1,744 / 2,091
真・最終章 七魔将編
破壊の生物
しおりを挟む
――アガァアアアアアアッ!!
上空へ向けて放たれた炎龍の火炎の吐息は文字通りに天をも貫き、熱線は成層圏まで到達する。やがて宇宙空間に存在する衛星にまで到達すると、熱線は衛星を貫いた瞬間に爆発を引き起こす。
炎龍の行動に地上のレナ達は呆気に取られ、一方でラストは火の聖痕を炎龍に与え続けながら右腕を抑え、暴走する魔力を抑え込むように右手を離す。ラストの腕が離れると炎龍の熱線は途切れて改めてレナ達と向かい合う。
「オアアアアアアッ!!」
「ちょっ……流石にこれは規格外過ぎますよ」
「……化物め」
ホネミンもレナも衛星を破壊されるとは夢にも思わず、衛星で待機していたはずのリーリスの身を案じる。しかし、炎龍の次の狙いはレナ達であり、再び攻撃を再開した。
「ガアアアッ!!」
「うわっ!?来ますよ!!」
「ウル、避けろ!!」
「ウォンッ!!」
レナは咄嗟にウルに限界強化の補助魔法を施し、彼の身体能力を高めた上で攻撃を回避させた。ウル以外の存在ならば炎龍の攻撃に反応しきれなかったが、地上の魔物の中でも最速に分類する白狼種だからこそ反応ができた。
ウルはレナ達を乗せた状態で全速力で駆け出すが、炎龍はそのウルに対して執拗に前脚で踏み潰そうとする。動作自体はそれほど早くはないが、体格差があまりにも違いがあり過ぎるためにウルが全速力で逃げてもすぐに追い詰められる。
「はわわっ!!このままだとマジでやばいですよ!!」
「こうなったらやるしかないか……作戦通りに行くぞ!!」
「分かりましたよもう!!合図したら目を閉じてください!!」
ホネミンは事前に用意していた道具を取り出し、炎龍が隙を生み出すのを待つ。レナも退魔刀を背中に戻して鏡刀を抜くと、炎龍が攻撃を仕掛ける際にホネミンに声をかける。
「今だ!!」
「はい!!」
「オアッ!?」
レナが合図を出すとホネミンは懐から手榴弾を想像させる道具を取り出し、こちらは作戦前にリーリスから受け取った代物である。ホネミンは手榴弾を投げつけるとレナは右手で鏡刀を構えた状態で左腕で目元を塞ぐ。
空中に投げつけられた手榴弾を見て炎龍は一瞬だけ動きを止めると、手榴弾は突如として閃光を放つ。リーリスが渡したのはただの手榴弾ではなく、閃光手榴弾だった。
「何だと!?」
「ッ――!?」
閃光に包まれた炎龍とラストは目元が眩み、事前に目を塞いでいたレナは鏡刀を構えてウルに突っ込ませる。
「今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「ちぃっ……尻尾で薙ぎ払えっ!!」
「オアッ!?」
声が聞こえたラストは視界が完全に回復しない中でも炎龍に命令を与え、炎龍は咄嗟に尻尾を振り払う。それに対してレナは鏡刀を握りしめながらウルに声をかけた。
「ここだっ!!飛べっ!!」
「ウォンッ!!」
主人の命令通りにウルは跳躍を行い、炎龍の振り払った尻尾を避ける事に成功した。この時にレナはウルの背中から飛び降りると、炎龍の顔面に目掛けて突っ込む。風の精霊を呼び集めてマリア程ではないが飛翔術で移動し、鏡刀を構えた。
飛翔術で加速しながらレナは狙うのは炎龍の片目であり、まだ視界が回復しきっていない今が好機だった。鏡刀を振りかざしながらレナは狙いを定め、風の精霊の力も借りて投擲を行う。
「喰らえっ!!」
「ギャアアアアアッ!?」
「何だと!?」
視界が回復しきっていない内に炎龍に鏡刀を投げつけ、片目に鏡刀が突き刺さった炎龍は悲鳴を上げる。片目を完全に貫かれた炎龍は悲鳴を上げてラストの支配から一瞬だけ逃れ、その隙を逃さずにレナは背中に着地した。
「ラスト!!」
「くそっ!?」
ラストはレナの声を聞いて咄嗟に炎の剣を両手に作り出すが、レナの目的は彼ではなかった。ここでラストを倒す事もできるかもしれないが、相手は七魔将の最強の将であるためにどんな奥の手を持っているかは分からず、だからこそ当初の作戦通りにレナは水晶札を取り出す。
――作戦開始前、水晶札を受け取ったレナはマリアに相談を行う。それは水晶札で転移させられる物体の限界を彼女に訪ねた。
「叔母様、この水晶札はどれくらいの大きさの物まで運べるの?」
「どれくらい?どういう意味かしら?」
「例えば家とかは転移できるの?」
「それは……無理ね。無機物の場合はせいぜいが自分の身に付けている物しか転移はできないわ」
「それなら無機物じゃなければ転移できるの?」
「理論上は可能なはずだけど……何をするつもり?」
「……炎龍を転移させて別の場所で迎え撃つ事はできないかな?」
レナの提案に誰もが驚き、転移魔法を封じたマリアでさえも彼の作戦が上手くいくかは分からなかった。だが、ただ一人だけレナの作戦が可能かどうかを判断できる存在がいた。
『可能ですよ。炎龍の傍で水晶札を発動すれば炎龍も一緒に転移ができるはずです』
アイリスからお墨付きを貰ったレナは作戦を実行させ、炎龍をある場所へと転移させた。
