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「全てを言い終わったブランシュ様は、あなたがやっと本音を言ったから私の本音も教えてあげるって殿下に言った」
「ブランシュ様の…本音…」
「うん、ブランシュ様は周りの言いなりだった殿下がずっと嫌いだった、と」
「……それは…」
見てればわかった。ブランシュ様が殿下を見る目に恋情はないという事は。きっと誰しも知っている。
仕事上のパートナーが一番しっくりくるような、そんな視線。
でも、だからってアリーシャに愛を告げるのは違うと思うの。全部精算してからなら、まだわかるけど。被ってる時期があるのは、ブランシュ様にも失礼だし、シュダイン侯爵家にも失礼よ。アリーシャが「今はまだ」と跳ね除けられれば良いけれど、初めての恋だからそれは無理でしょうね。
「ブランシュ様は、自分にも添い遂げたい方がいる、と。殿下よりも見た目も中身も遥かに上で、正直あなたが石ころに見えるくらいの人だ、と」
「…は…?」
「それでも自分は、婚約者がいるからと泣く泣く気持ちに蓋をして来たのに、お前は何だ!って…。そんな事ならもっと早く言え、と」
「…それで…ブランシュ様は…?」
私は恐る恐るその結果を聞いた。まさか、ブランシュ様は…。
「そこからはブランシュ様が陛下と公爵様を説得するシナリオを書き上げて…つい数日前に両者合意で円満に婚約解消が決まった。ちなみに、ブランシュ様はもう国内にはいない」
「えぇ!?」
「少し離れたアマンダ国の第三王子の元に行かれた」
「………」
驚愕の事実だわ…。ここ数年で良質のダイヤを採掘して大きくなった国。確か数回パーティーに来ていたような…。でも、接点なんてあった!?第三王子なんて来てた!?
「第三王子はこの国にもともといたんだ」
「え?そ、そうなの?」
「あぁ、リアの彫金師に弟子入りしてたそうだ。それで、公爵家に商品を持っていった時にブランシュ様と出会ったらしい。最近までブランシュ様は王子だったとは知らなかったと言っていた」
「まるで小説みたいね…」
運命的な出会いを果たした二人を結ぶ赤い糸が存在したという事なのかしら。ブランシュ様がお幸せそうなら私は嬉しいけれど。いよいよ私が悩んだ日々が無駄に思えてならないわ。
「お義父さんに、殿下のやり方は間違っていると指摘を受けて…結局殿下とアリーシャの婚約は叶わなかったんだ」
「間違いだらけでしょ、そりゃ」
「やっぱり、ブランシュ様と婚約中にアリーシャと仲良くなったのが……」
「それだけ?」
「え?」
リュダールは本当にそれだけだと思っているんだろうか。それだけな訳がないじゃない。湖に石を投げ入れたとして、それがどれだけ小さな物でも波紋は生まれるのだ。それは予想を遥かに超える所にまで広がる。目の前の水面だけじゃない。ずっともっと向こうの向こう岸にまでたどり着く事だってあるのに。
「ねぇ?そもそも疑問だったんだけど…あなた達は私を馬鹿にしてるの?」
「え…そんな事は…」
「いわば王家の話だから、言えないのはわかるとしても。最初から隠すって事が破綻してるとは思わないの?」
「破綻…」
「素人の私にでさえ、あなたの様子がいつもと違うって思ったから後をついて行ったらあの密会だったわけよ」
「……ごめん…」
リュダールは謝るけれど、そうじゃないのよ。護衛として、そんな簡単に見抜かれるって。しかも隠しきれてないって。いっそ堂々としてた方が私に何も思われなかったんじゃないの、と。だってそれが、いつもの風景だもん。
「私にすぐに気付かれるくらいだから、王家の方はもう知ってたんじゃないの?知ってて泳がされてた、とか」
「あ……え?そんな事…」
「試されてたとか?どうやって実を結ぶか」
「…っ!!…まさか…」
「ブランシュ様も共犯だったり?」
「……」
リュダールは難しい顔をして黙ってしまった。今頃ぐるぐる考えてるんだろうなぁ。でも、全体を見てないからきっとわからないんだろう。ブランシュ様なら、今後の流れを読めたはず。なのに何も言ってないと言う事は……。
「周りや相手をちゃんと見てればわかる事なのよ。でもあなたも、殿下も、アリーシャもちゃんと見てないでしょう?」
「…それは…」
「答えは出てるじゃないの。見えてなかったから、私はこうしてここにいる。そして、殿下とアリーシャは婚約を許されなかった。違う?」
「ち、違わない…」
私は何度も表情に出してたし、最後には聞いたわ。それを自分の都合で無視したのはあなたでしょ。
「ねぇ、本当に私を愛しているならどうして内緒にしようとしたのかしら?アリーシャに頼まれたのもあるけれど、まだあるでしょう?理由」
「……ティアラに無許可で物を集めてると知られたら、気持ち悪がられて嫌われるのが…こ、怖かった…」
「結局自分の為に私を犠牲にしたんでしょう?嘘を吐かれた私の気持ちも考えずに」
「……っ…ごめん…」
「謝って欲しい訳じゃないの、どうせそんなのすぐ忘れちゃうんでしょ?」
リュダールの目には涙がうっすらと溜まっている。虐めてるみたいじゃないの、悪いのはあなた達なのに。
