2,062 / 2,091
蛇足編
白竜宅急便
しおりを挟む
「――さあ、行きますよ皆さん!!振り落とされないようにしっかりとしがみついててください!!」
「ぎゃあああっ!?」
「ぬおおっ!?」
「わあああっ!?」
ホネミンがリーリスに連絡を取ってからしばらく経つと、塔の大迷宮から白竜が派遣された。白竜はダイン達が乗っていた馬車を前脚で掴むと、彼等を乗せたまま王都へ向けて直行した。
「シャアアアッ!!」
「さあ、見えてきましたよ!!あれが王都です!!」
「は、早く降ろしてぇええっ!?」
馬車を掴んだ白竜は王都の上空まで辿り着くと、白竜は地上へ向けて降下した。流石に街中に下りるわけにはいかないので王都の城壁近くに白竜は馬車を下ろすと、ダイン達は外に飛び出した。
「うええっ……気持ち悪い」
「うぷっ……」
「は、ははっ……中々楽しかったですね」
「皆さんに楽しんで貰えて何よりです。ハクもよく来てくれましたね」
「シャアッ!!」
白竜はホネミンに頭を近づけて擦り寄り、彼女は白竜の頭を撫でながらダイン達を見下ろす。ミイネはわりと平気そうだがダインとゴンゾウは酔ったらしく、回復するまで時間が掛かりそうだった。
「大丈夫ですか?私が造った特製の酔い止め薬を飲みますか?」
「い、いや……平気だ。それよりも早くミヤの元に行かないと!!」
「本当に大丈夫ですか?」
「平気だって言ってるだろ……それよりもミヤの方がなんかやばいことになってる!!」
闇の聖痕の力でダインはミヤの魔力が急激に膨れ上がっていることに気が付き、既に彼女はシャドウ家の屋敷に到着していることも把握していた。ダインは一刻も早くミヤの元へ向かう必要があるが、まずは王都の城壁を潜り抜けねばならない。
白竜に乗せてもらって王都を乗り越えるのが一番手っ取り早いが、先ほどのように運んでもらうのは御免であり、ダインは影魔法を発動させた。ダインが伸ばした影が王都の城壁の頂上部にまで到達し、それを縄代わりに利用して登り始めた。
「二人とも行くぞ!!ほら、早くしろって!!」
「うわっ!?」
「ぬあっ!?」
「行ってらっしゃ~い」
「シャアアッ」
ダインは自分の影を鞭状に変化させてゴンゾウとミイネの身体に巻き付け、三人一緒に城壁をよじ登り始めた。その様子をホネミンは手を振って見送り、白竜は地面に寝そべりながら様子を見守る。
「あれ!?あのお姉さんと白竜は一緒に来てくれないんですか!?」
「すいません、白竜はここまでくるのに大分無理したのでもう動けないみたいです。私は面倒を見ないといけないのでここに残りますね。もしも皆さんが手の負えない状態に陥ったら助けに行きますのでお気をつけて~」
「どっちにしろそんなデカい竜が城下町に入ったら大騒ぎだからいいよ!!」
「その通りだな。俺達の手で解決しなければ……だが、何か様子がおかしくないか?」
城壁をよじ登る途中でゴンゾウは城壁にいるはずの見張りの兵士の姿がないことに気が付く。王都の警護は国内で一番厳しいはずだが肝心の兵士がいないことに彼は疑問を抱く。しかし、その理由はダイン達が城壁をよじ登ると判明した。
「な、何だよこれ!?」
「これは……大変なことになってるようですね」
「ミヤの仕業か!?」
城壁をよじ登ると城下町の至る箇所から煙が上がっていた。しかもただの煙ではなく、闇属性の魔力で構成された黒霧だと判明した。その黒霧を見てダイン達は嫌な予感を抱きながら街に下りた。
「う、うう……」
「た、助けてくれ……」
「力が……」
「むっ!?あそこに倒れている人たちがいるぞ!!助けなければ……」
「駄目だゴンゾウ!!近付いたらお前まで倒れるぞ!?」
「どういうことですか!?」
街道で倒れている城下町の住民を発見したゴンゾウは助けに向かおうとしたが、慌ててダインが引き留めた。ダインは街道に漂っている黒霧を見て彼等が闇属性の魔力を吸い込んだせいで体調を崩して倒れたのだと気が付く。
「この黒霧のせいだ!!これを吸うと普通の人間は倒れるんだ!!二人とも気を付けろ!!」
「ダインさんは大丈夫なんですか!?」
「僕は闇魔導士だ!!闇属性の魔力は……僕の好物だよ!!」
ダインは笑みを浮かべて影魔法を発動させると、巨人の姿を模した影人形を作り出す。そして街中に漂っている黒霧を吸い寄せるように巨人の口元に黒霧は集まっていく。
闇の聖痕を利用してダインは街中に漂っている黒霧を吸収して倒れている人々を助けた。黒霧さえ消えればこれ以上の被害は抑えられ、倒れている人間は明るい場所に移すように二人に指示を出す。
「ゴンゾウは倒れている人たちを明るい場所に連れて行け!!今日は満月だから月の光を浴びやすい高い場所がいい!!」
「分かった!!」
「ミイネは兵士に黒霧が危険なことを伝えてくれ!!兵士にはレナの名前を出せば聞いてくれるはずだ!!」
「分かりました!!ダインさんはどうするんですか!?」
「僕は街の中の黒霧を掻き消すことに集中する!!ミヤを探し出すのはその後だ!!」
ミヤを捕縛するよりも人命救助を優先したダインは急いで黒霧の対処を行い、他の二人も指示通りに動く。
