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戦姫編
魔術痕
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「うわ、どうしたんだいレナ!?そいつに何かされたのかい!?」
「だ、大丈夫か?」
「わぅっ!?」
「今の所は平気だけど……何これ?」
『それは私の力を込めた魔術痕だ』
「魔術痕?」
レナの質問にバイコーンが説明を始め、先ほどまでは魔力を送り込まれた影響で興奮していたが、現在は落ち着いており、巨大な身体を屈めてレナ達に視線を合わせる。バイコーンの行動にワルキューレ騎士団は動揺を隠せず、その一方でレナは既にバイコーンに対して恐怖心は抱かずに問い質す。
『魔術痕とは魔法の力を強める紋様術の一種だ。お前達の扱う魔法陣の原型と言えば分かりやすいか?』
「へえ……魔法の力を強めるのか」
「レナ……多分だけどあんたはそいつと会話しているのかも知れないけど、あたし等にはそいつの声は分からないんだよ。何が起きているのか説明しな」
「ちょっと待って……先に質問するから」
テンが珍しく不安そうな表情を抱きながらバイコーンに視線を向け、敵意がない事は伝わるが、それでもレナにだけにしか話が通じない以上はバイコーンの意思は完全には理解できず、彼女は周囲を警戒しながらレナに先を急ぐように促す。それでもレナはバイコーンに与えられた力を確認する必要があり、魔術痕の利用法を質問する。
「これはどうやって使うの?」
『使い方は特に意識する必要はない。魔法を発動すれば自動的に魔術痕が発動し、お前の魔法を限界以上に強化するだろう』
「へえ……じゃあ、これからはずっと強い魔法が使えるの?」
『いや、魔術痕にも制限回数が存在する。恐らく、3度か4度目の時点で効果を失うだろう……使い所を間違えるなよ』
「分かった。それとさっきの質問だけど……深淵の森に棲むバジリスクを知っているの?」
『無論だ。奴は我の住処を奪い取り、そしてオーク共を森の外に追い出した元凶だ』
「えっ!?」
バイコーンの言葉にレナは驚愕し、バジリスクの存在を知っていただけでも彼の予想外だったが、バイコーンの住処が深淵の森であり、しかもバジリスクに追い払われたという話に動揺する。
「どうしたんだ?バイコーンは何を言っているんだ?」
「それが……このバイコーンは元々は深淵の森に住んでいたけど、バジリスクに追い払われたって……」
「本当かい?そいつは災難だったね……」
「それにオークが森の外に出現するようになったのは自分が深淵の森から追い出された事が原因だって言ってるけど……」
「どういう事だ?バイコーンとオークに何の関係が……」
「待ちな……そう言えば以前にミキさんが言っていたね。バイコーンは肉食だって聞いていたけど……まさか」
『そこの人間の女の言う通り、我は深淵の森に住んでいた時は森の外に出て行こうとするオークを捕食していた。奴等は狡猾で森の中に存在する間は上手く隠れて見つけるのが困難だからな……だから人間を狙って森の外に離れたオーク共を糧にしていた。奴等は人間の肉を好む傾向があるからな……少なくとも数か月前までは我は外に抜け出そうとするオークだけを捕食していた』
「だから前は村や町の被害は少なかったのか……でもバジリスクが現れたせいで……」
『すまない……実は我は昔、ある人間に命を救われた事がある。彼との約束のため、我は深淵の森を終生の住処と決めて森の魔物を抑えていたのだが、唐突に現れた奇妙なオークの集団がバジリスクを森の奥から引き連れて来た』
「奇妙な……集団?」
レナの脳裏に随分前になるが草原で自分達を襲撃したオークの事を思い出し、特に根拠はないがバイコーンが遭遇したというオークの集団と何らかの関係があるのかと予測すると、次のバイコーンの言葉で彼の疑問は確信に変わった。
『オークの中にはゴブリンのように人間から武器を奪い、装備する奴も存在するが奴等は違った……我が遭遇したオーク共もは人間の武器を完全に使いこなし、並の冒険者など比較にならない技量を持っていた。奴等との戦闘の際、我は額の角を破損してしまった……この角は我の魔力の源であり、力の大半を失った我はバジリスクに敗れ、森の中から追い払われた……今日まで生きて来たのが奇跡としか言いようがない』
「オークが……!?」
『だが、感謝するぞ人間の子供よ……お前のお蔭で我は完全に力を取り戻した。今度こそ、奴等を駆逐してやろう!!お前には世話になったな……礼の代わりに我の名前を呼ぶことを許す。我の名前は「アトラ」だ!!それではさらばっ!!』
「あっ!?」
「うわっ!?」
「わうっ!?」
『おわっ』
「うわぁっ!?馬が喋っ……!?」
