私が嫁ぐ予定の伯爵家はなんだか不穏です。

しゃーりん

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2人きりになってすぐ、サリューシアは疑問に思っていたことを聞いた。


「テオルド様、リズさんがティム様…ティムさんの恋人だと知っていたのですか?」


サリューシアの問いはもっともだった。
リズはテオルドが連れていたビリーと一緒に幌馬車で王都にやってきたのだ。
当然、偶然とは思えないだろう。 


「体調が良くなってから、腹違いの弟だと思っていたティムが住んでいた場所に行ってみたんだ。
 そこでティムの母の話や恋人のリズ、子供のリムの話を聞いてね。
 リズがティムに会いたいようだったから、王都に連れて行くようビリーに頼んだんだ。
 ビリーは領地の屋敷の使用人だ。僕の侍従として今は動いてもらっている。
 僕もロンバード医師に会って薬のことを聞きたかったからね。王都に来た。
 いろいろ確認を終えてから纏めて対処しようと思ったから遅くなってごめんね。」
 

テオルドは領地に行ってからの話をしてくれた。




 
ティムが腹違いの弟として王都の屋敷にやってきた時から、父が跡継ぎの変更を考えていることはわかっていた。

やがて、何日か続けて病状が悪くなり、もうダメかと思った。

そんな時、跡継ぎの変更と婚約も解消して代わりにティムがサリューシアの婚約者になると言われた。

領地で静養すればいいと言われ、ここから離れてみるのもいい気がした。
2人が仲良くなる姿は見たくない。

それに、ずっと薬を怪しいと思ってきたから。
だが、病状に一貫性がないことから、何が正しいかがわからなくなっていた。

このまま医師を変えてくれないのであれば、領地に行けば違う医師に診てもらえると思った。

領地に向かう準備でバタバタしている使用人の目を盗んで、何回か薬を飲んだフリをした。 
病状が悪くなることはなかった。

領地に向かってから全く薬は飲まなかった。
逆に体調はよくなったように感じた。

やはり、この薬があやしい。

領地に着いてからは、使用人たちには誤魔化しつつ、医師にも診てもらった。
これまでのことを説明し、大量に渡された怪しい粉薬を調べる方法も聞いた。
そして成分を調べてくれる研究者に依頼すると、いろんな種類の良くない成分が出たと言われた。

この中から適当に選んで飲むだけで、毎日違う症状に見舞われることになるという。
毒もあったが、体に蓄積していた毒の量は思ったほど多くなく、徐々に排出される薬を飲み始めた。

ロンバード医師がなぜ長年こんな薬を処方していたのか、それがわからなかった。 
違う医師を呼ばなかった母もおそらく関与している。そう思った。

体から薬の影響が抜けてからは体力作りに励んだ。
ろくに歩くこともままならなかったせいで、筋力が衰えていたからだ。
数か月かけて、人並みの体形を取り戻した。

領地の屋敷の使用人を味方につけて、王都への連絡は小康状態と伝えてもらっていた。



そして、父の愛人が暮らしていた場所を聞き、ティムがどういう生活をしていたかを知ろうと思った。

ブルーエ家の跡継ぎの座とサリューシアの婚約者の座を自分に取り戻したい。
貴族になってまだ1年半ほどのティムとずっと病弱だった自分との差は、嫡子か庶子かの違いくらいしかない。
元気になった姿を父は喜んでくれて跡継ぎに戻してくれるはずだと期待しているが、そうするとティムをどうするかが問題だ。
貴族として暮らすのであれば、自分を手伝ってくれてもいい。
だが、平民時代の生活に戻りたいと言うならば、それもいい。

そんな気持ちでティムの以前の生活を知りたくなったのだ。










 
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