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蛇足編
長き因縁に決着を
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「ダイン、この魔力は灯りでは消えないのか?」
「無理だと思う。ここに流れている魔力は密度が違いすぎる……ただのランタンぐらいじゃ消えないよ」
「逆に言えばそれだけの魔力を流しているということはミヤはここにいるということですか?」
「ああ、そうだな。これだけの魔力を生み出せるのはミヤしかいない」
下水道に充満した黒霧はミヤ以外では作り出すことはできず、彼女は下水道の何処かに居ることは確かだった。ダインは闇属性の魔力を影魔法で吸収しながら移動していると、不意に彼は違和感を抱く。
「なんだこの魔力……変な感じがする」
「ダインさん?」
「どうした?」
先ほどから黒霧を影に吸い込ませながら移動していたダインだったが、闇属性の魔石から吸い上げていた魔力と比べて異質な感じがした。吸い込めば吸い込む程に嫌な感覚を抱き、ダインは吐き気を催した。
「き、気持ち悪くなってきた……」
「大丈夫か!?」
「やっぱり無理をし過ぎたんじゃ……」
「へ、平気だよ……それよりも早く行こう」
気分は悪くなりながらもダインは先へ進もうとした時、ダインの影に異変が起きた。影の一部が盛り上がるとまるで人間の顔の形に変化して語り掛ける。
『アギャギャッ!!』
「うわぁっ!?」
「な、何だ!?」
「これは!?」
いきなり自分の作り出した影から人面が浮きあがってダインは驚くが、ゴンゾウとミイネはそんな彼を庇う。ダインの影人形から次々と人面が浮きあがり、この世の者とは思えないおぞましい声をあげた。
『ギィアアアアッ!!』
『ウヒヒヒッ!!』
『オアアアアッ!!』
「な、何だよこれ!?僕の影に変なのが……」
「ダイン!!しっかりしろ!!」
「ダインさん!!近付いてますよ!!」
ダインの影魔法は彼の影を実体化させる魔法であり、影人形に浮かんだ人面はダインと影が繋がっている足元に迫る。ミイネはとっさにダインに注意すると、彼は慌てて影魔法を一旦解除した。
影魔法が解かれた瞬間に影に浮かんでいた人面は黒霧の塊と化して排出され、それらはダイン達の周囲を飛び回る。その姿を見てダインは人面の顔一つ一つに覚えがあることに気が付く。
「こ、こいつら……シャドウ家の人間だ!?」
「何だと!?」
「どういうことですか!?」
「まさかこいつら……シャドウ家の怨霊か!?」
『ヒヒヒヒヒッ!!』
自分の影から出現したシャドウ家の怨霊にダインは冷や汗を流し、ダインが彼等の顔を見忘れるはずがない。屋敷で暮らしていた時はダインは彼等に虐待を受けており、自分を痛めつけた相手のことを忘れるはずがなかった。
「お前等ミヤに操られているのか!?」
『イヒヒッ!!』
『アアアアッ!!』
『ギヒヒッ!!』
ダインの言葉が通じていないのかシャドウ家の怨霊はまともな言葉を発せず、そもそも怨霊は本来は言葉が通じる相手ではない。オウネンやブラクの場合は特殊な存在だったが、通常の怨霊は生前の意識は残っておらず、生者を見つけると例え相手が肉親だろうと躊躇なく襲い掛かる。
下水道を充満している魔力の正体はシャドウ家の怨念であり、シャドウ家の人間が死んだ後に死体は墓場ではなく地下室に保管され、そのせいで魂は怨霊と化して封じられていた。怨霊と化した魂は魔力ごとミヤに吸収されたが、そのミヤが解き放った魔力にまだ怨霊は残っていた。
影魔法で吸収された黒霧の中に怨霊が混じっており、皮肉にも彼等は生前見下していたダインのお陰で怨霊に戻ることができた。ダインの影に吸収された際に彼の魔力を吸収してミヤに吸収される前の状態に戻ったが、もうこの状態では意識も保っていない。
「醜いですね……これが悪党の鳴れの果てですか」
「ダイン……こいつらはどうする?」
「……放っておいてもどうせ消えるだろうけど、このままだとまたミヤに利用されるかもしれない。それぐらいなら僕の手で……」
『アヒヒヒッ!!』
怨霊達はダイン達の周囲を飛び回るだけで何も出来ず、彼等は生者に群がることしかできない。ダインは自分を散々痛めつけてきた憎い連中だったが、そのあまりにも哀れな姿に彼の復讐心は消えていく。
「どうするんですか?怨霊を倒すには浄化するしかないと聞いてますが……」
「こいつらはもう怨霊じゃない。ただの魔力の塊だ……なら、こうすればいい」
ダイン達を取り囲む怨霊は闇属性の魔力で維持しているが、その魔力を断ち切れば怨霊は消滅する。ダインは影人形をもう一度作り出すと、自分達の周囲を飛び回る怨霊を集めて両手で叩き潰す。
「大人しく消えろ!!」
『ッ――――!?』
怨霊を一つにまとめるとダインは影人形で押し潰した瞬間、怨霊は霧散して黒霧と化す。完全に潰されたことで怨霊は粉々となり、やがて消えていく。これでもう二度と復活することはなく、ダインはシャドウ家の怨霊を滅ぼした。彼にとっては自分を苦しめてきた憎い相手だったが、最後は消滅させて彼等を救う。
「頼むからもう二度と現れるなよ……」
「ダイン……」