「ぎゃあああっ!?」
「ぬおおっ!?」
「わあああっ!?」
ホネミンがリーリスに連絡を取ってからしばらく経つと、塔の大迷宮から白竜が派遣された。白竜はダイン達が乗っていた馬車を前脚で掴むと、彼等を乗せたまま王都へ向けて直行した。
「シャアアアッ!!」
「さあ、見えてきましたよ!!あれが王都です!!」
「は、早く降ろしてぇええっ!?」
馬車を掴んだ白竜は王都の上空まで辿り着くと、白竜は地上へ向けて降下した。流石に街中に下りるわけにはいかないので王都の城壁近くに白竜は馬車を下ろすと、ダイン達は外に飛び出した。
「うええっ……気持ち悪い」
「うぷっ……」
「は、ははっ……中々楽しかったですね」
「皆さんに楽しんで貰えて何よりです。ハクもよく来てくれましたね」
「シャアッ!!」
白竜はホネミンに頭を近づけて擦り寄り、彼女は白竜の頭を撫でながらダイン達を見下ろす。ミイネはわりと平気そうだがダインとゴンゾウは酔ったらしく、回復するまで時間が掛かりそうだった。
「大丈夫ですか?私が造った特製の酔い止め薬を飲みますか?」
「い、いや……平気だ。それよりも早くミヤの元に行かないと!!」
「本当に大丈夫ですか?」
「平気だって言ってるだろ……それよりもミヤの方がなんかやばいことになってる!!」
闇の聖痕の力でダインはミヤの魔力が急激に膨れ上がっていることに気が付き、既に彼女はシャドウ家の屋敷に到着していることも把握していた。ダインは一刻も早くミヤの元へ向かう必要があるが、まずは王都の城壁を潜り抜けねばならない。
白竜に乗せてもらって王都を乗り越えるのが一番手っ取り早いが、先ほどのように運んでもらうのは御免であり、ダインは影魔法を発動させた。ダインが伸ばした影が王都の城壁の頂上部にまで到達し、それを縄代わりに利用して登り始めた。
「二人とも行くぞ!!ほら、早くしろって!!」
「うわっ!?」
「ぬあっ!?」
「行ってらっしゃ~い」
「シャアアッ」
ダインは自分の影を鞭状に変化させてゴンゾウとミイネの身体に巻き付け、三人一緒に城壁をよじ登り始めた。その様子をホネミンは手を振って見送り、白竜は地面に寝そべりながら様子を見守る。
「あれ!?あのお姉さんと白竜は一緒に来てくれないんですか!?」
「すいません、白竜はここまでくるのに大分無理したのでもう動けないみたいです。私は面倒を見ないといけないのでここに残りますね。もしも皆さんが手の負えない状態に陥ったら助けに行きますのでお気をつけて~」
「どっちにしろそんなデカい竜が城下町に入ったら大騒ぎだからいいよ!!」
「その通りだな。俺達の手で解決しなければ……だが、何か様子がおかしくないか?」
城壁をよじ登る途中でゴンゾウは城壁にいるはずの見張りの兵士の姿がないことに気が付く。王都の警護は国内で一番厳しいはずだが肝心の兵士がいないことに彼は疑問を抱く。しかし、その理由はダイン達が城壁をよじ登ると判明した。
「な、何だよこれ!?」
「これは……大変なことになってるようですね」
「ミヤの仕業か!?」
城壁をよじ登ると城下町の至る箇所から煙が上がっていた。しかもただの煙ではなく、闇属性の魔力で構成された黒霧だと判明した。その黒霧を見てダイン達は嫌な予感を抱きながら街に下りた。
「う、うう……」
「た、助けてくれ……」
「力が……」
「むっ!?あそこに倒れている人たちがいるぞ!!助けなければ……」
「駄目だゴンゾウ!!近付いたらお前まで倒れるぞ!?」
「どういうことですか!?」
街道で倒れている城下町の住民を発見したゴンゾウは助けに向かおうとしたが、慌ててダインが引き留めた。ダインは街道に漂っている黒霧を見て彼等が闇属性の魔力を吸い込んだせいで体調を崩して倒れたのだと気が付く。
「この黒霧のせいだ!!これを吸うと普通の人間は倒れるんだ!!二人とも気を付けろ!!」
「ダインさんは大丈夫なんですか!?」
「僕は闇魔導士だ!!闇属性の魔力は……僕の好物だよ!!」
ダインは笑みを浮かべて影魔法を発動させると、巨人の姿を模した影人形を作り出す。そして街中に漂っている黒霧を吸い寄せるように巨人の口元に黒霧は集まっていく。
闇の聖痕を利用してダインは街中に漂っている黒霧を吸収して倒れている人々を助けた。黒霧さえ消えればこれ以上の被害は抑えられ、倒れている人間は明るい場所に移すように二人に指示を出す。
「ゴンゾウは倒れている人たちを明るい場所に連れて行け!!今日は満月だから月の光を浴びやすい高い場所がいい!!」
「分かった!!」
「ミイネは兵士に黒霧が危険なことを伝えてくれ!!兵士にはレナの名前を出せば聞いてくれるはずだ!!」
「分かりました!!ダインさんはどうするんですか!?」
「僕は街の中の黒霧を掻き消すことに集中する!!ミヤを探し出すのはその後だ!!」
ミヤを捕縛するよりも人命救助を優先したダインは急いで黒霧の対処を行い、他の二人も指示通りに動く。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。