上空へ向けて放たれた炎龍の火炎の吐息は文字通りに天をも貫き、熱線は成層圏まで到達する。やがて宇宙空間に存在する衛星にまで到達すると、熱線は衛星を貫いた瞬間に爆発を引き起こす。
炎龍の行動に地上のレナ達は呆気に取られ、一方でラストは火の聖痕を炎龍に与え続けながら右腕を抑え、暴走する魔力を抑え込むように右手を離す。ラストの腕が離れると炎龍の熱線は途切れて改めてレナ達と向かい合う。
「オアアアアアアッ!!」
「ちょっ……流石にこれは規格外過ぎますよ」
「……化物め」
ホネミンもレナも衛星を破壊されるとは夢にも思わず、衛星で待機していたはずのリーリスの身を案じる。しかし、炎龍の次の狙いはレナ達であり、再び攻撃を再開した。
「ガアアアッ!!」
「うわっ!?来ますよ!!」
「ウル、避けろ!!」
「ウォンッ!!」
レナは咄嗟にウルに限界強化の補助魔法を施し、彼の身体能力を高めた上で攻撃を回避させた。ウル以外の存在ならば炎龍の攻撃に反応しきれなかったが、地上の魔物の中でも最速に分類する白狼種だからこそ反応ができた。
ウルはレナ達を乗せた状態で全速力で駆け出すが、炎龍はそのウルに対して執拗に前脚で踏み潰そうとする。動作自体はそれほど早くはないが、体格差があまりにも違いがあり過ぎるためにウルが全速力で逃げてもすぐに追い詰められる。
「はわわっ!!このままだとマジでやばいですよ!!」
「こうなったらやるしかないか……作戦通りに行くぞ!!」
「分かりましたよもう!!合図したら目を閉じてください!!」
ホネミンは事前に用意していた道具を取り出し、炎龍が隙を生み出すのを待つ。レナも退魔刀を背中に戻して鏡刀を抜くと、炎龍が攻撃を仕掛ける際にホネミンに声をかける。
「今だ!!」
「はい!!」
「オアッ!?」
レナが合図を出すとホネミンは懐から手榴弾を想像させる道具を取り出し、こちらは作戦前にリーリスから受け取った代物である。ホネミンは手榴弾を投げつけるとレナは右手で鏡刀を構えた状態で左腕で目元を塞ぐ。
空中に投げつけられた手榴弾を見て炎龍は一瞬だけ動きを止めると、手榴弾は突如として閃光を放つ。リーリスが渡したのはただの手榴弾ではなく、閃光手榴弾だった。
「何だと!?」
「ッ――!?」
閃光に包まれた炎龍とラストは目元が眩み、事前に目を塞いでいたレナは鏡刀を構えてウルに突っ込ませる。
「今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「ちぃっ……尻尾で薙ぎ払えっ!!」
「オアッ!?」
声が聞こえたラストは視界が完全に回復しない中でも炎龍に命令を与え、炎龍は咄嗟に尻尾を振り払う。それに対してレナは鏡刀を握りしめながらウルに声をかけた。
「ここだっ!!飛べっ!!」
「ウォンッ!!」
主人の命令通りにウルは跳躍を行い、炎龍の振り払った尻尾を避ける事に成功した。この時にレナはウルの背中から飛び降りると、炎龍の顔面に目掛けて突っ込む。風の精霊を呼び集めてマリア程ではないが飛翔術で移動し、鏡刀を構えた。
飛翔術で加速しながらレナは狙うのは炎龍の片目であり、まだ視界が回復しきっていない今が好機だった。鏡刀を振りかざしながらレナは狙いを定め、風の精霊の力も借りて投擲を行う。
「喰らえっ!!」
「ギャアアアアアッ!?」
「何だと!?」
視界が回復しきっていない内に炎龍に鏡刀を投げつけ、片目に鏡刀が突き刺さった炎龍は悲鳴を上げる。片目を完全に貫かれた炎龍は悲鳴を上げてラストの支配から一瞬だけ逃れ、その隙を逃さずにレナは背中に着地した。
「ラスト!!」
「くそっ!?」
ラストはレナの声を聞いて咄嗟に炎の剣を両手に作り出すが、レナの目的は彼ではなかった。ここでラストを倒す事もできるかもしれないが、相手は七魔将の最強の将であるためにどんな奥の手を持っているかは分からず、だからこそ当初の作戦通りにレナは水晶札を取り出す。
――作戦開始前、水晶札を受け取ったレナはマリアに相談を行う。それは水晶札で転移させられる物体の限界を彼女に訪ねた。
「叔母様、この水晶札はどれくらいの大きさの物まで運べるの?」
「どれくらい?どういう意味かしら?」
「例えば家とかは転移できるの?」
「それは……無理ね。無機物の場合はせいぜいが自分の身に付けている物しか転移はできないわ」
「それなら無機物じゃなければ転移できるの?」
「理論上は可能なはずだけど……何をするつもり?」
「……炎龍を転移させて別の場所で迎え撃つ事はできないかな?」
レナの提案に誰もが驚き、転移魔法を封じたマリアでさえも彼の作戦が上手くいくかは分からなかった。だが、ただ一人だけレナの作戦が可能かどうかを判断できる存在がいた。
『可能ですよ。炎龍の傍で水晶札を発動すれば炎龍も一緒に転移ができるはずです』
アイリスからお墨付きを貰ったレナは作戦を実行させ、炎龍をある場所へと転移させた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。