「……行きましょう。ミヤのところへ」
両手を見つめながらダインは呟き、そして最後に残ったミヤの元へ向かう。
「無理だと思う。ここに流れている魔力は密度が違いすぎる……ただのランタンぐらいじゃ消えないよ」
「逆に言えばそれだけの魔力を流しているということはミヤはここにいるということですか?」
「ああ、そうだな。これだけの魔力を生み出せるのはミヤしかいない」
下水道に充満した黒霧はミヤ以外では作り出すことはできず、彼女は下水道の何処かに居ることは確かだった。ダインは闇属性の魔力を影魔法で吸収しながら移動していると、不意に彼は違和感を抱く。
「なんだこの魔力……変な感じがする」
「ダインさん?」
「どうした?」
先ほどから黒霧を影に吸い込ませながら移動していたダインだったが、闇属性の魔石から吸い上げていた魔力と比べて異質な感じがした。吸い込めば吸い込む程に嫌な感覚を抱き、ダインは吐き気を催した。
「き、気持ち悪くなってきた……」
「大丈夫か!?」
「やっぱり無理をし過ぎたんじゃ……」
「へ、平気だよ……それよりも早く行こう」
気分は悪くなりながらもダインは先へ進もうとした時、ダインの影に異変が起きた。影の一部が盛り上がるとまるで人間の顔の形に変化して語り掛ける。
『アギャギャッ!!』
「うわぁっ!?」
「な、何だ!?」
「これは!?」
いきなり自分の作り出した影から人面が浮きあがってダインは驚くが、ゴンゾウとミイネはそんな彼を庇う。ダインの影人形から次々と人面が浮きあがり、この世の者とは思えないおぞましい声をあげた。
『ギィアアアアッ!!』
『ウヒヒヒッ!!』
『オアアアアッ!!』
「な、何だよこれ!?僕の影に変なのが……」
「ダイン!!しっかりしろ!!」
「ダインさん!!近付いてますよ!!」
ダインの影魔法は彼の影を実体化させる魔法であり、影人形に浮かんだ人面はダインと影が繋がっている足元に迫る。ミイネはとっさにダインに注意すると、彼は慌てて影魔法を一旦解除した。
影魔法が解かれた瞬間に影に浮かんでいた人面は黒霧の塊と化して排出され、それらはダイン達の周囲を飛び回る。その姿を見てダインは人面の顔一つ一つに覚えがあることに気が付く。
「こ、こいつら……シャドウ家の人間だ!?」
「何だと!?」
「どういうことですか!?」
「まさかこいつら……シャドウ家の怨霊か!?」
『ヒヒヒヒヒッ!!』
自分の影から出現したシャドウ家の怨霊にダインは冷や汗を流し、ダインが彼等の顔を見忘れるはずがない。屋敷で暮らしていた時はダインは彼等に虐待を受けており、自分を痛めつけた相手のことを忘れるはずがなかった。
「お前等ミヤに操られているのか!?」
『イヒヒッ!!』
『アアアアッ!!』
『ギヒヒッ!!』
ダインの言葉が通じていないのかシャドウ家の怨霊はまともな言葉を発せず、そもそも怨霊は本来は言葉が通じる相手ではない。オウネンやブラクの場合は特殊な存在だったが、通常の怨霊は生前の意識は残っておらず、生者を見つけると例え相手が肉親だろうと躊躇なく襲い掛かる。
下水道を充満している魔力の正体はシャドウ家の怨念であり、シャドウ家の人間が死んだ後に死体は墓場ではなく地下室に保管され、そのせいで魂は怨霊と化して封じられていた。怨霊と化した魂は魔力ごとミヤに吸収されたが、そのミヤが解き放った魔力にまだ怨霊は残っていた。
影魔法で吸収された黒霧の中に怨霊が混じっており、皮肉にも彼等は生前見下していたダインのお陰で怨霊に戻ることができた。ダインの影に吸収された際に彼の魔力を吸収してミヤに吸収される前の状態に戻ったが、もうこの状態では意識も保っていない。
「醜いですね……これが悪党の鳴れの果てですか」
「ダイン……こいつらはどうする?」
「……放っておいてもどうせ消えるだろうけど、このままだとまたミヤに利用されるかもしれない。それぐらいなら僕の手で……」
『アヒヒヒッ!!』
怨霊達はダイン達の周囲を飛び回るだけで何も出来ず、彼等は生者に群がることしかできない。ダインは自分を散々痛めつけてきた憎い連中だったが、そのあまりにも哀れな姿に彼の復讐心は消えていく。
「どうするんですか?怨霊を倒すには浄化するしかないと聞いてますが……」
「こいつらはもう怨霊じゃない。ただの魔力の塊だ……なら、こうすればいい」
ダイン達を取り囲む怨霊は闇属性の魔力で維持しているが、その魔力を断ち切れば怨霊は消滅する。ダインは影人形をもう一度作り出すと、自分達の周囲を飛び回る怨霊を集めて両手で叩き潰す。
「大人しく消えろ!!」
『ッ――――!?』
怨霊を一つにまとめるとダインは影人形で押し潰した瞬間、怨霊は霧散して黒霧と化す。完全に潰されたことで怨霊は粉々となり、やがて消えていく。これでもう二度と復活することはなく、ダインはシャドウ家の怨霊を滅ぼした。彼にとっては自分を苦しめてきた憎い相手だったが、最後は消滅させて彼等を救う。
「頼むからもう二度と現れるなよ……」
「ダイン……」
「……行きましょう。ミヤのところへ」
両手を見つめながらダインは呟き、そして最後に残ったミヤの元へ向かう。
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