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真・最終章 七魔将編
コトミン奪還大作戦
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――コトミンが誘拐されてから1日が経過すると、レナ達はマリアの転移魔法で獣人国の港に辿り着く。バクから聞き出した情報によれば魚人たちが住処にしている港町は獣人国の港町が一番近いからである。
転移魔法は魔力消費が大きいので普通ならば多用はできないのだが、修行を終えたマリアは前よりも魔法の力が強まっており、一度に大人数の人間を同時に転移する事ができるようになった。
「へえ、ここが獣人国か……何度か来た事はあるけど、ここら辺は初めてだね」
「そうだな……でも、この国にはいい思い出が全くないんだよな」
「まあまあ……」
レナ達は何度か獣人国に足を踏み入れた事があるが、大抵の場合は転移魔法の事故でこの場所に飛ばされている。ダインとしては監獄都市が存在するこの国には戻りたくもなかったが、仲間の危機となれば仕方なく覚悟を決めて獣人国に足を踏み入れる。
「そういえば叔母様は監獄都市にも行った事があるんだよね」
「ええ、とある囚人を調査するためにね……その話は長くなるからまた今度にしましょう」
「マリア様、これからどうするのですか?」
港町に辿り着いたレナ達だったが、これからどうするのかはまだ話を聞かされていない。コトミンを誘拐した魚人の住処は海底王国に存在し、文字通りに海底に存在する国にどうやって移動するのかが問題だった。
「船を借りたとしても海を潜る手段がなければどうしようもないわね。それに船に乗っている時に襲われでもしたら対処はできないわ」
「船を沈没されたら終わりですからね」
『むう、それは困るぞ!!こう見えても吾輩はカナヅチだからな!!』
「貴女、そんな弱点があったのね……良い事を聞いたわ」
今回のコトミンの救出のためにゴウライとジャンヌも参加しており、他に参加しているのはレナ、シズネ、ダインの3人だけである。他の面子は冒険都市に残っており、万が一の場合に備えて転移魔法の水晶札を所有しているのはレナとマリアだけだった
出発前にレナは空間魔法を使用して冒険都市に黒渦を配置させているため、魔法が持続している間ならば何時でも冒険都市に残った者達を呼び出す事もできる。但し、空間魔法を維持し続けるのはレナも負担が大きいため、悠長に時間を過ごすわけにはいかない。
「レナ、魔力の方は大丈夫かしら?」
「うん、今の所は大丈夫かな」
「きついときは言ってくださいね、私が作った特製の薬を注射で差しますから」
「怖い事を言うなよ……あれ、ホネミン!?お前も来てたのか!?」
「ええ、ずっと居ましたよ」
転移した人間の中にはホネミンも含まれ、彼女はコトミンの代わりに今回は回復役として同行した。如何にマリアといえども彼女は回復魔法だけは扱う事はできず、回復魔法と薬剤を作り出せるホネミンの同行は有難かった。ティナも一緒に連れていければ良かったのだが、ヨツバ王国から派遣された者達が大反対する。
(ティナも一緒に行きたがってたけど、ハシラさんが聞き入れてくれなかったからな……)
ティナはコトミンと仲が良いので彼女を救うために自分も力になりたいと申し出たが、六聖将のハシラとしては黙ってそれを認めるわけにはいかない。忘れがちではあるがティナはヨツバ王国の王女にして彼女は王位継承権を持っている。もしもティナの身に何かあればヨツバ王国の未来が危うい。
その代わりにティナの代役として今回の旅にはある人物が参加し、彼女は一足先に港町の様子を伺いに出向いている。マリアの方も氷雨のギルドから偵察役として冒険者を一人同行させていた。
「只今戻りました」
「港の方を調べて来たでござる」
「うわっ!?び、びっくりした!!」
気配も音も立てずにダインの背後に二人の人間が現れると、彼は驚いた表情で咄嗟にレナの後ろに隠れる。レナ達の元に現れたのはティナの護衛役を務める「リンダ」と「ハンゾウ」だった。
「ご苦労様、それで首尾の方はどうかしら?」
「それがどうにもおかしな雰囲気です。活気がないというか、住民は誰もが暗い顔をしています」
「港の方も調べたでござるか、殆ど船が見当たらないでござる。聞き込みをしたところ、どうやらこの港では今は船は出していないようでござる」
『船を出していない?何故だ?』
リンダとハンゾウは一足先に港町の様子を調べに向かったが、彼女達が調べたところによると何故か港町の住民は元気がなく、船の方も今は出していない事が発覚した。住民達が元気がない事と船の数が少ない理由はある事が原因である事も突き止めている。
「どうやら港町の方にも魚人が現れ、船を破壊して住民に被害を与えているそうです」
「船を出そうとしても魚人が襲撃するせいで漁にも出られず、海の資源を得る事ができなくて住民達も困っている様子でござる」
