それに対してマリアが対応を行う。立場的には彼女はバルトロス王国の冒険者ギルドの代表であり、他国であまり目立ちすぎると色々とまずい。
「私達は観光目的でここへ来た王国の冒険者よ。ここで何が起きたのか教えてくれないかしら?」
「おお、王国の冒険者の方でしたか……いやはや、お恥ずかしい話なのですが、実は一か月ほど前から魚人がこの港町に現れるようになり、そのお陰でこの有様でして……」
町長の話は事前にリンダとハンゾウが調べた情報以上の事は分からず、彼等も急に現れて襲い掛かってきた魚人の群れに困っている様子だった。いったいどうして魚人がこの街を襲うようになったのかも分からずに困っているという。
「聞いてはいたけど本当に活気がないわね」
「どこの店も閉まってるな……」
「この港町は漁業が盛んで獣人国の中でも人気があったようでござる。しかし、魚人のせいで漁にも出られなくなったからこんな有様に……」
「とりあえず、港の方に行きますか?それとも宿でも借ります?」
「宿もこの様子だと締まってるかもしれないけどね……」
港に行くがてらにレナ達は宿屋らしき建物を探すが、何処の店も閉まって営業していなかった。そして港の方に辿り着くと、報告通りに港には大きな船は一隻も見当たらなかった。
「本当に船が見当たらないわね……」
「人の姿もないでござる」
「本当に漁に出る事もできないのか……」
この港町にレナ達が訪れたのは海底王国へ向かうためだが、それにはどうしても海を移動する船が必要だった。しかし、港には大船は一隻も存在せず、せいぜい数人乗りの小さな小舟しか浮かんでいない。
船がなければ海に出る事はできず、まさか船無しで泳いで海底王国に向かうわけにはいかない。マリアは神器ウィングを所持しているので空を飛んで移動できるが、まさか彼女だけ行かせるわけにもいかない。
「人を探しましょう。街を襲ってきた魚人の事をもう少し詳しく聞きましょう」
「そうでござるな」
「ん?ちょっと待って……」
「レナ、どうしたの?」
レナは海の方に視線を向けて違和感を覚えた。他の者は特に何も気づいていないが、レナは海面に視線を向けて違和感の正体を探る。確かに海の方で何かが見えたレナは目つきを鋭くさせて様子を伺う。
「今、何か見えたような……」
「見えた、ですか?」
「……風の精霊も騒いでいるわね」
海面に何かが見えたような気がしたレナは魔力感知と気配感知を発動させて警戒すると、マリアは右手を伸ばして周辺に漂っている風の精霊を感じ取る。すると彼女も精霊たちが何かに反応している事に気付き、両手を構えて魔法の準備を行う。
「いったい何を感じ取ったのでござる」
「まだ分からない……でも、嫌な予感がする」
「ちょ、ちょっと待てよ?この状況で嫌な予感がするって……まさか!?」
「……構えなさい!!」
『むむっ!?何か来るぞ!!』
全員が港の前で警戒態勢に入ると、唐突に海中に人影が現れて派手な水飛沫を舞い上がる。海面から出現したのは魚人の群れであり、様々な海の生物の顔と人間のような胴体をした生物が港に上がる。
『ギョエエエエッ!!』
奇怪な鳴き声を上げながら数十体の魚人が出現すると、それを見たレナ達は咄嗟に武器を構える。魚人たちは手には銛のような武器を構えており、港に訪れたレナ達を取り囲む。
魚人の群れに取り囲まれた形になったレナ達は武器を抜こうとすると、最初に動いたのはマリアだった。彼女は風の聖痕を利用して風の精霊を呼び寄せると、自分達の周囲に竜巻を形成して魚人の群れを吹き飛ばす。
「邪魔よ」
『ギャアアアアッ!?』
「あっ……戦闘終了ですね」
「早すぎない!?」
いきなり現れた魚人の群れをマリアは軽く手を振り払う動作だけで竜巻を作り出し、それに巻き込まれた魚人の群れは次々と遠く離れた海面に落ちていく。戦闘を開始して数秒も経過しない内にマリアが魚人の群れを吹き飛ばしてしまい、他の者たちは何もする事ができなかった――
――魚人の群れを蹴散らした後、レナ達は港の方に流れ着いて来た魚人の拘束を行う。唐突に港町に現れた竜巻を見て異変に気付いた街の住民達が駆けつけると、そこには魚人を拘束するレナ達の姿を見て彼等は非常に驚く。しかし、すぐに港町の町長らしき人物が現れてレナ達に感謝した。
「ありがとうございます!!冒険者様、我々を助けに来てくれたのですね!!」
「冒険者?」
『うむ、確かに吾輩達は冒険者だが……ここへ来たのは偶々だ。旅の途中で立ち寄っただけだぞ』
「えっ……では、我々が依頼した他の街の冒険者様ではないのですか?」
町長はレナ達が自分達が雇った冒険者だと勘違いしていた様子だが、それに対してマリアが対応を行う。立場的には彼女はバルトロス王国の冒険者ギルドの代表であり、他国であまり目立ちすぎると色々とまずい。
「私達は観光目的でここへ来た王国の冒険者よ。ここで何が起きたのか教えてくれないかしら?」
「おお、王国の冒険者の方でしたか……いやはや、お恥ずかしい話なのですが、実は一か月ほど前から魚人がこの港町に現れるようになり、そのお陰でこの有様でして……」
町長の話は事前にリンダとハンゾウが調べた情報以上の事は分からず、彼等も急に現れて襲い掛かってきた魚人の群れに困っている様子だった。いったいどうして魚人がこの街を襲うようになったのかも分からずに困っているという。
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。