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しおりを挟む父がティムを調査した時の簡単な書類で、住まいや仕事のことなどはわかった。
書類は真新しいものしかなく、養育費などは母親カラの方に纏めているのだと思っていた。
住まいの近くに行き、カラという女性と息子のティムがこの辺に住んでいたらしいが?と聞いた。
「あぁ、カラは亡くなったよ。ティムは王都に行ってまだ帰って来ていない。困ったもんだ。」
「え?ティムは帰ってくるはずだったのでしょうか。」
「ん?ミナがそう言ってたよ。間違いに気づいて帰ってくるって。」
「間違い?そのミナさんという方はどちらに……」
「ミナはそこの家に住んでるよ。」
女性が指さした家に向かい、扉を叩くと女性が出てきた。
「ミナさん、ですか?私は王都でティムと知り合った者です。」
「あぁ、ティムはどうして帰って来ないの?伯爵家を追い出されて王都で働き始めた?
あなた、ティムの居場所を知っているならリズとリムのことを知らせてやってよ。」
どうしてティムが帰ってくると思っているんだ?それに王都で働く?
「申し訳ありませんが、あなたの言っていることがさっぱりわかりません。
そのリズとリムという方々はティムとどういう関係ですか?」
「リズはティムの恋人。ティムが王都に行ってから妊娠に気づいてリムを産んだの。
ティムが帰って来るのを待ってるのに、あの子はリズを捨てて王都で働いてるの?」
「恋人と子供、がいるのですね。なぜティムが王都で働いていると?」
「だってティムは伯爵様の子供じゃないもの。
まさか勘違いして連れて行かれるとは思ってなかったから。
ティムが王都に向かった時は私は留守にしていたの。
あの子がまさか自分の父親のことを知らなかったとは思ってなかったから。
カラは話してなかったんだね。
勘違いに気づいて追い出されたら帰ってくると思っていたのに帰って来ないし。
そのまま王都で働いているのかと思って。……まさか勘違いに気づかずに貴族になってるとか?」
テオルドの表情を見て、ミナも気づいた。
王都で働いているのではなく、息子だと思われたまま貴族令息になっているのだと。
そもそも本人も知らないのに誰が勘違いだと指摘できるというのか。
「え……どうしよう。多分、あの子は本当に父親が誰か知らなかっただけなの。
伯爵様に嘘をついたって言われて罰せられないよね?向こうの勘違いでもあるんだから。」
「ティムの父親は誰なのです?」
ミナは、カラが伯爵の子供を流産したことと、その後に付き合った男の子供がティムであること。
産み月をずらしたのは、自分の子供だと思った伯爵が援助してくれるかも?なんて愚かな期待をしたからだと言う。
「だけど、実際はそんな恐ろしい嘘をつけなくて、養育費を請求したことなんてないし。」
後に屋敷で確認したことでわかったが、父はカラと、わずかふた月ほど領地に来た期間に愛人関係になっただけで、妊娠したと聞いて父は逃げたらしい。
つまり、ずっと援助をしていたと思っていたのはテオルドの勘違いだ。
養育費の書類がないわけだ。
しかも本当に産んだかどうかも知らなかったらしく、昨年、先に確かめに行かせてティムの産まれ月から自分の子供だと確認したと知って呆れた。
もっと慎重に調査をして我が子であるか確認するべきだろう?
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