不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

騎士団出動

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――ダイン達が黒霧の対処を行う中、王城では騎士団が出動の準備を整えていた。ナオの号令の元で全ての騎士が集まり、その中には竜槍隊も含まれていた。


「城下町にて蔓延している黒霧はどうやら地下から流れているようです!!」
「黒霧を吸い込んだ者は意識が混濁し、長時間吸い続けると肉体が衰弱する様です!!」
「地下の探索を行う前に地上の住民の避難に集中するべきかと!!このままでは大勢の被害が生まれます!!」
「地上の救助班と地下への捜索班に分けるぞ!!」


兵士からの報告を聞いてナオは騎士団を半分ずつに分け、片方は地上の住民の避難を行わせてもう片方は地下で発生している黒霧の原因究明を行う。騎士団の中には王都に滞在していた剣聖も含まれ、その中でも一番の年長者であるハヤテが捜索班に加わる。


「…………」
「え?どうしたハヤテ殿?」
「ハヤテ様、拡音石のペンダントをしないと聞えませんよ」
『……地下の探索は私が行う。黒霧に対処できるのは私だけだ』


ジャンヌに指摘されてハヤテは面倒そうにペンダントを首にかけると、彼女は地下から流れ込んでいる黒霧の対処は自分が行うことを伝えた。黒霧に対処するためには風属性の魔法の使い手しかできず、押し寄せる黒霧を吹き飛ばせる魔法を使える人間しか探索は行えない。

ハヤテはシュンと同様に風属性の魔法剣の使い手なので地下の探索は彼女に任せ、彼女は氷雨ではゴウライに次ぐ剣士なのでナオも安心できた。更にハヤテの補助としてエリナとジャンヌとミナも立候補した。


「はい!!あたしも風属性の魔法を使えます!!」
「私も御一緒させてください!!」
「それなら僕も!!」
『……足手纏いになるようなら置いていく。それでも構わないなら好きにすればいい』
「よし……では地下の捜索はハヤテ殿たちにお任せしよう。残りの者は地上の住民の救助に専念せ!!」


地下の探索はハヤテ達に任せて他の騎士団は住民の避難にナオは回そうとしたが、それに対してレミアが反対を申し出た。


「お待ちください!!探索ならば私にも参加させてください!!」
「レミア大将軍……それは駄目だ。貴女がいなければ地上の住民の助けきれない」
「しかし……」
「今は人命救助が最優先だ!!」


レミアは今回の事件を引き起こしたミヤを自分の手で捕まえたい気持ちだったが、現在の地上で黒霧を確実に消し去れるのはレミアだけだった。風属性の魔法の使い手では黒霧を完全に消滅させることができず、聖剣の使い手であるレミアでなければ完全な意味で黒霧を消滅させることはできない。

地下から流れ込む黒霧は刻一刻と増え続けており、朝を迎えるまで黒霧は消えることはない。月の光だけでは黒霧を掻き消すことはできず、太陽の光でなければ黒霧を消し去ることはできない。だから朝までレミアが黒霧を対処しなければならない。


「住民は一旦王城へ避難させよ!!それと妹達の避難を……」
「女王陛下、既に御二人は避難は完了しています」
「そうか、もしも私が命を落とすようなことがあれば……その時はレナに王位を継がせてくれ」
「陛下!!不吉なことをおっしゃらないでください!!」
「冗談だ。よし、準備が整い次第に出動せよ!!」
『おおっ!!』


ナオの号令で王国の騎士団は動き出し、ハヤテを戦闘にジャンヌとミナとエリナも地下へと向かう。しかし、彼女達が地下に向かう前に既に地下へ向かう人間達が居た――





――地上で黒霧の対処を行っていたダインは下水道に繋がる出入口を発見し、そこから黒霧が流れ込んでいることを見抜く。ダインは黒霧が流れ込んでいる地下にミヤがいることを確信した。


「ミヤの奴はこの奥にいるみたいだな……よし、行くぞ!!」
「下水道ですか……いつもなら僕の鼠たちが活躍できる場所なんですけどね」
「酷い有様だな……」


下水道に蔓延した黒霧のせいで下水道に生息していた小動物や虫は全滅していた。黒霧は人間だけに影響を及ぼすだけではなく、全ての生物に悪影響を与える。

下水道内には大量の虫の死骸と鼠が転がっており、それを見てミイネは可哀想な視線を向けた。彼女にとっては鼠は思い入れのある動物であるため、無惨に殺された鼠たちの仇を討つことを誓う。


「ここで暮らしていた鼠のためにもミヤを見つけ出しましょう」
「ダイン、闇の聖痕でミヤの居場所は分かるのか?」
「いや、さっきから探してるけどあいつの魔力が妙に変なんだ。多分、地下全体に魔力を流し込んでいるせいで上手く居場所が掴めない。くそ、あの婆……いちいちやることが陰湿なんだよ!!」


ダインは黒霧を吸収しながら前に進み、その後にゴンゾウとミイネが続いた。ダインの傍を離れると二人は真っ先に黒霧に飲み込まれてしまい、そうなればいくら巨人族とサキュバスでも耐え切れない。
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