会話を終えたバイコーンの「アトラ」は別れの言葉を告げて駆け出し、巨体からは想像できない速度で移動を行い、深淵の森に向けて走り出す。
「だ、大丈夫か?」
「わぅっ!?」
「今の所は平気だけど……何これ?」
『それは私の力を込めた魔術痕だ』
「魔術痕?」
レナの質問にバイコーンが説明を始め、先ほどまでは魔力を送り込まれた影響で興奮していたが、現在は落ち着いており、巨大な身体を屈めてレナ達に視線を合わせる。バイコーンの行動にワルキューレ騎士団は動揺を隠せず、その一方でレナは既にバイコーンに対して恐怖心は抱かずに問い質す。
『魔術痕とは魔法の力を強める紋様術の一種だ。お前達の扱う魔法陣の原型と言えば分かりやすいか?』
「へえ……魔法の力を強めるのか」
「レナ……多分だけどあんたはそいつと会話しているのかも知れないけど、あたし等にはそいつの声は分からないんだよ。何が起きているのか説明しな」
「ちょっと待って……先に質問するから」
テンが珍しく不安そうな表情を抱きながらバイコーンに視線を向け、敵意がない事は伝わるが、それでもレナにだけにしか話が通じない以上はバイコーンの意思は完全には理解できず、彼女は周囲を警戒しながらレナに先を急ぐように促す。それでもレナはバイコーンに与えられた力を確認する必要があり、魔術痕の利用法を質問する。
「これはどうやって使うの?」
『使い方は特に意識する必要はない。魔法を発動すれば自動的に魔術痕が発動し、お前の魔法を限界以上に強化するだろう』
「へえ……じゃあ、これからはずっと強い魔法が使えるの?」
『いや、魔術痕にも制限回数が存在する。恐らく、3度か4度目の時点で効果を失うだろう……使い所を間違えるなよ』
「分かった。それとさっきの質問だけど……深淵の森に棲むバジリスクを知っているの?」
『無論だ。奴は我の住処を奪い取り、そしてオーク共を森の外に追い出した元凶だ』
「えっ!?」
バイコーンの言葉にレナは驚愕し、バジリスクの存在を知っていただけでも彼の予想外だったが、バイコーンの住処が深淵の森であり、しかもバジリスクに追い払われたという話に動揺する。
「どうしたんだ?バイコーンは何を言っているんだ?」
「それが……このバイコーンは元々は深淵の森に住んでいたけど、バジリスクに追い払われたって……」
「本当かい?そいつは災難だったね……」
「それにオークが森の外に出現するようになったのは自分が深淵の森から追い出された事が原因だって言ってるけど……」
「どういう事だ?バイコーンとオークに何の関係が……」
「待ちな……そう言えば以前にミキさんが言っていたね。バイコーンは肉食だって聞いていたけど……まさか」
『そこの人間の女の言う通り、我は深淵の森に住んでいた時は森の外に出て行こうとするオークを捕食していた。奴等は狡猾で森の中に存在する間は上手く隠れて見つけるのが困難だからな……だから人間を狙って森の外に離れたオーク共を糧にしていた。奴等は人間の肉を好む傾向があるからな……少なくとも数か月前までは我は外に抜け出そうとするオークだけを捕食していた』
「だから前は村や町の被害は少なかったのか……でもバジリスクが現れたせいで……」
『すまない……実は我は昔、ある人間に命を救われた事がある。彼との約束のため、我は深淵の森を終生の住処と決めて森の魔物を抑えていたのだが、唐突に現れた奇妙なオークの集団がバジリスクを森の奥から引き連れて来た』
「奇妙な……集団?」
レナの脳裏に随分前になるが草原で自分達を襲撃したオークの事を思い出し、特に根拠はないがバイコーンが遭遇したというオークの集団と何らかの関係があるのかと予測すると、次のバイコーンの言葉で彼の疑問は確信に変わった。
『オークの中にはゴブリンのように人間から武器を奪い、装備する奴も存在するが奴等は違った……我が遭遇したオーク共もは人間の武器を完全に使いこなし、並の冒険者など比較にならない技量を持っていた。奴等との戦闘の際、我は額の角を破損してしまった……この角は我の魔力の源であり、力の大半を失った我はバジリスクに敗れ、森の中から追い払われた……今日まで生きて来たのが奇跡としか言いようがない』
「オークが……!?」
『だが、感謝するぞ人間の子供よ……お前のお蔭で我は完全に力を取り戻した。今度こそ、奴等を駆逐してやろう!!お前には世話になったな……礼の代わりに我の名前を呼ぶことを許す。我の名前は「アトラ」だ!!それではさらばっ!!』
「あっ!?」
「うわっ!?」
「わうっ!?」
『おわっ』
「うわぁっ!?馬が喋っ……!?」
会話を終えたバイコーンの「アトラ」は別れの言葉を告げて駆け出し、巨体からは想像できない速度で移動を行い、深淵の森に向けて走り出す。
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