私は呆れたように溜息を吐いた。
「ブランシュ様の…本音…」
「うん、ブランシュ様は周りの言いなりだった殿下がずっと嫌いだった、と」
「……それは…」
見てればわかった。ブランシュ様が殿下を見る目に恋情はないという事は。きっと誰しも知っている。
仕事上のパートナーが一番しっくりくるような、そんな視線。
でも、だからってアリーシャに愛を告げるのは違うと思うの。全部精算してからなら、まだわかるけど。被ってる時期があるのは、ブランシュ様にも失礼だし、シュダイン侯爵家にも失礼よ。アリーシャが「今はまだ」と跳ね除けられれば良いけれど、初めての恋だからそれは無理でしょうね。
「ブランシュ様は、自分にも添い遂げたい方がいる、と。殿下よりも見た目も中身も遥かに上で、正直あなたが石ころに見えるくらいの人だ、と」
「…は…?」
「それでも自分は、婚約者がいるからと泣く泣く気持ちに蓋をして来たのに、お前は何だ!って…。そんな事ならもっと早く言え、と」
「…それで…ブランシュ様は…?」
私は恐る恐るその結果を聞いた。まさか、ブランシュ様は…。
「そこからはブランシュ様が陛下と公爵様を説得するシナリオを書き上げて…つい数日前に両者合意で円満に婚約解消が決まった。ちなみに、ブランシュ様はもう国内にはいない」
「えぇ!?」
「少し離れたアマンダ国の第三王子の元に行かれた」
「………」
驚愕の事実だわ…。ここ数年で良質のダイヤを採掘して大きくなった国。確か数回パーティーに来ていたような…。でも、接点なんてあった!?第三王子なんて来てた!?
「第三王子はこの国にもともといたんだ」
「え?そ、そうなの?」
「あぁ、リアの彫金師に弟子入りしてたそうだ。それで、公爵家に商品を持っていった時にブランシュ様と出会ったらしい。最近までブランシュ様は王子だったとは知らなかったと言っていた」
「まるで小説みたいね…」
運命的な出会いを果たした二人を結ぶ赤い糸が存在したという事なのかしら。ブランシュ様がお幸せそうなら私は嬉しいけれど。いよいよ私が悩んだ日々が無駄に思えてならないわ。
「お義父さんに、殿下のやり方は間違っていると指摘を受けて…結局殿下とアリーシャの婚約は叶わなかったんだ」
「間違いだらけでしょ、そりゃ」
「やっぱり、ブランシュ様と婚約中にアリーシャと仲良くなったのが……」
「それだけ?」
「え?」
リュダールは本当にそれだけだと思っているんだろうか。それだけな訳がないじゃない。湖に石を投げ入れたとして、それがどれだけ小さな物でも波紋は生まれるのだ。それは予想を遥かに超える所にまで広がる。目の前の水面だけじゃない。ずっともっと向こうの向こう岸にまでたどり着く事だってあるのに。
「ねぇ?そもそも疑問だったんだけど…あなた達は私を馬鹿にしてるの?」
「え…そんな事は…」
「いわば王家の話だから、言えないのはわかるとしても。最初から隠すって事が破綻してるとは思わないの?」
「破綻…」
「素人の私にでさえ、あなたの様子がいつもと違うって思ったから後をついて行ったらあの密会だったわけよ」
「……ごめん…」
リュダールは謝るけれど、そうじゃないのよ。護衛として、そんな簡単に見抜かれるって。しかも隠しきれてないって。いっそ堂々としてた方が私に何も思われなかったんじゃないの、と。だってそれが、いつもの風景だもん。
「私にすぐに気付かれるくらいだから、王家の方はもう知ってたんじゃないの?知ってて泳がされてた、とか」
「あ……え?そんな事…」
「試されてたとか?どうやって実を結ぶか」
「…っ!!…まさか…」
「ブランシュ様も共犯だったり?」
「……」
リュダールは難しい顔をして黙ってしまった。今頃ぐるぐる考えてるんだろうなぁ。でも、全体を見てないからきっとわからないんだろう。ブランシュ様なら、今後の流れを読めたはず。なのに何も言ってないと言う事は……。
「周りや相手をちゃんと見てればわかる事なのよ。でもあなたも、殿下も、アリーシャもちゃんと見てないでしょう?」
「…それは…」
「答えは出てるじゃないの。見えてなかったから、私はこうしてここにいる。そして、殿下とアリーシャは婚約を許されなかった。違う?」
「ち、違わない…」
私は何度も表情に出してたし、最後には聞いたわ。それを自分の都合で無視したのはあなたでしょ。
「ねぇ、本当に私を愛しているならどうして内緒にしようとしたのかしら?アリーシャに頼まれたのもあるけれど、まだあるでしょう?理由」
「……ティアラに無許可で物を集めてると知られたら、気持ち悪がられて嫌われるのが…こ、怖かった…」
「結局自分の為に私を犠牲にしたんでしょう?嘘を吐かれた私の気持ちも考えずに」
「……っ…ごめん…」
「謝って欲しい訳じゃないの、どうせそんなのすぐ忘れちゃうんでしょ?」
リュダールの目には涙がうっすらと溜まっている。虐めてるみたいじゃないの、悪いのはあなた達なのに。
私は呆れたように溜息を吐いた。
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