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「見て!モニカ!!魚が跳ねてるわ!」
「お嬢様!今日こそは釣りますよ!!」
我儘になると決意を固めてから数日、私とモニカは遊び倒していた。それで最近ハマったのは釣りだ。
ピクピクと手に伝わる竿の感覚が楽しくて、毎日海に釣りに来ている。日焼けが…と最初は渋っていたモニカもどハマりしたらしく、私に大量の日焼け止めを塗り日陰で釣りが楽しめるポイントを自ら探して来たくらいだ。
「今日こそは私が釣った魚をお嬢様のディナーにお出しするんです!!」
「あはは!モニカったら、昨日も聞いたわよ、それ」
「くっ…中々奴らは頭が良いのですよ…」
悔しげに呟くモニカは、針に餌を付けてぽちゃんと水面に投げた。私もせっせと餌を付けては、同じように投げる。しかし、ピクピクとアタリはあるものの、いつの間にか餌だけ無くなっているという現象に毎日頭を悩ませている。
そう、一匹も釣れていない。
「あっ…!また餌だけ…」
「あら、私もだわ」
竿を上げると餌の無くなった針だけがゆらゆらと揺れている。
「難しいわねぇ、釣りって」
「そうですねぇ、相手も死活問題ですからねぇ」
「確かに、魚からすれば私達は美味しい餌で罠を掛ける悪人でしょうね」
「まぁっ!せめて悪女に致しません?何か、こう…良い感じでしょう?」
「あははは!良い感じって何よ?」
そんな具合に毎日楽しく生きている。彼らの事は、思い出してもすぐに違う楽しい事でかき消されていくのだ。どちかと言えば、今は目の前で餌を取っていく魚を釣る方が大事である。
「釣れてるか?ティアラ」
「あっ!テオ!!いいえ、魚に出し抜かれてばっかりで全く釣れないわ」
「ははは!そりゃ大変だ!でも喜べ、俺が釣りの天才をつれてきてやったぞ」
「まぁ!そうなの?」
「あぁ、今準備してるよ、ほら、あいつだ」
テオが指差す先には真っ赤な髪を揺らし、日に焼けた肌の男性が釣り竿を持って歩いてくる所だった。
「リーン、こっちだ」
「待たせた、すまん」
手を上げて笑う彼は爽やかな雰囲気の男性だった。
日焼けした肌に真っ白な歯が印象的な人。
「ティアラ、お前の釣りの師匠になるリーンハルトだ。ジェラス商会の跡取り息子だ」
「まぁ!あのジェラス商会の?私、ティアラ・シュバルツです。よろしくお願いします」
「シャリエ様のお孫さん…ですか。初めまして、リーンハルト・ジェラスです。リーンとお呼び下さい」
にこっ!綺麗な笑顔を正面から貰い、私は目を奪われてしまった。爽やか!!爽やかだわ!!レモンケーキみたい!!
「リーン様…私達、未だに魚を釣った事がないのです。ご教授願えますか…」
「は…あはは!そんなに畏まらなくても!!すぐに釣れますよ」
「でも…私も侍女のモニカも…全くで…」
「どうしても私が釣った魚をお嬢様のディナーにしたくて…お願いします!リーン様!」
リーン様は一瞬驚いて、「わかりました」と笑い出した。彼は針に餌を付けて、ぽちゃんと海に投げる。
「ここまでは多分、一緒です」
「はい、そうです」
「問題はここからですかね」
「は、はい!!」
私とモニカは目を皿のようにしてじっとリーン様を見ていた。一瞬たりとも気が抜けない。どこに問題点が眠っているかわからないのだから。
「あ、ピクピクしてますわ」
「そうですね、そろそろ釣り上げますよ」
「え!?もう!?」
「いきますよ、ほらっ!」
リーン様が竿を上げると針の先にピチピチと魚が掛かっていた。
「あっ!!」
「お嬢様!!魚です!!釣れています!!凄い!!」
「ね?簡単でしょう?」
リーン様は針から魚を外してぽいっと水に沈めた網にそれを入れた。
「ピクピクとなる瞬間はわかるのですが…竿を上げたらいつもいないのです」
「引き上げるタイミングが少しずれているんでしょうね」
「タイミング…」
「そうです」
私達はそのタイミングがわからないでいた。モニカはどうしても釣りたいからと、リーン様に横で「今!」と言ってもらっていた。
「お嬢様!!釣れましたよ!!ほら!!!」
モニカの嬉々とした声が聞こえて振り返ると小さな魚がピチピチと跳ねていた。モニカは興奮した様子で魚を針から外していたが、ぴちりっと元気よく動いた魚はそのままモニカの手を離れ。
ぽちゃんっ!!