「なるほど……という事はこの近くに魚人の住処があるという話は本当だったようね」
港町に暮らす人々が魚人の被害を受けている事を知り、バクの言っていた様に海底王国は獣人国の領地の近くにある事は間違いなかった。問題なのは船が今は海を出せないという事であり、船を借りなければレナ達は海底王国に近付く事もできない。
転移魔法は魔力消費が大きいので普通ならば多用はできないのだが、修行を終えたマリアは前よりも魔法の力が強まっており、一度に大人数の人間を同時に転移する事ができるようになった。
「へえ、ここが獣人国か……何度か来た事はあるけど、ここら辺は初めてだね」
「そうだな……でも、この国にはいい思い出が全くないんだよな」
「まあまあ……」
レナ達は何度か獣人国に足を踏み入れた事があるが、大抵の場合は転移魔法の事故でこの場所に飛ばされている。ダインとしては監獄都市が存在するこの国には戻りたくもなかったが、仲間の危機となれば仕方なく覚悟を決めて獣人国に足を踏み入れる。
「そういえば叔母様は監獄都市にも行った事があるんだよね」
「ええ、とある囚人を調査するためにね……その話は長くなるからまた今度にしましょう」
「マリア様、これからどうするのですか?」
港町に辿り着いたレナ達だったが、これからどうするのかはまだ話を聞かされていない。コトミンを誘拐した魚人の住処は海底王国に存在し、文字通りに海底に存在する国にどうやって移動するのかが問題だった。
「船を借りたとしても海を潜る手段がなければどうしようもないわね。それに船に乗っている時に襲われでもしたら対処はできないわ」
「船を沈没されたら終わりですからね」
『むう、それは困るぞ!!こう見えても吾輩はカナヅチだからな!!』
「貴女、そんな弱点があったのね……良い事を聞いたわ」
今回のコトミンの救出のためにゴウライとジャンヌも参加しており、他に参加しているのはレナ、シズネ、ダインの3人だけである。他の面子は冒険都市に残っており、万が一の場合に備えて転移魔法の水晶札を所有しているのはレナとマリアだけだった
出発前にレナは空間魔法を使用して冒険都市に黒渦を配置させているため、魔法が持続している間ならば何時でも冒険都市に残った者達を呼び出す事もできる。但し、空間魔法を維持し続けるのはレナも負担が大きいため、悠長に時間を過ごすわけにはいかない。
「レナ、魔力の方は大丈夫かしら?」
「うん、今の所は大丈夫かな」
「きついときは言ってくださいね、私が作った特製の薬を注射で差しますから」
「怖い事を言うなよ……あれ、ホネミン!?お前も来てたのか!?」
「ええ、ずっと居ましたよ」
転移した人間の中にはホネミンも含まれ、彼女はコトミンの代わりに今回は回復役として同行した。如何にマリアといえども彼女は回復魔法だけは扱う事はできず、回復魔法と薬剤を作り出せるホネミンの同行は有難かった。ティナも一緒に連れていければ良かったのだが、ヨツバ王国から派遣された者達が大反対する。
(ティナも一緒に行きたがってたけど、ハシラさんが聞き入れてくれなかったからな……)
ティナはコトミンと仲が良いので彼女を救うために自分も力になりたいと申し出たが、六聖将のハシラとしては黙ってそれを認めるわけにはいかない。忘れがちではあるがティナはヨツバ王国の王女にして彼女は王位継承権を持っている。もしもティナの身に何かあればヨツバ王国の未来が危うい。
その代わりにティナの代役として今回の旅にはある人物が参加し、彼女は一足先に港町の様子を伺いに出向いている。マリアの方も氷雨のギルドから偵察役として冒険者を一人同行させていた。
「只今戻りました」
「港の方を調べて来たでござる」
「うわっ!?び、びっくりした!!」
気配も音も立てずにダインの背後に二人の人間が現れると、彼は驚いた表情で咄嗟にレナの後ろに隠れる。レナ達の元に現れたのはティナの護衛役を務める「リンダ」と「ハンゾウ」だった。
「ご苦労様、それで首尾の方はどうかしら?」
「それがどうにもおかしな雰囲気です。活気がないというか、住民は誰もが暗い顔をしています」
「港の方も調べたでござるか、殆ど船が見当たらないでござる。聞き込みをしたところ、どうやらこの港では今は船は出していないようでござる」
『船を出していない?何故だ?』
リンダとハンゾウは一足先に港町の様子を調べに向かったが、彼女達が調べたところによると何故か港町の住民は元気がなく、船の方も今は出していない事が発覚した。住民達が元気がない事と船の数が少ない理由はある事が原因である事も突き止めている。
「どうやら港町の方にも魚人が現れ、船を破壊して住民に被害を与えているそうです」
「船を出そうとしても魚人が襲撃するせいで漁にも出られず、海の資源を得る事ができなくて住民達も困っている様子でござる」
「なるほど……という事はこの近くに魚人の住処があるという話は本当だったようね」
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