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しおりを挟むシャーロットは悩んでいた。
誰かと一緒に眠ったことなどない。
つまり、真ん中より右か左か……どちら側で寝るべきなのかがわからなかった。
腕を組んで首を傾げながら考えていると、マックスが寝室に入ってきた。
「……どうした?」
「右と左、マックスはどっちがいい?」
「……んなこと考えたことなかったな。ひとまずこっちで。」
そう言ってマックスはさっさとベッドに入ってしまった。
シャーロットは明かりを落とし、マックスの隣に入った。
「……誰かと眠るって何だか変な感じだわ。」
「そのうち慣れるだろ。眠れないなら初夜にするか?」
「……今日はエンリョさせていただきマス。」
「なら疲れてるんだから、早く寝ろ。」
確かに。
卒業式と卒業パーティーを終えて、王宮に荷物を取りに行って、脱出してきた。
その後、教会でマックスと結婚して、この住処にやってきた。
美味しい料理をいただいて、湯を浴びて、今は気持ちのよいベッドの上。
平民になったのに使用人がいてくれたお陰で、何もせずに済んだ。
マックスが家具の手配をしてくれたお陰で、こうしてベッドで眠れる。
自分ひとりでは何もできなかった。
平民になれたのに、平民への道がまだ遠く感じる。
……でも自由になれて嬉しい。
ウフフっと夢うつつで笑い、シャーロットは眠りに吸い込まれていった。
その隣で、マックスが悶々としていたことにも気づかずに。
シャーロットが薄い夜着で腕を組んで、大きな胸の膨らみが露わになって強調されていたため、マックスは釘付けになりそうな目を逸らすためにベッドに入った。
そして無防備にも幸せそうに笑って眠ってしまったシャーロットが可愛くて仕方なかったのだ。
「12歳も年上ががっつくわけにいかなかったが、長く我慢なんてできねぇぞ?」
そう呟いたマックスは、シャーロットを後ろから抱きしめながら眠りについた。
翌朝、シャーロットは暖かくて気持ちいいと思いながら目覚めた。
すると、目の前にはマックスの顔があり、マックスの腕がシャーロットの背中にあったのだ。
突然の状況に、シャーロットは固まった。
「そうだった。結婚したのだったわ。一緒に眠ったらこうして近づいてしまうこともあるのね。」
「……意外と冷静だな。」
「あら。起きていたの?」
「いや、ちょうど目覚めたところだ。悲鳴を上げるかと思ったよ。」
「驚いたけど、マックスとは何度もダンスの練習をしたし。この距離も見慣れているから。」
顔が近くても、手が背中にあっても、嫌だとは思わない。
「新婚初めての朝だな。おはよう、奥様。」
そう言って、マックスがシャーロットの額にキスをした。
「え……?」
シャーロットはびっくりして額に手を当てた。
「どうした?朝の挨拶だ。」
「あ、挨拶ね。おはよう、旦那様?」
シャーロットは少し頭を上げてマックスの頬にキスをした。
これでいいのかしら?
シャーロットは、一緒に眠った夫婦の朝の挨拶など知らない。
ただ、たとえ額でもキスをされたのは初めてだったし、たとえ頬でもキスをしたのが初めてだったと気づき、後になってすごく恥ずかしくなった。
でも、夫婦になっていくのが楽しく思えた。
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