「あーっ!!」
元いた海に帰って行きましたとさ…。
私達はその後もリーン様に色々と教えて頂き、大物を狙うべく毎日海に出掛けていた。
そんな時、一通の手紙が届き…穏やかな日々が終わりを告げると知る。
この地に来てから二週間が経っていた。
「お嬢様!今日こそは釣りますよ!!」
我儘になると決意を固めてから数日、私とモニカは遊び倒していた。それで最近ハマったのは釣りだ。
ピクピクと手に伝わる竿の感覚が楽しくて、毎日海に釣りに来ている。日焼けが…と最初は渋っていたモニカもどハマりしたらしく、私に大量の日焼け止めを塗り日陰で釣りが楽しめるポイントを自ら探して来たくらいだ。
「今日こそは私が釣った魚をお嬢様のディナーにお出しするんです!!」
「あはは!モニカったら、昨日も聞いたわよ、それ」
「くっ…中々奴らは頭が良いのですよ…」
悔しげに呟くモニカは、針に餌を付けてぽちゃんと水面に投げた。私もせっせと餌を付けては、同じように投げる。しかし、ピクピクとアタリはあるものの、いつの間にか餌だけ無くなっているという現象に毎日頭を悩ませている。
そう、一匹も釣れていない。
「あっ…!また餌だけ…」
「あら、私もだわ」
竿を上げると餌の無くなった針だけがゆらゆらと揺れている。
「難しいわねぇ、釣りって」
「そうですねぇ、相手も死活問題ですからねぇ」
「確かに、魚からすれば私達は美味しい餌で罠を掛ける悪人でしょうね」
「まぁっ!せめて悪女に致しません?何か、こう…良い感じでしょう?」
「あははは!良い感じって何よ?」
そんな具合に毎日楽しく生きている。彼らの事は、思い出してもすぐに違う楽しい事でかき消されていくのだ。どちかと言えば、今は目の前で餌を取っていく魚を釣る方が大事である。
「釣れてるか?ティアラ」
「あっ!テオ!!いいえ、魚に出し抜かれてばっかりで全く釣れないわ」
「ははは!そりゃ大変だ!でも喜べ、俺が釣りの天才をつれてきてやったぞ」
「まぁ!そうなの?」
「あぁ、今準備してるよ、ほら、あいつだ」
テオが指差す先には真っ赤な髪を揺らし、日に焼けた肌の男性が釣り竿を持って歩いてくる所だった。
「リーン、こっちだ」
「待たせた、すまん」
手を上げて笑う彼は爽やかな雰囲気の男性だった。
日焼けした肌に真っ白な歯が印象的な人。
「ティアラ、お前の釣りの師匠になるリーンハルトだ。ジェラス商会の跡取り息子だ」
「まぁ!あのジェラス商会の?私、ティアラ・シュバルツです。よろしくお願いします」
「シャリエ様のお孫さん…ですか。初めまして、リーンハルト・ジェラスです。リーンとお呼び下さい」
にこっ!綺麗な笑顔を正面から貰い、私は目を奪われてしまった。爽やか!!爽やかだわ!!レモンケーキみたい!!
「リーン様…私達、未だに魚を釣った事がないのです。ご教授願えますか…」
「は…あはは!そんなに畏まらなくても!!すぐに釣れますよ」
「でも…私も侍女のモニカも…全くで…」
「どうしても私が釣った魚をお嬢様のディナーにしたくて…お願いします!リーン様!」
リーン様は一瞬驚いて、「わかりました」と笑い出した。彼は針に餌を付けて、ぽちゃんと海に投げる。
「ここまでは多分、一緒です」
「はい、そうです」
「問題はここからですかね」
「は、はい!!」
私とモニカは目を皿のようにしてじっとリーン様を見ていた。一瞬たりとも気が抜けない。どこに問題点が眠っているかわからないのだから。
「あ、ピクピクしてますわ」
「そうですね、そろそろ釣り上げますよ」
「え!?もう!?」
「いきますよ、ほらっ!」
リーン様が竿を上げると針の先にピチピチと魚が掛かっていた。
「あっ!!」
「お嬢様!!魚です!!釣れています!!凄い!!」
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リーン様は針から魚を外してぽいっと水に沈めた網にそれを入れた。
「ピクピクとなる瞬間はわかるのですが…竿を上げたらいつもいないのです」
「引き上げるタイミングが少しずれているんでしょうね」
「タイミング…」
「そうです」
私達はそのタイミングがわからないでいた。モニカはどうしても釣りたいからと、リーン様に横で「今!」と言ってもらっていた。
「お嬢様!!釣れましたよ!!ほら!!!」
モニカの嬉々とした声が聞こえて振り返ると小さな魚がピチピチと跳ねていた。モニカは興奮した様子で魚を針から外していたが、ぴちりっと元気よく動いた魚はそのままモニカの手を離れ。
ぽちゃんっ!!
「あーっ!!」
元いた海に帰って行きましたとさ…。
私達はその後もリーン様に色々と教えて頂き、大物を狙うべく毎日海に出掛けていた。
そんな時、一通の手紙が届き…穏やかな日々が終わりを告げると知る。
この地に来てから二週間が経っていた。
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