【完結】ツンデレ妖精王が、獅子だけど大型ワンコな獣人王にとろとろに愛される話

古井重箱

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 ガルトゥスに宿題を出されてから、1週間が経とうとしていた。
 レクシェールは宮殿で執務をこなしながら、ずっと答えを探していた。
 どうやら自分は、かの獣人王に恋情を抱かれているらしい。

「恋、それは引き返せない道。愛に至ることがなければ、わたしの命は果ててしまうでしょう」

 本日、宮殿では吟遊詩人による演奏会が開かれていた。
 いつもは英雄が活躍する叙事詩を好むレクシェールであったが、今日は恋の歌を披露するように吟遊詩人に命じた。
 広間に集った侍女たちはうっとりとした表情で美声に耳を傾けている。

「ただ一目会えたのならば、この身は花びらのように散ろうともかまわない。あなたが欲しい」

 吟遊詩人が片恋を切ない声で歌い上げる。
 哀愁を帯びた旋律を聞いているうちに、レクシェールの心の中にあった、氷のようなものが溶け出していった。

——私は……何を守ろうとしていたのだろう。

 意地になって、気づかないふりをしていた。この感情に名前をつけることを恐れていた。

——ガルトゥス。私は貴君のことが……。

 その瞬間、レクシェールの背中から翼が生えた。
 光の粒を集めてできた七色の翼が大きく羽ばたいて、レクシェールの痩躯が空に浮かび上がる。
 妖精王の羽ばたきを目にした家臣たちは、拍手を送った。
 
「行ってらっしゃいませ、レクシェール様!」

 補佐官のユイナが手を振っている。
 誰もがレクシェールに行き先を訊ねなかった。
 七色の翼は、ひたむきに獣人国を目指した。
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